JPS6243250B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気ヘツドの製造方法に関する。

従来、オーデイオ用やビデオ用に使用するフエ
ライト磁気ヘツドには、単結晶フエライトを使用
するものと、多結晶フエライトを使用するものと
があつた。しかるに近年、より高性能、高品質化
が要請され、これに応えるものとして、単結晶フ
エライトと多結晶フエライトを固相反応で直接一
体化した接合フエライト磁気ヘツドが提案されて
いる。すなわちこの接合フエライト磁気ヘツドは
磁気記録媒体と接触する部分に単結晶フエライト
を使用し、その他の磁気回路形成部分に多結晶フ
エライトを使用し、両者を接着剤を使用すること
なく加熱加圧することにより相互拡散層を形成さ
せ直接一体化したものである。

ところがこの接合フエライト磁気ヘツドは単結
晶フエライトおよび多結晶フエライトをそれぞれ
所定の形状に微細加工により製作しなければなら
ないこと、またこの両者を接合して一体化すると
いう複雑かつ高度な加工をしなければならないた
め、かかる磁気ヘツドを１個１個製造したので
は、量産ができず、また製造工程における条件の
変動によつて出来上がつた磁気ヘツド個々の性能
にバラツキがでるなどの問題がある。

この発明はこのような点に鑑みてなされたもの
で、性能の揃つた接合フエライト磁気ヘツドを効
率的に製作することのできる磁気ヘツドの製造方
法を提供することを目的とするものである。

すなわちこの発明は単結晶フエライト素体と多
結晶フエライト素体とを交互に積層して全体とし
て３層以上とし、これらを同時に加熱加圧して相
互拡散層を形成せしめて直接一体化し、しかる後
にこの一体化された素体を切断して接合フエライ
ト磁気ヘツドを得るようにしたものである。

以下この発明を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図はこの発明の磁気ヘツドの製造方法の一
実施例を製造工程順に示すものである。先ず第１
図ａに示すように第１の多結晶フエライト素体１
１単結晶フエライト素体１２および第２の多結晶
フエライト素体１３を用意する。この場合第１、
第２の多結晶フエライト素体１１，１３について
は磁気ヘツドの磁気回路部分を構成するに必要な
厚さを有するものを用意するが、単結晶フエライ
ト素体１２については磁気ヘツドの記録媒体接触
部を構成するに必要な厚さの２倍の厚さを有する
ものを用意する。そしてこれらを図のように即ち
単結晶フエライト素体と多結晶フエライト素体と
を交互に積層する如く、直接対向接触せしめ、加
熱加圧することにより相互拡散層１４，１５を形
成させて一体に接合する。なお、この単結晶と多
結晶の接合方法の詳細については特開昭52−
36797に示されている。

次にこうして接合され一体化された３層の素体
を単結晶フエライト素体１２の中央部において図
中の一点鎖線１６で示すように切断する。この結
果第１図ｂに示すように多結晶フエライト素体と
単結晶フエライト素体との２層の接合フエライト
素体が２個得られる。そこで以下このそれぞれの
接合フエライト素体について次のような加工を行
う。すなわち第１図ｂに示す接合フエライト素体
を一点鎖線１７に従つて切断して第１図ｃに示す
素体Ｘ，Ｙを得る。そしてこの素体ＹのＸに対向
する面に例えば相互拡散層部１４より多結晶フエ
ライト部分１１にかけて巻線装着用の切欠き部１
８を形成する。次に第１図ｄに示すようにこの素
体Ｘ，Ｙの単結晶フエライト１２部分の対向面に
磁気ギヤツプ形成用の非磁性スペーサ１９を介在
させ素体Ｘ，Ｙを接着する。そしてこの接着した
素体Ｘ，Ｙを磁気ヘツドのトラツク幅に応じて一
点鎖線２０にしたがつて切断することにより、第
１図ｅに示すような磁気ヘツドを得ることができ
る。そこでこの磁気ヘツドに巻線を施すことによ
つて接合フエライト磁気ヘツドが完成する。

尚上記説明では第１図ｂで示す２個の接合フエ
ライト素体の一方について上記加工を行う場合に
ついて説明したが、他の一方の素体についても同
様の加工を行う。

このような製造方法によると、一度の接合処理
工程で２個の接合フエライト素体ができるので多
量かつ効率的に磁気ヘツドの製作が可能である。
しかもこれら磁気ヘツドは同一の条件下で接合処
理がなされるため、性能的に揃つたものを得るこ
とができる。

第２図はこの発明の他の実施例を示すもので、
先ず第２図ａに示すように第１の多結晶フエライ
ト素体２１、単結晶フエライト素体２２、第２の
多結晶フエライト素体２３とを用意し、前記実施
例の場合と同様にして３層の接合フエライト素体
を作製する。次にこれを図中の一点鎖線２４にし
たがつて切断して第２図ｂに示す素体Ｘ，Ｙを得
る。そして素体Ｘに対向する素体Ｙの多結晶フエ
ライト部分２１，２３に巻線装着用の切欠き部２
５，２６を形成する。しかる後に第２図ｃに示す
ように素体Ｘ，Ｙの単結晶フエライト素体部の対
向面に磁気ギヤツプ形成用の非磁性スペーサ２７
を介在させ両素体Ｘ，Ｙを接着する。そしてこれ
を単結晶フエライト部において一点鎖線２８にし
たがつて切断し、第２図ｄに示す２層の接合素体
を得る。そしてこの素体を磁気ヘツドのトラツク
幅に応じてそれぞれ図の一点鎖線２９にしたがつ
て切断して磁気ヘツドを得、これに巻線を施して
完成した磁気ヘツドを得る。

このような製造方法においては、切欠き部２
５，２６を形成する工程が一度で済むという利点
がある。

第３図はこの発明のさらに他の実施例を示すも
のである。この実施例は２個の単結晶フエライト
素体３１，３２と１個の多結晶フエライト素体３
３とを交互に対向配置して接合して３層の接合素
体を作製し（第３図ａ）、これを多結晶フエライ
ト素体部３３において２個に切断するもので、以
下の工程については第１図に示した実施例と同一
のものである。なお、この実施例においては２個
の単結晶フエライト素体３１，３２については磁
気ヘツドの記録媒体接触部を構成するに必要な厚
さを有するものを用い多結晶フエライト素体３３
については磁気ヘツドの磁気回路部を構成するに
必要な厚さの２倍の厚さを有するものを用いる。

第４図はこの発明のさらに他の実施例を示すも
のである。この実施例においては第１図ａに示す
ように磁気ヘツドとして必要な厚さの２倍の厚さ
を有する多結晶フエライト素体４１，４２と磁気
ヘツドとして必要な厚さを有する単結晶フエライ
ト素体４３，４４および２倍の厚さを有する単結
晶フエライト素体４５をそれぞれ下から４３，４
１，４５，４２，４４の順で積層してこれを接合
一体化したものである。そして以後は第２図の実
施例と同様にしてこれを第４図ｂに示すように切
断し、巻線装着用の切欠き部４６，４７，４８，
４９を設け、その後第４図ｃに示すように非磁性
スペーサ５０，５１，５２を介してこれを接着す
る。そしてこれを多結晶フエライト素体４１，４
２および単結晶フエライト素体４５の各部分にお
いて切断する。その結果第４図ｄのような素体が
４個できる。そこでこれらを磁気ヘツドのトラツ
ク幅に応じて切断することにより第４図ｅに示す
磁気ヘツドを得ることができる。

以上のようにこの発明によると、接合フエライ
ト素体を３層構造であれ、５層構造であれ、一度
の接合処理により製作可能であるため性能の揃つ
た磁気ヘツドを効率良く多量に製作することがで
きる磁気ヘツドの製造方法を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はそれぞれこの発明に係る磁
気ヘツドの製造方法の実施例を示すものである。 １１……多結晶フエライト素体、１２……単結
晶フエライト素体、１３……多結晶フエライト素
体、１４，１５……相互拡散層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 単結晶フエライト素体および多結晶フエライ
   ト素体を交互に３層以上積層して加熱加圧により
   相互拡散層を形成して一体化接合する工程と、こ
   の一体化された素体の多結晶フエライト素体で挾
   まれた単結晶フエライト素体部若しくは単結晶フ
   エライト素体で挾まれた多結晶フエライト素体部
   を２層に切断するとともに、単結晶フエライト素
   体部及び多結晶フエライト素体部からなる接合素
   子片の一対を多結晶フエライト素体部に非磁性ス
   ペーサを介して互いに一体化する工程とを備える
   ことを特徴とする磁気ヘツドの製造方法。 ２ 単結晶フエライト素体および多結晶フエライ
   ト素体を交互に４層以上積層して一体化接合した
   場合は、一体化された素体の多結晶フエライト素
   体で挾まれた単結晶フエライト素体部および単結
   晶フエライト素体で挾まれた多結晶フエライト素
   体部を２層に切断することを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の磁気ヘツドの製造方法。