JPS6134726B2 - - Google Patents

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JPS6134726B2
JPS6134726B2 JP54170315A JP17031579A JPS6134726B2 JP S6134726 B2 JPS6134726 B2 JP S6134726B2 JP 54170315 A JP54170315 A JP 54170315A JP 17031579 A JP17031579 A JP 17031579A JP S6134726 B2 JPS6134726 B2 JP S6134726B2
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JP
Japan
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membrane
carboxylic acid
fluorinated
copolymer
group
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JP54170315A
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Kyoji Kimoto
Koji Myauchi
Shigekichi Oomura
Mikio Ebisawa
Shunko Hane
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、スルホン酸基及び/またはカルボン
酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜または、陽
イオン交換樹脂の製造原料として有用な新規フツ
素共重合体及びその製造方法に関するものであ
る。 近年、耐薬品性及び耐熱性の優れた、フツ素化
陽イオン交換膜や陽イオン交換樹脂を用いた新し
い化学プロセスを開発しようとする動きが高まつ
ている。 この様な動きの代表的な例として、食塩の電解
により、苛性ソーダと塩素を生産する工業界に於
いては、従来の水銀法、隔膜法に比較して、公害
防止、省エネルギーの面で有利であり、かつ水銀
法並みの品質を持つた苛性ソーダを生産できる、
イオン交換膜法が大きな注目を集めている。 イオン交換膜法の経済性を支配する最も大きな
要素は、使用される陽イオン交換膜の特性であ
り、次の様な条件を満たさなければならない。 (1) 電流効率が高く、かつ電気抵抗が小さいこ
と。 電流効率が高い為には、膜は充分大きなイオ
ン交換容量と低い含水率を有し、結果として膜
内の固定イオン濃度が大きいことが必要であ
る。一方電気抵抗が小さいためには、含水率が
むしろ高い方が有利である。含水率は、イオン
交換基の種類、イオン交換容量、外液濃度によ
つて異なるので、その最適な組合わせが必要で
ある。 (2) 高温の塩素及びアルカリに、長期間耐えるこ
と。 フツ素化重合体より成る、陽イオン交換膜
は、一般に上記の雰囲気に充分耐えるが、イオ
ン交換基の種類によつては、化学的安定性が充
分でないものもあり、適切なイオン交換基を選
択することが重要である。 (3) 高濃度のアルカリ中で、高温、高電流密度の
条件下に作用する膨潤、収縮の力、激しい物質
移動に伴う層状剥離を生じさせようとする力、
ガス発生に伴う膜の振動により、折曲げ亀裂を
生じさせようとする力に長期間耐えること。 一般に膜の物理的強度は、膜の物理的構造、
重合体組成、イオン交換容量、イオン交換基の
種類等によつて異なるので、これらの最適な組
合わせを実現する必要がある。 (4) 製造方法が容易であり、コストが安いこと。 従来、ハロゲン化アルカリ金属水溶液の電解
に用いる目的で、いくつかのフツ素化陽イオン
交換膜が提案されてきた。 例えば、テトラフロロエチレンと、パーフロロ
―3,6―ジオキサ―4―メチル―7―オクテン
スルホニルフロライドの共重合物を加水分解し
て、側鎖にスルホン酸基を有する、フツ素化陽イ
オン交換膜としたものが知られている。 しかしながら、この従来公知のスルホン酸基の
みからなるフツ素化陽イオン交換膜は、スルホン
酸基の含水率が高いため、陰極室から泳動、拡散
する水酸イオンを透過しやすく、その為に電解時
の電流効率が低い欠点があつた。例えば20%以上
の高濃度の苛性ソーダ溶液を取得しつつ電解する
ときは、電流効率は極端に低く、従来の水銀法ま
たは隔膜法による食塩電解に比し、経済的不利を
まぬがれなかつた。 この電流効率の低い欠点を改良するため、スル
ホン酸基の交換容量を例えばH型乾燥樹脂1グラ
ム当り0.7ミリ当量以下の如く低くする時は、膜
中の水分率が減少し、膜内固定イオン濃度が交換
容量の高い膜に比べ、相対的に高くなるので、電
解時の電流効率の低下を若干防止することが出来
た。例えば食塩の電解時に濃度20%の苛性ソーダ
を取得する時、電流効率は約80%迄改良出来た。
しかしながら、膜の交換容量を小として電流効率
を改良する時は、膜の電気抵抗が著しく増加し、
到底経済的に電解を行なうことができないのみな
らず、いかほど膜抵抗を高くしても電流効率を約
90%近く迄改良した工業的なスルホン酸型のフツ
素化陽イオン交換膜を製造することは極めて困難
であつた。 一方、特開昭50―120492号、特開昭51―126398
号には、交換基としてカルボン酸基を有するフツ
素化陽イオン交換膜が開示されている。これらの
膜は、カルボン酸基の含水率が低い為に膜中の固
定イオン濃度を高くすることができ、90%以上の
電流効率を実現できる。また化学的にも、通常使
用される条件下で充分安定である。 しかしながら、同じイオン交換容量で比較した
場合カルボン酸基を有する膜はスルホン酸基を有
する膜に比して電気抵抗が高く、特に高電流密度
で使用する場合電力原単位が著しく大きくなると
いう欠点を有しているのみでなく、膜全体の含水
率が低い為か高濃度アルカリ中苛酷な条件で長期
間使用すると、次第に膜が吸縮し、硬く脆くなつ
て、層状剥離や亀裂を生じる結果、電流率が低下
するという欠点もあつた。 この様な、カルボン酸基のみを有する膜の欠点
を改良する為に、カルボン酸基またはカルボン酸
基に転換しうる基(以下前駆体という)を有する
フツ素化重合体と、スルホン酸基またはその前駆
体を有するフツ素化重合体とを、膜状ではり合わ
せるか、ブレンドして膜状に成型後、加水分解し
て陽イオン交換膜としたものが、特開昭52―
36589号、特開昭53―132089号に開示されてい
る。しかしながらこれらの重合体は、相溶性が悪
く、完全な接着やブレンドは困難であつて、苛酷
な条件では使用中に剥離や亀裂等を生じる傾向が
あり問題がある。またブレンドしたものは、カル
ボン酸基の高い電流効率と、スルホン酸基の低い
電気抵抗を完全に利用するという観点からは全く
不充分であつて、両者の中間的な性能を示すに過
ぎない。 また、上記の特許公開公報及び特開昭52―
23192号に開示されているような、カルボン酸基
または、その前駆体を有するビニルモノマーと、
スルホン酸基または、その前駆体を有するビニル
モノマーとを、フツ素化オレフインと三元共重合
した後、膜状に成型し、加水分解して陽イオン交
換膜としたものも、同様に中間的な性能を示すの
みである。 一方、特開昭52―24176号、特開昭53―104583
号、特開昭53―116287号、特開昭54―6887号等に
は、スルホン酸基を有するフツ素化陽イオン交換
膜の片側表層に、カルボン酸基を、化学処理によ
つて形成させたものが記載されている。これらの
膜は、カルボン酸基が存在する為に水酸イオンの
泳動、拡散が有効に阻止され、高い電流効率を示
す。また、カルボン酸基が、陰極側薄層のみに存
在し、膜の残りの部分には含水率の高いスルホン
酸基が存在する為、電気抵抗が低く、電力原単位
の面から極めて優れた膜である。 しかしながら、これらの膜は、通常の使用条件
下では、工業的に満足できる期間安定した性能を
示すものの、比較例に示す様に、更に高電流密
度、高温度等の苛酷な条件下においては、斑点状
ないしは水泡が生じたり、カルボン酸層がスルホ
ン酸層から剥離したり、カルボン酸層に亀裂が入
つて電流効率が低下するという問題点を有してい
る。 このような現象を生じる原因は定かではない
が、原料に使用する、スルホン酸基またはその誘
導体を有するフツ素化陽イオン交換膜のポリマー
構造に一つの要因があるのではないかと推定され
る。即ち、これらの膜は、フツ素化イオンと、次
式で示される、含イオウフツ素化ビニルエーテル
とを共重合し、膜状物に成型したもの、またはそ
れを加水分解して、スルホン酸基を有する膜とし
たものを、化学処理して製造されるが、 (n=0〜2の整数) このモノマーのうち、n=0のものは、特公昭
47―2083号等に記載されている如く、次の(1)式の
様にビニル化工程で環化反応を生じ、この環状ス
ルホンをCF2=CFOCF2CF2SO2Fに変える為に
は、多くの反応が更に必要であつて、工業的に製
造することは非常に困難である上に、条件により
重合時にも環化してポリマー物性を低下させるこ
とがある。 従つて、n=1のものが、工業的には通常用い
られているが、このことは、得られるスルホン酸
型の膜及び、上記の特許公開公報に開示されてい
る、化学処理によりカルボン酸基を、スルホン酸
型膜の表層に形成させた膜のイオン交換容量を、
あまり大きくできないという欠点を生じるのみで
なく、側鎖に、
【式】を含む為か、フ ツ素化オレフインの、含イオウフツ素化ビニルエ
ーテルに対する共重合比を約6以上にしないと、
物理的に強靭な膜を得る事ができない原因ともな
つているし、また、上記のカルボン酸基とスルホ
ン酸基とを有する膜を、通常の条件より苛酷な条
件下で使用した場合に生じる、カルボン酸層の剥
離や亀裂の一因となつている事も予想される。n
=2のものはさらに分子量が大きいため、上記欠
点が更に増幅される。 また特公昭41―13392号公報に開示されるトリ
フルオロビニルスルホニルフルオライドなどエー
テル結合を有しないフツ素化ビニルモノマーとテ
トラフルオロエチレンとの共重合体は成膜性が悪
いという欠点を有している。 更に特開昭52―28588号公報、特開昭52―23192
号公報、特開昭52―36589号公報には一般式 CF2=CX1 (OCF2CFX2aOb(CFX3cSO2X4 〔但し、X1はF又はCF3、X2,X3はF又はC1
〜C10のパーフルオロアルキル基、X4はF,
OH,OR1,OM及びNR2R3(R1はC1〜C10のアル
キル基、R2,R3はH,又はR1の一つであり、M
はアルカリ金属又は第四級アンモニウム基)、a
は0〜3の整数、bは0又は1、cは0〜12の整
数〕で表わされるフツ素化ビニル化合物及びそれ
とフツ素化オレフインの共重合体から製造される
フツ素化陽イオン交換膜が記載されている。しか
しながら、該フツ素化ビニル化合物の製造法につ
いては何等具体的に示されておらず、該化合物の
前駆体についても教示されていない。しかも、該
公開公報の明細書の記述から判るように、好まし
い形態はX1=F、X2=CF3、X3=F又はCF3、X4
=F、a=0〜1、b=1、c=1〜3としてい
るにもかかわらず、実施例中及び好ましい代表例
としては、従来から公知の (aは上記と同じ) 即ちC=2のもの及びそれから誘導される共重合
体、膜のみをあげている。 イオン交換膜法の分野では、より苛酷な条件下
で使用しても高い電流効率と、低い電気抵抗を示
し、より長寿命でコストの安い膜を開発すること
が強く要請されており、本発明者らもこの様な膜
を開発すべく、鋭意努力を続ける過程で、本発明
を完成させるに到つたものである。 本発明の要旨は、下記のくり返し単位、(A)及び
(B)により実質的に構成され、 (A) (―CA1A2―CA3A4)― (A1,A2はFまたはH、 A3はF、ClまたはH、 A4は、F,Cl,CF3,―ORF,HまたはCH3、 RFはC1〜C5のパーフロロアルキル基) (B) (k=0または1、l=3〜5の整数) (A),(B)のくり返し単位数の比が、(A)/(B)=1〜16
の構造を含む新規なフツ素化共重合体及びその製
造方法である。 上記の式に於いて、ハロゲン化アルカリ金属水
溶液電解用のフツ素化陽イオン交換膜を製造する
場合の様に、耐熱、耐薬品性が特に強く要求され
る時は、くり返し単位(A)が、 (L=F,Cl,CF3,―ORFまたはH、RF
上記と同じ) であることが好ましく、L=Fの場合が特に好ま
しい。 また、高いイオン交換容量を有し、かつ物理的
に強靭な膜や樹脂を製造するうえでは、k=0が
好ましい。また、(A)/(B)=1.5〜14であることが
好ましく、(A)/(B)=3〜11が更に好ましい。 またモノマーの製造上の容易さ及びポリマーの
物性上の面からl=3であることが特に好まし
い。 上記の共重合体は実質的にランダム共重合体で
あり、分子量は通常8000〜1000000の範囲であつ
て、オリフイスの内径2.1mm、長さ8mmの装置を
用いメルトインデツクスを測定すると、温度275
℃、荷重2.16Kgの条件で、通常0.001g/10分〜
500g/10分の範囲である。 上記の共重合体の同定は、実施例に示すように
膜状物にして赤外吸収スペクトル(IR)また
は、表赤外吸収スペクトル(ATR)を測定する
ことにより、便利に行われる。 共重合体組成の推定は、Sを含む末端基を全て
スルホン酸基またはカルボン酸基等のイオン交換
基に変換後、イオン交換容量を測定するか、元素
分析を行うか、あるいはこれらの組合わせにより
行われる。 また、本発明に係る共重合体の側鎖構造は、S
を含む末端基をスルホン酸基、カルボン酸基また
はスルフイン酸基等のイオン交換基に変換後、脱
交換基反応を行い、その生成物のIRまたはATR
を測定することにより同定可能である。 本発明のフツ素化共重合体は、次の一般式で示
されるオレフインの群より選ばれた少なくとも一
種のモノマー、 CA1A2=CA3A4 (A1,A2,A3,A4は上記と同じ) 好ましくは、次の一般式で示されるフツ素化オレ
フインの群より選ばれた、少なくとも一種のモノ
マーと、 CF2=CFL (L=F,Cl,CF3,―ORFまたはH、RF
C1〜C5のパーフロロアルキル基) 次の一般式で示される含イオウフツ素化ビニルエ
ーテルの群より選ばれた少なくとも一種のモノマ
ーとを共重合することにより製造される。 (k,lは上記と同じ) この場合、他のビニル化合物を少量ならば混合
して共重合してもよいし、パーフロロブタジエン
や、パーフロロジビニルエーテル等のジビニル化
合物や、CF2I等の架橋反応を行うことのできる
末端基を有するフツ素化ビニル化合物を共重し
て、架橋を行うこともまた可能である。 本発明で用いるフツ素化オレフインとしては、
Hを含まないものが、耐熱性耐薬品性の面で好ま
しく、そのうちでもテトラフロロエチレンが、最
も好ましい。 本発明で用いられる含イオウフツ素化ビニルエ
ーテルのうち、k=0のものがイオン交換容量を
大きくでき、物理的に強靭な膜等を製造できる点
から好ましいが勿論k=1のものを少量ならば混
合して用いてもよい。またl=3のものが製造上
の容易さ、得られるポリマーの物性上及び他のモ
ノマーと共重合して物性を適性化することが容易
な点から特に好ましい。l=6以上のものは、製
造が困難であり、イオン交換容量を充分大きくで
きないのでl=3〜5に比べ劣つている。 本発明で、好ましく用いられる含イオウフツ素
化ビニルエーテルの具体例を示すと、 CF2=CFOCF2CF2CF2SO2F 等がある。 本発明で使用される含イオウフツ素化ビニルエ
ーテルは、従来、スルホン酸基及び/またはカル
ボン酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜または
陽イオン交換樹脂を製造する際用いられてきた次
式の含イオウフツ素化ビニルエーテルに比較し
て、 (nは上記と同じ) k=0の場合でも、環の員数が異なる為、ビニル
化工程に於いて、前述した様な環化反応が、実質
的に生じないか、または非常に少なくすることと
ができ、k=0のものを容易に得ることができる
のみならず、該ビニルエーテルの重合時にも、環
化反応によるポリマー物性の低下を生じない。 従つて、k=0のものを主として、重合に使用
できる為、側鎖に、
【式】を実質上含 まないか、或いは少量しか含まないフツ素化共重
合体を得ることもできるので、同じイオン交換容
量の膜や樹脂でも、フツ素化オレフインの含量を
大きくでき、イオン交換容量を高くした、物理的
に強靭な膜及び樹脂を製造することができる。 本発明で使用するビニルモノマーは、例えば次
の様なルートにより合成することができる。 (RはC1〜C10のアルキル基、アリール基また
はC1〜C10のパーフロロアルキル基、MはHまた
はアルカリ金属) 上記のルートに於いて、 なる反応によつて得られる含フツ素カルボン酸を
SF4と反応させ、FSO2CF2CF2COFとし、ヘキサ
フロロプロピレンオキサイドとの付加反応に用い
ることができる。 また、上記のルートに於いて、
FSO2CF2CF2COFの代りに、次式で得られるカ
ルボン酸フロライドを用いるとl=4〜5の含イ
オウフツ素化ビニルエーテルが得られる。 共重合体中に含まれるオレフインと、含イオウ
フツ素化ビニルエーテルとの共重合比は、モノマ
ーの仕込み比及び重合条件を適当に選ぶことによ
り、調節することができる。 本発明の共重合体は、フツ素化されたエチレン
の単独重合又は共重合に対して用いられる公知の
一般的な重合法によつて作られる。本発明の共重
合体を製造する方法には、非水溶液系で重合する
方法及び水系で重合する方法があり、重合温度は
一般に0乃至200℃、好ましくは20〜100℃であ
る。圧力は0〜200Kg/cm2、好ましくは1〜50
Kg/cm2である。非水溶液重合は、フツ素化された
溶媒中で行なわれることが多い。適当な非水溶液
溶媒は、不活性な1,1,2―トリクロル―1,
2,2―トリフロロエタンまたはパーフロロ炭化
水素、たとえばパーフロロメチルシクロヘキサ
ン、パーフロロジメチルシクロブタン、パーフロ
ロオクタン、パーフロロベンゼンなどである。 共重合体を製造する為の水系重合法は、モノマ
ーを遊離基開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体
に接触させて重合体粒子のスラリーを得る乳化重
合法、またはモノマーを遊離基開始剤及びテロメ
リゼーシヨンに対して不活性な分散安定剤の両方
を含む水性媒体と接触させ、重合体粒子の分散物
を作り、この分散物を沈降させる懸濁重合法など
がある。本発明で用いられる遊離基開始剤として
は過硫酸アンモニウム―亜硫酸水素ナトリウムの
如き酸化―還元触媒;t―ブチルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイドの如き有機過酸化
物;アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾビス
系化合物;N2F2の如きフツ素ラジカル発生剤な
どが挙げられる。 重合後、重合体は必要により膜状または粒状に
成型される。この成型は一般に通常に溶融して薄
い膜あるいはペレツトを成型する一般の技術を用
いることができる。 本発明の共重合体を、フツ素化陽イオン交換膜
の原料として用いる場合、上記膜状物を、更に含
イオウフツ素化ビニルエーテルの共重合比が大き
い共重合体からつくられた膜状物とはり合わせる
ことが可能であるし、また好ましい時がある。こ
の場合、はり合わせに用いる膜状物は、上記の含
イオウフツ素化ビニルエーテルの群及びフツ素化
オレフインの群より選ばれたモノマーの共重合体
を原料にしてもよいが、含イオウフツ素化ビニル
エーテルとして、 を用いた共重合体を原料にしてもよい。 尚、はり合わせに用いる膜状物の厚みが、はり
合わせ後の全体の厚みの、1/2乃至19/20を占める
ことが、電気抵抗を低くする上で好ましい。 上記の膜状物は、機械的な補強物質の網などで
裏打ちして強度を増大するのに役立たせることが
できる。この様な裏打ちには、ポリテトラフロロ
エチレン繊維から作られた網が最も適している
が、多孔性ポリテトラフロロエチレンシート等も
また有用である。 また繊維状のポリテトラフロロエチレンを膜状
に成型する時に混入して強度を増加することも可
能である。 はり合わせた構造の膜状物を用いる場合には、
補強物質の埋め込みを、含イオウフツ素化ビニル
エーテルの共重合比の大きい膜状物の側から行う
ことが好ましい。 尚、膜状物の厚みは、通常2500ミクロン以下、
好ましくは、1000ミクロン以下、特に好ましく
は、500ミクロン以下であつて、その下限は、必
要な機械的強度から限定される。 本発明の共重合体の膜状物は、Sを含む末端基
を全てスルホン酸基に変換することにより、下記
のくり返し単位、(C),(A)より実質的に構成され、 (C)
【式】(Lは上記と同じ) (D) (k,l,Mは上記と同じ) (C),(D)のくり返し単位数の比が、(C)/(D)=1.5〜
14好ましくは3〜11であるスルホン酸基を有する
新規なフツ素化陽イオン交換膜または樹脂となす
ことが可能である。 この膜は、ハロゲン化アルカリ金属水溶液電解
用、水電解用あるいは燃料電池用の隔膜として有
用であつて、既に述べた理由により、従来工業的
に用いられてきた、スルホン酸基を有するフツ素
化陽イオン交換膜よりも、優れている。 また、本発明の共重合体膜状物は、上記のくり
返し単位(C),(D)及び下記のくり返し単位(E)より実
質的に構成され、 (E) (k,Mは上記と同じ、m=l−1) (C),(D),(E)のくり返し単位数の比が、 (C)/〔(D)+(E)〕=1.5〜14、好ましくは3〜11、
更に好ましくは3.5〜6 である、カルボン酸基とスルホン酸基とを有する
新規なフツ素化陽イオン交換膜または樹脂となす
ことも可能である。 この膜を、ハロゲン化アルカリ金属水溶液電解
用として用いる場合は、カルボン酸基が、膜の片
側の表層部分に偏在している構造とするのが好ま
しいが、特に、表面と実質的に平行な断面に於け
るカルボン酸基数の、該断面に於ける全イオン交
換基数に対する割合(以下カルボン酸基密度と称
する)が、下記(イ)、(ロ)の条件を満足するようにす
ることが、膜の性能上好ましい。 (イ) 一表面のカルボン酸基密度が20%以上。 (ロ) 該表面から、内部に向つて、カルボン酸基密
度が漸減し、その最大の勾配が、20%/ミクロ
ン以下。 上記の膜の特徴は、高い電流効率と、低い電気
抵抗という優れた電解性能を有し、通常使用され
るより、苛酷な電解条件に於いても、従来の膜に
比してはるかに安定であつて、優れた電解性能を
長期間維持することができ、製造が容易でコスト
が安いという点にある。 上記の膜が優れた電解性能を示す理由は、カル
ボン酸基密度が、一つの表面で20〜100%、好ま
しくは40%以上、更に好ましくは60%以上であつ
て、該表面から内部に向つてカルボン酸基密度が
漸減し、その最大の勾配が、膜厚1ミクロン当り
20〜0.1%、好ましくは15%以下、更に好ましく
は10%以下であるという構造上の特徴にある。こ
こで、カルボン酸基密度の高い側の表面から、カ
ルボン酸基密度が0%になる表面と実質的に平行
な断面までの厚みが、全体の厚みの1/2以下、好
ましくは1/4以下、更に好ましくは1/6以下であ
り、下限は100Åであつて、反対側の表面は実質
的にスルホン酸基のみを有する構造が好ましい。 上記の膜をハロゲン化アルカリ金属水溶液の電
解に用いる場合には、カルボン酸基密度の高い側
の表面を陰極に向けて使用するのが好ましく、該
表面が高濃度のアルカリに接触する際、カルボン
酸基の存在の為に収縮して、固定イオン濃度が高
くなる結果、水酸イオンの膜中への浸透、膜内の
泳動、拡散が有効に阻止され高い電流効率を示
す。 該表面のカルボン酸基密度としては、膜くり返
し単位数の比(C)/〔(D)+(E)〕の値及び電解に用い
られる電流密度、温度、アルカリ濃度等の種々な
要因に応じた最適な値を、製造条件を調節して適
宜選択することが可能であるが、一般に(C)/〔(D)
+(E)〕が大きい程、カルボン酸基密度が低くても
よい。 一方、上記の膜の好ましい態様に於いては、カ
ルボン酸基は、主として、一表面側の薄層に存在
し、残りの大部分には、実質上スルホン酸基のみ
が存在するので、アルカリ金属イオンが、陽極室
から陰極室に向つて移動する際の電気抵抗が、例
えばカルボン酸基のみを含有する膜に比して極め
て低い。 上記の膜が、高濃度アルカリに接しながら、通
常使用されるより苛酷な条件下で使用されても、
従来の膜に比してはるかに安定であつて、優れた
電解性能を長期間維持することができる、一つの
理由は、上記のくり返し単位(C)、(D)、(E)により、
実質的に構成されているというポリマー構造上の
特徴にある。ここで、高いイオン交換容量を有
し、かつ物理的に強靭な膜を得ることができるの
で、k=0が好ましいが、k=1のものが一部混
合されていても構わない。また、l=3のものが
モノマーの製造が容易である点で好ましい。lが
6以上のものは、モノマーを工業的に製造する事
が困難な上に、イオン交換容量を充分大きくでき
ない点からl=3〜5のものに比して劣つてい
る。またL=Fのものが、耐熱、耐薬品性の面か
ら特に好ましい。 上記のポリマー構造上の特徴は、上記の膜を製
造する際使用される、次式の含イオウフツ素化ビ
ニルエーテルの構造上の特徴に基づいている。 (k,lは上記と同じ) 上記のモノマーは従来のスルホン酸型膜または
カルボン酸基を化学処理により表層に形成させた
スルホン酸型膜の原料として用いられている次式
の含イオウフツ素化ビニルエーテルに比較して、 (nは上記と同じ) k=0の場合でも、環の員数が異なる為、ビニル
化工程に於いて、前述した様な環化反応が、実質
的に生じないか、または、非常に少なくすること
ができ、k=0のものを容易に得ることができ
る。また重合時にも環化反応によるポリマー物性
の低下がない。 従つて、k=0のものを主として膜の製造に用
いることができる為、側鎖に、
【式】 を実質上含まないか、或いは少量しか含まない構
造とすることができるので、同じイオン交換容量
の膜でもフツ素化オレフインの含量を大きくで
き、イオン交換容量を高くした物理的に強靭な膜
を製造することができる上に、そのメカニズムは
明らかではないが、通常の条件より苛酷な条件下
で使用した場合でも、カルボン酸層の剥離や亀裂
を防止し、安定した性能を維持することが可能と
なる。 上記の膜が塔酷な条件下でも安定である、もう
一つの理由は、膜を実質的に構成するくり返し単
位、(C)、(D)、(E)のくり返し単位数の比(C)/〔(D)+
(E)〕が一般に1.5〜14、好ましくは3〜11、更に
好ましくは3.5〜6の範囲にあることである。こ
の比が1.5より小さいと、膜は使用中に膨潤し易
く、長期間安定な性能を保てない。また14より大
きいと、膜が収縮し易く電気抵抗が高くなつて実
用的でない。 上記の膜のイオン交換容量は、次式の様に、く
り返し単位の構造、くり返し単位数の比及びカル
ボン酸基密度に依存する式として表わされる。 イオン交換容量=1000/〔r(81+ML) +d(142+166k+50m) +(1−d)(178+166k+50l)〕 (meq/gr乾燥H型樹脂) 〔ここでr=(A)/〔(B)+(C)〕 ML:原子団Lの式量〕 d:カルボン酸基密度〕 従来、イオン交換膜のイオン交換容量は、例え
ば、特開昭50―120492号、特開昭51―130495号、
U.S.P.4065366号、特開昭52―36589号、特開昭52
―24176号等に開示されている様に、具体的な数
値で指定されてきた。しかしながら、本発明者ら
の研究によれば、イオン交換基の種類が与えられ
た場合膜の膨潤、収縮挙動を支配するのは、イオ
ン交換容量そのものではなく、共重合体を構成す
るフツ素化オレフインと、イオン交換基を有する
フツ素化ビニルエーテルとの共重合比及び該ビニ
ルエーテル中の
【式】の有無が最も重 要であつて、充分低い電気抵抗を持つ、かつ電解
に使用しても膨潤、収縮の小さい、物理的に強靭
な膜を得る為には、
【式】を持たない フツ素化ビニルエーテルを主として用い、上記の
共重合比を或る一定の範囲に調節する必要があ
り、従つてイオン交換容量は、上述の様な式で、
表わされることになる。 上記の共重合比が、膜の膨潤、収縮挙動に決定
的な影響力を持つ理由は明確ではないが、単なる
説明の為に述べればフツ素化オレフインとして、
最も好ましいテトラフロロエチレンを用いた場
合、膜のX線回析から、テトラフロロエチレンが
部分的に結晶化している様子がうかがわれ、その
程度が上記の共重合比に大きく依存していること
から、この結晶領域が、擬似架橋点として働き、
膜の膨潤、収縮挙動を支配しているのではないか
と推定される。 上記の膜に於いては、側鎖に実質上
【式】を含まないか、或いは少量しか 含まない構造とすることができ、同じイオン交換
容量を有する膜を製造する場合に、テトラフロロ
エチレンの共重合比を、含イオウフツ素ビニルエ
ーテルとして、
【式】を用いた場合 より大きくすることができ、高いイオン交換容量
と、物理的な強靭さを合わせ持つ膜とすることが
できる。 上記の膜か、高濃度アルカリに接しながら、通
常使用されるより苛酷な条件下で使用されても、
従来の膜に比してはるかに安定である他の理由
は、上述した様に、カルボン酸基密度が特定の範
囲の勾配を持つて漸減的に変化している点にあ
る。 特開昭52―36589号、特開昭53―132089号等に
開示されている、カルボン酸基を含有する膜と、
スルホン酸基を含有する膜とをはり合わせた構造
の膜は、既述したように、接着が不完全であつ
て、上記の苛酷な条件下では、短期間ではり合わ
せ部分から剥離、水泡を生じ易い。 一方、本発明者らの知見によれば、特開昭52―
24176号、特開昭53―104583号、特開昭53−
116287号、特開昭54―6887号に開示されている様
な、化学処理によつてカルボン酸基を生成させた
膜で、或る程度、カルボン酸基密度の勾配をコン
トロールできる場合でも、前述したポリマー構造
の問題の為か、上記の膜に比較すると、苛酷な条
件下で、カルボン酸層の剥離や亀裂を生じ易い。 これに対し、実施例に示す様に、上記の膜は例
えば110A/dm2以上の高電流密度下、95℃以上
の高温に於いても、カルボン酸層の剥離や亀裂の
発生等の異常無しに、従来の膜に比してはるかに
長期間、安定した性能を維持することができる。 上記の膜は、カルボン酸基密度が低い方の表面
に、既述のくり返し単位(C)及び、下記のくり返し
単位(F)より実質的に構成され、 (F) (p=0または1、q=3〜5の整数、Mは上
記と同じ) (C)、(F)のくり返し単位数の比が、 (C)/(F)<(C)/(D)または(C)/〔(D)+(E)〕 である、フツ素化陽イオン交換膜をはり合わせた
構造にすることができるし、また膜の電気抵抗を
低くする観点から好ましい。この場合電気抵抗が
低く、物理的に強靭な膜が得られること及び製造
上の容易さから、p=0、q=lであることが好
ましく、またくり返し単位(D)を有するフツ素化陽
イオン交換膜の厚みが、はり合わせた後の膜全体
の厚みの1/2〜19/20であることが好ましい。 また、本発明の共重合体の膜状物は、上記のく
り返し単位(C)、(E)より構成され、(C)、(E)のくり返
し単位数の比が、 (C)/(E)=1.5〜14好ましくは3〜11である。 実質的にカルボン酸基のみを有する、フツ素化
陽イオン交換膜となすことも可能である。 本発明の共重合体の膜状物から、上記のカルボ
ン酸基とスルホン酸基を有するフツ素化陽イオン
交換膜を製造する方法について次に述べるが、上
述したスルホン酸基のみ、またはカルボン酸基の
みを有するフツ素化陽イオン交換膜も、このうち
の一部の反応を利用して製造することができる。 本発明の共重合体から、カルボン酸基とスルホ
ン酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜を製造す
る、第1段階は、上記の方法で得られる、下記の
くり返し単位、(C)、(B)により実質的に構成された
膜状物をそのまま用いるか、膜状物の一部または
全部をアルカリで加水分解後、そのくり返し単位
(B)の末端を必要によりスルホニルハライド基、好
ましくはスルホニルクロライド基―CF2SO2Clに
変換することである。 (C)
【式】 (Lは上記と同じ) (B) (k,lは上記と同じ) 加水分解により得られたスルホン酸基は、五塩
化リンの蒸気または、それをオキシ塩化リン、ハ
ロゲン化有機化合物等に溶解したものと、特開昭
52―134888号、特開昭54―4289号等に記載されて
いる方法及び条件で反応させることにより、容易
に、スルホニルクロライド基に変換することがで
きる。また三塩化リンを素と混合して用いてもよ
い。 本発明の共重合体からカルボン酸基とスルホン
酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜を製造す
る、第2段階は、上記の方法で得た、くり返し単
位(G)の末端の一部または全部のスルホニルハライ
基、好ましくは、スルホニルクロライド基また
は、スルホニルフロライド基を、カルボン酸基に
変換することであるが、反応性及び製造の容易さ
からスルホニルクロライド基を用いる事が最も好
ましい。 (G) (k,lは上記と同じ、Xはハロゲン、好まし
くはFまたはCl) このような変換は、くり返し単位(G)を有する膜
状物を、一般に、特開昭52―24176号、特開昭52
―24177号、特開昭53―132094号等に記載されて
いる還元剤、反応方法、及び反応条件で処理し
て、スルフイン酸基を経由するか、或いは直接的
に、S原子に直結した―CF2―をカルボン酸基に
変えることで達成される。 本発明で用いられる還元剤としては、例えばヨ
ウ化水素酸、臭化水素酸、次亜リン酸、硫化水素
酸、亜ヒ酸、亜リン酸、亜硫酸、亜硝酸、ギ酸、
シユウ酸等の還元性の無機酸、それらの金属塩、
アンモニウム塩及びヒドラジン類が、反応性及び
取扱いの容易さから好ましいが、そのうちでも還
元性の無機酸が最も好ましい。これらの還元剤
は、単独で用いてもよく、必要であれば、混合し
て用いてもよい。 上記の膜の優れた特徴である、カルボン酸基が
膜の片面側のみに偏在している構造は、上記の第
1段階の反応、または好ましくは第2段階の反応
を、膜の片面側から行うことによつて、容易に実
現し得る。はり合わせた構造を有する膜状物の場
合は、はり合わせを行つた側と反対の面から、こ
れらの反応を行うことが好ましい。 またカルボン酸基の密度勾配を、所望の形状に
調節することは、第1段階または、第2段階の反
応の、温度、時間、圧力、溶媒組成等の要因を、
適当に調節して、反応速度と反応試剤の膜中への
拡散速度との兼ね合いを計ることにより可能とな
るが、コントロールの容易さから、第2段階の反
応で調節することが好ましい。 カルボン酸基密度を調節する好ましい方法は、
上記の還元剤の水溶液に、C1〜C12のアルコール
類、カルボン酸類、スルホン酸類、ニトリル類、
またはエーテル類の群より選ばれた、少なくとも
一種の有機化合物を溶かした溶液を用いて反応さ
せることであるが、特に有機化合物として、カル
ボン酸類を用いることが好ましい。これらの有機
化合物の添加量は、用いる膜、還元剤、有機化合
物等の種類及び反応条件に応じ、100ppm以上の
範囲で、適宜選択される。 上記方法で用いられるアルコールル類の一例を
示せばメタノール、エタノール、ププロパノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4―ブタンジオール、1,8―オクタン
ジオール、グリセリンなどがある。 また、カルボン酸類、スルホン類の一例を示せ
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、n―キツ草酸、カプロン酸、n―ヘプタン
酸、カプリル酸、ラウリル酸、フルオロ酢酸、ク
ロル酢酸、ブロム酢酸、ジクロル酢酸、マロン
酸、グルタル酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオ
ロプロピオン酸、パーフルオロ酪酸、パーフルオ
ロキツ草酸、パーフルオロカプロン酸、パーフル
オロn―ヘプタン酸、パーフルオロカプリル酸、
パーフルオログルタル酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンス
ルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホ
ン酸などがあり、好ましくは酢酸、プロピオン
酸、カプリル酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオ
ロカプリル酸、パーフルオロ酪酸が用いられる。 また、ニトリル類としては、アセトニトリル、
プロピオニトリル、アジポニトリリル等があり、
エーテル類としてはジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、グライム、ジグライム
等がある。これらの有機化合物のうち、用いる還
元剤によよつては化学変化を生じるものもあるの
で、そのような組合わせはさけた方がよい。 尚、膜中のカルボン酸基密度の勾配は、実施例
に示すように、膜の断面を適当な染料によつて染
色し、その染まり具合から測定するか、膜を表面
に実質的に平行になる様に削りながら、表面赤外
吸収スペクトル(以下ATRと略称する)を測定
し、そのカルボン酸基に起因する吸収ピークの強
度変化から算出できる。 また、上記の膜及び他のフツ素化陽イオン交換
膜に於いて、イオン交換基の結合した側構造は脱
交換基反応を生じさせ、その生成物のATRまた
はIR吸収スペクトルを測定することにより同定
される。 また、共重合体組成の推定は、イオン交換容量
の測定、元素分析等を組合わせて行われる。 上述した還元剤を用いる方法以外に、特開昭53
―125986号等に記載されているのと、同様な方法
により、スルホニルハライド基を、一旦―CF2I
に変換した後、カルボン酸基とする方法も可能で
あるし、くり返し単位(B)を有する膜状物を、紫外
線、電子線等で照射して、直接カルボン酸基を得
る方法もある。 また、特開昭53―104583号、特開昭53―116287
号等に記載されているように、スルホニルハライ
ド基を有する膜状物または、上述の方法で中間体
として得られるスルフイン酸基または、―CF2I
を有する膜状物を、カルボニル基を有する化合物
または、不飽和結合を有する化合物と、イオン的
またはラジカル的に、SO2またはヨウ素原子が脱
離を生じる条件下で反応させ、還元剤を用いる方
法で得られるよりも、―CF2―が多いカルボン酸
基を得ることも可能である。 しかしながら、これらの方法は、カルボン酸基
密度勾配のコントロールが難しいこと、反応に多
段階を要し、コストが高いこと、高価な試薬が必
要なこと、副反応の抑制が難しいこと、側鎖がパ
ーフロロにならないこと、膜が処理中に物理的損
傷を受けること等のいずれかの点で、還元剤を用
いる方法に比して劣つており、従つて還元剤を用
いる方法で製造された膜の方が、上記の方法で製
造されたもよりはるかに好ましいものである。 本発明の共重合体からカルボン酸基とスルホン
酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜を製造する
第3段階は、残存する、S原子を含む末端基を全
て、スルホン酸基に変換することであり、これ
は、第1段階の反応で述べた酸化反応または特開
昭52―24176号、特開昭52―24177号等に記載され
ている、加水分解等の反応を適用することによ
り、容易に行うことができる。 上述した様に、上記のカルボン酸基とスルホン
酸基を有するフツ素化陽イオン交換膜は、共通の
出発物質から、簡単な反応により、カルボン酸基
と、スルホン酸基に誘導できるので、製造が容易
であり、またコストが安いという優れた特徴を持
つている。 本発明の共重合体から製造されたスルホン酸基
とカルボン酸基とを有する陽イオン交換膜はハロ
ゲン化アルカリ金属水溶液の電解に極めて好まし
く用いられる。すなわち、従来一般の電解条件;
電流密度10〜70A/dm2、温度20〜100℃、アル
カリ金属ハロゲン化物の濃度1〜5N、アルカリ
濃度1〜20Nの条件下での電解に用いられること
は勿論、電流密度70〜200A/dm2、温度100〜
150℃の如き苛酷な条件下でも長期間安定した性
能で使用できる。 また、本発明の共重合体は、一般のイオン交換
樹脂を製造する方法に準じて、重合時または成型
時に粒状となした後、膜状物をフツ素化陽イオン
交換膜に変換する際に使用する上記の反応を適用
し、下記のくり返し単位(A)と(D)及び/または(E)よ
り構成され、 (A) (―CA1A2―CA3A4)― (A1,A2,A3,A4は上記と同じ) (D) (k,l,Mは上記と同じ) (E) (k,m,Mは上記と同じ) (A)、(D)、(E)のくり返し単位数の比が、 (A)/〔(D)+(E)〕=0.5〜16 であるフツ素化粒状
イオン交換樹脂となすことも可能である。 これらのイオン交換樹脂は、粒状、膜状、繊維
状、ひも状等の任意の形状に加工でき、耐熱性、
耐薬品性が、炭化水素系のものより優れているこ
とを利用して、一般に吸着を利用した分離プロセ
ス例えば金属イオンの吸着分離や有機高分子物質
の分離等に有用であり、また、有機反応の酸触媒
等に広く用いることができる。 また、本発明に係わる共重合体は、繊維状、ひ
も状として、フツ素化陽イオン交換膜のイオン電
導性の補強材として用いることも可能である。 また、該共重合体は、他のフツ素系または炭化
水素系共重合体とブレンドして種々の用途に用い
ることも可能であるし、また、そのまままたは適
当な媒体と混合して潤滑剤、界面活性剤等の用途
に供することもできる。また、フツ素系エラスト
マーの原料としても有用である。 以下に実施例を示すが、本発明の技術的範囲は
これらに制約されるものではない。 実施例 1 300c.c.のステンレス製オートクレーブに10gの
CF2=CFO(CF23SO2F、1ppmの硫酸銅を含ん
だ水95c.c.、過硫酸アンモニウム0.28g及び0.90g
のパーフルオロオクタン酸アンモニウムを入れて
乳化させた後、亜硫酸水素ナトリウムの0.12%水
溶液を5c.c.加え、温度を40℃に保ちながら、テト
ラフルオロエチレンを5Kg/cm2の圧力で共重合さ
せ、重合速度が一定になるようにテトラフルオロ
エチレンの圧力を制御した。 得られたポリマーは元素分析より3.56重量%の
硫黄を含有していた。ポリマーの一部をアルカリ
にて加水分解処理してイオン交換容量を測定した
ところ1.08meq/g乾燥樹脂であつた。このポリ
マーのテトラフルオロエチレン及び上記ビニルモ
ノマーの繰り返し単位の比率、即ち
【表】 は6.0であつた。 オリフイスの内径2.1mm、長さ8mmの装置を用
い、上記の共重合体のメルトインデツクスを測定
したところ、温度275℃、荷重2.16Kgの条件で0.2
g/10分であつた。 上記スルホニルフロライド型のポリマーを厚さ
250μの膜状物に成型した後アルカリにて加水分
解処理してスルホン酸型の膜とした。該膜状物を
乾燥後、五塩化リンとオキシ塩化リンの1:1
(重量比)混合物にて120℃で処理した。膜の表面
赤外吸収スペクトル(以下ATRと略称)を測定
すると、該処理前に見られた1470cm-1のスルホニ
ルフロライド基による吸収が消失し、1420cm-1
スルホニルクロライド基による吸収が現われた。
該膜状物の片面を57%ヨウ化水素酸と酢酸の30:
1(体積比)の混合溶液にて72℃、16時間処理し
た後、アルカリにて加水分解処理し、更に5%次
亜塩素酸ソーダ水溶液で、90℃、16時間処理し
た。膜の断面をマラカイトグリーンにて染色する
と片側表層より12μが青く、残りは黄色に染色さ
れた。更に青色に染色される面のATRを測定す
ると1680cm-1にカルボン酸塩の吸収が見られた。
青色に染色された層に於けるカルボン酸基の密度
勾配を以下の方法により測定した。同じ交換容量
の膜で全交換基をカルボン酸基に転換した膜を上
記と同様な操作で作製しておき、この膜のATR
を測定し、1690cm-1のカルボン酸塩基の吸光度を
ベースラインで算出し、該吸光度を100とする。
前述の膜のカルボン酸塩基を有する側の表層を均
一に削り取り、該面のATRを測定し、カルボン
酸塩基の吸光度を算出し、上記の全面カルボン酸
膜の吸光度に対する割合A%を計算する。一方、
表層を削り取る前後の膜厚を測定し、その差Bμ
を計算する。即ち表層からBμの厚さに於けるカ
ルボン酸密度はA%となる。 本実施例に於いて得られた膜の片側表層から削
つた時のカルボン酸基の密度は、表面100%であ
り、カルボン酸塩基の最大密度勾配は4.2%/μ
であつた。 上記膜状物のカルボン酸塩基を有する面を陰極
側に向け、次のようにして電解性能を測定した。 通電面積0.06dm2(2cm×3cm)で、該膜を介
して陽極室及び陰極室とからなる電解槽を用い、
該膜をカルボン酸基を有する面を陰極側に向けて
組み込む。陽極は寸法安定性のある金属電極、陰
極には鉄板を用い、陽極室には飽和食塩水溶液を
流し、塩酸を添加しながらPHを3に維持させる。
陰極室には10規定のカセイソーダ水溶液を循環さ
せながら濃度を一定に保つために水を添加する。 陽極室及び陰極室をそれぞれ95℃に保持して
110アンペア/dm2の電流密度で通電し、時間当
り陰極室に生成したカセイソーダ量を通電量より
計算される理論量で除し電流効率を計算した。 電流効率及びセル電圧の経時変化は下記の通り
であつた。
【表】 通電後、膜を観察したところ水泡、亀裂、剥離
などの物理的損傷は見られなかつた。 実施例 2 実施例1で得られたスルホニルフロライド型の
ポリマーを押出成型でストランドにした後、ペレ
タイザーで径1mmの粒状樹脂を製造した。 該粒状物を3規定カセイソーダ/50%メタノー
ル溶液にて60℃、20時間処理してスルホン酸型の
フツ素化陽イオン交換樹脂とした。該粒状物は、
イオン交換能を有しており、酸、塩基の交換より
測定したイオン交換容量は1.08meq/g乾燥樹脂
であつた。 実施例 3 実施例2で得た樹脂を乾燥後、五塩化リンとオ
キシ塩化リンの1:1(重量比)混合物にて120
℃で処理した。該樹脂を四塩化炭素で洗浄し乾燥
した後、57%ヨウ化水素酸と酢酸の1:1(体積
比)混合溶液に浸漬し、83℃、100時間処理し、
更にアルカリ処理しカルボン酸型のフツ素化陽イ
オン交換樹脂を得た。この樹脂の断面染色ではマ
ラカイトグリーンにより全面青色に染色され、元
素分析では硫黄は検出されなかつた。 該樹脂はイオン交換能を有しており、酸、塩基
の交換より測定したイオン交換容量は1.19meq/
g乾燥樹脂であつた。 実施例 4 実施例3に於いて四塩化炭素で洗浄し乾燥した
後の樹脂を57%ヨウ化水素酸で72℃、20時間処理
した後、3規定カセイソーダ/50%メタノール溶
液にて加水分解し、更に5%次亜塩素酸ソーダ水
溶液で90℃、16時間処理してスルホン酸基とカル
ボン酸基を併有するフツ素化陽イオン交換樹脂を
得た。該樹脂のイオン交換容量は1.13meq/g乾
燥樹脂であり、樹脂のマラカイトグリーンによる
断面染色では、中心部が黄色に、その周辺部は青
色に染色された。 実施例 5 300c.c.のステンレス製オートクレーブに10gの
【式】1ppmの硫 酸銅を含んだ水95c.c.、過硫酸アンモニウム、0.18
g、リン酸―水素ナトリウム2.0g及びパーフル
オロオクタン酸アンモニウム1.9gを入れて乳化
させた後、0.16%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液
を5c.c.加え、温度40℃に保ちながら、テトラフル
オロエチレンを4Kg/cm2の圧力で共重合させ、重
合速度が一定になるようにテトラフルオロエチレ
ンの圧力を制御した。 得られたポリマーは元素分析より2.47重量%の
硫黄を含有しており、またポリマーの一部を加水
分解処理してイオン交換容量を測定したところ
0.72meq/g乾燥樹脂であつた。このポリマーの
テトラフルオロエチレンとビニルモノマーの繰り
返し単位の比率、即ち は、8.9であつた。 上記スルホニルフロライド型のポリマーを厚さ
50μの膜状物にプレス成型し、以下実施例1と同
様に処理し、片側表層にカルボン酸基を有する陽
イオン交換膜を得た。実施例1と同様に、陰極側
にカルボン酸基を有する面を向けてカセイソーダ
濃度を6.5規定、100A/dm2にて電解性能を測定
した。 電流効率は96%であつた。 実施例 6 300c.c.のステンレス製オートクレーブに100gの
CF2=CFO(CF23SO2F、200gの1,1,2―
トリクロロ―1,2,2―トリフロロエタン、及
び0.3gのパーフロロブチリルパーオキサイドを
入れ、重合温度を25℃に保ちつつテトラフロロエ
チレンの初期圧力を2.0Kg/cm2にて重合を行い、
重合速度が一定になるようにテトラフロロエチレ
ンの圧力を制御した。テトラフロロエチレンが27
g消費された時点で重合を停止させ、ポリマーを
回収した。該ポリマーを乾燥后メルトインデツク
スを測定したところ、温度275℃、荷重2.16Kgの
条件下で9.5g/10分であつた。また、ポリマー
の一部を加水分解処理してイオン交換容量を測定
したところ、1.08meq/g乾燥樹脂であつた。こ
のポリマーのテトラフロロエチレンとビニルモノ
マーの繰り返し単位の比率、即ち は6.0であつた。該ポリマーはイオン交換能を有
していた。 実施例 7〜9 実施例6に於いてテトラフロロエチレンの初期
圧力を変えその他の条件は実施例6と同様にして
重合を行つた。得られたポリマーの結果は下表の
如くであつた。
【表】 実施例 10〜12 実施例7〜9で得られた各ポリマーを加水分解
処理した后、実施例3と同様な処理を行いカルボ
ン酸型のフツ素化陽イオン交換樹脂を得た。処理
后の各ポリマーの元素分析からは硫黄が検出され
なかつた。 各ポリマーのイオン交換容量は処理前后で下表
の如く変化した。
【表】 実施例 13 実施例6に於いてCF2=CFO(CF23SO2F
100gの代りにCF2=CFO(CF23SO2F 73g、
【式】27gを用いテ トラフロロエチレンの初期圧力を2.0Kg/cm2にし
て他の条件は同様にして重合を行つた。回収した
ポリマーのメルトインデツクスは実施例6と同じ
条件下で5.3g/10分であつた。また加水分解処
理をして測定した該ポリマーのイオン交換容量は
1.04meq/g乾燥樹脂であつた。更に赤外吸収ス
ペクトルから求めたポリマー中の各ビニルモノマ
ーのモル比は、 であつた。該ポリマーのテトラフロロエチレンと
ビニルエーテルモノマーの繰り返し単位の比率、
即ち は6.0であつた。 比較例 1 300c.c.のステンレス製オートクレーブに10gの
【式】と0.1gの過 硫酸アンモニウム及び水を入れ、パーフルオロオ
クタン酸アンモニウムを乳化剤として乳化させ、
温度50℃にてテトラフルオロエチレンを圧力3
Kg/cm2、助触媒に用いる亜硫酸水素トリウムを追
添しながら重合させた。得られたポリマーの一部
をアルカリで加水分解した後、イオン交換容量を
測定したところ1.3meq/g―乾燥樹脂であつ
た。 このポリマーの繰り返し単位の比率、即ち は3.3であつた。 上記ポリマーを水洗後、厚さ250μの膜状物に
成型し、アルカリで加水分解したが膜の機械的強
度が低く評価することが出来なかつた。 比較例 2 比較例1に於いてテトラフルオロエチレンの圧
力を5Kg/cm2にして同様に重合した。得られたポ
リマーは0.89meq/g乾燥樹脂の交換容量を有し
ていた。 このポリマーの繰り返し単位の比率、即ち は6.8であつた。 上記ポリマーを水洗後、厚さ250μの膜状物に
成型し、アルカリで加水分解した。この膜状物を
充分乾燥した後、五塩化リンとオキシ塩化リンを
1:3の重量比で混合した溶液中に浸漬し、110
℃、20時間処理する。この膜状物のATRを測定
すると、1420cm-1にスルホニルクロライド基によ
る特性吸収が現われた。該膜状物の片面を57%ヨ
ウ化水素酸で83℃、20時間処理した后、アルカリ
で加水分解し、更に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液
で90℃、16時間処理した。この膜状物のATRを
測定すると、ヨウ化水素酸で処理した面には1690
cm-1にカルボン酸塩型の特性吸収が見られた。ま
た、膜の断面を実施例1と同様に染色すると、表
層から8.6μの厚さが青色に染色され、残りは黄
色に染色された。 この膜を、カルボン酸基を有する面を陰極側に
向けて、実施例1と同様な方法にて電解評価し
た。電流効率及び電圧は下表の通りであつた。
【表】 通電後、膜の通電面を観察したところ水泡が見
られ、断面を見るとカルボン酸層の表層から5μ
のところが剥離していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記のくり返し単位、(A)及び(B)により実質的
    に構成され、 (A) (―CA1A2―CA3A4)― (A1,A2=FまたはH、 A3=F,ClまたはH、 A4=F,Cl,CF3,―ORF,Hまたは CH3,RF=C1〜C5のパーフロロアルキル基) (B) (k=0または1、l=3〜5の整数) (A)、(B)のくり返し単位数の比が、(A)/(B)=1〜16
    の構造を含む分子量8000〜1000000の新規なフツ
    素化共重合体。 2 くり返し単位(A)が、 (L=F,Cl,CF3,―ORFまたはH,RF
    上記と同じ)である特許請求の範囲第1項記載の
    共重合体。 3 k=0である特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の共重合体。 4 l=3である特許請求の範囲第1項〜第3項
    のいずれかに記載の共重合体。 5 (A)/(B)=1.5〜14である特許請求の範囲第1
    項〜第4項のいずれかに記載の共重合体。 6 膜状の形態を有している特許請求の範囲第1
    項〜第5項のいずれかに記載の共重合体。 7 次の一般式で表わされるオレフイン CA1A2=CA3A4 (A1,A2,A3,A4は下記と同じ) と次の一般式で表わされる含イオウフツ素化ビニ
    ルエーテル、 (k,lは下記と同じ) とを遊離基開始剤の存在下に溶媒中で共重合する
    ことを特徴とする下記のくり返し単位、(A)及び(B)
    により実質的に構成され、(A),(B)のくり返し単位
    数の比が、(A)/(B)=1〜16の構造を含む分子量
    8000〜1000000のフツ素化共重合体の製造方法。 (A) (―CA1A2―CA3A4―) (A1,A2=FまたはH、 A3=F,ClまたはH、 A4=F,Cl,CF3,―ORF,HまたはCH3, RF=C1〜C5のパーフロロアルキル基) (B) (k=0または1、l=3〜5の整数) 8 遊離基開始剤が酸化―還元触媒、有機過酸化
    物、アゾビス系化合物及びフツ素ラジカル発生剤
    よりなる群から選ばれる特許請求の範囲第7項記
    載の方法。 9 溶媒が水又はフツ素化された有機溶媒である
    特許請求の範囲第7項記載の方法。 10 重合温度が20―100℃、圧力が1―50Kg/
    cm2である特許請求の範囲第7項記載の方法。
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