JPS6229049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はエアクリーナなどに用いられるフイル
タエレメントに関し、とりわけ該フイルタエレメ
ントをケースに取付ける部分の構造に関する。

《従来の技術及びその問題点》 一般に内燃機関等に用いられるエアクリーナ
は、例えば第５図に示すようにクリーナケース１
内にフイルタエレメント２を収納し、空気取入口
３からクリーナケース１内に導入された空気は前
記フイルタエレメント２を通過して濾過され、こ
の濾過された空気は供給口４から図外のキヤブレ
タに供給されるようになつている。ところで、か
かる従来のエアクリーナにあつては、フイルタエ
レメント２クリーナケース１への取付けは、該フ
イルタエレメント２の枠体５からフランジ６を突
設し、このフランジ６を前記クリーナケース１の
容器７とカバー８との間にパツキング９を介して
挟着、固定されるようになつていた。すなわち、
前記フランジ６は従来金属板などの硬質部材で形
成されていたため、該フランジ６部分の気密性を
保持するため前記パツキング９などのシール材が
必要となつてくる。このため、シール材により部
品点数の増加が余儀なくされ、組付作業性悪化と
相俟つてコストが高くなつてしまうという問題点
があつた。

そこで、本考案は前記フランジ自体にシール材
機能をもたせることにより部品点数の削減を図る
ようにしたフイルタエレメントの取付構造を提供
することを目的とする。

《問題点を解決するための手段及びその作用》 かかる目的を達成するために本考案のフイルタ
エレメントの取付構造は、折曲稜線が放射状に形
成された環状の濾紙と、この濾紙を中心側に向け
て上方に傾斜するようにその内外周縁部が埋設さ
れた軟質弾性体からなる内外方枠体と、前記外方
枠体に一体成形された取付用フランジとを備え、
この取付用フランジを環状のケースに直接挟着固
定して、前記濾紙の上下に略三角形断面の環状空
間を画成するように構成し、これによりエアクリ
ーナの全高を小さくしつつ、且つ軟質弾性部材で
形成された取付用フランジ自体でシール機能が行
なわれ、その他のシール材が廃止されるようにな
つている。

《実施例》 以下本考案の実施例を図に基づいて詳細に説明
する。

第１図は本考案の一実施例を示すフイルタエレ
メント１０の取付構造を示し、内燃機関のエアク
リーナ１２に適用した場合を例にとつて説明す
る。

すなわち、該エアクリーナ１２は従来と同様に
容器１４とカバー１６とで構成される環状のクリ
ーナケース１８内に、前記フイルタエレメント１
０が収納されることにより形成されている。前記
カバー１６周縁には空気取入口２０が形成される
とともに、前記容器１４の底部中央には供給口２
２が形成され、この供給口２２は図外のキヤブレ
タに連通されている。前記カバー１６の中央部は
下方に凹設され、その中央部に固定ボルト２４を
挿通するボス部２６が設けられるとともに、容器
１４には前記固定ボルト２４のステー２８が付設
され、このステー２８のボルト挿通口２８ａから
上方に向かつて挿入された前記固定ボルト２４に
前記ボス部２６を挿通し、蝶ナツト３０を前記固
定ボルト２４に螺合して締付けることにより、容
器１４とカバー１６の固定が行なわれるようにな
つている。

一方、前記フイルタエレメント１０は第２図、
第３図に示すように放射状に折曲された環状の濾
紙３２と、この濾紙３２の内周縁部および外周縁
部に装着される内方枠体３４および外方枠体３６
とによつて構成されている。これら内、外方枠体
３４，３６は各々軟質弾性部材例えば軟質系の合
成樹脂で形成され、この内、外方枠体３４，３６
内には第４図に示すように前記濾紙３２の内周縁
部および外周縁部が埋設されて装着されている。

また、上記濾紙３２は中心側に向けて上方に傾
斜して内、外枠体３４，３６に埋設され、第１図
に示すようにエレメント１０をケース１２に装着
すると、濾紙３２と容器１４とカバー１６との内
周面とで、濾紙３２の上下に略三角形断面の環状
の空間が画成され、この空間を空気が流通するた
め、エアクリーナの全高を小さくできるようにな
つている。

そして、前記内方枠体３４の内周からは前記固
定ボルト２４に挿通される取付用フランジとして
の内方フランジ３８が一体成形により設けられる
とともに、前記外方枠体３６の外周からは取付用
フランジとしての外方フランジ４０が一体成形に
より設けられている。そして、前記内方フランジ
３８は固定ボルト２４に挿通して、前記ボス部２
６と前記ステー２８間に位置させるとともに、前
記外方フランジ４０を容器１４とカバー１６の
各々の周縁部間に位置させて前記蝶ナツト３０を
締付けることにより、内方フランジ３８はボス部
２６とステー２８間に、外方フランジ４０は容器
１４周縁とカバー１６周縁間に各々押圧的に挟着
されて固定されるようになつている。

以上の構成により、本実施例のフイルタエレメ
ント１０の取付構造にあつては、内方フランジ３
８および外方フランジ４０が各々軟質系の合成樹
脂で形成されるため、ボス部２６、ステー２８間
および容器１４、カバー１６の周縁部間に挟着さ
れた際、自らの弾性力でシール機能を発揮し、ク
リーナケース１８の空気取入口２０を有する上部
と、供給口２２を有する下部はフイルタエレメン
ト１０により気密性を持つて隔成される。従つて
空気取入口２０からエアクリーナケース１８内に
導入された空気は漏れを生ずることなく確実に濾
紙３２を通過し、そして濾過された空気は供給口
２２からキヤブレターへと供給される。

従つて、本実施例にあつてはフイルタエレメン
ト１０の取付部分をシールするために別体のパツ
キングを用いる必要がなく、部品点数の削減を図
ることができ、従つてエアクリーナ１２の組付け
が著しく簡単となる。

尚、本実施例にあつては軟質弾性部材として合
成樹脂を示したが、これに限ることなく、ゴムま
たはその他のシール性を発揮する弾性部材でも良
い。

《考案の効果》 以上説明したように本考案のフイルタエレメン
トの取付構造にあつては、濾紙周縁部に装着され
た軟質弾性部材の枠体から取付用フランジを一体
成形したので、該取付用フランジの弾性力でシー
ル機能が発揮され、別体に設けられるパツキング
が不要となる。このため、部品点数の削減を達成
して組付性の簡略化およびコストダウンを図るこ
とができる。また、前記濾紙周縁部が枠体内に埋
設されることにより、枠体と濾紙間の剥離強度が
大幅に向上し、濾過機能の向上をも図ることがで
きるという各種優れた効果を奏する。さらにま
た、濾紙の中心側に向けて上方に傾斜するように
枠体で保持させたので、エアクリーナの全高も小
さくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフイルタエレメントの取付構
造の一実施例を示す断面図、第２図は本考案に用
いられるフイルタエレメントの底面図、第３図は
第２図中−線からの断面図、第４図は第１図
中−線からの断面図、第５図は従来のフイル
タエレメントの取付構造を示す断面図である。 １０……フイルタエレメント、１２……エアク
リーナ、１８……クリーナケース、３２……濾
紙、３４……内方枠体、３６……外方枠体、３８
……内方フランジ（取付用フランジ）、４０……
外方フランジ（取付用フランジ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲稜線が放射状に形成された環状の濾紙と、
   この濾紙を中心側に向けて上方に傾斜するように
   その内外周縁部が埋設された軟質弾性体からなる
   内外方枠体と、前記外方枠体に一体成形された取
   付用フランジとを備え、この取付用フランジを環
   状のケースに直接挟着固定して、前記濾紙の上下
   に略三角形断面の環状空間を画成することを特徴
   とするフイルタエレメントの取付構造。