JPS6241971B2 - - Google Patents
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- JPS6241971B2 JPS6241971B2 JP54113524A JP11352479A JPS6241971B2 JP S6241971 B2 JPS6241971 B2 JP S6241971B2 JP 54113524 A JP54113524 A JP 54113524A JP 11352479 A JP11352479 A JP 11352479A JP S6241971 B2 JPS6241971 B2 JP S6241971B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/20—Manufacture of shaped structures of ion-exchange resins
- C08J5/22—Films, membranes or diaphragms
- C08J5/2206—Films, membranes or diaphragms based on organic and/or inorganic macromolecular compounds
- C08J5/2218—Synthetic macromolecular compounds
- C08J5/2231—Synthetic macromolecular compounds based on macromolecular compounds obtained by reactions involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
- C08J5/2237—Synthetic macromolecular compounds based on macromolecular compounds obtained by reactions involving unsaturated carbon-to-carbon bonds containing fluorine
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2327/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers
- C08J2327/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08J2327/12—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
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Description
本発明は、ハロゲン化アルカリ金属水溶液の電
解用隔膜として用いられるフツ素化陽イオン交換
膜の製造原料として有用な、膜状フツ素化共重合
体に関する。更に詳しくは、スルホニルクロライ
ド基を含む側鎖が存在する第1の層と、スルホニ
ルフロライド基を含む側鎖が存在する第2の層と
から成る膜状フツ素化共重合体及びその製造方法
に関する。 食塩を電解して、苛性ソーダと塩素を生産する
工業界に於いては、従来の水銀法、隔膜法に比較
して、公害防止、省エネルギーの面で有利であ
り、かつ水銀法並みの品質を持つた苛性ソーダを
生産できる、イオン交換膜法が最近大きな注目を
集めており、同法で用いられるフツ素化陽イオン
交換膜として、スルホン酸基、カルボン酸基また
はスルホンアミド基等の交換基を有する、いくつ
かのものが、現在までに提案されてきている。 これらのもののうち、性能及び化学的、物理的
耐性の面から観て、好ましいタイプの膜は、特開
昭52―24176号、特開昭52―24177号、特開昭53―
104583号、特開昭53―116287号、特開昭54―6887
号等に開示されている様な、スルホン酸基を有す
るフツ素化陽イオン交換膜の片側表層に、カルボ
ン酸基を、化学処理によつて形成させたものであ
る。 特に、特開昭52―24176号、特開昭52―24177号
に開示されている、スルホン酸基―OCF2 CF2
SO3M(MはH、金属またはアンモニウム基)を
有するフツ素化陽イオン交換膜の片側表層に、カ
ルボン酸基―OCF2 CO2M(Mは上記と同じ)を
形成させたものが、得られる性能、カルボン酸密
度勾配のコントロールの難易、反応工程の複雑さ
の程度及び処理に用いる試薬等のコスト、副反応
抑制の難易、側鎖がパーフロロにならない可能性
の有無、化学処理中の膜の物理的損傷の有無等
を、総合的に勘案すると最も好ましい膜である。 従来、これらのフツ素化陽イオン交換膜は、上
記の特許公開公報に記載されている如く、―
OCF2 CF2 SO2X〔Xはハロゲン、OH基、アリ
ル基、アルキル基またはOZ基(但し、Zは金
属、アンモニウム基、アリル基またはアルキル基
である)〕または、(―OCF2 CF2 SO2)2Oの原子
団、好ましくはX=ClまたはFの原子団、特に
好ましくはX=Clの原子団を含む側鎖を有す
る、膜状フツ素化共重合体を還元剤で処理して製
造されてきた。この際、カルボン酸基を膜の片側
表層に形成させる為には、上記の膜状共重合体
を、適当な枠に組み込んで、片面側のみを還元剤
と接触させる必要が有り、工業的なサイズの膜を
多量に製造する場合に、多くの人手を要するとい
う欠点を有していた。 本発明者らは、上述した様な膜製造工程上の問
題点を解決すべく、鋭意研究を行なつた結果、ス
ルホニルクロライド基と、スルホニルフロライド
基の還元剤に対する反応性の差を利用することに
より、膜状共重合体の全体を還元剤の溶液の中に
浸漬しても、膜の片面側のみを反応させ、カルボ
ン酸基を該片面の表層に形成させ得ることを見出
し、本発明を完成するに到つたものである。 本発明によれば、スルホニルクロライド基を含
む側鎖が存在する表面に実質的に平行な第1の層
と、スルホニルフロライド基を含む側鎖が存在す
る表面に実質的に平行な第2の層とから成る膜状
フツ素化共重合体及びその製造方法が提供され
る。 該フツ素化共重合体の好ましい態様に於いて
は、膜強度を増す為の支持材料を、実質的に第2
の層中に含んでいる。該支持材料は、アルカリ及
びハロゲンに耐性のあるものであれば何でもよい
が、フロロカーボン樹脂の繊維布が好ましく、特
にポリテトラフロロエチレンまたはテトラフロロ
エチレン/ヘキサフロロプロピレン共重合体の繊
維布が好ましい。 また、該フツ素化共重合体に於ける第1の層の
厚みは、一般に膜状物の全体の厚みの1/100〜5/1
0の範囲にあり、好ましくは3/100〜2/10の範囲に
ある。 更に、該フツ素化共重合体の第2の層は、スル
ホニルフロライド基の存在密度が厚み方向に均一
な単一の層から成つていてもよく、スルホニルフ
ロライド基の存在密度が異なる二つの層をはり合
わせたものから成つていてもよい。この場合、第
2の層を形成する二つの層状部分のうち、第1の
層と接つしていない側の層の方が、スルホニルフ
ロライド基の存在密度が高く、その厚みが、膜状
物全体の厚みの1/2〜49/50を占めていることが好
ましく、また支持材料を含んでいることが好まし
い。 尚、該フツ素化共重合体の、膜状物全体の厚み
は、通常1000〜10ミクロン、好ましくは500〜25
ミクロン、特に好ましくは250〜100ミクロンの範
囲にある。 本発明に係わる膜状フツ素化共重合体の製造方
法は、特開昭48―61582号に開示されている様
な、スルホン酸基またはその塩を含む側鎖が存在
する表面に実質的に平行な第1の層と、スルホニ
ルフロライド基を含む側鎖が存在する表面に実質
的に平行な第2の層とから成る膜状フツ素化共重
合体を、五塩化リンまたは三塩化リンと塩素の混
合物に、必要により溶媒を用いて接触させスルホ
ン酸基またはその塩をスルホニルクロライド基に
変換することより成る。 原料として使用される膜状フツ素化共重合体は
上記の特許公開公報に記載されている如く、フツ
素化オレフイン、好ましくはテトラフロロエチレ
ンと、スルホニルフロライド基を有するフツ素化
ビニルエーテル化合物、好ましくは なる化合物とを共重合し、成膜後膜の片面のみを
アルカリで加水分解することにより製造される。
この後、膜の強度を補強する為に、支持材料を、
加水分解した側と反対の膜面と接触させ、膜を加
熱しつつ真空に引いて、支持材料を、スルホニル
フロライド基を含む第2の層に埋込むことができ
るし、好ましい。 また、この際 の含量のより大きいフツ素化共重合体の膜状物
を、支持材料の埋込みと同時かその前に、スルホ
ニルフロライド基を含む第2の層の膜面側にはり
合わせることも可能である。この場合は、支持材
料の埋込みは、はり合わせたスルホニルフロライ
ド基の含量のより大きな層に対して行なわれる。 フツ素化オレフインと、スルホニルフロライド
基を有するフツ素化ビニルエーテル化合物との共
重合比は、加水分解して、スルホン酸基を有する
フツ素化陽イオン交換膜とした時の、スルホン酸
基1当量当りの、乾燥樹脂のグラム数(以下当量
重量と略す)で表わした場合、使用するフツ素化
ビニルエーテル化合物の分子量に依存し、通常
500〜2000の範囲にあるが、上記の化合物を用い
る時は一般に900〜1800、好ましくは1100〜1600
の範囲に調節される。また上述したはり合わせを
行なう場合は、片面のみの加水分解を行なう膜状
共重合体の当量重量が、一般に1300〜1800、好ま
しくは1320〜1600であり、はり合わせを行なう膜
状共重合体の当量重量が、一般に900〜1200、好
ましくは1050〜1150であるように選ばれる。 本発明に係わる製造方法に於いて、スルホン酸
基またはその塩を、スルホニルクロライド基に変
換するには、上記の共重合体を、五塩化リンの蒸
気または、五塩化リンをオキシ塩化リンまたはハ
ロゲン化有機化合物等に溶解したものと、一般に
特開昭52―134888号、特開昭54―4289号等に記載
されている方法及び条件で反応させればよいが、
充分大きな反応速度を得ること及び、脱スルホニ
ルクロライド基反応を抑制するという観点から、
反応温度としては80〜140℃の範囲が好ましく、
またスルホン酸基の形態としては、酸型及び/ま
たはそのアンモニウム塩型が、好ましい。 この様なスルホン酸基の形態の選択は、片面の
みの加水分解時に適当な種類のアルカリを用いる
か、またはその後、酸処理または塩交換処理を行
なうことにより容易に達成される。 また、上述した方法に於いて、五塩化リンの代
りに、三塩化リンと塩素の混合物を使用すること
も可能である。 本発明に係わる膜状フツ素化共重合体から、ス
ルホン酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜の片
側表層に、カルボン酸基を化学処理によつて形成
させたものを製造する場合には、特開昭52―
24176号、特開昭52―24177号に記載されている還
元剤を水、有機溶媒またはそれらの混合物に溶か
した溶液の中に、該膜状フツ素化共重合体を浸漬
し、スルホニルクロライド基とスルホニルフロラ
イド基の反応速度の違いを利用して、実質的にス
ルホニルクロライド基のみを、表面から層状に還
元剤と反応させ、スルフイン酸基を経由して、カ
ルボン酸基へと変換する。次いで、残存するスル
フイン酸基を加熱してカルボン酸基に変えるか、
酸化してスルホン酸基に変えるか、または塩素で
処理してスルホニルクロライド基に変えた後、ア
ルカリでスルホニルハライド基を加水分解して、
スルホン酸基へと転化させ、所期のフツ素化陽イ
オン交換膜を得る。 この反応で用いられる還元剤の種類、反応条件
及び反応方法は、一般に上記の特許公開公報に記
載されているものが任意に用いられるが、スルホ
ニルクロライド基とスルホニルフロライド基の反
応性の違いが大きいこと及び取扱いの容易さか
ら、還元剤としてはヨウ化水素酸、臭化水素酸、
次亜リン酸、硫化水素酸、亜ヒ酸、亜リン酸、亜
硫酸、亜硝酸、ギ酸、シユウ酸等の還元性の無機
酸及びその塩が好ましく、特に、還元性の無機酸
が好ましい。また反応温度としては20〜100℃が
好ましい。 上記の反応に於いて、温度、時間、溶媒組成等
の要因を適当に調節して、反応速度と反応試剤の
膜中への拡散速度との兼ね合いを計ることによ
り、膜の片側薄層に生成するカルボン酸基の密度
勾配を調節することが可能である。 カルボン酸基密度を調節する好ましい方法は、
上記の還元剤処理をC1〜C12のアルコール類、カ
ルボン酸類、スルホン酸類、ニトリル類またはエ
ーテル類の群より選ばれた、少なくとも一種の有
機化合物の存在下、特に還元剤の水溶液に該有機
化合物を溶かした溶液を用いて行なう方法であ
る。特に有機化合物として、カルボン酸類を用い
ることが好ましい。これらの有機化合物の添加量
は、用いる膜、還元剤、有機化合物等の種類及び
反応条件に応じ、100ppm以上の範囲で、適宜選
択される。 以上述べた如く、本発明に係わる膜状フツ素化
共重合体を用いれば、還元剤の溶液に膜全体を浸
漬することによつて、膜の片面のみをカルボン酸
基に変換でき、スルホニルクロライド基を有する
膜状物を適当な枠に組み込んで片面のみを反応さ
せる従来の方法に比べ、大巾な工程合理化が実現
される。 しかも、原料としては、特開昭48―61582号に
開示されている様な、支持材料の埋め込み時に必
要な、片面のみを加水分解したスルホニルフロラ
イド型の膜状物を用いることができ、従来の膜製
造プロセスに適合できるという優れた利点も持つ
ている。 尚、支持材料の埋め込み後、一旦加水分解して
全面スルホン酸型の膜とし、その一方の表面のみ
を、五塩化リンまたは三塩化リンと塩素の混合物
を用いて、スルホニルクロライド型とすることに
より、スルホニルクロライド基とスルホン酸基の
反応性の差を利用して、本発明に係わる膜状フツ
素化共重合体と同様な作用効果を持たせる方法も
考えられる。 しかしながら、五塩化リン等によりスルホン酸
基をスルホニルクロライド基に変換する反応は、
80℃以上の高温反応であり、この様な反応を片側
表面だけに対して行なうことは、特に工業化規模
の膜を扱う場合、容易でない。また、スルホン酸
基は、スルホニルフロライド基と異なり、親水性
が大きく、還元剤の溶液に膜を浸漬した時、カル
ボン酸基への変換反応が、スルホニルクロライド
基の存在する層の両側から進行することが多く、
生成するカルボン酸基の層の厚みや密度勾配をコ
ントロールすることが非常に困難である。 カルボン酸基の層の厚みや密度勾配は、膜の性
能や寿命に大きな影響を与えるものであり、これ
らを自由にコントロールできないことは、本発明
に係わる膜状フツ素化共重合体を使用する場合と
比べて大きな欠点である。更に、上記の方法で
は、一旦加水分解して、全面スルホン酸型の膜に
した後、再びスルホニルクロライド基への変換を
行なうので、本発明に係わる製造方法に比べて、
プロセスが複雑となる欠点もある。 以下に実施例を示すが、本発明の技術的範囲は
これらに限定されるものではない。 実施例 1 500c.c.のステンレス製オートクレーブに16gの
解用隔膜として用いられるフツ素化陽イオン交換
膜の製造原料として有用な、膜状フツ素化共重合
体に関する。更に詳しくは、スルホニルクロライ
ド基を含む側鎖が存在する第1の層と、スルホニ
ルフロライド基を含む側鎖が存在する第2の層と
から成る膜状フツ素化共重合体及びその製造方法
に関する。 食塩を電解して、苛性ソーダと塩素を生産する
工業界に於いては、従来の水銀法、隔膜法に比較
して、公害防止、省エネルギーの面で有利であ
り、かつ水銀法並みの品質を持つた苛性ソーダを
生産できる、イオン交換膜法が最近大きな注目を
集めており、同法で用いられるフツ素化陽イオン
交換膜として、スルホン酸基、カルボン酸基また
はスルホンアミド基等の交換基を有する、いくつ
かのものが、現在までに提案されてきている。 これらのもののうち、性能及び化学的、物理的
耐性の面から観て、好ましいタイプの膜は、特開
昭52―24176号、特開昭52―24177号、特開昭53―
104583号、特開昭53―116287号、特開昭54―6887
号等に開示されている様な、スルホン酸基を有す
るフツ素化陽イオン交換膜の片側表層に、カルボ
ン酸基を、化学処理によつて形成させたものであ
る。 特に、特開昭52―24176号、特開昭52―24177号
に開示されている、スルホン酸基―OCF2 CF2
SO3M(MはH、金属またはアンモニウム基)を
有するフツ素化陽イオン交換膜の片側表層に、カ
ルボン酸基―OCF2 CO2M(Mは上記と同じ)を
形成させたものが、得られる性能、カルボン酸密
度勾配のコントロールの難易、反応工程の複雑さ
の程度及び処理に用いる試薬等のコスト、副反応
抑制の難易、側鎖がパーフロロにならない可能性
の有無、化学処理中の膜の物理的損傷の有無等
を、総合的に勘案すると最も好ましい膜である。 従来、これらのフツ素化陽イオン交換膜は、上
記の特許公開公報に記載されている如く、―
OCF2 CF2 SO2X〔Xはハロゲン、OH基、アリ
ル基、アルキル基またはOZ基(但し、Zは金
属、アンモニウム基、アリル基またはアルキル基
である)〕または、(―OCF2 CF2 SO2)2Oの原子
団、好ましくはX=ClまたはFの原子団、特に
好ましくはX=Clの原子団を含む側鎖を有す
る、膜状フツ素化共重合体を還元剤で処理して製
造されてきた。この際、カルボン酸基を膜の片側
表層に形成させる為には、上記の膜状共重合体
を、適当な枠に組み込んで、片面側のみを還元剤
と接触させる必要が有り、工業的なサイズの膜を
多量に製造する場合に、多くの人手を要するとい
う欠点を有していた。 本発明者らは、上述した様な膜製造工程上の問
題点を解決すべく、鋭意研究を行なつた結果、ス
ルホニルクロライド基と、スルホニルフロライド
基の還元剤に対する反応性の差を利用することに
より、膜状共重合体の全体を還元剤の溶液の中に
浸漬しても、膜の片面側のみを反応させ、カルボ
ン酸基を該片面の表層に形成させ得ることを見出
し、本発明を完成するに到つたものである。 本発明によれば、スルホニルクロライド基を含
む側鎖が存在する表面に実質的に平行な第1の層
と、スルホニルフロライド基を含む側鎖が存在す
る表面に実質的に平行な第2の層とから成る膜状
フツ素化共重合体及びその製造方法が提供され
る。 該フツ素化共重合体の好ましい態様に於いて
は、膜強度を増す為の支持材料を、実質的に第2
の層中に含んでいる。該支持材料は、アルカリ及
びハロゲンに耐性のあるものであれば何でもよい
が、フロロカーボン樹脂の繊維布が好ましく、特
にポリテトラフロロエチレンまたはテトラフロロ
エチレン/ヘキサフロロプロピレン共重合体の繊
維布が好ましい。 また、該フツ素化共重合体に於ける第1の層の
厚みは、一般に膜状物の全体の厚みの1/100〜5/1
0の範囲にあり、好ましくは3/100〜2/10の範囲に
ある。 更に、該フツ素化共重合体の第2の層は、スル
ホニルフロライド基の存在密度が厚み方向に均一
な単一の層から成つていてもよく、スルホニルフ
ロライド基の存在密度が異なる二つの層をはり合
わせたものから成つていてもよい。この場合、第
2の層を形成する二つの層状部分のうち、第1の
層と接つしていない側の層の方が、スルホニルフ
ロライド基の存在密度が高く、その厚みが、膜状
物全体の厚みの1/2〜49/50を占めていることが好
ましく、また支持材料を含んでいることが好まし
い。 尚、該フツ素化共重合体の、膜状物全体の厚み
は、通常1000〜10ミクロン、好ましくは500〜25
ミクロン、特に好ましくは250〜100ミクロンの範
囲にある。 本発明に係わる膜状フツ素化共重合体の製造方
法は、特開昭48―61582号に開示されている様
な、スルホン酸基またはその塩を含む側鎖が存在
する表面に実質的に平行な第1の層と、スルホニ
ルフロライド基を含む側鎖が存在する表面に実質
的に平行な第2の層とから成る膜状フツ素化共重
合体を、五塩化リンまたは三塩化リンと塩素の混
合物に、必要により溶媒を用いて接触させスルホ
ン酸基またはその塩をスルホニルクロライド基に
変換することより成る。 原料として使用される膜状フツ素化共重合体は
上記の特許公開公報に記載されている如く、フツ
素化オレフイン、好ましくはテトラフロロエチレ
ンと、スルホニルフロライド基を有するフツ素化
ビニルエーテル化合物、好ましくは なる化合物とを共重合し、成膜後膜の片面のみを
アルカリで加水分解することにより製造される。
この後、膜の強度を補強する為に、支持材料を、
加水分解した側と反対の膜面と接触させ、膜を加
熱しつつ真空に引いて、支持材料を、スルホニル
フロライド基を含む第2の層に埋込むことができ
るし、好ましい。 また、この際 の含量のより大きいフツ素化共重合体の膜状物
を、支持材料の埋込みと同時かその前に、スルホ
ニルフロライド基を含む第2の層の膜面側にはり
合わせることも可能である。この場合は、支持材
料の埋込みは、はり合わせたスルホニルフロライ
ド基の含量のより大きな層に対して行なわれる。 フツ素化オレフインと、スルホニルフロライド
基を有するフツ素化ビニルエーテル化合物との共
重合比は、加水分解して、スルホン酸基を有する
フツ素化陽イオン交換膜とした時の、スルホン酸
基1当量当りの、乾燥樹脂のグラム数(以下当量
重量と略す)で表わした場合、使用するフツ素化
ビニルエーテル化合物の分子量に依存し、通常
500〜2000の範囲にあるが、上記の化合物を用い
る時は一般に900〜1800、好ましくは1100〜1600
の範囲に調節される。また上述したはり合わせを
行なう場合は、片面のみの加水分解を行なう膜状
共重合体の当量重量が、一般に1300〜1800、好ま
しくは1320〜1600であり、はり合わせを行なう膜
状共重合体の当量重量が、一般に900〜1200、好
ましくは1050〜1150であるように選ばれる。 本発明に係わる製造方法に於いて、スルホン酸
基またはその塩を、スルホニルクロライド基に変
換するには、上記の共重合体を、五塩化リンの蒸
気または、五塩化リンをオキシ塩化リンまたはハ
ロゲン化有機化合物等に溶解したものと、一般に
特開昭52―134888号、特開昭54―4289号等に記載
されている方法及び条件で反応させればよいが、
充分大きな反応速度を得ること及び、脱スルホニ
ルクロライド基反応を抑制するという観点から、
反応温度としては80〜140℃の範囲が好ましく、
またスルホン酸基の形態としては、酸型及び/ま
たはそのアンモニウム塩型が、好ましい。 この様なスルホン酸基の形態の選択は、片面の
みの加水分解時に適当な種類のアルカリを用いる
か、またはその後、酸処理または塩交換処理を行
なうことにより容易に達成される。 また、上述した方法に於いて、五塩化リンの代
りに、三塩化リンと塩素の混合物を使用すること
も可能である。 本発明に係わる膜状フツ素化共重合体から、ス
ルホン酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜の片
側表層に、カルボン酸基を化学処理によつて形成
させたものを製造する場合には、特開昭52―
24176号、特開昭52―24177号に記載されている還
元剤を水、有機溶媒またはそれらの混合物に溶か
した溶液の中に、該膜状フツ素化共重合体を浸漬
し、スルホニルクロライド基とスルホニルフロラ
イド基の反応速度の違いを利用して、実質的にス
ルホニルクロライド基のみを、表面から層状に還
元剤と反応させ、スルフイン酸基を経由して、カ
ルボン酸基へと変換する。次いで、残存するスル
フイン酸基を加熱してカルボン酸基に変えるか、
酸化してスルホン酸基に変えるか、または塩素で
処理してスルホニルクロライド基に変えた後、ア
ルカリでスルホニルハライド基を加水分解して、
スルホン酸基へと転化させ、所期のフツ素化陽イ
オン交換膜を得る。 この反応で用いられる還元剤の種類、反応条件
及び反応方法は、一般に上記の特許公開公報に記
載されているものが任意に用いられるが、スルホ
ニルクロライド基とスルホニルフロライド基の反
応性の違いが大きいこと及び取扱いの容易さか
ら、還元剤としてはヨウ化水素酸、臭化水素酸、
次亜リン酸、硫化水素酸、亜ヒ酸、亜リン酸、亜
硫酸、亜硝酸、ギ酸、シユウ酸等の還元性の無機
酸及びその塩が好ましく、特に、還元性の無機酸
が好ましい。また反応温度としては20〜100℃が
好ましい。 上記の反応に於いて、温度、時間、溶媒組成等
の要因を適当に調節して、反応速度と反応試剤の
膜中への拡散速度との兼ね合いを計ることによ
り、膜の片側薄層に生成するカルボン酸基の密度
勾配を調節することが可能である。 カルボン酸基密度を調節する好ましい方法は、
上記の還元剤処理をC1〜C12のアルコール類、カ
ルボン酸類、スルホン酸類、ニトリル類またはエ
ーテル類の群より選ばれた、少なくとも一種の有
機化合物の存在下、特に還元剤の水溶液に該有機
化合物を溶かした溶液を用いて行なう方法であ
る。特に有機化合物として、カルボン酸類を用い
ることが好ましい。これらの有機化合物の添加量
は、用いる膜、還元剤、有機化合物等の種類及び
反応条件に応じ、100ppm以上の範囲で、適宜選
択される。 以上述べた如く、本発明に係わる膜状フツ素化
共重合体を用いれば、還元剤の溶液に膜全体を浸
漬することによつて、膜の片面のみをカルボン酸
基に変換でき、スルホニルクロライド基を有する
膜状物を適当な枠に組み込んで片面のみを反応さ
せる従来の方法に比べ、大巾な工程合理化が実現
される。 しかも、原料としては、特開昭48―61582号に
開示されている様な、支持材料の埋め込み時に必
要な、片面のみを加水分解したスルホニルフロラ
イド型の膜状物を用いることができ、従来の膜製
造プロセスに適合できるという優れた利点も持つ
ている。 尚、支持材料の埋め込み後、一旦加水分解して
全面スルホン酸型の膜とし、その一方の表面のみ
を、五塩化リンまたは三塩化リンと塩素の混合物
を用いて、スルホニルクロライド型とすることに
より、スルホニルクロライド基とスルホン酸基の
反応性の差を利用して、本発明に係わる膜状フツ
素化共重合体と同様な作用効果を持たせる方法も
考えられる。 しかしながら、五塩化リン等によりスルホン酸
基をスルホニルクロライド基に変換する反応は、
80℃以上の高温反応であり、この様な反応を片側
表面だけに対して行なうことは、特に工業化規模
の膜を扱う場合、容易でない。また、スルホン酸
基は、スルホニルフロライド基と異なり、親水性
が大きく、還元剤の溶液に膜を浸漬した時、カル
ボン酸基への変換反応が、スルホニルクロライド
基の存在する層の両側から進行することが多く、
生成するカルボン酸基の層の厚みや密度勾配をコ
ントロールすることが非常に困難である。 カルボン酸基の層の厚みや密度勾配は、膜の性
能や寿命に大きな影響を与えるものであり、これ
らを自由にコントロールできないことは、本発明
に係わる膜状フツ素化共重合体を使用する場合と
比べて大きな欠点である。更に、上記の方法で
は、一旦加水分解して、全面スルホン酸型の膜に
した後、再びスルホニルクロライド基への変換を
行なうので、本発明に係わる製造方法に比べて、
プロセスが複雑となる欠点もある。 以下に実施例を示すが、本発明の技術的範囲は
これらに限定されるものではない。 実施例 1 500c.c.のステンレス製オートクレーブに16gの
【式】と0.16gの過
硫酸アンモニウム及び脱酸素処理した水を入れ、
パーフルオロオクタン酸アンモニウムを乳化剤と
して乳化させ、温度50℃にてテトラフルオロエチ
レンを圧力5.5Kg/cm2で、助触媒に用いる亜硫酸
水素ナトリウムを追添しながら重合させた。得ら
れたポリマーの一部をアルカリで加水分解した後
当量重量を測定したところ1200であつた。 上記ポリマーを水洗後、厚さ250ミクロンの膜
状物に成型し、苛性ソーダ水溶液にジメチルスル
ホキシドを加えた溶液を用いて、片面のみを、19
ミクロンの深さまで加水分解した。 この膜の、加水分解しない面を下にして、400
デニールのマルチフイラメントで縦横ともインチ
当り40本打ち込んだ平織りもので、厚みが0.15mm
のポリテトラフロロエチレン製の織物の上に置
き、膜を真空で引きつつ、270℃に加熱して織物
を膜に埋め込んで補強した。 この膜状物のスルホン酸基を、塩酸を用いてH
型に変えた後、充分乾燥して、五塩化リンとオキ
シ塩化リンを1:3の重量比で混合した溶液中に
浸漬し、110℃で2時間反応させた。 反応終了後、膜の表面赤外吸収スペクトル(以
下ATRと略す)を測定したところ、加水分解し
た側の面では、1420cm-1にスルホニルクロライド
基による特性吸収が現れ、スルホン酸基の特性吸
収は消失していた。一方、支持材料の埋込みを行
なつた側の面では、1460cm-1のスルホニルフロラ
イド基の吸収のみが現れ、全く変化していなかつ
た。 使用例 1 実施例1で得た膜状物を、57%のヨウ化水素酸
水溶液の中に浸漬し、80℃で24時間反応させた。
その後膜のATRを測定したところ、スルホニル
クロライド基の特性吸収が消失し、代りに1780cm
-1にカルボン酸基の特性吸収が現われていた。 一方、スルホニルフロライド基は全く変化して
いなかつた。また、膜をクリスタルバイオレツト
で染色してみると、支持材料の埋込みを行なつた
のと反対側の表層15ミクロン程度が染色された。 この膜を、塩素ガスと室温で、5時間接触さ
せ、3規定苛性ソーダ/50%メタノール水溶液で
加水分解することにより、片面表層にカルボン酸
基を有し、残余の部分にはスルホン酸基が存在す
るフツ素化陽イオン交換膜を得た。 比較例 1 実施例1に於いて、支持材料を埋込んだ後、ア
ルカリで加水分解して、全面スルホン酸型の膜と
した後、実施例1と同じ方法で、スルホン酸基を
スルホニルクロライド基に変えた。この膜2枚
を、支持材料を埋込んだ側を内側にして、アクリ
ル樹脂製の枠に組込み、57%のヨウ化水素酸水溶
液の中に浸漬し、80℃で24時間反応させた。この
後、使用例1と同様な後処理を行ない、片面のみ
にカルボン酸基が存在し、残余の部分にはスルホ
ン酸基が存在するフツ素化陽イオン交換膜を得
た。 応用例1で得た膜と、電解性能を比較したとこ
ろ、両者は実質的に同等な性能を示した。 比較例 2 比較例1で得た、全面にスルホニルクロライド
基を有する膜を、使用例1と同様な方法により、
57%ヨウ化水素酸水溶液中に浸漬して反応させた
後、同様な後処理を行なつた。 得られたフツ素化陽イオン交換膜は、両面にカ
ルボン酸基7層が形成されており、使用例1で得
られた膜に比して、電気抵抗が大きく、電解性能
が劣つていた。 実施例 2 実施例1においてテトラフルオロエチレンの圧
力を、それぞれ5,7Kg/cm2にして同様に重合し
た。得られたポリマーの一部を実施例1と同様な
方法で当量重量を測定したところ、それぞれ1100
及び1350であつた。 上記の各ポリマーで、前者を厚み100μ、後者
を厚み50μの膜状物に成型した。これら膜状物を
それぞれA膜、B膜と呼ぶ。 B膜の片面を、19ミクロンの深さまで、苛性ソ
ーダ水溶液に、ジメチルスルホキサイドを加えた
溶液を用いて加水分解した。 この膜の加水分解しない面を下側に向け、B膜
の下にA膜、A膜の下に横糸400デニールのマル
チフイラメント、縦糸200デニールのマルチフイ
ラメント×2からなるインチ当り縦横25本の「か
らみ」織の織物で厚みが約0.15mmのポリテトラフ
ロロエチレン製の織物を置き、膜を真空でひきつ
つ加熱して、B膜とA膜のはり合わせ及び支持材
料のA膜への埋込みを行なつた。 この膜状物のスルホン酸基を、塩酸を用いてH
型に変えた後、塩化アンモニウム水溶液と接触さ
せ、約25%程度をアンモニウム塩型とした後、充
分乾燥して、五塩化リンの蒸気と120℃で10時
間、次いで130℃で30時間反応させた。 反応終了後、ATRを測定したところ、B膜の
加水分解した面では1420cm-1にスルホニルクロラ
イド基による特性吸収が現れ、スルホン酸基の特
性吸収は消失していた。一方支持材料の埋込みを
行なつたA膜の面では、1460cm-1のスルホニルフ
ロライド基の吸収のみが現れ、全く変化していな
かつた。 使用例 2 実施例2で得た膜状物を、57%ヨウ化水素酸と
氷酢酸の11:1(体積比)混合溶液中に浸漬し、
72℃、17時間反応させた後、アルカリで加水分解
処理し、更に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液で90
℃、16時間処理した。この膜状物のATRを測定
すると、B膜の加水分解した面には1690cm-1にカ
ルボン酸塩型による吸収が見られ、膜の反対側の
面には1060cm-1にスルホン酸塩型の吸収が見られ
た。また膜の断面をPH=2に調整したマラカイト
グリーンの水溶液にて染色すると、処理面側表層
から約14μの厚さが青色に染色され、残りは黄色
に染色された。
パーフルオロオクタン酸アンモニウムを乳化剤と
して乳化させ、温度50℃にてテトラフルオロエチ
レンを圧力5.5Kg/cm2で、助触媒に用いる亜硫酸
水素ナトリウムを追添しながら重合させた。得ら
れたポリマーの一部をアルカリで加水分解した後
当量重量を測定したところ1200であつた。 上記ポリマーを水洗後、厚さ250ミクロンの膜
状物に成型し、苛性ソーダ水溶液にジメチルスル
ホキシドを加えた溶液を用いて、片面のみを、19
ミクロンの深さまで加水分解した。 この膜の、加水分解しない面を下にして、400
デニールのマルチフイラメントで縦横ともインチ
当り40本打ち込んだ平織りもので、厚みが0.15mm
のポリテトラフロロエチレン製の織物の上に置
き、膜を真空で引きつつ、270℃に加熱して織物
を膜に埋め込んで補強した。 この膜状物のスルホン酸基を、塩酸を用いてH
型に変えた後、充分乾燥して、五塩化リンとオキ
シ塩化リンを1:3の重量比で混合した溶液中に
浸漬し、110℃で2時間反応させた。 反応終了後、膜の表面赤外吸収スペクトル(以
下ATRと略す)を測定したところ、加水分解し
た側の面では、1420cm-1にスルホニルクロライド
基による特性吸収が現れ、スルホン酸基の特性吸
収は消失していた。一方、支持材料の埋込みを行
なつた側の面では、1460cm-1のスルホニルフロラ
イド基の吸収のみが現れ、全く変化していなかつ
た。 使用例 1 実施例1で得た膜状物を、57%のヨウ化水素酸
水溶液の中に浸漬し、80℃で24時間反応させた。
その後膜のATRを測定したところ、スルホニル
クロライド基の特性吸収が消失し、代りに1780cm
-1にカルボン酸基の特性吸収が現われていた。 一方、スルホニルフロライド基は全く変化して
いなかつた。また、膜をクリスタルバイオレツト
で染色してみると、支持材料の埋込みを行なつた
のと反対側の表層15ミクロン程度が染色された。 この膜を、塩素ガスと室温で、5時間接触さ
せ、3規定苛性ソーダ/50%メタノール水溶液で
加水分解することにより、片面表層にカルボン酸
基を有し、残余の部分にはスルホン酸基が存在す
るフツ素化陽イオン交換膜を得た。 比較例 1 実施例1に於いて、支持材料を埋込んだ後、ア
ルカリで加水分解して、全面スルホン酸型の膜と
した後、実施例1と同じ方法で、スルホン酸基を
スルホニルクロライド基に変えた。この膜2枚
を、支持材料を埋込んだ側を内側にして、アクリ
ル樹脂製の枠に組込み、57%のヨウ化水素酸水溶
液の中に浸漬し、80℃で24時間反応させた。この
後、使用例1と同様な後処理を行ない、片面のみ
にカルボン酸基が存在し、残余の部分にはスルホ
ン酸基が存在するフツ素化陽イオン交換膜を得
た。 応用例1で得た膜と、電解性能を比較したとこ
ろ、両者は実質的に同等な性能を示した。 比較例 2 比較例1で得た、全面にスルホニルクロライド
基を有する膜を、使用例1と同様な方法により、
57%ヨウ化水素酸水溶液中に浸漬して反応させた
後、同様な後処理を行なつた。 得られたフツ素化陽イオン交換膜は、両面にカ
ルボン酸基7層が形成されており、使用例1で得
られた膜に比して、電気抵抗が大きく、電解性能
が劣つていた。 実施例 2 実施例1においてテトラフルオロエチレンの圧
力を、それぞれ5,7Kg/cm2にして同様に重合し
た。得られたポリマーの一部を実施例1と同様な
方法で当量重量を測定したところ、それぞれ1100
及び1350であつた。 上記の各ポリマーで、前者を厚み100μ、後者
を厚み50μの膜状物に成型した。これら膜状物を
それぞれA膜、B膜と呼ぶ。 B膜の片面を、19ミクロンの深さまで、苛性ソ
ーダ水溶液に、ジメチルスルホキサイドを加えた
溶液を用いて加水分解した。 この膜の加水分解しない面を下側に向け、B膜
の下にA膜、A膜の下に横糸400デニールのマル
チフイラメント、縦糸200デニールのマルチフイ
ラメント×2からなるインチ当り縦横25本の「か
らみ」織の織物で厚みが約0.15mmのポリテトラフ
ロロエチレン製の織物を置き、膜を真空でひきつ
つ加熱して、B膜とA膜のはり合わせ及び支持材
料のA膜への埋込みを行なつた。 この膜状物のスルホン酸基を、塩酸を用いてH
型に変えた後、塩化アンモニウム水溶液と接触さ
せ、約25%程度をアンモニウム塩型とした後、充
分乾燥して、五塩化リンの蒸気と120℃で10時
間、次いで130℃で30時間反応させた。 反応終了後、ATRを測定したところ、B膜の
加水分解した面では1420cm-1にスルホニルクロラ
イド基による特性吸収が現れ、スルホン酸基の特
性吸収は消失していた。一方支持材料の埋込みを
行なつたA膜の面では、1460cm-1のスルホニルフ
ロライド基の吸収のみが現れ、全く変化していな
かつた。 使用例 2 実施例2で得た膜状物を、57%ヨウ化水素酸と
氷酢酸の11:1(体積比)混合溶液中に浸漬し、
72℃、17時間反応させた後、アルカリで加水分解
処理し、更に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液で90
℃、16時間処理した。この膜状物のATRを測定
すると、B膜の加水分解した面には1690cm-1にカ
ルボン酸塩型による吸収が見られ、膜の反対側の
面には1060cm-1にスルホン酸塩型の吸収が見られ
た。また膜の断面をPH=2に調整したマラカイト
グリーンの水溶液にて染色すると、処理面側表層
から約14μの厚さが青色に染色され、残りは黄色
に染色された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 スルホニルクロライド基を含む側鎖が存在す
る表面に実質的に平行な第1の層と、スルホニル
フロライド基を含む側鎖が存在する表面に実質的
に平行な第2の層とから成る膜状フツ素化共重合
体。 2 支持材料を実質的に、第2の層中に含んでい
る、特許請求の範囲第1項記載の膜状フツ素化共
重合体。 3 第1の層の厚みが、全体の厚みの1/100〜5/1
0である特許請求の範囲第1項または第2項記載
の膜状フツ素化共重合体。 4 第2の層が、スルホニルフロライド基の存在
密度の異なる二つの層状部分から成る、特許請求
の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の膜状フ
ツ素化共重合体。 5 スルホン酸基またはその塩を含む側鎖が存在
する表面に実質的に平行な第1の層と、スルホニ
ルフロライド基を含む側鎖が存在する表面に実質
的に平行な第2の層とから成る膜状フツ素化共重
合体を、五塩化リンまたは、三塩化リンと塩素の
混合物に、80℃〜140℃の条件下で接触させるこ
とを特徴とするスルホニルクロライド基を含む側
鎖が存在する表面に実質的に平行な第1の層と、
スルホニルフロライド基を含む側鎖が存在する表
面に実質的に平行な第2の層とから成る膜状フツ
素化共重合体の製造方法。 6 原料として用いる膜状フツ素化共重合体の第
1の層の側鎖が、スルホン酸基及び/またはその
アンモニウム塩を含む特許請求の範囲第5項記載
の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11352479A JPS5638329A (en) | 1979-09-06 | 1979-09-06 | Fluorinated copolymer membrane and its preparation |
| US06/184,270 US4376140A (en) | 1979-09-06 | 1980-09-05 | Method for producing a fluorinated copolymer membrane |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11352479A JPS5638329A (en) | 1979-09-06 | 1979-09-06 | Fluorinated copolymer membrane and its preparation |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5638329A JPS5638329A (en) | 1981-04-13 |
| JPS6241971B2 true JPS6241971B2 (ja) | 1987-09-05 |
Family
ID=14614518
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11352479A Granted JPS5638329A (en) | 1979-09-06 | 1979-09-06 | Fluorinated copolymer membrane and its preparation |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4376140A (ja) |
| JP (1) | JPS5638329A (ja) |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3129744C2 (de) * | 1981-07-28 | 1987-03-05 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Für Flüssigkeiten sowie Gase selektiv-durchlässige Formkörper aus Fluorgruppen enthaltendem Copolymerisat, die zugleich oleophob und oleophil sind |
| US4609465A (en) * | 1984-05-21 | 1986-09-02 | Pall Corporation | Filter cartridge with a connector seal |
| US4681855A (en) * | 1985-08-05 | 1987-07-21 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of Commerce | Humidity sensing and measurement employing halogenated organic polymer membranes |
| DD255282A1 (de) * | 1986-12-22 | 1988-03-30 | Medizin Labortechnik Veb K | Verfahren zur hydrophobierung mikrobakteriendichter luftfiltermaterialien |
| US5387378A (en) * | 1993-04-21 | 1995-02-07 | Tulane University | Integral asymmetric fluoropolymer pervaporation membranes and method of making the same |
| US20050098277A1 (en) * | 2002-02-06 | 2005-05-12 | Alex Bredemus | Reduced visibility insect screen |
| US6763875B2 (en) * | 2002-02-06 | 2004-07-20 | Andersen Corporation | Reduced visibility insect screen |
| MY178616A (en) | 2012-09-17 | 2020-10-19 | Grace W R & Co | Chromatography media and devices |
| JP6914189B2 (ja) | 2014-05-02 | 2021-08-04 | ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーンW R Grace & Co−Conn | 官能化担体材料並びに官能化担体材料を作製及び使用する方法 |
| KR102566292B1 (ko) | 2015-06-05 | 2023-08-10 | 더블유.알. 그레이스 앤드 캄파니-콘. | 흡착성 바이오프로세싱 정화제와 이의 제조 및 사용 방법 |
Family Cites Families (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3849243A (en) * | 1971-11-08 | 1974-11-19 | Du Pont | Laminates of support material and fluorinated polymer containing pendant side chains containing sulfonyl groups |
| US3770567A (en) * | 1971-11-08 | 1973-11-06 | Du Pont | Laminates of support material and fluorinated polymer containing pendant side chains containing sulfonyl groups |
| JPS5224176A (en) * | 1975-07-09 | 1977-02-23 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Cathion exchange membrane |
| US4151053A (en) * | 1975-07-09 | 1979-04-24 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Cation exchange membrane preparation and use thereof |
| JPS5224177A (en) * | 1975-07-09 | 1977-02-23 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Manufacturing method of fluorocarbon cathion exchange membrane |
| IT1061477B (it) * | 1975-07-09 | 1983-02-28 | Asahi Chemical Ind | Membrana scambiatrice di cationi sua preparazione e suo impiego |
| JPS5857443B2 (ja) * | 1976-04-16 | 1983-12-20 | 旭化成株式会社 | スルホニルクロライド化法 |
| JPS53104583A (en) * | 1977-02-24 | 1978-09-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Fluorine-type cation exchange membrane having two-layer structure and production thereof |
| JPS53116287A (en) * | 1977-03-22 | 1978-10-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Two-layer structure membrane and production thereof |
| JPS6011932B2 (ja) * | 1977-06-13 | 1985-03-29 | 株式会社トクヤマ | 陽イオン交換基を酸クロライド基に変換する方法 |
| JPS6011933B2 (ja) * | 1977-06-20 | 1985-03-29 | 旭化成株式会社 | 二層構造を有するフツ素系陽イオン交換膜及びその製造方法 |
-
1979
- 1979-09-06 JP JP11352479A patent/JPS5638329A/ja active Granted
-
1980
- 1980-09-05 US US06/184,270 patent/US4376140A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US4376140A (en) | 1983-03-08 |
| JPS5638329A (en) | 1981-04-13 |
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