JPS624348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスに付属させて用い
る大形薄板用中間搬送装置に関するものである。

従来、材料供給装置で積載された板材を上から
順に１枚ずつ取り出し、これを中間搬送装置を経
由してトランスフアプレスのフイードバーに受渡
す場合、中間搬送装置にフイードバーと連動する
キヤリヤとその下部に機体に固定したシユートを
設け、キヤリヤには前進、後退端で板材を受渡す
ために昇降運動を行なわせている。しかしながら
キヤリヤが板材を保持したまま昇降するために板
材の周辺が折曲つたり、板材を受渡すたびに板材
とキヤリヤ或はシユートとが衝突するために、板
材の表面に傷がつき易いという欠点があつた。

本考案の目的はこれらの欠点を除き、板材はキ
ヤリヤの昇降運動に関係なく送り方向だけの運動
を伝達され、従つて昇降運動に伴なう、板材の折
曲り或は傷が防止でき、特に大形薄板の取扱いに
便利な大形薄板用中間搬送装置を提供することに
ある。以下本考案の実施例について図面を参照し
て説明する。

第１図、第２図及び第３図において、トランス
フアプレス１には材料供給装置２及び中間搬送装
置３がその側面に付属されている。プレス１の１
対のフイードバー４は矢印Ａで示す材料の送り方
向にアドバンス・リターン運動を、それと直角方
向にクランプ・アンクランプ運動及びリフト・ダ
ウン運動をプレス１のトランスフアによつて与え
られる。フイードバー４にはそれぞれピン５が立
設され、ピン５に摺動自在に昇降部材６が設けら
れている。両側の昇降部材６，６を摺動自在に貫
通する２本のガイドロツド７が設けられている。
ガイドロツド７の中央部にはブロツク８が固定さ
れている。ブロツク８の上下方向に貫通する穴に
はキヤリヤ１０に立設された縦ロツド９が摺動自
在に嵌合している。キヤリヤ１０はフイードバー
４と以上のように連結されているのでフイードバ
ー４の送り方向の運動だけが伝達される。キヤリ
ヤ１０は送り方向に長い台状のフレームで、両側
面に送り方向に伸びる長溝１１が設けられてい
る。機体１７に中央部を枢着されたレバー１２
と、一端を枢着されたリンク１３との下端にはロ
ーラ１４が設けられ、ローラ１４が長溝１１に運
動自在に嵌合し、キヤリヤ１０を水平に保持して
いる。レバー１２とリンク１３とは連結バー１５
で連結されている。機体１７に一端部を枢着され
たシリンダ装置１６のピストンロツドはレバー１
２の上端部に連結されている。キヤリヤ１０、レ
バー１２、リンク１３及び連結バー１５からなる
平行リンクを介してシリンダ装置１６に駆動され
てキヤリヤ１０は水平に保持されたまま昇降運動
を行なう。キヤリヤ１０の下面にはキヤリヤ１０
の送り方向の往復動、すなわち送り長さずつ離れ
て、両側に１対ずつ４個を１組とした吸着具１８
が設けられている。シリンダ装置１６に供給され
る圧縮エアと、吸着具１８に供給されるバキユー
ムエアとはキヤリヤ１０の前進及び後退の直後に
制御されて給排され、後退端で板材２４を吸着
し、前進端で開放する。吸着具１８はばね（図示
せず）で下方に付勢されていて、上下に若干運動
できる。キヤリヤ１０の下部には送り方向に向け
て、材料供給装置２側には下向きにマグネツトロ
ーラ２１を有するコンベア１９が、プレス１のフ
イードバー４側には上向きマグネツトローラ２１
を有するコンベア２０が上下に若干のすきまを開
けて、それぞれ４条設けられている。コンベア２
０はフイードバー４の幅調整に対応して若干間隔
を調整できる。キヤリヤ１０が後退したとき一番
左側の吸着具１８の停止する定位置の下部に材料
供給装置２が設けられている。材料供給装置２は
コンベア２２によつてパレツト２３に積載された
板材２４が定位置に移送され、リフトシリンダ装
置２５によつてホールダ２６の間に一定高さまで
押上げられる。定位置の上部には吸着具２７を昇
降させるシリンダ装置２８が設けられている。

次に作用について述べる。第１図において、材
料供給装置２の吸着具２７に吸着され１枚ずつ持
ち上げられた板材２４は上昇限近傍でコンベア１
９のマグネツトロール２１に吸着され受渡され
る。キヤリヤ１０は第４図に示すように前進端で
シリンダ装置１６が制御され引込んだピストンロ
ツドによりレバー１２など平行リンクを介して上
昇し、そのまま後退する。後退端でシリンダ装置
１６が制御されて下降したキヤリヤ１０の吸着具
１８がバキユームエアを供給されて、板材１０を
コンベア１９のマグネツトロール２１に吸着され
た状態のまま吸着する。キヤリヤ１０の前進端で
キヤリヤ１０が上昇を開始するのと前後して吸着
具１８はバキユームエアが排気され板材２４を解
放し、コンベア１９のマグネツトロール２１上に
残してゆく。同様にしてコンベア２０のマグネツ
トロール２１上に受渡し、順次搬送した後、フイ
ードバー４がリターンエンド近傍でクランプ・リ
フト運動して上向きのコンベア２０から板材２４
を受渡される。材料供給装置２からは上昇する板
材２４を受渡されるので下向きにマグネツトロー
ル２１を有するコンベア１９を用い、プレス１の
フイードバー４へはフイードバー４の上昇運動時
に受渡すので、上向きのマグネツトロール２１を
有するコンベア２０を用いたので、受渡しが円滑
で無理がない。またキヤリヤ１０の吸着具１８は
板材２４をコンベア１９，２０に沿つて移動させ
るだけで傷つけるおそれがなく、コンベア１９，
２０は間隔を設けて所要本数設けてあるので板材
２４の前後方向の端が垂れ下り、折曲るおそれが
ない。なお板材２４はコンベア１９，２０上では
キヤリヤ１０により移動されるだけであるから、
キヤリヤ１０の吸着具１８は他の手段、例えば押
すための突起などで一部を置きかえることができ
る。

以上の説明から明らかなように本考案によれば
板材の受渡しが円滑で無理がなく、折曲り、或は
傷を防止でき、大形薄板の取扱いに極めて便利で
あるなど、実用上の効果と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の配置を示す縦断面図、第２図
は要部を示す一部断面の平面図、第３図は第２図
の−断面図、第４図はキヤリヤの運動を示す
線図である。 １はトランスフアプレス、２は材料供給装置、
３は中間搬送装置、４はフイードバー、５はピ
ン、６は昇降部材、７はガイドロツド、８はブロ
ツク、９は縦ロツド、１０はキヤリヤ、１１は長
溝、１２はレバー、１３はリンク、１４はロー
ラ、１５は連結バー、１６はシリンダ装置、１７
は機体、１８は吸着具、１９はコンベア、２０は
コンベア、２１はマグネツトローラ、２２はコン
ベア、２３はパレツト、２４は板材、２５はリフ
トシリング装置、２６はホールダ、２７は吸着
具、２８はシリンダ装置、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスフアの１対のフイードバーに夫々のピ
   ンを立設し、該ピンに摺動自在の昇降部材を設
   け、該昇降部材を摺動自在に貫通させてガイドロ
   ツドを設け、該ガイドロツドの中央部にブロツク
   を固設し、該ブロツクの縦穴に摺動自在に適合す
   る縦ロツドを有するキヤリヤを設け、該キヤリヤ
   を水平方向に運動自在に保持し、かつ昇降させる
   手段を設け、前記キヤリヤに吸着具を設け、前記
   キヤリヤに沿つてブランク材供給装置近傍におい
   ては下向きにマグネツトローラを有するコンベア
   を、前記トランスフアのフイードバーのリターン
   エンド近傍においては上向きにマグネツトローラ
   を有するコンベアを、両コンベアの高さ方向に若
   干のすきまを設けて配備したことを特徴とする、
   大形薄板用中間搬送装置。