JPS6243070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、建物等の屋根材として利用される
凹凸波形の鋼板屋根板を梁上に取付ける場合に、
屋根板の凹凸波形に沿わせて下から支持し固定す
るようにした取付金具、特に屋根板の前端開放部
を嵌合密閉するのに必要な端蓋を屋根板とともに
取付けるのに利用されるものである。

従来技術 凹凸波形の鋼板屋根板を保持台により下から支
持して梁上に取付けた場合、屋根板の前端開放部
が内側に通じてそこから雨水やごみ等が浸入する
ので、それを防ぐために前端開放部に軒先面戸
（メンド）等と称する台形の端蓋を嵌合し密閉す
ることが行われているが、従来は単に前方より嵌
合して上方よりナツトで押え込むように締付ける
だけであつたから締付けが少しでも緩むと振動等
で遊動したり、又は外れるおそれがあつた。又取
付けに際しては、屋根板を仮締め状にして端蓋を
嵌め、その後にボルトナツトで緊締するものであ
るが、仮止めの状態では嵌合しても外れ易く、又
仮締めと本締めを行なう為作業に手間を要し、作
業性が悪い欠点があつた。

考案の目的 この考案は、このような従来の欠点に対処した
もので、その目的は端蓋の嵌合取付けを簡易迅速
に行ない且つ一旦取付けを完了すると妄りに遊動
したり外れる心配がなく、而も構造簡単で安価な
この種装置を提供するものである。

構 成 したがつて、この考案においては、凹凸波形の
鋼板屋根板の頂部内面を下から支持する保持台の
頂面に、上向きに突出するボルトを設けて、この
ボルトに鋼板屋根板を係挿しナツトで締着するよ
うにしたものにおいて、前記屋根板の前端開放部
に嵌合される端蓋の上面片を前記ボルトに係挿す
ると共に底面片の中央に左右に相対して突出する
係合爪を形成し、この係合爪を保持台の両側部に
形成した凹状縦溝に嵌止してなるものである。

実施例 保持台１は金属板を下向きコ字形に形成して下
端部１ａを梁２上にかしめ止め等により固定す
る。この保持台１の両側部は左右が平行した垂直
面であり、この垂直面に補強リブを兼ねてその全
長に凹状縦溝３，３を形成し、これに後述する端
蓋の係合爪を嵌止させるものである。又この保持
台１の頂面に上向きに突出する先端が尖つたボル
ト４を一体に設ける。

このような保持台１を鋼板屋根板５の波形に沿
うよう所定間隔に梁２上に固設し、その上から屋
根板５を被せるようにして取付けるものである。

端蓋６は第１図及び第３図に示すように、ほゞ
三角形に近い台形を呈し、前側板６ａの上部に上
面片６ｂと左右に傾斜した斜側片６ｃ、及び底面
片６ｄとを一体に有するよう金属板又は合成樹脂
板にて形成する。上面片６ｂにはボルト４への係
挿孔７を設け、又底面片６ｄには中央に切除部を
形成してこの切除部に左右の凹状縦溝３，３に両
側から嵌止される２つの係合爪８，８を左右に相
対して設ける。この係合爪８は、保持台１の凹状
縦溝３の形状に合致する形状にして上方より嵌入
し下方へずらせると、再び上方より抜脱しない限
り係合が維持されて、妄りに外れることはない。
縦溝３は図示例のようなＶ形、又はコ字形、或い
は丸溝形等とし、この縦溝３の形状に係合爪８を
対応させるものとする。

作 用 屋根板５及びその前端部に端蓋６を取付けるに
は次のようにする。

先づ、保持台１の頂部に上向きに突出せるボル
ト４に端蓋６の上面片６ｂに設けた係挿孔７を挿
入して上面片６ｂを保持台１の頂部に支持させる
が、この際に底面片６ｄの左右内向きに対設した
係合爪８，８を保持台１の左右両側面に形成した
縦溝３，３に上方より嵌入し下方へ引き下げなが
ら上面片６ｂの係挿孔７をボルト４に嵌挿させる
と、端蓋６は保持台１の前面部に側方より当てが
われた状態でその上部と下部の２ケ所で係止され
るので前方に対しても遊動したり抜脱しなくな
る。このようにして各保持台１に夫々１つの端蓋
６をセツトし、次に屋根５を上方より被せ屋根板
の取付孔をボルト４に通しその上からフエルト
９、座金１０を介しナツト１１を螺合し締結す
る。

考案の効果 本考案は上述のように、波形鋼板屋根板の前端
開放部に嵌合される端蓋の上面片を保持台頂部に
突設したボルトに係挿すると共に、底面片の中央
部を切除して該部に左右に相対して内向きに突出
する２つの係合爪を設けてこの係合爪を保持台の
両側部垂直面に形成した凹状縦溝に上方より抜差
し自由に嵌止するようにしたので、端蓋を保持台
に嵌めるときは左右の係合爪と凹状縦溝がガイド
になつて簡単にワンタツチでセツトでき、而も一
旦定位置にセツトすると上下２ケ所で係止されて
上方へ引き出さない限り前方へ遊動したり外れる
心配が全くなく、従つてその上から屋根板を被せ
てボルト．ナツトで締結すれば端蓋と屋根板の締
結が同時に行なわれて従来のように仮締と本締め
を別々に行なう必要がなく、作業をスピーデイに
且つ簡単容易に行ない、大幅に作業能率を高め安
価に実施できるという実用的優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す鋼板屋根取付
部の正面図、第２図は屋根板を取付ける前の取付
部の一部拡大平面図、第３図は端蓋と保持台の斜
視図である。 １……保持台、３……凹状縦溝、４……ボル
ト、５……屋根板、６……端蓋、７……係挿孔、
８……係合爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 凹凸波形の鋼板屋根板の頂部内面を下から支
   持する下向きコ字形の保持台に、上向きに突出
   するボルトを設けてこのボルトに鋼板屋根板を
   係挿しナツトで締着するようにしたものにおい
   て、前記波形鋼板屋根板の前端開放部に嵌合さ
   れる端蓋の上面片を保持台頂部に突設したボル
   トに係挿すると共に、底面片の中央部を切除し
   て該部に左右に相対して内向きに突出する２つ
   の係合爪を設けてこの係合爪を保持台の両側部
   垂直面に形成した凹状縦溝に上方より抜差し自
   由に嵌止してなることを特徴とする波形鋼板屋
   根取付装置。 (2) 前記凹状縦溝は保持台の両側部の上下全長に
   亘り形成されている前記実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の波形鋼板屋根取付装置。