JP5187999B2 - フッ素化イオノマー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルホン性のフッ素化されたイオノマー、およびそれから得られる薄膜に関するものであり、該薄膜は例えば燃料電池などの電気化学的適用において、100℃〜180℃ほどの高温でも使用できる。
具体的には、本発明は、5μmより低い限界までの非常に薄い厚ささえ有し、使用状態下で高い水和度と良好な機械的性質を備えた、スルホン性のフッ素化イオノマーの薄膜に関する。
【0002】
より具体的には、薄膜の製造に使用されるスルホン性のフッ素化イオノマーは、700より高い、好ましくは720〜1,700の当量(equivalent weight)を有する。前記の薄膜は、当量が均一であって、従来技術のものと比較して改良された水和度および良好な機械的性質を示す。
本発明のスルホン性のフッ素化イオノマーは、部分的に結晶性であり、上記のとおりの当量(EW)を有する。
【0003】
【従来の技術】
従来技術において、イオノマーと呼ばれる一群のポリマーの、電気化学的適用、例えば燃料電池、クロロ-ソーダ電池、リチウム電池、電気透析、さらにはイオノマーが固体触媒として作用する反応試剤などのような使用が知られていた。前記の適用は、イオノマーのイオン性官能基と親和性を有する水性または極性の液体とイオノマーとを接触させることを意味する。
【0004】
電気化学的利用、例えば燃料電池において、イオノマーの導電性とイオノマーの保水性との間には直接的な相関関係がある。ポリマーのイオン導電性は、ポリマー中のイオン性基の高い存在により増加する上に、ポリマーが保持できる水のより大きい量(水和度)によっても、有意に増加することになる。
【0005】
産業上利用されるイオノマー/薄膜は、使用に先立って活性化されなければならない。つまり、前駆基‐SO2Fを対応するイオン性の基‐SO3Hへ化学的に変換させることが必要である。薄膜の活性化は、まずアルカリ性水溶液に接触させ、ついで酸性溶液に接触させることにより行なわれる(後記参照)。
従来技術において、充分な物理的結合性(physical integrity)を有する薄膜を得るためには、約1,100の当量を有するポリマーが通常用いられている。そのような薄膜の例は、燃料電池に使われている市販の製品、ナフィオン(NAFION、登録商標)によって代表される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
該薄膜は、良好な物理的結合性を有するために、典型的には約1,100の当量を有するイオノマーから得られる。かかる薄膜は高い導電性を示さない。さらに、もし前記薄膜を脱水条件下、あるいは電池への不飽和な供給流体とともに、特に100℃より高い電池温度で使用すると、薄膜に脱水が進む傾向があり、薄膜の導電性は著しく減少する。したがって、ナフィオン(登録商標)薄膜は、特に100℃より高い温度で、また電池への供給流体の脱水条件下では、有効に使用できない。
【0007】
従来技術に記載されているスルホン性のイオノマーでは、良好な物理的結合性と高い水和率との最適な組合せをもった薄膜が得られない。特に、自動車産業において、極めて高い導電性を有するイオノマー薄膜を入手する必要性が感じられている。
【0008】
極めて薄い厚さ、例えば5〜80μmの薄膜を製造できるように、薄膜が高い水和率および良好な機械的性質を示すときに、これを入手することができる。さらに、非常に高い導電性を有する薄膜は、より小さい薄膜表面で同じ電力を生じることができる。これは、大きさならびに堆積重量およびコストを減らすことができるので、自動車産業で強く望まれている。その上、陰極側で生成した水をより容易に陽極側に移すことができるので、非常に薄い薄膜は限界的な脱水状態により良く抵抗する。さらに、電池に対する供給流体の加湿度が等しいので、電池の作動温度がより高くなるにつれて、脱水性は非常に高まる。高い電池温度、例えば100℃より高い温度は、より効果的な熱交換を可能にするので望ましい。
【0009】
また、従来技術の燃料電池は、プラチナを主体とする電極の活性を低下させないように、極めて純度の高い水素を用いている。実際に、再生水素、したがってCOを含んでいる水素を使用すると、プラチナの急速な活性低下が起こる。したがって、従来技術によれば、再生水素は、燃料電池に使用する前にCOから浄化されなければならない。この現象は、電池が110〜120℃の温度で作動するとき、著しく減少し、約150℃の作動温度では実際に消滅する。
【0010】
したがって、薄膜は、極めて薄い厚さでも、改善された水和特性を示し、例えば100℃より高い温度でも使用できて、その物理的結合性を失わないような改善された機械的性質を示すことが望ましい。
本発明者によって行なわれた試験は、従来技術で報告されているイオノマーでは、薄膜が前記特性の最適な組合せを示さないことが明らかになった。
【0011】
該薄膜は、例えば自動車の分野のような広範な適用のために入手できなければならず、したがって高い効率、信頼性および再現性を有する連続的な方法によって、大規模に生産できる方法により入手できなければならない。
したがって、薄膜の物理的結合性に実質的に障害を与えないで、室温および高温(前記で定義したとおり)の両方で使用でき、下限の5μmまでの厚さを有する薄膜を与え得る高い機械的特性と組み合わさって、改善された水和特性を有する、700〜1700の当量(EW)をもったスルホン性のフッ素化されたイオノマーを入手する必要性が感じられていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、驚くべきことに、また予想外に、上記の技術的な問題を解決できるスルホン性のフッ素化イオノマーを見出した。
本発明の目的は、700〜1,700g/eq、好ましくは720〜1,500g/eqの当量を有し、
(A) 少なくとも1つのエチレン不飽和を含む1以上のフッ素化モノマーから誘導されるモノマーユニット;
(B)上記の当量を与えるだけの量のスルホニル基‐SO2Fを含み、F2C=CF-O-(CF2)q-SO2F(qは2または3の整数である)から誘導されるフッ素化モノマーユニットを含み;
TFE/(B)コポリマー(ここで、q=2)に関して次の性質:
−イオノマーから調製され、-SO2F型から-SO3H 型へ変換した後のフイルムに100℃で吸収される水の%で表される水和率(以下参照)が次の数値を有する:
750当量で、55%より高く、好ましくは>70%
850当量で、45%より高く、好ましくは>55%
1,000当量で、35%より高く、好ましくは>40%
1,100当量で、28%より高く、好ましくは>32%
1,200当量で、23%より高く、好ましくは>25%
を有する、半結晶性のスルホン性フッ素化イオノマーにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明イオノマーは、TFE/(B)コポリマー(ここで、q=2)に関して、-SO2F型で、良好な機械的性質を有する20μmの厚さで、フイルム押出適性を示す。
さらに、本発明のイオノマーは、TFE/(B)コポリマー(ここで、q=2)に対して、後記のように、-SO2F型から-SO3H型へ変換した後に、5kgの荷重で280℃で測定して、0.01〜100g/10’のメルトフローインデックスを示す。
【0014】
TFE/(B)コポリマー(ここで、q=2)に対して、本発明のイオノマーの機械的性質は高く、特に23℃でフイルムについて次の機械的性質がある:
750当量で、引張応力(MPa)>4、好ましくは>5
850当量で、引張応力(MPa)>10、好ましくは>15
1,000当量で、引張応力(MPa)>20、好ましくは>25
1,100当量で、引張応力(MPa)>20、好ましくは>28
1,200当量で、引張応力(MPa)>20、好ましくは>30。
【0015】
タイプ(A)のモノマーは次から選択される:
- ビニリデンフルオライド(VDF);
- C2-C8 パーフルオロオレフイン類、好ましくはテトラフルオロエチレン(TFE);
-任意にエチレンの存在下におけるクロロトリフルオロエチレン(CTFE) ;
-(パー)フルオロアルキルビニルエーテル類(PAVE)CF2=CFORf(こ こで、RfはC1-C6パーフルオロアルキル、例えばトリフロロメチル 、ペンタフルオロプロピル);
-パーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル類CF2=CFOX(ここで、 Xは1以上のエーテル基を有するC1-C12パーフルオロ−オキシアルキ ル、例えばパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである)。
好ましくは、(A)はTFEである。好ましくは、(B)はq=2のモノマーである。
【0016】
本発明のスルホン性のフッ素化イオノマーは、式:
R1R2 C = CH(CF2)m0-CH=CR5R6 (I)
(式中、 mo = 2〜10、 好ましくは4〜8;
R1、 R2、 R5、 R6 は、互いに同じかまたは異なって、水素またはC1-C5 アルキル基である)
で表されるビス-オレフィンから誘導されるモノマーユニット0.01〜5モル%を任意に含むことができる。ビス-オレフィンの導入は、ポリマー鎖の長さを増す利点がある。
【0017】
好ましくは、本発明のスルホン性のフッ素化イオノマーは、
- TFEから誘導されるモノマーユニット;
- CF2=CF-O-CF2CF2SO2F から誘導されるモノマーユニット;を含み、式(I)のビス-オレフィンから誘導されるモノマーユニットを任意に含んでいてもよい。
【0018】
本発明イオノマーは、ヨウ素および/または臭素原子を任意に含むことができる。それは、例えば、2〜10の炭素原子を有するブロモおよび/またはヨードオレフィン類のような臭素化および/またはヨウ素化された「キュアサイト」コモノマー(例えば、米国特許第4,035,565号および米国特許第4,694,045号に記載のような)、あるいはヨードおよび/またはブロモフルオロ-アルキルビニルエーテル類(米国特許第4,745,165号、米国特許第4,564,662号およびヨーロッパ特許第199,138号に記載のような)を反応混合物に添加することにより行なわれる。前記の「キュアサイト」の量は、最終生成物中の「キュアサイト」コモノマーの含量が、一般にその他の基礎となるモノマーユニット100モル当たり0.05〜2モルの範囲となる量である。
【0019】
あるいは、「キュアサイト」コモノマーに対する組合せにおいて、例えば、式:
Rf' (I)x(Br)y
(式中、Rf' は1〜8の炭素原子を有する(パー)フルオロアルキルまたは(パー)フルオロクロロアルキルであり、xおよびyは1 ≦ x+y ≦ 2であって、0〜2の整数である)
の化合物のような、ヨウ素化および/または臭素化された連鎖移動剤(例えば、米国特許第4,243,770号および米国特許第4,943,622号参照)を、反応混合物に添加することによって、末端基中にヨウ素および/または臭素原子を導入することができる。
【0020】
また、高温における薄膜の水和率をさらに改善するために、好ましくは無機またはポリマーの充填剤をイオノマーに添加することができる。充填剤の量は、イオノマーに対して0〜20重量%である。充填剤の例は、ゼオライト、シリカ、チタネート、積層状のZr、Ti、Hfのスルホアリールホスホネートなど、アクリルポリマーなどである。充填剤は機械的性質を改善するためにも用いることができる。充填剤としては、有機および/または無機の充填剤であり、特に無機の充填剤の中では、シリカ、セライト、カオリンなどが挙げられ;また有機の充填剤の中では、フッ素化ポリマー類、PVdF、PCTPE、E/CTFE、E/TFE、および熱加工性のパーフッ素化されたポリマー類、例えば PFA、MFAまたはPTFEのようなポリマー類が挙げられる。パーフルオロ(アルコキシ)ビニルエーテル類を任意に含んでいてもよいPTFEおよび/またはHFPは、ナノ粒子状(例えば、10〜80μm)で使用するのが好ましい。
【0021】
本発明のスルホン性のフッ素化イオノマーは、自立の薄膜および裏付き薄膜の両方を製造するのに用いることができる。これらの薄膜は、例えば所望の厚さを有するフイルムを得る押出製法によって製造され得る。薄膜が裏付きであるとき、所望のサイズおよび厚さを有する、フッ素化された、好ましくはパ−フッ素化されたポーラスな製品が裏地として用いられ、その上にイオノマーが堆積される。
【0022】
本発明の薄膜は活性化処理に付され、スルホニル基-SO2Fがスルホン基-SO3H に変換される。例えば、活性化は2段階で行なわれる:
−SO2F型を−SO3K型へ変換させる塩化(salification);
−SO3K型を−SO3H型へ変換させる酸性化。
塩化は、例えば薄膜(フイルム)を60〜80℃の温度で2時間以上KOHの10重量%水溶液に浸漬することにより行なわれる。塩化終了時に、薄膜を室温で蒸留水浴中に置き、残留するKOHを洗浄する。
【0023】
酸性化は、例えば塩化した薄膜を室温で少なくとも2時間、HClの20重量%水溶液中に置き、次いで脱塩水で洗浄することにより行なわれる。得られる-SO3H型の薄膜は、燃料電池への利用に適している。
上記のとおり、本発明の薄膜は、上記の用途に、好ましくは燃料電池に、特に自動車の分野で使用できる。
【0024】
本発明のスルホン性のイオノマーから得られる薄膜は、前記のとおり、予想外に、また驚くべきことに、改善された水和率と改善された機械的性質との最適な組合せ示す。また、本発明のイオノマーから得られる自立薄膜は、特に薄い厚さで得られる。本発明の薄膜の厚さは、好ましくは5μm〜500μmの範囲であり、より好ましくは10〜250μmである。自動車産業用の特に薄い厚さを有する自立薄膜は、20〜60μmの厚さを有する。
【0025】
本発明の薄膜は、室温〜180℃、好ましくは70℃〜120℃の、より広い温度範囲において使用できる。
本発明の薄膜は、100℃より高い温度で作動させても、また燃料電池への供給流体の不飽和状態の下でも、物理的な完全性を維持している。
燃料電池としての利用のために、薄膜用に用いられるイオノマーは、好ましくは720〜1,200、より好ましくは750〜1,100の当量(EW)を有する。
【0026】
前記のとおり、本発明のイオノマーは部分的に結晶性である。すなわち、それらはDSC解析(示差走査熱量計)で、少なくとも一つの溶融エンタルピー・ピークを示す。
【0027】
本発明のスルホン性のイオノマーの製造は、バルク、懸濁またはエマルジョンでのラジカル重合法によって行なわれる。その方法で用いられる比率:
[供給の際の(B)/(A) ] / [ポリマー中の(B)/(A) ]
は、当量が800までの場合、2.20より大きく、好ましくは2.50より大きい;当量が800より大きい場合、上記の比は2.00より大きく、好ましくは2.20より大きい。
【0028】
例えば、水性エマルジョンまたはマイクロエマルジョン中での重合が挙げられる。上記の重合で使用できる界面活性剤は、パーフッ素化されたもの、例えばパーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸などの塩類(下記に定義する)またはそれらの混合物など、NH4 +、アルカリ金属で塩化された酸末端基(例えば、-COOH、-SO3H)を有し、他の端末基が任意に一つのHまたはCl原子を含んでいてもよい(パー)フッ素化された(パー)フルオロポリエーテル類である。パーフルオロポリエーテル界面活性剤の数平均分子量は、一般に300〜1,800、好ましくは350〜750の範囲である。
【0029】
マイクロエマルジョンにおける重合は、従来技術において周知である。
特に、本発明の目的であるスルホン性イオノマーの製造は、水性エマルジョンを用いることにより行なわれる。その反応媒体中では界面活性剤として、式:
Rf -X-M+
(式中、Xは −COOまたは -SO3 であり;
M はH、 NH4、アルカリ金属から選択され;
- Rf は、(パー)フルオロポリエーテル鎖、好ましくは数平均分子量 が約230〜約1,800、より好ましくは300〜750を有し、前 記(パー)フルオロポリエーテル鎖は次の1以上から選択される繰り返 し単位を含む:
a) - (C3F6O)-;
b) - (CF2CF2O)-;
c) - (CFLoO)-、(ここで、 Lo = -F または -CF3);
d) -CF2(CF2)Z'CF2O-、(ここで、z' は1 または2の整数であ る);
e) -CH2CF2CF2O- )
で示されるものが用いられる。
Rf は、単一の官能基であって、(パー)フルオロオキシアルキル末端基T、例えばCF3O-、C2F5O-、C3F7O-を有し;パーフルオロアルキル末端基中の1つのフッ素原子は1つの塩素または水素原子で任意に置換されていてもよい。前記末端基の例は、Cl(C3F6O)-、 H(C3F6O)-である。ユニットa) C3F6Oは、-CF2-CF(CF3)O- または -CF(CF3)CF2O−である。
【0030】
特に、Rf は次の構造のうちの1つを有するのが好ましい:
l) T-(CF2O)a-(CF2CF2O)b-CF2-
b/aは0.3〜10であり、両端を含み、aは0とは異なる整数であ る;
2) T-(CF2-(CF2)Z'-CF2O)b'-CF2-
(ここで、 z’は1または2の整数である);
3) T-(C3F6O)r-(C2F4O)b-(CFL0O)t-CF2-
(ここで、r/b = 0.5-2.0 (r+b)/t = 10-30、 指標r、 bおよびtを有する全てのユニットが存在する場合、bおよびtは0 とは異なる整数である;またはb=t=0またはb=0;
a、b、b’、r、tは整数であり、それらの合計は、Rが上記の数平均分子量の値を有するようなものである。
【0031】
Rfが次の式を有する化合物がさらに好ましい:
T-(CF2CF(CF3)O)m(CF2O)n-CF2-
(ここで、 m/n = 1〜30;
T =-OCF3または-OCF2Cl、
Xはカルボキシ基であり、MはNH4またはKである)。
(パー)フルオロポリエーテル類Rfは、従来技術で周知の方法により製造できる。例えば、次の特許を本明細書に組入れることができる:米国特許第3,665,041号、第2,242,218号、第3,715,378号およびヨーロッパ特許第239,123号。ヒドロキシ末端を有する官能性のフルオロポリエーテル類は、例えばヨーロッパ特許第148,482号、米国特許第3,810,874号に従って得られる。官能性のXは、それから前記特許に記載の方法に従って得られる。
【0032】
また、米国特許第5,173,553号に従って、連鎖移動剤、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のヨーダイドおよび/またはブロマイドを重合に用いることもできる。好ましくは、炭化水素類、アルコール類のような水素を含む連鎖移動剤、特に酢酸エチルおよびエタンが用いられる。
【0033】
本発明の方法で用いられる重合開始剤は、鉄塩、銅塩または銀塩と任意に組み合わさった、例えば過硫酸のアンモニウム塩および/またはカリウム塩および/またはナトリウム塩のようなラジカル性無機開始剤が好ましい。重合反応器への開始剤の供給方法は、連続的な方法でもよく、重合開始時に一度に加えてもよい。
【0034】
重合反応は、一般に30barまでの圧力、好ましくは8barより高い圧力下に、25〜70℃、好ましくは50〜60℃の範囲の温度で行われる。
モノマー(B)は、連続的または段階的に重合反応器に供給される。
重合が終わると、電解質の添加または冷却による凝固のような通常の方法によって、イオノマーが単離される。
本発明を以下の実施例により詳細に説明する。これらの実施例は単に説明のためであって、本発明の範囲を限定する目的のものでははない。
【0035】
実施例
特性試験
水和率
乾燥後、薄膜の重量を測り、続いて100℃の蒸留水中で30分間水和する;次いで、それを水から引出し、表面を乾燥し、再び重量を測る。
薄膜の水和率H%を、次の式に従って評価する:
H%=100 × (水和重量 − 乾燥重量)/乾燥重量
【0036】
実施例1
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水 11.5 L;
- 式:CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー980g;
- 数平均分子量521を有し、カリウムで塩化された酸末端基を有する、式:
CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF20)mCF2COOK(式中、n/m=10)で表されるフルオロポリオキシアルキレンの5重量%水溶液3100g。
【0037】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に60℃に加熱する。次いで、濃度3g/Lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液150mlをオートクレーブに入れる。TFEを供給することによって圧力を12絶対気圧とする。7分後に反応が始まる。TFEを供給することによって、圧力を12絶対気圧に維持する。TFE800gを反応器に供給したとき、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2Fのスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。その後、TFE 200 gを供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2Fのスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給された総重量比(B)/(A)は1.125である。
【0038】
473分後にTFEの供給を中断し、真空下に反応器を冷却し、換気することによって、反応を停止させる。 生成したラテックスは、固形分26.2重量%を有する。ラテックスを冷凍し、解凍して凝固させ、ポリマーを母液から分離し、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、80℃で24時間10重量%のKOHで処理し、次いで水で洗浄し、室温で24時間20重量%のHClで処理し、次いで水で洗浄することにより、酸型に変換する。酸型(−SO3H)のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は875g/eqとなり、85.6モル%のTFEと14.4モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終のポリマーの(B)/(A)重量比は0.465である。スルホニルフルオライド(-SO2F)型のポリマーは、280℃、5kgの荷重でMFI 58g/10’を示す(ASTM D 1238-52T)。
【0039】
スルホニルフルオライド型のポリマーを、溶融温度T= 215℃を用いて、スクリュー直径4.3〜2.3cmを有し、円錐状に共回転しているブラベンダー(Brabender)二軸押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T= 215℃の上記押出機を用いて、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、80℃で24時間10重量%のKOHで処理し、水で洗浄し、次いで室温で24時間20重量%のHClで処理し、続いて水で洗浄することにより、酸型に変換する。それは100℃で水和率88.7%を有する。
空気中、25℃および相対湿度50%で状態調整したフイルムは、21MPa(ASTM D 1708)の破断応力を有する。
【0040】
実施例2
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水11.5L;
- 式:CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー980g;
-カリウムで塩化された酸末端基を有し、数平均分子量521を有し、式:CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF2O)mCF2COOK(式中、n/m=10)で示される、フルオロポリオキシアルキレン5重量%の水溶液3,100g。
【0041】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に60℃に加熱する。次いで、濃度3g/lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液300mlをオートクレーブに入れる。TFEを導入して圧力を12絶対気圧とする。1分後に反応が始まる。TFEを供給して、圧力を12絶対気圧に維持する。
【0042】
TFE800gを反応器に供給したとき、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。その後、TFE200gを供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給された総重量比(B)/(A)は1.125である。223分後に、TFEの供給を中断し、真空下に反応器を冷却し、換気することによって、反応を停止させる。 生成したラテックスは、固形分25.9重量%を有する。ラテックスを冷凍し、解凍して凝固させ、ポリマーを母液から分離し、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、80℃で24時間10重量%のKOHで処理し、水で洗浄し、次いで室温で24時間20重量%のHClで処理し、次いで水で洗浄することにより、酸型に変換する。酸型(−SO3H)のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は926g/eqとなり、86.6モル%のTFEと13.4モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終のポリマーの(B)/(A)重量比は0.428である。スルホニルフルオライド(-SO2F)型のポリマーは、280℃、5kgの荷重で、MFI = 13g/10’を示す(ASTM D 1238-52T)。
【0043】
スルホニルフルオライド型ポリマーを、溶融温度T= 225℃を用いて、スクリュー直径4.3〜2.3cmを有し、円錐状に共回転しているブラベンダー二軸押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T= 215℃で、上記の押出機を用いて、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、80℃で24時間10重量%のKOHで処理し、水で洗浄し、次いで室温で24時間20重量%のHClで処理し、次いで水で洗浄することにより、酸型に変換する。それは100℃で水和率76.7%を有する。
空気中、25℃および相対湿度50%で状態調整したフイルムは、26MPa(ASTM D 1708)の破断応力を有する。
【0044】
実施例3
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水 11.5L;
- 式CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー980g;
-カリウムで塩化された酸末端基を有し、数平均分子量521を有し、式:CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF2O)mCF2COOK(式中、n/m=10)で示される、フルオロポリオキシアルキレン5重量%の水溶液3,100g。
【0045】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に50℃に加熱する。次いで、濃度28g/lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液300mlをオートクレーブに入れる。TFEを導入して圧力を11絶対気圧とする。1分後に反応が始まる。TFEを供給することによって、圧力を11絶対気圧に維持する。TFE1,000gを反応器に供給したときに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。その後、TFE 200 gを供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給された総重量比(B)/(A)は、0.901である。実施例1に記載のようにして、反応開始から307分後に反応を停止させる。
【0046】
生成したラテックスは固形分26.0重量%を有する。ラテックスを冷凍し、解凍して凝固させ、ポリマーを母液から分離し、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、実施例1に記載のように、80℃で24時間処理して酸型に変換する。酸型のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は980g/eqとなり、87.5モル%のTFEと12.5モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終ポリマーの(B)/(A)重量比は0.395である。スルホニルフルオライド型のポリマーは、280℃、5kgの荷重でMFI=0.4g/10’を示す。
【0047】
スルホニルフルオライド型のポリマーを、溶融温度T= 315℃で、実施例1の押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T=300℃で、実施例1の押出機により、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、実施例1と同様にして、酸型に変換する。
それは、100℃で水和率43.9%を有する。空気中、25℃および相対湿度50%で状態調整したフイルムは、30MPaの破断応力を有する。
【0048】
実施例4
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水 11.5L;
- 式:CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー980g;
-カリウムで塩化された酸末端基を有し、数平均分子量521を有し、式:CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF2O)mCF2COOK(式中、n/m=10)で示される,フルオロポリオキシアルキレン5重量%の水溶液3,100g。
【0049】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に50℃に加熱し、0.2気圧のエタンを反応器に供給する。次いで、濃度28g/lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液300mlをオートクレーブに入れる。TFEを導入して圧力を11絶対気圧とする。1分後に反応が始まる。TFEを供給することによって、圧力を11絶対気圧に維持する。
【0050】
TFE1,000gを反応器に供給したときに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。その後、TFE 200 gを供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給された総重量比(B)/(A)は0.901である。実施例1と同様にして、反応開始から327分後に、反応を停止させる。
【0051】
生成したラテックスは、固形分26.0重量%を有する。ラテックスを冷凍し、解凍して凝固させ、ポリマーを母液から分離し、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、実施例1と同様にして酸型に変換する。
【0052】
酸型のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は1,010g/eqとなり、88モル%のTFEと12モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終ポリマーの(B)/(A)重量比は0.379である。スルホニルフルオライド型ポリマーは、280℃、5kgの荷重で、MFI=14g/10’を示す。スルホニルフルオライド型のポリマーを、溶融温度T= 225℃で、実施例1の押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T=240℃で押し出して、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、実施例1と同様にして、酸型に変換する。
それは100℃で水和率43.5%を有する。空気中、25℃および相対湿度50%で状態調整したフイルムは、29MPaの破断応力を有する。
【0053】
実施例5
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水 11.5L;
- 式CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー980g;
-カリウムで塩化された酸末端基を有し、数平均分子量521を有し、式:CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF2O)mCF2COOK(式中、n/m=10)で示される、フルオロポリオキシアルキレン5重量%の水溶液3,100g。
【0054】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に50℃に加熱する。次いで、濃度28g/lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液300mlをオートクレーブに入れる。TFEを導入して圧力を12絶対気圧とする。1分後に反応が始まる。TFEを供給することによって、圧力を12絶対気圧に維持する。TFE1,000gを反応器に供給したときに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。その後、TFE 200 gを供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー175gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給されたの総重量比(B)/(A)は0.901である。実施例1の手順に従って、反応開始から224分後に反応を停止させる。
【0055】
生成したラテックスは固形分28.8重量%を有する。ラテックスを実施例1と同様にして凝固させ、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、実施例1と同様にして、酸型に変換する。
酸型のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は、1,106g/eqとなり、89.2モル%のTFEと10.8 モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終ポリマーの(B)/(A)重量比は0.335である。スルホニルフルオライド型のポリマーは、280℃、5kgの荷重でMFI=0.2g/10’を示す(280℃、10kgの荷重でMFI=18g/10’)。
【0056】
スルホニルフルオライド型のポリマーを、溶融温度T= 315℃で、実施例1の押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T=300℃で押し出して、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、実施例1と同様にして、酸型に変換する。
それは、100℃で水和率35%を有する。
空気中、25℃および相対湿度50%で状態調整したフイルムは、34MPaの破断応力を有する。
【0057】
実施例6
22リットルのオートクレーブ中に次の反応試剤を導入する:
- 脱塩水11.5 l;
- 式CF2=CF-O-CF2CF2 SO2Fのモノマー 980g;
-カリウムで塩化された酸末端基を有し、数平均分子量521を有し、式:CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n(CF2O)mCF2COOK(式中、n/m=10)で示される、フルオロポリオキシアルキレン5重量%の水溶液3,100g。
【0058】
オートクレーブを540rpmで攪拌下に50℃に加熱し、0.2気圧のエタンを反応器に導入する。次いで、濃度14g/lの過硫酸カリウム(KPS)水溶液300mlをオートクレーブに入れる。TFEを導入して圧力を13絶対気圧とする。6分後に反応が始まる。TFEを供給することによって、圧力を13絶対気圧に維持する。TFE800gを反応器に供給したときに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。その後、TFE 200 gを 供給するたびに、式:CF2 = CF-O-CF2-CF2-SO2F で示されるスルホニルモノマー220gを反応器に導入する。反応器に供給されたTFEの総量は4,OOOgである。供給された総重量比(B)/(A)は、1.125である。実施例1の手順に従って、開始から429分後に反応を停止させる。
【0059】
生成したラテックスは固形分24.4重量%を有する。ラテックスを、実施例1と同様にして凝固させ、水洗液のpHが一定となるまで水で洗浄し、室内圧、150℃で40時間乾燥する。乾燥ポリマー粉末の数グラムを、実施例1と同様にして酸型に変換する。
酸型のポリマーについて滴定により測定したコポリマーの当量は、1,190g/eqとなり、90.1モル%のTFEと9.9モル%のスルホン性モノマーとの組成に対応する。最終ポリマーの(B)/(A)重量比は0.304である。スルホニルフルオライド型のポリマーは、280℃、5kgの荷重で、MFI=10g/10’を示す。
【0060】
スルホニルフルオライド型のポリマーを、溶融温度T= 265℃で、実施例1の押出機により顆粒に変換する。
この顆粒を、溶融温度T=260℃で押し出して、厚さ10〜400ミクロンのフイルムに変換する。
フイルムの一部を、実施例1と同様にして、酸型に変換する。
それは、100℃で水和率31.0%を有する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の薄膜は、好ましくは燃料電池に、特に自動車の分野で使用できる。
本発明のスルホン性のイオノマーから得られる薄膜は、予想外に、また驚くべきことに、改善された水和率と改善された機械的性質との最適な組合せ示す。また、本発明のイオノマーから得られる自立薄膜は、特に薄い厚さで得られる。
本発明の薄膜は、100℃より高い温度で作動させても、また燃料電池への供給流体の不飽和状態の下でも、物理的な完全性を維持している。
Claims (4)
- 半結晶性スルホン性フッ素化イオノマーの製造方法であって、
前記イオノマーが、850〜1,700g/eqの当量を有し、
(A)テトラフルオロエチレン(TFE)から誘導されるモノマーユニット;
(B)上記の当量を与える量のスルホニル基-SO2Fを含み、F2C=CF-O-(CF2)q-SO2F(ここで、qは2の整数である)から誘導されるフッ素化モノマーユニット
を含み、
前記イオノマーから調製され、-SO2F型から-SO3H型へ変換した後のフィルムに100℃で吸収される水の%で表される水和率が次の数値:
850当量で :45%より高く、
1,000当量で :35%より高く、
1,100当量で :28%より高く、
1,200当量で :23%より高い;
を示し、
反応媒体中で界面活性剤として、式:
Rf-X-M+
(式中、Xは-COOまたは-SO3 であり;
MはH、NH4、アルカリ金属から選択され;
-Rfは、(パー)フルオロポリエーテル鎖を表し、前記(パー)フルオロポリエーテル鎖は次の1以上から選択される繰り返し単位:
a)-(C3F6O)-;
b)-(CF2CF2O)-;
c)-(CFLoO)-、(ここで、Lo = -Fまたは-CF3);
d)-CF2(CF2)Z'CF2O-、(ここで、z'は1または2の整数である);
e)-CH2CF2CF2O-
を含み、
Rfは、単官能であって、(パー)フルオロオキシアルキル末端基Tを有し、パーフルオロアルキル末端基中の1つのフッ素原子は1つの塩素または水素原子で任意に置換されていてもよい)
が用いられ、
[供給される(B)/(A)]/[ポリマー中の(B)/(A)]の比率が、2.00より大きい水性エマルジョンでのラジカル重合法による、製造方法。 - TFE/(B)コポリマーが、-SO2F型から-SO3H型に変換した後で、5kgの荷重をかけて280℃で測定するとき、0.01〜100g/10'のメルトフローインデックスを示す、請求項1に記載の製造方法。
- TFE/(B)コポリマーが、23℃で次のフィルム機械特性:
850当量における引張応力(MPa):>10、
1000当量における引張応力(MPa):>20、
1100当量における引張応力(MPa):>20、
1200当量における引張応力(MPa):>20、
を有している、請求項1または2に記載の製造方法。 - スルホン性フッ素化イオノマーが、式:
R1R2 C = CH-(CF2)m0-CH=CR5R6 (I)
(式中、 m0 = 2〜10;
R1、 R2、 R5、 R6は、それぞれ同じかまたは異なって、水素またはC1-C5アルキル基である)
で表されるビス-オレフィンから誘導されるモノマーユニットを0.01〜5モル%含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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