JPH0245217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として砂型ダイカスト製品を砂落
し工程等に搬送する際に使用されるワーク搬送装
置に関する。

（従来の技術） 従来、砂型ダイカスト製品から成るワークはロ
ーラコンベアを取付けた搬送台を介して砂落し工
程に搬送しており、この場合前工程の設備が離れ
た場合に設置されているときは、トロリーコンベ
アに吊設したハンガーによりワークを搬送台の始
端側の移載ステーシヨンに搬送して該搬送台に移
載するようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の如くローラコンベアを用いると、ワーク
から落下する砂がローラの軸部に噛込んで故障を
生じ易くなり、又ワークがその搬送方向と直交す
る巾方向にがたついて、姿勢が変化し、次工程の
設備に自動移載しようとしても、ワークの姿勢変
化によりチヤツキング箇所が足まらず、自動化が
困難になる。

この場合、搬送台にローラコンベアに代えてワ
ークをその搬送方向に直交する横方向に位置決め
して摺動自在に支持する搬送レールを取付け、ワ
ークを横方向に位置決めして一定姿勢で次工程に
搬送し得るようにすることが考えられるが、かく
するときにハンガーから搬送台にワークを該搬送
レールに合致するように正確に位置決めして移載
することが必要となり、これを如何にして行うか
が課題となる。

本考案は、かかる課題を解決して、ワークをハ
ンガーから搬送台を介して次工程に一定姿勢で搬
送し得るようにした搬送装置を提供することをそ
の目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成すべく、トロリーコ
ンベアに吊設したハンガーによりワークを移載ス
テーシヨンに搬入し、該移載ステーシヨンにおい
てワークを前後方向に長手の搬送台に移載して次
工程に搬送するようにしたものにおいて、該搬送
台にワークをその搬送方向に直交する横方向に位
置決めして摺動自在に支持する搬送レールを取付
けると共に、該ハンガーに該搬送レールに対応す
るワークの支持レールを取付けたパレツトを分離
自在に載置し、該移載ステーシヨンに、該パレツ
トを該ハンガーから浮上らせて該搬送レールに対
し該支持レールが前後方向に合致するように位置
決めする位置決め装置と、該支持レール上のワー
クを該搬送台に向けて前方に押出す押出し装置と
を配置したことを特徴とする。

（作用） ハンガーを移載ステーシヨンにおいて定位置停
止させた後、位置決め装置によりハンガーからパ
レツトを浮上らせて位置決めするもので、これに
よれば該パレツト上の支持レールと搬送台上の搬
送レールとが前後方向に合致し、次いで該支持レ
ール上のワークを押出し装置により前方に押出せ
ば、該ワークは該搬送レールに正確に送り込ま
れ、以後該搬送レールにより横方向に位置決めさ
れて一定姿勢で次工程に搬送される。

尚、パレツトをハンガーに固定とすると、パレ
ツトの搬送台に対する位置決めが困難になると共
に、ワークの押出しに際し、ワークの摺動摩擦力
がパレツトとハンガーとを介してトロリーコンベ
アに作用して、これに悪影響を与えるが、本考案
によれば、パレツトをハンガーに対し分離自在と
して、これをハンガーから浮上らせた状態で位置
決めと、ワークの押出しとを行うため、かかる不
具合は生じない。

（実施例） 第１図乃至第３図を参照して、１はトロリーコ
ンベア、２は該コンベア１に吊設したハンガー、
３は前後方向に長手の搬送台を示し、該搬送台３
の後端側の移載ステーシヨンＳに砂型ダイカスト
製品から成るワークＷを該ハンガー２により搬入
した後、該ワークＷを該搬送台３に移載して砂落
し等の次工程に搬送するようにした。

該搬送台３は、ワークＷをその搬送方向に直交
する横方向に位置決めして摺動自在に支持する搬
送レール４を左右１対に備えるもので、該搬送レ
ール４，４間に配置したシヤトルバー（図示せ
ず）により該搬送レール４，４上のワークＷを前
方に搬送するようにした。尚、搬送レール４，４
を前下りに傾斜させてシユート方式の搬送を行う
ようにしても勿論良い。

前記ハンガー２は、その下端に前後１対のフオ
ーク状の支承部２ａ，２ａを備えるもので、該支
承部２ａ，２ａに前記搬送レール４，４に対応す
る左右１対の支持レール５，５を取付けたパレツ
ト６を分離自在に載置し、該支持レール５，５上
にワークＷを載置した状態で前工程から移載ステ
ーシヨンＳにワークＷを搬送するようにした。

ここで、該搬送レール４，４と該支持レール
５，５は、ワークＷの機種変更に対処し得るよう
に、各種ワークＷの横巾寸法に対応する複送の段
を付けた段付レールで構成されるものとし、これ
を第４図を参照して詳述するに、該各レール４，
５に上下２段の段４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂを付け
て、比較的横巾の大きなワークＷは第４図ａに示
す如く上段４ａ，５ａに、又横巾の小さなワーク
Ｗは同図ｂに示す如く下段４ｂ，５ｂに載置する
ようにし、更に図示のものでは左右一側の該各レ
ール４，５の上段４ａ，５ａ上に突条４ｃ，５ｃ
を突設して、横巾の大きなワークＷを上段４ａ，
５ａに第４図ｃに示す如く該突条４ｃ，５ｃがワ
ーク底面の凹溝Waに挿入されるように位置合せ
して載置し得るようにした。

前記移載ステーシヨンＳには、パレツト６をハ
ンガー２から浮上らせて搬送レール４，４に対し
支持レール５，５が前後方向に合致するように位
置決めする位置決め装置７と、該支持レール５，
５上のワークＷを搬送台３に向けて前方に押出す
押出し装置８とが配置されるもので、これを更に
詳述するに、該位置決め装置７は、移載ステーシ
ヨンＳにおけるハンガー２の停止位置の直下に設
けた昇降台９上にパレツト６を前後左右に移動自
在に支持する受具１０と、パレツトを該昇降台９
に対し前後左右に位置決めする位置決め部材１１
とを設けて成るものとし、該昇降台９をこれに垂
下した前後１対のガイドバー９ａ，９ａにおいて
機枠（図示せず）に固定のガイドスリーブ９ｂ，
９ｂに昇降自在に挿通支持させて、シリンダ９ｃ
により昇降動させるようにし、又該位置決め部材
１１は、パレツト６の一側壁に当接する各ローラ
１１ａを取付けた前後１対の第１位置決めシリン
ダ１１₁，１１₁と、パレツト６の他側壁のＶ字状
の凹入部６ａに当接するローラ１１ｂを取付けた
第２位置決めシリンダ１１₂とで構成されるもの
とした。

又、前記押出し装置８は、ワークＷの後端面に
当接するプツシヤ８ａをシリンダ８ｂにより前後
方向に進退自在に設けて成るもので、更に図示の
ものでは該プツシヤ８ａにパレツト６上の両側の
支持レール５，５に跨るブラシ８ｃを取付けて、
該レール５，５上に落ちた砂等の異物を該ブラシ
８ｃで清掃するようにした。

図面で６ｂはパレツト６がハンガー２から脱落
しないようにパレツト６の下面に垂設した脱落防
止片を示す。

次いで上記実施例の作動を説明するに、ハンガ
ー２を移載ステーシヨンＳで定位置停止させた
後、昇降台９を上昇させてハンガー２の支承部２
ａ，２ａに載置されるパレツト６を該昇降台９上
の受具１０に支持させ、この状態で該パレツト６
をその上面の支持レール５，５が搬送台３の上面
の搬送レール４，４と同レベルになるように該支
承部２ａ，２ａから浮上らせる。

次いで、第２位置決めシリンダ１１₂を作動さ
せてパレツト６を第１位置決めシリンダ１１₁，
１１₁側に押付けると共に、ローラ１１ｂの凹入
部６ａへの挿入でパレツト６を前後方向に位置決
めし、次いで該第２位置決めシリンダ１１₂を加
圧したまま該第１位置決めシリンダ１１₁，１１₁
を作動させて、支持レール５，５が搬送レール
４，４の後方への延長線上に位置するように該パ
レツト６を左右方向に位置決めする。尚、該第１
位置決めシリンダ１１₁，１１₁の合計加圧力は該
第２位置決めシリンダ１１₂の加圧力より大きく、
又前者のストロークは後者のストロークより短く
設定され、かくて該第１位置決めシリンダ１１₁，
１１₁のストロークエンドが位置決め基準となつ
て上記位置決めが成される。

次いで、押出し装置８のプツシヤ８ａを前進さ
せて支持レール５，５上のワークＷを前方に押出
すもので、これによれば該支持レール５，５に対
し合致する前方の搬送レール４，４上にワークＷ
が送込まれ、以後ワークＷは該搬送レール４，４
に案内されて横方向にがたつことなく一定姿勢で
次工程に搬送される。

尚、ワークＷの押出し後は、プツシヤ８ａを後
退させると共に第１第２位置決めシリンダ１１₁，
１１₂を作動解除して昇降台９を下降させ、空の
パレツト６をハンガー２に載置して、該ハンガー
２の移載ステーシヨンＳからの搬出と次のハンガ
ー２の該ステーシヨンＳへの搬入とを行い、上記
の作動を繰返す。

（考案の効果） 以上の如く本考案によるときは、ハンガーから
搬送台上の搬送レールにワークを正確に且つトロ
リーコンベアに無理をかけずに送込むことがで
き、次工程に該搬送レールによりワークを一定姿
勢で搬送できて、ラインの自動化が容易になる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１例の斜視図、第２図はそ
の側面図、第３図はその平面図、第４図ａ，ｂ，
ｃは各レールへのワークの載置状態を示す説明図
である。 １……トロリーコンベア、２……ハンガー、３
……搬送台、４……搬送レール、５……支持レー
ル、６……パレツト、７……位置決め装置、８…
…押出し装置、９……昇降台、１０……受具、１
１……位置決め部材、Ｗ……ワーク、Ｓ……移載
ステーシヨン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トロリーコンベアに吊設したハンガーにより
   ワークを移載ステーシヨンに搬入し、該移載ス
   テーシヨンにおいてワークを前後方向に長手の
   搬送台に移載して次工程に搬送するようにした
   ものにおいて、該搬送台にワークをその搬送方
   向に直交する横方向に位置決めして摺動自在に
   支持する搬送レールを取付けると共に、該ハン
   ガーに該搬送レールに対応するワークの支持レ
   ールを取付けたパレツトを分離自在に載置し、
   該移載ステーシヨンに、該パレツトを該ハンガ
   ーから浮上らせて該搬送レールに対し該支持レ
   ールが前後方向に合致するように位置決めする
   位置決め装置と、該支持レール上のワークを該
   搬送台に向けて前方に押出す押出し装置とを配
   置したことを特徴とするワーク搬送装置。 ２ 該搬送レールと該支持レールとを、各種ワー
   クの横巾寸法に対応する複数の段を付けた段付
   レールで構成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のワーク搬送装置。 ３ 該位置決め装置は、該パレツトを前後左右に
   移動自在に支持する受具を有する昇降台と、該
   パレツトを該昇降台に対し前後左右に位置決め
   する該昇降台上の位置決め部材とで構成される
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のワーク搬送装置。