JPS5857443B2 - スルホニルクロライド化法 - Google Patents

スルホニルクロライド化法

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JPS5857443B2
JPS5857443B2 JP4334276A JP4334276A JPS5857443B2 JP S5857443 B2 JPS5857443 B2 JP S5857443B2 JP 4334276 A JP4334276 A JP 4334276A JP 4334276 A JP4334276 A JP 4334276A JP S5857443 B2 JPS5857443 B2 JP S5857443B2
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sulfonic acid
phosphorus
fluorocarbon
phosphorus pentachloride
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茂雄 横山
文男 村中
協司 木本
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良されたフロロカーボン系陽イオン交換中間
体の製造方法に関するものである。
更に詳しくは、スルホン酸基を有するフロロカーボン系
陽イオン交換体のスルホン酸基をスルホニルクロライド
化する方法に関するものである。
スルホン酸基を有するパーフロロカーボン系陽イオン交
換膜をハロゲン化アルカリ金属塩水溶液の電解用隔膜と
して利用する方法は従来公知である。
しかしながら、この従来公知のスルホン酸基のみからな
るパーフロロカーボン系陽イオン交換膜はスルホン酸基
の親水性が高いため、陰極室から拡散する水酸イオンを
透過しやすく、そのために電解時の電流効率が低い欠点
があった。
これらの欠点を改良するためにいくつかの方法が試みら
れている。
例えば、特開昭50−96472号公報や特開昭50−
108182号公報のごとく、スルホン酸基を有するフ
ロロカーボン系陽イオン交換膜をスルホニルクロライド
化後、ポリアミンと反応させ、表面に薄い陰イオン交換
基層を形成させたり、スルホニルクロナイド化後ポリア
ミンと反応させ、さらに無水酢酸を反応させることによ
り、パーフロロカーボン系陽イオン交換膜の電流効率を
改良する方法がある。
また、本発明者らが先に出願した特公昭56−3724
8号公報記載のごとく、スルホン酸基を有するフロロカ
ーボン系陽イオン交換膜をスルホニルクロライド化後ヨ
ウ化水素酸などの還元剤で処理し表面のみをほぼ完全に
カルボン酸様基に変化させることにより、スルホン酸基
のみからなるフロロカーボン系陽イオン交換膜の電流効
率を改良する方法などがある。
これらのスルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオ
ン交換膜の改良方法は、いずれも中間体としてスルホニ
ルクロライド化を経由するものであり、スルホン酸基を
スルホニルクロライド基に変化せしめる方法は非常に重
要なものである。
一般的に、スルホン酸基をスルホニルクロライド化する
方法としては、スルホン酸基を有する化合物とチオニル
クロライド、五塩化リン、オキシ三塩化リン、三塩化リ
ンなどと反応させる方法が用いられている。
また、パーフロロアルキルスルホン酸をスルホニルクロ
ライド化する例としては、トリフロロメタンスルホン酸
と五塩化リンとを反応させ、トリフロロメタンスルホニ
ルクロライドを合成する方法などがある。
また、スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン
交換体のスルホン酸基をスルホニルクロライド化する方
法としては、スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽
イオン交換体自体が比較的新しいものであり、わずかに
特開昭50−96472号公報、特開昭50−1081
82号公報に示される程度である。
これらの公報中にはスルホン酸基を有するフロロカーボ
ン系陽イオン交換膜をチオニルクロライドの沸点でチオ
ニルクロライドと反応せしめ、スルホニルクロライド化
する方法が記載されている。
しかしながら、本発明者らの追試によれば、上述のチオ
ニルクロライドとスルホン酸基を有するフロロカーボン
系陽イオン交換膜との反応は進行しがたく、チオニルク
ロライドの沸点で約100時間反応させても膜の表面を
ほぼ完全にスルホニルクロライド化することすらできな
かった。
また、三塩化リンやオキシ三塩化リンを用いてもチオニ
ルクロライドを用いた場合と同様であり、フロロカーボ
ン系陽イオン交換体のスルホニルクロライド化反応はほ
とんど進行しなかった。
本発明者等は、スルホン酸基を有するフロロカーボン系
陽イオン交換体を充分にスルホニルクロライド化する方
法につき鋭意研究の結果、五塩化リンを使用することが
必要であることを見出して本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、−8o3M(Mはアルカリ金属、アル
カリ土類金属、アンモニウム又は炭素数1〜4のアルキ
ルアミンイオンである)なるスルホン酸基を有するフロ
ロカーボン系陽イオン交換体に五塩化リンを反応させて
、該交換体中のスルホン酸基をスルホニルクロライド化
することを特徴とするフロロカーボン系陽イオン交換中
間体の製造方法を提供するものである。
この場合、五塩化リンは固体であるため、陽イオン交換
体と五塩化リンとの反応は固体一固体反応となり、接触
の不均一、温度の不均一などが起りやすい。
従って、固体状の五塩化リンをチオニルクロライド等の
溶媒に溶解した溶液状で用いるのが好ましい。
更に、五塩化リンをオキシ三塩化リンおよび/またはハ
ロカーボン系溶媒に混合溶解した液をイオン交換体に接
触反応させてスルホン酸基をスルホニルクロライド化す
ることが特に好ましい。
即ち、本発明においては、スルホン酸基(−803Mで
示され、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ
ニウムイオンまたは炭素数1〜4のアルキルアミンであ
る)を有するフロロカーボン系陽イオン交換体に、五塩
化リンをオキシ三塩化リンおよび/またはハロカーボン
系溶媒に混合溶解した液を接触反応させて、スルホン酸
基をスルホニルクロライド化することが特に好ましい。
五塩化リンをオキシ三塩化リンおよび/またはトリクロ
ロエチレン、1 、1 、2−トリ’70ルエタン、パ
ークロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロルエタ
ン、1,2−ジプロロー1,1゜2.2−テトラクロル
エタン等のハロカーボン系溶媒に混合溶解したものをス
ルホニルクロライド化剤として使用した場合は、ベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素やシクロヘキサンなどのナフテ
ン系炭化水素溶媒およびn−ヘキサンなどのパラフィン
系炭化水素溶媒のような五塩化リンに対して安定な溶媒
に五塩化リンを溶解させた場合に比較してきわめてすぐ
れた反応性を有し、スルホニルクロライド化の速度は非
常に犬であり、且つ均一な反応が達成される。
また、チオニルクロライドや三塩化リンなどのスルホニ
ルクロライド化する能力を持つものに五塩化リンを溶解
した場合に比較してもスルホニルクロライド化速度は犬
であり且つ均一な反応が達成される。
また、五塩化リンをオキシ三塩化リンおよび/または上
記のハロカーボン系溶媒に混合溶解させる場合、その重
量比は反応的立場および工業的立場から非常に重要であ
り、五塩化リンとオキシ三塩化リンおよび/またはハロ
カーボン系溶媒との重量比を1.6/1〜1/100、
好ましくは1/1〜1/20の範囲で反応させる場合に
おいて、きわめて短時間かつ均一にスルホニルクロライ
ド化の進行することが明らかとなった。
このように、五塩化リンをオキシ三塩化リンおよび/ま
たは上記のハロカーボン系溶媒に溶解させ、更にその重
量比を1.6/1〜1/100の範囲に調節したものを
スルホニルクロライド化剤として使用することにより、
スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン交換体
において、きわめて短時間かつ均一に、該陽イオン交換
体の表面および/または全体のスルホン酸基を完全にス
ルホニルクロライド化させる工業的方法が確立された。
また、スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン
交換体のスルホン酸基のタイプが、酸型(Rf−8O3
H)、ナトリウム塩型(Rf −8OsN a )、ア
ンモニウム塩型(Rf−803NH4)、アルキルアミ
ン塩型(Rf−803NHR)などのタイプでスルホニ
ルクロライド化の速度が異なるため、スルホン酸基のタ
イプが重要となる。
酸型のフロロカーボン系陽イオン交換体を五塩化リンを
用いてスルホニルクロライド化する場合には、スルホニ
ルクロライド基のみならずスルホン酸無水物基が生成す
る。
スルホン酸無水物基は更に五塩化リンと反応しスルホニ
ルクロライド基に変化するわけであるが、スルホン酸無
水物基のスルホニルクロライド化速度は比較的小さく、
特に五塩化リンの濃度が低い場合や、スルホン酸基を有
するフロロカーボン系陽イオン交換体の交換容量が小さ
い場合には、副生ずるスルホン酸無水物基の生成が多く
、結果的にスルホニルクロライド化の速度は小となる。
更にスルホン酸無水物基は加水分解され易く空気中に長
時間放置することにより空気中の水分と反応しスルホン
酸基に変化するためスルホン酸無水物基の存在は本発明
の目的とする中間体として好ましくない。
カリウム塩型、ナトリウム塩型、カルシウム塩型など金
属塩型のフロロカーボン系陽イオン交換体をスルホニル
クロライド化する場合には、スルホン酸無水物基の生成
はほとんどないが、スルホニルクロライド化の速度は酸
型の場合に比較し、はぼ同程度かそれ以下である。
特に、カリウム塩型やカルシウム塩型の場合にはスルホ
ニルクロライド化速度が小さく、カリウム塩型やカルシ
ウム塩型のスルホン酸基が膜内に残存することは好まし
くない。
また、このような金属塩型を使用した場合には、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの結晶が
フロロカーボン系陽イオン交換体中に生成し、陽イオン
交換体の組織の破壊を誘起することがある。
ところがおどろく゛べきことには、スルホン酸基を有す
るフロロカーボン系陽イオン交換基のスルホン酸基のタ
イプをアンモニウム塩型、メチルアミン塩型、エチルア
ミン塩型、プロピルアミン塩型、ブチルアミン塩型とし
た場合には、スルホン酸無水物基の生成もほとんどなく
スルホニルクロライド化の速度は酸型に比較し、きわめ
て犬であり、しかも陽イオン交換体の表面より順次スル
ホニルクロライド化される傾向を有している。
また、陽イオン交換体中に生成する塩化アンモニウムな
どの結晶も少なく、微細であり陽イオン交換体の強度を
低下させるようなことはない事を見い出した。
特に、五塩化リンをハロカーボン系溶媒に溶解した場合
には、副生ずる塩化アンモニウムやメチルアミン塩酸塩
などがハロカーボン系溶媒に溶解するためか、陽イオン
交換体中にこれらの塩の結晶が析出することはほとんど
ない。
また、アンモニウム塩型や上記のアミン塩型の場合には
、スルホン酸無水物基の生成がほとんどないためか、五
塩化リンの濃度が低い場合やスルホン酸基を有するフロ
ロカーボン系陽イオン交換体の交換容量が小さい場合で
もスルホニルクロライド化の速度はほとんど減少しない
すなわち、スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イ
オン交換体をアンモニウム塩型や、上記のアミン塩型と
した後、スルホニルクロライド化することは、工業的な
立場からきわめて有効な方法である。
以下に本発明の構成について更に詳細に説明する。
本発明の出発原料であるスルホン酸基を有する陽イオン
交換体は下記に示す二つの群のそれぞれから選ばれた少
くとも一種づつの単量体を共重合せしめ、任意の形状に
成型加工後、水酸化カリウム水溶液などを用いて加水分
解することにより得られる。
第一群はフッソ化ビニル化合物であり、例えばテトラフ
ロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、パーフロロ(
アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデンおよびそ
れらの混合物である。
第二群はスルホニルフロライド基を含有するフロロオレ
フィン化合物であり、例えばCF2=CF−8Q、 F
(式中のn二〇〜3の整数)および CF2=CF(−CmF2m+5o2F (式中のm=
1〜8の整数)などがある。
このようなスルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イ
オン交換膜としては、例えばDupont社のNafi
on(商品名)等が市販されている。
また、スルホニルクロライド基を含有するフロロオレフ
ィン化合物、例えば とテトラフロロエチレンなどのフッソ化ビニル化合物と
を共重合させることにより、本発明の目的とするスルホ
ニルクロライド基を含有するフロロカーボン系陽イオン
交換中間体重合物を製造することも可能であるが、スル
ホニルクロライド基ヲ含有するフロロカーボン系陽イオ
ン交換中間体重合物は、スルホニルクロライド基が熱的
に不安定であり、200℃以上の高温では亜硫酸ガスを
放出し分解するため、加熱成型をすることが困難であり
事実上成型加工することはできない。
これらのスルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオ
ン交換体を所定の塩型にすることが好ましい。
塩型にする方法としては、上記の陽イオン交換体を筒状
の容器につめ、1規定程度の塩酸や硫酸などの強酸の水
溶液を連続的に通すなどの一般的なイオン交換体の酸型
への転換方法を使用して酸型にし、次にアンモニウム塩
型やアミン塩型にする場合には、酸型のイオン交換体を
水酸化アンモニウム溶液やメチルアミン、エチルアミン
、プロピルアミン、ブチルアミン等の水溶液を用いて中
和する方法や、塩型のイオン交換体をカラム法を用いて
塩化アンモニウム水溶液などでアンモニウム塩型とする
方法などの一般的方法を用いることができる。
好ましいスルホン酸基のタイプはアンモニウム塩型、メ
チルアミン塩型、エチルアミン塩型、プロピルアミン塩
型、ブチルアミン塩型、ナトリウム塩型であり、アンモ
ニウム塩型、メチルアミン塩型が特に好ましい。
またこれらの塩型の混合して存在する場合においてもス
ルホニルクロライド化の進行を防げるものではない。
これらのスルホン酸基が所定のタイプとなった陽イオン
交換体は、水洗され、乾燥されることが好ましい。
五塩化リンは水と激しく反応し塩化水素ガスを放出しオ
キシ三塩化リンとなるため、膜の含水率を低下させるこ
とは五塩化リンの消費量を低下させるために必要なこと
で乾燥は、150℃以下の温度で行なうことが好ましく
、熱風乾燥、真空乾燥などの一般的な乾燥方法を用いる
ことができる。
スルホニルクロライド化液の組成、すなわち五塩化リン
とオキシ三塩化リンおよび/またはハロカーボン系溶媒
との重量比は非常に重要である。
まず、事実上五塩化リンのみの場合には、先に述べたよ
うに、固体一固体反応であるため接触の不均一、温度の
不均一などによる反応の不均一の他に、高温で反応させ
た際には五塩化リンの昇華によりベントの閉そくなどが
起り工業的に実施することは困難である。
すなわち、均一に反応を進行させるためには、スルホニ
ルクロライド化液は、スラリー状または完全に溶解して
いなければならず、工業的見地から完全に溶解した均一
溶液が最適である。
更に詳細に述べれば、五塩化リンに対し最も溶解度の高
い溶媒はオキシ三塩化リンであり、その最高溶解度は、
常圧においては約125℃でオキシ三塩化リン100g
に対し五塩化リンは約160g溶解する。
すなわち、工業的に実施可能な五塩化リンとオキシ三塩
化リンおよび/またはハロカーボン系溶媒の重量比は1
.6/1以下となる。
オキシ三塩化リンとハロカーボン系溶媒とは任意の割合
で溶解するので、これらの溶媒を混合して使用する場合
には任意の割合で混合し使用することが可能である。
一般的な五塩化リンとオキシ三塩化リンおよび/または
ハロカーボン系溶媒との重量比は1.6/1〜1/10
0であり、1/1〜1/20の範囲が好ましい。
なお前に述べたようにスルホン酸基のタイプが酸型の場
合には、スルホニルクロライド化の速度は五塩化リンの
濃度に大きく依存し、五塩化リン濃度が高いことが好ま
しい。
しかし、五塩化リンの溶解度の温度依存性は125℃で
は約160gPC75/100 g−PO(J?3.1
00℃では約60 gPC75/100.9−Pock
3,80℃では約32 、!? PCJ!、/100
!!−POCJ’3と非常に大きいため、あまり五塩化
リン濃度を高くすると、反応温度のわずかの低下により
五塩化リンが析出し攪拌が困難となったり、配管がつま
ったりするため好ましくない。
また、アンモニウム塩型やアミン塩型の場合には、スル
ホニルクロライド化の速度は五塩化リンの濃度によりあ
まり変化しないため、特に好ましい五塩化リンとオキシ
三塩化リンおよび/またはハロカーボン系溶媒との重量
比の範囲は1/2〜1/20である。
スルホニルクロライド化の際の、スルホン酸基を含むフ
ロロカーボン系陽イオン交換体とスルホニルクロライド
化液との比は、大きいほうが装置が小型となり好ましい
スルホニルクロライド化液中の五塩化リンの量は、スル
ホン酸基と反応し消費される五塩化リンの量と陽イオン
交換体およびスペーサーなどに含まれる水分と反応し消
費される五塩化リンの量との和より大であることが必要
である。
消費される五塩化リン量を除いた五塩化リンとオキシ三
塩化リンおよび/またはハロカーボン系溶媒との比が上
記の好ましい範囲に入るように、五塩化リン濃度および
/またはフロロカーボン系陽イオン交換体とスルホニル
クロライド化液との比が調節されることが好ましい。
またスルホニルクロライド化液の最少量はフロロカーボ
ン系陽イオン交換体を完全に浸す量である。
スルホニルクロライド化に用いられる溶媒としてはオキ
シ三塩化リンおよび/またはトリクロルエチレン、1,
1,2−トリクロルエタン、パークロルエチレン、1,
1,2,2−テトラクロルエタン、1,2〜ジフロロー
1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロカーボン
系溶媒がある。
一般にハロカーボン系溶媒は五塩化リンに対して安定で
あり、溶解性も良好であるが、沸点の低い溶媒を用いた
場合には反応温度を高くすることが困難であり、あまり
好ましくない。
スルホニルクロライド化の温度は40°C〜150℃の
範囲が一般的であり、60〜135℃の範囲が好ましい
オキシ三塩化リンを溶媒として用いた場合には70〜1
15℃の範囲が特に好ましく、1.1,2−トリクロル
エタンを用いた場合には80〜120℃の範囲が特に好
ましく、■、1゜2.2−テトラクロルエタンを用いた
場合には90〜135℃の範囲が特に好ましい。
スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン交換体
のスルホニルクロライド化の程度は完全にスルホニルク
ロライド化を行なっても良いが、アミンまたはヨウ化水
素酸などの還元剤き反応させて改良を試みようとする部
分のみをほぼ完全にスルホニルクロライド化しても良い
スルホニルクロライド化の程度は透過赤外分光光度計に
よる分析法、表面反射赤外分光光度計による分析法およ
びクリスタルバイオレットなどのカチオン染料による染
色によって判断することが可能である。
スルホニルクロライド化後のスルホニルクロライド基を
含むフロロカーボン系陽イオン交換中間体は付着する五
塩化リンやオキシ三塩化リンを除去するため四塩化炭素
などの溶媒で洗浄され、乾燥されることが好ましい。
参考例 1 テトラフロロエチレンとパーフロロ〔3,6−シオキサ
ー4−メチル−7−オクテンスルホニルフロライド〕と
を1,1,2−t−リクロロー1゜2.2−トリフロロ
エタン中で、パーフロロプロピオニルパーオキサイドを
重合開始剤とし、重合温度45℃、圧力5 kg/Cr
?LGに保持しながら共重合させた。
この重合物を加熱成形して125μの厚さの膜を製造し
た。
この膜を2.5規定KOH150係メタノールの液で9
0℃、16時間加水分解した。
この膜の一部を通常の中性塩分解法によって交換容量を
測定したところ、乾燥樹脂1g当り1.00ミリ当量で
あった。
このようにして製造された、厚さ約125μ、交換容量
が1.00ミIJ当量/g乾燥樹脂のスルホン酸基を有
するフロロカーボン系陽イオン交換膜を10CrIL×
15CIrLに切断し、60℃の温度に加温された、2
規定の塩酸に各2時間づつ5回浸漬し、膜内のスルホン
酸基を完全に酸型とした。
この膜を60℃の熱風乾燥器で16時間乾燥した後、テ
フゼル製のスペーサーにはさみ、還流冷却器をつけた内
容積11のセパラブルフラスコに入れた。
その後、五塩化リン1kgとオキシ三塩化リン1に9と
を添加した。
このセパラブルフラスコを130℃のオイルバス中に浸
け、24時間反応させた。
セパラブルフラスコの内部の温度は約1時間で約120
℃に上昇し、内部液は沸とうしていた。
反応後、膜を取り出し60℃に加温した四塩化炭素で洗
浄し、五塩化リンやオキシ三塩化リンを除去し、真空乾
燥した。
この膜を透過赤外で分析した結果、1060cm、−”
に吸収を持つスルホン酸基の吸収および1470゜14
60CIrL ”に吸収を持つスルホン酸無水物基の吸
収もなく、はぼ完全にスルホニルクロライド化されてい
た。
参考例 2 スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン交換体
として、Dupont社製のNafion≠125(厚
み約125μ、交換容量0.83ミリ当量/g乾燥樹脂
)を用いた。
Nafion 4125を10crILX 15cIn
に切断し、60℃の温度に加温された1規定の塩酸水に
各2時間づつ3回浸漬し、膜内のスルホン酸基を完全に
酸型とした。
その後、この膜を40℃の温度で30mmHgの圧力で
10時間真空乾燥した。
この時、膜の含水率は0.5重量係程度であった。
真空乾燥後の膜40枚(約141)を一枚づつテフゼル
製のスペーサーにはさみ、還流冷却器をつけた内容積1
1のセパラブルフラスコに入れた。
その後、五塩化リン(以下PCA、と略記する)を50
0gとオキシ三塩化リン(以下POCl3と略記)を1
kg添加した。
このセパラブルフラスコを130℃のオイルバス中に浸
け、24時間反応させた。
セパラブルフラスコの内部の温度は約1時間で約110
℃に上昇し、内部液は沸とうしていた。
反応後、膜を取り出し60℃に加温した四塩化炭素で洗
浄し、PCB、やPO(J’3を除去し、真空乾燥した
この膜を透過赤外で分析した結果、1060CrfL”
に吸収を持つスルホン酸基の吸収は検出されなかった。
また、1420crrL−1に吸収を持つスルホニルク
ロライド基の吸収は非常に大きく現われており、147
0cyn、−” 、 1460Cr/L−”に吸収を持
つスルホン酸無水物基の吸収がわずかに存在していた。
透過赤外スペクトルから、スルホニルクロライド化率を
求めると約98係であった。
比較例 1 参考例1と同様な方法で酸型としたNafion+12
5を真空乾燥した後、参考例2と同様な装置でチオニル
クロライドの沸点でチオニルクロライドと約100時間
反応させた。
四塩化炭素で洗浄、真空乾燥後、透過赤外で分析した結
果、1060crIL−’のスルホン酸基の吸収が大き
く存在していた。
また、表面反射赤外(以下ATRと略記)で分析した結
果、表面にもスルホン酸基の吸収が強く現われており、
1420CrrL ’のスルホニルクロライド基、14
70,1460crrL−”のスルホン酸無水物基の吸
収も表われていた。
このことから、チオニルクロライドを用いた場合には、
スルホン酸基を有するフロロカーボン系陽イオン交換膜
の表面すら完全にスルホニルクロライド化することがで
きないことは明らかである。
比較例 2,3 比較例1と同様な方法でNafion4125をオキシ
三塩化リンまたは三塩化リンの沸点で約100時間オキ
シ三塩化リンまたは三塩化リンと反応させた。
反応後、四塩化炭素で洗浄しATRで分析した結果、オ
キシ三塩化リンを用いた場合および三塩化リンを用いた
場合の両者ともに、1060crfL−1のスルホン酸
基の吸収が大きく存在し、スルホニルクロライド化は充
分に進行していなかった。
参考例 3 参考例2と同様な方法で酸型としたNafion≠12
5を真空乾燥した後、この膜40枚をテフゼル製のスペ
ーサーにはさみ、還流冷却器をつけた内容積1jのセパ
ラブルフラスコに入れた。
その後、PCl、 300g とチオニルクロライド1
kgとを添加した。
このセパラブルフラスコをオイルバス中で加熱しチオニ
ルクロライドの沸点で約40時間反応させた。
反応後、四塩化炭素で洗浄し、真空乾燥した。
この膜を透過赤外で分析したところ、1060cm−”
のスルホン酸基の吸収はほとんど存在しなかったが、1
470,1460m”−1のスルホン酸無水物基の吸収
は非常に大きく現われており、透過赤外より求めたスル
ホニルクロライド化率は約50係であった。
またATRで膜の表面を分析したところ、スルホン酸基
の吸収は検出されなかったが、スルホン酸無水物基の吸
収が存在しており、スルホニルクロライド化率は約80
係であった。
実施例 1 Nafion≠125を参考例2と同様な方法で酸型と
した後、2規定のアンモニア水中に6時間浸漬しスルホ
ン酸基をほぼ完全にアンモニウム塩型とした。
その後、水洗、真空乾燥した。この膜40枚を参考例1
と同様な装置に入れた。
その後、2675200gとPOC731kyとを添加
し、内部温度約110℃で約10時間反応させた。
反応後、四塩化炭素で洗浄、乾燥後、透過赤外およびA
TRで分析した。
その結果、1060crtt−”のスルホン酸基の吸収
および1470.1460に771−”のスルホン酸無
水物基の吸収は透過赤外およびATRともに検出されず
、スルホニルクロライド化率はほぼ100係であった。
実施例 2 Nafion≠125を実施例1と同様な方法でアンモ
ニウム塩型とし、水洗、真空乾燥後、この膜40枚を参
考例1と同様な装置に入れた。
その後、PCB5300.9と1,1,2−トリク唱し
エタン1kgとを添加し、内部温度約115℃で16時
間反応させた。
反応後、四塩化炭素で洗浄、乾燥後、透過赤外およびA
TRで分析した結果、スルホニルクロライド化率はほぼ
1oo%であった。
実施例 3 、4 、5. 、6 Nafion≠125を実施例2と同様な方法でメチル
アミン塩型、エチルアミン塩型、isoプロピルアミン
塩型、n−ブチルアミン塩型とし種種の溶接を使用して
スルホニルクロライド化を行った。
上記の表より明らかなように、いずれの場合もNafi
on≠125はほぼ完全にスルホニルクロライド化され
ていた。
実施例 7 Nafion≠427(芯材入り膜、最大厚み約350
μ、交換容量0.83ミIJ当量/g乾燥樹脂)を実施
例1と同様な方法でアンモニウム塩型とした後、水洗、
真空乾燥し、PCA、200.!li’とPOCJ!3
1kyとを含むスルホニルクロライド化液を用い100
℃で24時間反応させた。
反応後、四塩化炭素で洗浄、乾燥後、ATRで分析した
ところ、表面のスルホニルクロライド化率は約100係
であった。
また、この膜の断面をミクロトームで5μ程度に切断し
、0.1重量係のクリスタルバイオレット水溶液で染色
したところ、全く染色されずほぼ完全にスルホニルクロ
ライド化されていた。
実施例 8 Nafion≠427を実施例7と同様な方法で、10
0℃で4時間反応させた。
その後、四塩化炭素で洗浄し、乾燥後、実施例7と同様
な分析を行なった。
その結果、表面はほぼ完全にスルホニルクロライド化さ
れており、染色の結果から、表面から約100μ程度ス
ルホニルクロライド化が進行していた。
応用例 1 実施例7でスルホニルクロライド化した膜を、57係の
ヨウ化水素を含むヨウ化水素酸水溶液中に浸漬し、80
°C−30時間反応させた。
その後2.5NNaOH150%メタノールノ液中で6
0℃、24時間加水分解し、さらに、2.5%の有効塩
素を含む次亜塩素酸のアルカリ水溶液で酸化処理した。
このような処理を行なった膜を分析したところ、膜の表
面に5μ程度の厚さのカルボン酸様基を有する層が形成
されており、内部はスルホン酸基を有する層であった。
この膜の食塩電解用の隔膜として使用し、電流効率を求
めたところ、92係の電流効率を示した。
また、未処理のNafion≠427の電流効率は同一
条件で58係であった。
応用例 2 実施例8でスルホニルクロライド化した膜を、応用例1
と同様な方法でヨウ化水素酸処理を行い、加水分解、酸
化後、応用例1と同様な方法で電流効率を求めたところ
、約90係であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 −8O3M(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属
    、アンモニウム又は炭素数1〜4のアルキルアミンイオ
    ンである)なるスルホン酸基を有するフロロカーボン系
    陽イオン交換体に五塩化リンを反応させて、該交換体中
    のスルホン酸基をスルホニルクロライド化することを特
    徴とするフロロカーボン系陽イオン交換中間体の製造方
    法。 2 五塩化リンが溶媒に溶解されたものである特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 3 溶媒がオキシ三塩化リン及び/又はハロカーボン系
    溶媒である特許請求の範囲第2項記載の方法。 4 五塩化リンとオキシ三塩化リンおよび/またはハロ
    カーボン系溶媒との重量比が1,6/1〜1/100で
    ある特許請求の範囲第3項記載の方法。 5 ハロカーボン系溶媒が、トリクロルエチレン、1.
    1,2−トリクロルエタン、パークロルエチレン、1,
    1,2,2−テトラクロルエタン、1゜2−ジプロロー
    1,1,2,2−テトラクロルエタンである特許請求の
    範囲第3項または第4項記載の方法。 6 Mはアンモニウム、メチルアミン、エチルアミン、
    プロピルアミン又はブチルアミンイオンである特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
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