JP2004018673A - 含フッ素成形体、含フッ素成形体製造方法、含フッ素ポリマー及び含フッ素ポリマー製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(I)
(式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキル基を,Y2は、ハロゲン原子を示す。A1は、−SO2X1又は−COZ1を,X1は、ハロゲン原子、−OM1、−OM2 1/2又は−NR1R2を示す。M1は、水素原子、アルカリ金属又はNR3R4R5R6を示し、R3、R4、R5及びR6は、水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基を示す。M2は、アルカリ土類金属を,R1及びR2は、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を示す。Z1は、ヒドロキシル基、−NR7R8又は炭素数1〜4のアルコキシル基を,R7及びR8は、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を示す。)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体を重合して得られる含フッ素ポリマー。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素成形体、含フッ素成形体製造方法、含フッ素ポリマー及び含フッ素ポリマー製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロスルホニル基〔−SO2X;Xはハロゲン原子〕、スルホン酸基又はその塩等のスルホン酸型官能基を有する含フッ素スルホン酸型ポリマーの成形体は、化学的安定性に優れた電解質膜として、アルカリ電解用の陽イオン交換膜や燃料電池用の隔膜等に用いられている。スルホン酸基又はその塩は、ハロスルホニル基から誘導することができる。
【0003】
含フッ素スルホン酸型ポリマーは、電解質膜又はイオン交換膜としての性能を発揮するためには水を大量に含んだ状態にあることが必要である。しかしながら、そのような状態では、電解質膜及びイオン交換膜は水で膨潤した状態となり、機械的に弱くなって、破れたり、塑性変形を起こしたりしやすく、形状不安定であるという問題があった。
【0004】
この問題を解決する方法として、特開2000−188013号公報には、化学架橋を行う方法が提案されている。しかしながら、含フッ素スルホン酸型ポリマーは、通常、溶融成形されるので、架橋された含フッ素スルホン酸型ポリマーを用いた成形体を得ることは困難である。
【0005】
含フッ素スルホン酸型ポリマーを架橋させる方法としては、他に、例えば、加熱により架橋する方法、架橋剤を用いて紫外線又は放射線を照射する方法等が挙げられる。しかしながら、加熱により架橋する方法の場合、含フッ素スルホン酸型ポリマーを加熱することにより成形と架橋が同時に起こるので、成形が困難になるという問題があった。
【0006】
架橋剤を用いて紫外線又は放射線を照射する方法の場合、溶融成形する前に架橋剤を混ぜておき溶融成形した後に紫外線又は放射線を照射するが、含フッ素スルホン酸型ポリマーの溶融成形温度である250〜300℃の温度下では架橋剤が変質してしまうという問題と、放射線を用いると含フッ素スルホン酸型ポリマーの分解を伴うという問題があった。
【0007】
加熱により架橋する方法、又は、架橋剤を用いて紫外線若しくは放射線を照射する方法により得られた架橋構造では、成形体をアルカリ電解用の陽イオン交換膜や燃料電池用の隔膜等として利用した場合、燃料電池の発電時や食塩の電解時に分解してしまうという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記現状に鑑み、塑性変形等の形状安定性に優れた含フッ素成形体及びその製造方法、並びに、含フッ素ポリマー及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0010】
【化9】
【0011】
(式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキル基を表す。nは、0〜3の整数を表し、n個のY1は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Y2は、ハロゲン原子を表す。mは、1〜5の整数を表し、m個のY2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。A1は、−SO2X1又は−COZ1を表す。X1は、ハロゲン原子、−OM1、−OM2 1/2又は−NR1R2を表す。M1は、水素原子、アルカリ金属又はNR3R4R5R6を表し、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。M2は、アルカリ土類金属を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。Z1は、ヒドロキシル基、−NR7R8又は炭素数1〜4のアルコキシル基を表す。R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体を重合して得られる含フッ素ポリマーであって、上記含フッ素ポリマーは、η(0.1)/η(10)が2以上であることを特徴とする含フッ素ポリマーである。
【0012】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、フッ素ガスを接触させる工程を有することを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法である。
本発明は、また、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、上記一般式(I)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程を有することを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法である。
【0013】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、含フッ素重合体(P)と含フッ素重合体(Q)とをブレンドする工程を有し、上記含フッ素重合体(P)及び上記含フッ素重合体(Q)は、上記一般式(I)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体を重合して得られるものであり、上記含フッ素重合体(P)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体単位のモル換算含有率〔p%〕と、上記含フッ素重合体(Q)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体単位のモル換算含有率〔q%〕との比〔(p−q)/q〕(但し、p>qである。)が0.5以上であることを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法である。
【0014】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、含フッ素重合体(R)と含フッ素重合体(S)とをブレンドする工程を有し、上記含フッ素重合体(R)及び上記含フッ素重合体(S)は、上記一般式(I)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体を重合して得られるものであり、上記含フッ素重合体(R)のメルトフローレート〔r(g/10分)〕と、上記含フッ素重合体(S)のメルトフローレート〔s(g/10分)〕との比率〔r/s〕(但し、r>sである。)が10以上であることを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法である。
【0015】
本発明は、また、パーフルオロビニルエーテル誘導体を少なくとも1モノマー成分とする含フッ素ポリマーを用いて成形したのち、フッ素ガスを接触させて、η(0.1)/η(10)が2以上である含フッ素成形体を得ることよりなることを特徴とする含フッ素成形体製造方法である。以下、本発明の含フッ素成形体製造方法(1)という。
【0016】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマーにアルカリ加水分解又は酸処理を行うことより得られるものであり、金属塩を形成していてもよいスルホン酸基を有することを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体である。
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、フッ素ガスを接触させる工程、及び、前駆体処理をする工程を有することを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法である。以下、本発明の含フッ素ポリマー誘導体製造方法(A)という。
【0017】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、下記一般式(II)
【0018】
【化10】
【0019】
(式中、Y1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキル基を表す。nは、0〜3の整数を表し、n個のY1は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Y2は、ハロゲン原子を表す。mは、1〜5の整数を表し、m個のY2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。A2は、−SO2X2又は−COZ2を表す。X2は、ハロゲン原子又は−NR1R2を表し、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。Z2は、−NR7R8又は炭素数1〜4のアルコキシル基を表す。R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程、及び、前駆体処理をする工程を有することを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法である。以下、本発明の含フッ素ポリマー誘導体製造方法(B)という。
【0020】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有し、上記含フッ素重合体(PT)及び上記含フッ素重合体(QT)は、上記一般式(II)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)を重合して得られるものであり、上記含フッ素重合体(PT)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)単位のモル換算含有率〔pt%〕と、上記含フッ素重合体(QT)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)単位のモル換算含有率〔qt%〕との比〔(pt−qt)/qt〕(但し、pt>qtである。)が0.5以上であることを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法である。以下、本発明の含フッ素ポリマー誘導体製造方法(C)という。
【0021】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有し、上記含フッ素重合体(RT)及び上記含フッ素重合体(ST)は、上記一般式(II)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)を重合して得られるものであり、上記含フッ素重合体(RT)のメルトフローレート〔rt(g/10分)〕と、上記含フッ素重合体(ST)のメルトフローレート〔st(g/10分)〕との比率〔rt/st〕(但し、rt>stである。)が10以上であることを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法である。以下、本発明の含フッ素ポリマー誘導体製造方法(D)という。
【0022】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形し、含フッ素成形体を得ることよりなることを特徴とする含フッ素成形体製造方法である。以下、本発明の含フッ素成形体製造方法(2)という。
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー、及び/又は、上記含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものであることを特徴とする含フッ素成形体である。
【0023】
本発明は、また、上記含フッ素ポリマー、及び/又は、上記含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものである含フッ素成形体であって、上記含フッ素成形体は、厚さが10〜200μmであることを特徴とする含フッ素成形体である。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)は、パーフルオロビニルエーテル誘導体を少なくとも1モノマー成分とする含フッ素ポリマーを用いて成形したのち、フッ素ガスを接触させて、η(0.1)/η(10)が2以上である含フッ素成形体を得ることよりなるものである。上記「モノマー成分」とは、重合することにより含フッ素ポリマーとなる単量体であり、上記単量体は1種であってもよいし、2種以上であってもよいが、上記含フッ素ポリマーは、上記単量体の少なくとも1種として、上記パーフルオロビニルエーテル誘導体を用いるものである。
本明細書において、フッ素ガスを接触させることを「フッ素処理」ということがある。
【0025】
上記フッ素処理は、含フッ素ポリマーを成形して得られるフッ素処理前の処理前成形体にフッ素ガスを接触させることにより行う。用いるフッ素ガスはフッ素ガス単独であってもよいが、フッ素ガスと上記処理前成形体との反応は激しい発熱反応であるため、危険を回避する点及び反応を制御する点から、フッ素ガスを窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで希釈して使用することが好ましい。上記不活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。フッ素ガスと不活性ガスの割合は、等温等圧下における体積比で5:95〜25:75であることが好ましい。
【0026】
上記フッ素処理は、25〜200℃の温度で行うことが好ましい。より好ましい下限は、70℃であり、より好ましい上限は、150℃である。上記フッ素処理は、フッ素処理を行う温度にもよるが、10分〜12時間行うことが好ましい。上記フッ素処理は、加圧下で行ってもよいが、反応器内に置かれた処理前成形体に大気圧下又は微加圧下で希釈フッ素ガスを連続的若しくは間欠的に通しながら行うことが好ましい。
【0027】
上記フッ素処理は、フッ素ガスを接触させることにより処理前成形体を架橋することができる。上記フッ素処理により、処理前成形体中の含フッ素ポリマー分子が他の含フッ素ポリマー分子との間で新たな結合を生じたり、又は、含フッ素ポリマー分子が分子内で新たな結合を生じたりして高分子量化し、三次元網状構造を形成しているものと考えられる。上記フッ素処理は、処理前成形体を架橋させるとともに、処理前成形体が有する不純物を除去したり、処理前成形体中の含フッ素ポリマーが有する不安定末端基を安定化させることができるものである。本明細書において、上記「不安定末端基」とは、加熱等により容易に化学変化する基を意味し、例えば、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2、−CH2OH等が挙げられる。上記不安定末端基を有する成形体を電解質膜又はイオン交換膜として用いると、カルボキシル基等が脱炭酸して成形体が発泡する場合がある。また、カルボキシル基等が分解して生じるカーボンにより成形体が着色する場合がある。上記フッ素処理を施すことにより、上記不安定末端基を安定なトリフルオロメチル基にすることができるものと考えられ、含フッ素成形体が発泡、着色することを抑制することができる。
【0028】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)は、含フッ素ポリマーを用いて成形したのち、上記フッ素処理を行うものである。上記フッ素処理により、含フッ素ポリマーが高分子量化すると、溶融粘度が高くなりすぎて成形性が悪化するので、フッ素処理を行う前に、所望の形状に成形しておくことが好ましい。
【0029】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)に用いる含フッ素ポリマーは、上述の一般式(I)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体(以下、「化合物(I)」という。)を重合して得られるものである。
【0030】
上記化合物(I)は、上記一般式(I)におけるnが、0〜3の整数を表すものである。上記nは、好ましくは、0又は1であり、より好ましくは、0である。上記一般式(I)におけるmは、1〜5の整数を表す。好ましくは、1であり、より好ましくは、2である。
【0031】
上記一般式(I)におけるY1は、ハロゲン原子又はパーフルオロアルキル基を表し、n個のY1は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記一般式(I)におけるY2は、ハロゲン原子を表し、m個のY2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記Y1及びY2のハロゲン原子としては特に限定されず、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子の何れであってもよいが、好ましくは、フッ素原子である。上記パーフルオロアルキル基としては特に限定されず、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。上記一般式(I)において、Y1は、パーフルオロアルキル基であることが好ましく、トリフルオロメチル基であることがより好ましく、Y2は、フッ素原子であることが好ましい。
【0032】
上記一般式(I)におけるA1は、−SO2X1又は−COZ1を表す。上記X1は、ハロゲン原子、−OM1、−OM2 1/2又は−NR1R2を表す。上記M1は、水素原子、アルカリ金属又はNR3R4R5R6を表し、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。上記M2は、アルカリ土類金属を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。
【0033】
上記X1のハロゲン原子としては、上記Y1及びY2と同じものが挙げられるが、上記X1のハロゲン原子、Y1のハロゲン原子及びY2のハロゲン原子は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記M1のアルカリ金属としては特に限定されず、例えば、Li、Na、K、Cs等が挙げられる。上記R3、R4、R5及びR6のアルキル基としては特に限定されず、例えば、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であってよく、このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。上記M2のアルカリ土類金属としては特に限定されず、例えば、Mg、Ca等が挙げられる。
【0034】
上記R1及びR2のアルカリ金属としては特に限定されず、例えば、上記M1のアルカリ金属と同じもの等が挙げられる。上記R1及びR2のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。上記R1及びR2のアルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。上記スルホニル含有基は、スルホニル基を有する含フッ素アルキル基であり、例えば、末端に置換基を有していてもよい含フッ素アルキルスルホニル基等が挙げられ、上記含フッ素アルキルスルホニル基としては、例えば、−SO2Rf 1Z3(Rf 1は、含フッ素アルキレン基を表し、Z3は、有機基を表す。)等が挙げられる。上記有機基としては、例えば、−SO2Fが挙げられ、上記一般式(I)のA1における−SO2X1は、上記X1が−NR1R2である場合、−SO2(NR1SO2Rf 1SO2)kNR1SO2−(kは、1以上の整数を示す。)のように無限につながっていてもよい。
【0035】
上記Z1は、ヒドロキシル基、−NR7R8又は炭素数1〜4のアルコキシル基を表す。上記R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。上記R7及びR8としては、上記R1及びR2と同じもの等が挙げられ、上記R1、R2、R7及びR8は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記アルコキシル基としては特に限定されず、例えば、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルコキシル基であってよく、このようなアルコキシル基としては、例えば、−OCH3、−OC2H5、−OC3H7、−OCH(CH3)2、等が挙げられる。上記アルコキシル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
【0036】
本発明において、上記化合物(I)としては、上記一般式(I)におけるnが0であり、Y2がフッ素原子であり、mが2であり、A1は、−SO2X1であり、X1がフッ素原子であるものが好ましい。
【0037】
上記含フッ素ポリマーは、通常、上記化合物(I)と、上記化合物(I)と共重合可能なモノマーとの共重合体であり、上記化合物(I)とエチレン性モノマーとを重合して得られる2元以上の共重合体であることが好ましい。上記2元以上の共重合体とは、上記化合物(I)を少なくとも1種、上記エチレン性モノマーを少なくとも1種用いて得られるものである。上記エチレン性モノマーは、ビニル基を有するものであれば特に限定されず、上記化合物(I)とは異なるものである。
【0038】
上記エチレン性モノマーとしては、フッ素原子を有するフッ素含有エチレン性モノマー、フッ素原子を有しないフッ素非含有エチレン性モノマーが挙げられ、上記フッ素含有エチレン性モノマーとしては特に限定されず、例えば、下記一般式CF2=CF−Rf 2
(式中、Rf 2は、−F、−Cl、−Rf 3又は−ORf 3を表し、Rf 3は、炭素数1〜9のエーテル酸素を有していてもよい直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基を表す。)で表されるハロエチレン性モノマー、下記一般式
CHY3=CFY4
(式中、Y3は、−H又は−Fを表し、Y4は、−H、−F、−Cl、Rf 4又は−ORf 4を表す。Rf 4は、炭素数1〜9のエーテル酸素を有していてもよい直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基を表す。)で表される水素含有フルオロエチレン性モノマー等が挙げられる。
【0039】
上記フッ素非含有エチレン性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン等が挙げられる。
上記エチレン性モノマーは、CF2=CF2、CH2=CF2、CF2=CFCl、CF2=CFH、CH2=CFH、CF2=CFCF3、及び、CF2=CF−O−Rf 5(式中、Rf 5は、炭素数1〜9のフルオロアルキル基又は炭素数1〜9のフルオロポリエーテル基を表す。)で表されるフルオロビニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。上記フルオロビニルエーテルは、Rf 5の炭素数が1〜3のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
【0040】
上記エチレン性モノマーは、パーハロエチレン性単量体、特にパーフルオロエチレン性モノマーであることが好ましく、CF2=CF2であることがより好ましい。上記エチレン性モノマーとしては、1種又は2種以上を用いることができ、上記エチレン性モノマーを2種以上用いる場合、フッ素含有エチレン性モノマーとフッ素非含有エチレン性モノマーとを用いてもよい。
【0041】
上記エチレン性モノマー以外にも、更に、上記含フッ素ポリマーに種々の機能を付与するために、含フッ素ポリマーとしての基本的な性能を損なわない範囲で、その他の共重合可能なモノマーを添加してもよい。上記その他の共重合可能なモノマーとしては特に限定されず、例えば、重合速度の制御、ポリマー組成の制御、弾性率等の機械的物性の制御、架橋サイトの導入等の目的に応じて共重合可能なモノマーのなかから適宜選択され、ジビニルベンゼン等の不飽和結合を2つ以上有するモノマー、シアノ基を含有するモノマー、カルボキシル基及び/又はカルボキシル基に由来する基を有するモノマー、末端にハロゲン原子を有するモノマー等が挙げられる。
【0042】
上記化合物(I)を重合する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、溶液重合、乳化重合等が挙げられ、なかでも、乳化重合が好ましい。上記重合で用いる重合開始剤の種類や濃度、重合温度、重合圧力は従来公知のものを用いることができる。
【0043】
上記含フッ素ポリマーは、η(0.1)/η(10)が2以上であるものである。上記η(0.1)/η(10)が2未満であると、含フッ素ポリマーを成形して得られる成形体の機械的強度が不充分であるので、破れたり、塑性変形を起こす等の形状不安定になるおそれがある。上記η(0.1)/η(10)の好ましい下限は、4、より好ましい下限は、7、更に好ましい下限は、10である。上記含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)は、値が大きいほど機械的強度は向上するが、溶融成形が困難になる場合があるので、後で溶融成形する場合は、好ましい上限は、20である。本明細書において、上記「η(0.1)/η(10)」とは、周波数0.1rad/秒で測定した粘度の値η(0.1)を、周波数10rad/秒で測定した粘度の値η(10)で除した値を表すものである。
【0044】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)において、フッ素処理を行う対象である処理前成形体を成形するための成形材料としては、上述のフッ素処理を行うことにより架橋して高分子量化することができるので、η(0.1)/η(10)が2未満の含フッ素重合体であってもよい。本明細書において、上記「含フッ素重合体」とは、上記化合物(I)を重合して得られるものを意味する。上記含フッ素重合体は、η(0.1)/η(10)が2未満であるものであってもよいし、η(0.1)/η(10)が2以上であるものであってもよい。上記含フッ素重合体は、η(0.1)/η(10)が2未満であってもよい点で、η(0.1)/η(10)が2以上のものである上記含フッ素ポリマーとは概念上異なるものである。
上記含フッ素ポリマーから得られた成形体のη(0.1)/η(10)の値は、上記含フッ素ポリマーから上記成形体を得るまでに架橋等の高分子量化を行わない場合、上記含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)の値と実質的に同じである。
【0045】
熱可塑性樹脂は、その融点以上で流動するようになり固有の粘度を示すが、この粘度は測定時の応力及びその緩和時間により変化する。上記粘度の変化は溶融粘弾性測定装置を用いて測定することができ、上記粘度が周波数に依存していることが示される。上記粘度は、一般に、周波数を下げていくとある特定の周波数から粘度が一定又はほぼ一定になるが、分子量の高い熱可塑性樹脂ほど粘度が高くなることに加え、応力緩和に長い時間を必要とする、すなわち、上記粘度が一定となる周波数が小さくなる。熱可塑性樹脂の少なくとも一部の分子が超高分子量体である場合、周波数を下げても粘度は一定とならず、周波数が下がるにつれて粘度が更に大きくなる現象がみられる。
【0046】
従って、上記η(0.1)/η(10)の値が大きいことは、含フッ素ポリマーの分子のうち少なくとも一部分が超高分子量体であり、この超高分子量体の数が多いことを意味し、上記η(0.1)/η(10)の値が小さいことは、含フッ素ポリマーの分子のうち超高分子量体の数が少ないことを意味する。
上記含フッ素ポリマーの分子として超高分子量体が多く含まれる場合、含フッ素ポリマーを成形して得られる成形体は機械的強度に強く、応力に曝されることによる塑性変形を長期間抑えることができ、形状安定性に優れる。
上述の含フッ素ポリマーもまた、本発明の一つである。
【0047】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)に用いる含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)を上記範囲内にするためには、分子量分布の幅及び/又は組成分布の幅が広い含フッ素ポリマーを製造することが好ましい。上記「組成分布の幅が広い」とは、含フッ素ポリマーをなすモノマーの組み合わせがポリマー鎖間で多様であること、及び/又は、含フッ素ポリマーをなすモノマーの割合がポリマー鎖間で多様であることを意味する。
【0048】
上記含フッ素ポリマーを調製する調製方法としては、
(1)フッ素ガスを接触させる方法、
(2)上記化合物(I)の重合の途中で重合条件を変化させる方法、
(3)組成分布の幅及び/又は分子量分布の幅が異なる2種以上の含フッ素ポリマーをブレンドする方法、
等が挙げられる。
【0049】
上記調製方法(1)「フッ素ガスを接触させる方法」としては、例えば、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、フッ素ガスを接触させる工程を有する含フッ素ポリマー製造方法(以下、「含フッ素ポリマー製造方法(i)」という。)等が挙げられる。
【0050】
上記フッ素ガスを接触させる工程は、上述の含フッ素成形体製造方法(1)におけるフッ素処理と同様に行うことができるが、含フッ素重合体に対して行うものであり、上記含フッ素成形体製造方法(1)における処理前成形体に対して行うフッ素処理とは対象が異なるものである。含フッ素ポリマー製造方法(i)におけるフッ素処理により上記含フッ素重合体が変化する機構としては明確ではないが、得られる含フッ素ポリマーは、上記含フッ素重合体に比べて、η(0.1)/η(10)の値が大きくなっているので、上記含フッ素重合体がフッ素ガスと接触することにより、含フッ素重合体分子が他の含フッ素重合体分子との間で新たな結合を生じたり、又は、含フッ素重合体分子が分子内で新たな結合を生じたりして高分子量化したものであると考えられる。
【0051】
上記フッ素処理を行う含フッ素重合体としては、η(0.1)/η(10)が2未満であるもの、η(0.1)/η(10)が2以上であるもの何れであってもよい。η(0.1)/η(10)が2未満の含フッ素重合体であっても、上記フッ素処理を行うことにより、η(0.1)/η(10)が2以上の含フッ素ポリマーを得ることができる。
上記フッ素処理は、上記含フッ素成形体製造方法(1)におけるフッ素処理と同様に、含フッ素重合体を高分子量化させるとともに、含フッ素重合体が有する不純物を除去したり、不安定末端基を安定化させることができるものである。
【0052】
上記調製方法(2)「上記化合物(I)の重合の途中で重合条件を変化させる方法」としては、例えば、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、上記化合物(I)の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程を有する含フッ素ポリマー製造方法(以下、「含フッ素ポリマー製造方法(ii)」という。)等が挙げられる。
【0053】
上記化合物(I)は、上述のようにエチレン性モノマーと共重合させることが好ましい。上記エチレン性モノマーは、添加量全体のうちの一部分を適量、重合反応を開始させる前に仕込み、残りの添加量を重合反応中に適宜追加することが好ましい。更に、その他の共重合可能なモノマーと共重合させる場合も上記エチレン性モノマーを添加する方法と同様である。
【0054】
上記化合物(I)を全量仕込み、重合反応を開始させ、重合反応中に上記エチレン性モノマーを適宜追加することにより、重合の途中で反応系中のモノマーの比率を変化させることができる。このように、重合の途中でモノマーを増やしたり、モノマーを減らしたりすることにより、重合の途中で重合条件を変化させることとなり、得られる含フッ素ポリマーの分子量分布の幅及び/又は組成分布の幅を広くすることができ、含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)を2以上にすることができる。
【0055】
上記調製方法(2)「上記化合物(I)の重合の途中で重合条件を変化させる方法」としては、上述の含フッ素ポリマー製造方法(ii)以外にも、重合の途中で重合温度を変える方法、重合の途中で重合開始剤を大量に加える方法、重合の途中で連鎖移動剤を大量に加える方法等が挙げられる。
【0056】
上記調製方法(3)「組成分布の幅及び/又は分子量分布の幅が異なる2種以上の含フッ素ポリマーをブレンドする方法」としては、例えば、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、含フッ素重合体(P)と含フッ素重合体(Q)とをブレンドする工程を有する含フッ素ポリマー製造方法(以下、「含フッ素ポリマー製造方法(iii)」という。)等が挙げられる。
【0057】
上記含フッ素重合体(P)及び上記含フッ素重合体(Q)は、上記含フッ素重合体(P)における上記化合物(I)単位のモル換算含有率〔p%〕と、上記含フッ素重合体(Q)における上記化合物(I)単位のモル換算含有率〔q%〕との比〔(p−q)/q〕(但し、p>qである。)が0.5以上であるものである。
【0058】
本明細書において、上記「化合物(I)単位」とは、含フッ素重合体(P)の分子構造の一部分であって、化合物(I)に由来する部分、及び、含フッ素重合体(Q)の分子構造の一部分であって、化合物(I)に由来する部分を意味する。本明細書において、上記「含フッ素重合体(P)における上記化合物(I)単位のモル換算含有率〔p%〕」とは、含フッ素共重合体(P)の分子における全単量体単位が由来する単量体のモル数〔N〕に占める、上記化合物(I)単位が由来する上記化合物(I)のモル数〔NI〕の割合であって、下記式
pN(%)=(NI/N)×100
で表される含有率〔pN(%)〕の平均を意味する。
【0059】
本明細書において、上述の化合物(I)単位と、化合物(I)単位のモル換算含有率についての考え方は、後述の含フッ素重合体(PT)及び含フッ素重合体(QT)についても同様に適用する。
上記化合物(I)単位のモル換算含有率〔%〕は、赤外吸収分光〔IR〕、又は、300℃における溶融NMRを用いて得られる値である。
【0060】
上記含フッ素重合体(P)と上記含フッ素重合体(Q)とをブレンドする割合は、上記含フッ素重合体(P)における上記化合物(I)単位のモル換算含有率及び上記含フッ素重合体(Q)における上記化合物(I)単位のモル換算含有率によるが、得られる含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)が2以上となるのであれば、含フッ素重合体(P):含フッ素重合体(Q)が固形分重量比で1:9〜9:1であることが好ましい。
【0061】
含フッ素重合体(P)及び含フッ素重合体(Q)における上記化合物(I)のモル換算率が異なるということは、含フッ素重合体(P)をなすモノマーの種類と含フッ素重合体(Q)をなすモノマーの種類とが異なること、及び/又は、含フッ素重合体(P)をなすモノマーの割合と含フッ素重合体(Q)をなすモノマーの割合とが異なることを意味する。上記化合物(I)のモル換算含有率の比が0.5以上である含フッ素重合体(P)及び含フッ素重合体(Q)をブレンドすることにより、得られる含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)を2以上にすることができる。
上記含フッ素重合体(P)及び上記含フッ素重合体(Q)は、ブレンドする工程の前は、それぞれ、η(0.1)/η(10)が2未満であるもの、又は、η(0.1)/η(10)が2以上であるものの何れであってもよい。
【0062】
含フッ素ポリマー製造方法(iii)において、上記含フッ素重合体(P)と上記含フッ素重合体(Q)とをブレンドする工程は、更に、上記化合物(I)を重合して得られるその他の含フッ素重合体の少なくとも1種をブレンドすることよりなるものであってもよい。上記その他の含フッ素重合体における上記化合物(I)単位のモル換算含有率は、含フッ素ポリマーの組成分布の幅を広くするため、p%未満又はq%を超えるものであることが好ましい。
【0063】
上記調製方法(3)「組成分布の幅及び/又は分子量分布の幅が異なる2種以上の含フッ素ポリマーをブレンドする方法」としては、例えば、上記含フッ素ポリマー製造方法(iii)以外に、上記含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、含フッ素重合体(R)と含フッ素重合体(S)とをブレンドする工程を有する含フッ素ポリマー製造方法(以下、「含フッ素ポリマー製造方法(iv)」という。)を用いることができる。
【0064】
上記含フッ素重合体(R)及び上記含フッ素重合体(S)は、上記含フッ素重合体(R)のメルトフローレート〔r(g/10分)〕と、上記含フッ素重合体(S)のメルトフローレート〔s(g/10分)〕との比率〔r/s〕(但し、r>sである。)が10以上であるものである。
【0065】
上記含フッ素重合体(R)と上記含フッ素重合体(S)とをブレンドする割合は、上記含フッ素重合体(R)のメルトフローレート及び上記含フッ素重合体(S)のメルトフローレートの比率によるが、得られる含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)が2以上となるのであれば、含フッ素重合体(R):含フッ素重合体(S)が固形分重量比で1:9〜9:1であることが好ましい。
【0066】
含フッ素重合体(R)及び含フッ素重合体(S)のメルトフローレートの比率が10以上であるということは、含フッ素重合体(R)の分子量と含フッ素重合体(S)の分子量とが大きく異なることを意味する。メルトフローレートの比率が10以上である含フッ素重合体(R)及び含フッ素重合体(S)をブレンドすることにより、η(0.1)/η(10)を2以上にすることができる。
上記含フッ素重合体(R)及び上記含フッ素重合体(S)は、ブレンドする工程の前は、それぞれ、η(0.1)/η(10)が2未満であるもの、η(0.1)/η(10)が2以上であるものの何れであってもよい。
【0067】
含フッ素ポリマー製造方法(iv)において、含フッ素重合体(R)と含フッ素重合体(S)とをブレンドする工程は、更に、上記化合物(I)を重合して得られるその他の含フッ素重合体の少なくとも1種をブレンドすることよりなるものであってもよい。上記その他の含フッ素重合体のメルトフローレートは、含フッ素ポリマーの分子量分布の幅を広くするため、s(g/10分)未満又はr(g/10分)を超えるものであることが好ましい。
【0068】
含フッ素ポリマーを製造する方法として、上述の含フッ素ポリマー製造方法(i)、含フッ素ポリマー製造方法(ii)、含フッ素ポリマー製造方法(iii)及び含フッ素ポリマー製造方法(iv)のうち何れの方法を用いても含フッ素ポリマーのη(0.1)/η(10)を2以上にすることができるが、η(0.1)/η(10)を容易に2以上にすることができる点及び不安定末端基を安定化することができる点から含フッ素ポリマー製造方法(i)を用いることが好ましい。
【0069】
含フッ素ポリマー製造方法(i)により得られる含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマー製造方法(ii)により得られる含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマー製造方法(iii)により得られる含フッ素ポリマー及び含フッ素ポリマー製造方法(iv)により得られる含フッ素ポリマーもまた、本発明の一つである。
【0070】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)に用いる上記含フッ素ポリマーは、上記含フッ素ポリマーを前駆体として含フッ素ポリマー誘導体とすることもできる。上記前駆体として用いることができる含フッ素ポリマーは、一般式(II)で表されるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)(以下、「化合物(T1)」という。)を重合して得られる含フッ素ポリマー(T)である。
【0071】
上記化合物(T1)は、上記一般式(II)におけるY1、Y2、n及びmが、上記一般式(I)と同じものである。上記一般式(II)におけるA2は、−SO2X2又は−COZ2を表す。X2は、ハロゲン原子又は−NR1R2を表し、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。
【0072】
上記X2のハロゲン原子としては、上記Y1及びY2と同じものが挙げられるが、上記X2のハロゲン原子、Y1のハロゲン原子及びY2のハロゲン原子は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、フッ素原子である。上記R1及びR2は、上記一般式(I)のX1におけるR1及びR2と同じである。上記X2は、ハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
【0073】
上記Z2は、−NR7R8又は炭素数1〜4のアルコキシル基を表す。上記R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルキル基若しくはスルホニル含有基を表す。上記R7、R8及びアルコキシル基は、上記一般式(I)のZ1におけるR7、R8及びアルコキシル基と同じである。上記Z2は、炭素数1〜4のアルコキシル基であることが好ましく、−OCH3であることがより好ましい。
【0074】
上記化合物(T1)としては、上記一般式(II)におけるnが0であり、Y2がフッ素原子であり、mが2であり、A2が−SO2X2であり、X2がフッ素原子であるものが好ましい。
【0075】
上記含フッ素ポリマー誘導体は、上記含フッ素ポリマー(T)を前駆体として前駆体処理を行うことにより得ることができるものである。上記前駆体処理とは、上記含フッ素ポリマー(T)をアルカリ加水分解又は酸処理させるものである。上記アルカリ加水分解に用いられるアルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。上記アルカリ加水分解により、末端がスルホン酸基の塩である含フッ素ポリマー誘導体を得ることができ、更に、酸処理を行い、末端のスルホン酸基の塩をスルホン酸基に変換してもよい。上記酸処理に用いる酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸等が挙げられる。
【0076】
上記含フッ素ポリマー誘導体は、上記前駆体処理により上記含フッ素ポリマー(T)における上記X2又は上記Z2が、−OM3又は−OM4 1/2に変換されたものである。上記含フッ素ポリマー(T)は上記化合物(T1)を重合して得られるものであるので、上記含フッ素ポリマー(T)における上記X2及び上記Z2とは、上記一般式(II)におけるX2及び上記一般式(II)におけるZ2と同じである。上記M3は、水素原子又はアルカリ金属を表す。上記アルカリ金属としては特に限定されず、例えば、一般式(I)におけるM1と同じもの等が挙げられ、上記M1のアルカリ金属及びM3のアルカリ金属は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記M4は、アルカリ土類金属を表す。上記アルカリ土類金属としては特に限定されず、例えば、一般式(I)におけるM2と同じもの等が挙げられ、上記M2及びM4は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記M3におけるアルカリ金属及び上記M4におけるアルカリ土類金属は、上記前駆体処理おけるアルカリ加水分解に用いたアルカリに由来し、上記M3における水素原子は、上記前駆体処理における酸処理に用いた酸に由来するものである。
上記含フッ素ポリマー誘導体もまた、本発明の一つである。
【0077】
上記含フッ素ポリマー誘導体は、上記含フッ素ポリマー(T)に上述の前駆体処理を行うことにより得られるものであるが、上述の含フッ素ポリマーを製造する方法にそれぞれ、上記前駆体処理を行う「前駆体処理をする工程」を追加することによって得ることができるものである。
【0078】
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(A)は、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、フッ素ガスを接触させる工程、及び、前駆体処理をする工程を有するものである。
【0079】
上記フッ素ガスを接触させる工程は、上述の含フッ素ポリマー製造方法(i)におけるフッ素処理と同様である。
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(A)において、前駆体処理をする工程は、フッ素ガスを接触させる工程の前に行ってもよいし、フッ素ガスを接触させる工程の後に行ってもよい。
【0080】
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(B)は、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、上記化合物(T1)の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程、及び、前駆体処理をする工程を有するものである。
【0081】
上記「化合物(T1)の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程」は、上記含フッ素ポリマー製造方法(ii)と同様に行うことができる。
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(B)において、前駆体処理をする工程は、上記「化合物(T1)の全量を仕込み、重合反応を開始させる工程」の後に行うものである。
【0082】
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(C)は、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有するものである。
【0083】
上記含フッ素重合体(PT)及び上記含フッ素重合体(QT)は、上記含フッ素重合体(PT)における上記化合物(T1)単位のモル換算含有率〔pt%〕と、上記含フッ素重合体(QT)における上記化合物(T1)単位のモル換算含有率〔qt%〕との比〔(pt−qt)%〕(但し、pt>qtである。)が0.5以上であるものである。
【0084】
上記含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程は、上述の含フッ素ポリマー製造方法(iii)における上記含フッ素重合体(P)と上記含フッ素重合体(Q)とをブレンドする工程と同様に行うことができる。
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(C)において、前駆体処理をする工程は、含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程の前に行うものであってもよいし、含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程の後に行うものであってもよいが、作業が効率的であるので、含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程の後に行うことが好ましい。
【0085】
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(D)は、上記含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有するものである。
【0086】
上記含フッ素重合体(RT)及び上記含フッ素重合体(ST)は、上記含フッ素重合体(RT)のメルトフローレート〔rt(g/10分)〕と、上記含フッ素重合体(ST)のメルトフローレート〔st(g/10分)〕との比率〔rt/st〕(但し、rt>stである。)が10以上であるものである。
【0087】
上記含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程は、上述の含フッ素ポリマー製造方法(iv)における上記含フッ素重合体(R)と上記含フッ素重合体(S)とをブレンドする工程と同様に行うことができる。含フッ素ポリマー誘導体製造方法(D)において、前駆体処理をする工程は、含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程の前に行うものであってもよいし、含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程の後に行うものであってもよいが、作業が効率的であるので、含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程の後に行うことが好ましい。
【0088】
含フッ素ポリマー誘導体製造方法(A)により得られる含フッ素ポリマー誘導体、含フッ素ポリマー誘導体製造方法(B)により得られる含フッ素ポリマー誘導体、含フッ素ポリマー誘導体製造方法(C)により得られる含フッ素ポリマー誘導体及び含フッ素ポリマー誘導体製造方法(D)により得られる含フッ素ポリマー誘導体もまた、本発明の一つである。
【0089】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)において、上記含フッ素ポリマーは、上記含フッ素ポリマー誘導体と混合して処理前成形体を成形するための成形材料として用いてもよく、成形したのちフッ素ガスを接触させて含フッ素成形体を得ることができる。上記含フッ素成形体は、上記含フッ素ポリマーの代わりに含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形して得ることもできる。
含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形し、含フッ素成形体を得ることよりなる含フッ素成形体製造方法(2)もまた、本発明の一つである。
【0090】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)により製造された含フッ素成形体、及び、本発明の含フッ素成形体製造方法(2)により製造された含フッ素成形体もまた、本発明の一つである。上記含フッ素成形体製造方法(1)は、含フッ素ポリマーを用いて含フッ素成形体を得るものであり、上記含フッ素成形体製造方法(2)は、含フッ素ポリマー誘導体を用いて含フッ素成形体を得るものである。
【0091】
本発明の含フッ素成形体は、従って、上記含フッ素ポリマーを用いて成形したもの、及び/又は、上記含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものである。上記含フッ素成形体は、含フッ素ポリマーを単独で用いて成形したものであってもよいし、含フッ素ポリマー誘導体を単独で用いて成形したものであってもよいし、含フッ素ポリマーと含フッ素ポリマー誘導体を混合して用いて成形したものであってもよい。
【0092】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)により得られる含フッ素成形体、及び、本発明の含フッ素成形体製造方法(2)により得られる含フッ素成形体の形状としては特に限定されず、例えば、球状、円柱状、円筒状、六面体状、膜状等が挙げられるが、含フッ素成形体を電解質膜又はイオン交換膜として用いる場合、通常、膜状である。
【0093】
上記含フッ素成形体を成形する方法としては特に限定されず、例えば、溶融成形法、キャスト法、含浸法等が挙げられる。上記溶融成形法は、含フッ素ポリマーを融点以上の温度に加熱し、プレス、押し出し等の手段により成形加工する方法である。上記キャスト法は、通常、含フッ素ポリマーをアルコールと水との混合溶媒等の溶媒に溶解させてなる溶液を、ガラス等の基板に塗布し、乾燥させて得られる皮膜を基板から剥離する方法である。上記含浸法は、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状物質又はその織布、多孔性物質等の基材を、アルコールと水との混合溶媒等の溶媒に含フッ素ポリマーを溶解してなる溶液に含浸し、乾燥させる方法である。上記含フッ素成形体として膜を製造する場合、上記含浸法を用いることが好ましい。
【0094】
上記含フッ素ポリマー、及び/又は、上記含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものであり、厚さが10〜200μmであるものである含フッ素成形体もまた、本発明の一つである。上記厚さを有する含フッ素成形体は、通常、膜と称され、上記膜は、厚さが薄い部分に応力が集中し、破れやすくなるので、平滑性を有することが好ましい。
【0095】
上記含フッ素成形体の用途としては特に限定されないが、膜として用いることが好ましく、上記膜としては、例えば、電解質膜、イオン交換膜等が挙げられる。本発明の含フッ素成形体製造方法(1)により得られた含フッ素成形体及び本発明の含フッ素成形体製造方法(2)により得られた含フッ素成形体は、末端にハロスルホニル基又は塩を形成していてもよいスルホン酸基を有するので、電解質膜やイオン交換膜として好ましい性質を有する。
【0096】
上記含フッ素成形体は、電解質膜又はイオン交換膜として、例えば、電解質用膜、リチウム電池用膜、食塩電解用膜、水電解用膜、ハロゲン化水素酸電解用膜、酸素濃縮器用膜、湿度センサー用膜、ガスセンサー用膜、分離膜等に用いることができ、使用条件が通常過酷な燃料電池においても長期間好適に用いることができる。
【0097】
本発明の含フッ素成形体製造方法(1)により得られた含フッ素成形体及び含フッ素成形体製造方法(2)により得られた含フッ素成形体が有する架橋構造により、上記含フッ素成形体をアルカリ電解用の陽イオン交換膜や燃料電池用の隔膜として用いる場合であっても膨潤しにくく、破れたり、塑性変形したりすることなく長期間用いることができる。
【0098】
以下、含フッ素ポリマーを特定するために使用している各種の要素について、測定方法を説明する。実施例及び比較例におけるデータは、上記測定方法で得られたものである。
【0099】
(η(0.1)/η(10))
含フッ素ポリマーを厚さ1.5mmのシートに成形し、RDS−II型粘弾性測定装置(商品名、Rheometrics社製)で、パラレルプレートを用い270℃での粘度の周波数分散を測定する。
【0100】
(モル換算含有率)
19F−NMR法で測定を行い、含フッ素ポリマーをなすモノマーのモル換算含有率を求める。
【0101】
(メルトフローレート)
ASTM D 3159に準拠して、温度270℃、荷重2.16kgで測定する。
【0102】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積3リットルのSUS−316製耐圧容器に、逆浸透膜水1490g、C7F15COONH4 30g、Na2HPO4 6.25g、NaH2PO4 3.94g及びCF2=CFOCF2CF2SO2F 60gを仕込み、系内を窒素で置換した後真空とし、その後テトラフルオロエチレン〔TFE〕を内圧が0.2MPaになるまで導入した。内温が55℃になるように温調を行い、内圧が0.8MPaとなるように更にTFEを導入した。(NH4)2S2O8 3gを10gの水に溶解させたものを系内に導入し、重合を開始した。その後、内圧が0.8MPaを維持するようにTFEを追加し、追加したTFEの量に合わせ、重量比でCF2=CFOCF2CF2SO2F:TFE=0.418:1となるようにCF2=CFOCF2CF2SO2Fを追加で仕込んだ。
【0103】
重合開始から166分後、追加でTFEを594g導入した時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得られた重合液70gに水140gを追加し、50℃に加熱して濃塩酸7gを投入した。凝析したポリマーを濾過した後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風乾燥器で乾燥した。
【0104】
得られたポリマーについて、300℃で19F−NMRの測定を行ったところ、−80ppm付近の−OCF 2CF2−の下線部のフッ素原子に帰属される強度と−125ppm付近の−CF 2CF 2−の下線部のフッ素原子に帰属される強度との比から、CF2=CFOCF2CF2SO2Fは13mol%導入されたことがわかった。
【0105】
得られたポリマー10gをモネル合金製のオーブンに入れ、窒素ガスを流通させながら200℃まで昇温し、その後200℃で、フッ素:窒素が体積比で20:80のガスを0.6リットル/分で5時間接触させた後、窒素ガスを流通させながら室温まで冷却した。得られたポリマーを厚さ1.5mmのシートに成形し、RDS−II型粘弾性測定装置(商品名、Rheometrics社製)でパラレルプレートを用い270℃にて粘度の周波数分散を測定したところ、η(0.1)/η(10)=13.5であった。
【0106】
比較例1
実施例1で得られたポリマーについて、フッ素処理せずにポリマーを厚さ1.5mmのシートに成形し、実施例1と同様にして粘度の周波数分散を測定したところ、η(0.1)/η(10)=1.7であった。
【0107】
ポリマーにフッ素処理を行った実施例1では、η(0.1)/η(10)が2より高い値だったのに対し、フッ素処理を行わなかった比較例1では、η(0.1)/η(10)が2より低い値だったことがわかった。
【0108】
実施例2
攪拌翼と温調用ジャケットを備えた内容積3リットルのSUS−316製耐圧容器に、逆浸透膜水1490g、C7F15COONH4 30g、Na2HPO4 6.25g、NaH2PO4 3.94g及びCF2=CFOCF2CF2SO2F 300gを仕込み、系内を窒素で置換した後真空とし、その後TFEを内圧が0.2MPaになるまで導入した。内温が50℃になるように温調を行い、内圧が0.8MPaとなるように更にTFEを導入した。(NH4)2S2O8 3gを10gの水に溶解させたものを系内に導入し、重合を開始した。その後、内圧が0.8MPaを維持するようにTFEを追加した。
【0109】
重合開始から151分後、追加でTFEを522g導入した時点でTFEを放圧し、重合を停止した。得られた重合液70gに水140gを追加し、50℃に加熱して濃塩酸7gを投入した。凝析したポリマーを濾過した後、水の再分散と濾過を3回繰り返し、熱風乾燥器で乾燥した。
【0110】
得られたポリマーについて、300℃で19F−NMRの測定を行ったところ、−80ppm付近の−OCF 2CF2−の下線部のフッ素原子に帰属される強度と−125ppm付近の−CF 2CF 2−の下線部のフッ素原子に帰属される強度との比から、CF2=CFOCF2CF2SO2Fは15.6mol%導入されたことがわかった。
【0111】
得られたポリマーを厚さ1.5mmのシートに成形し、実施例1と同様にして粘度の周波数分散を測定したところ、η(0.1)/η(10)=5.1であった。
【0112】
ポリマーにフッ素処理を行った実施例1では、η(0.1)/η(10)が13.5だったのに対し、重合の途中で重合条件を変化させた実施例2では、η(0.1)/η(10)が5.1と、実施例1よりも低い値だったことがわかった。
【0113】
【発明の効果】
本発明の含フッ素成形体及びその製造方法、並びに、含フッ素ポリマー及びその製造方法は、上述の構成を有するので、塑性変形等に対する形状安定性に優れた含フッ素成形体を得ることができる。
Claims (22)
- 下記一般式(I)
η(0.1)/η(10)が2以上である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー。 - パーフルオロビニルエーテル誘導体とエチレン性モノマーとを重合して得られる2元以上の共重合体である請求項1記載の含フッ素ポリマー。
- エチレン性モノマーは、テトラフルオロエチレンである請求項2記載の含フッ素ポリマー。
- Y1は、トリフルオロメチル基であり、Y2は、フッ素原子であり、nは、0又は1であり、mは、2である請求項1、2又は3記載の含フッ素ポリマー。
- 請求項1、2、3又は4記載の含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、
フッ素ガスを接触させる工程を有する
ことを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法。 - 請求項1、2、3又は4記載の含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、
下記一般式(I)
ことを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法。 - 請求項1、2、3又は4記載の含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、
含フッ素重合体(P)と含フッ素重合体(Q)とをブレンドする工程を有し、
前記含フッ素重合体(P)及び前記含フッ素重合体(Q)は、
下記一般式(I)
前記含フッ素重合体(P)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体単位のモル換算含有率〔p%〕と、前記含フッ素重合体(Q)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体単位のモル換算含有率〔q%〕との比〔(p−q)/q〕(但し、p>qである。)が0.5以上である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法。 - 請求項1、2、3又は4記載の含フッ素ポリマーを製造することよりなる含フッ素ポリマー製造方法であって、
含フッ素重合体(R)と含フッ素重合体(S)とをブレンドする工程を有し、
前記含フッ素重合体(R)及び前記含フッ素重合体(S)は、下記一般式(I)
前記含フッ素重合体(R)のメルトフローレート〔r(g/10分)〕と、前記含フッ素重合体(S)のメルトフローレート〔s(g/10分)〕との比率〔r/s〕(但し、r>sである。)が10以上である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー製造方法。 - 請求項5、6、7又は8記載の含フッ素ポリマー製造方法により製造されたものである
ことを特徴とする含フッ素ポリマー。 - パーフルオロビニルエーテル誘導体を少なくとも1モノマー成分とする含フッ素ポリマーを用いて成形したのち、フッ素ガスを接触させて、η(0.1)/η(10)が2以上である含フッ素成形体を得ることよりなる
ことを特徴とする含フッ素成形体製造方法。 - 請求項1、2、3、4又は9記載の含フッ素ポリマーにアルカリ加水分解又は酸処理を行うことより得られるものであり、
金属塩を形成していてもよいスルホン酸基を有する
ことを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体。 - 含フッ素ポリマーは、下記一般式(II)
含フッ素ポリマー誘導体は、前記含フッ素ポリマー(T)における前記X2又は前記Z2が−OM3又は−OM4 1/2(M3は、水素原子又はアルカリ金属を表し、M4は、アルカリ土類金属を表す。)に変換されたものである請求項11記載の含フッ素ポリマー誘導体。 - 請求項11又は12記載の含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、
フッ素ガスを接触させる工程、及び、前駆体処理をする工程を有する
ことを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法。 - 請求項11又は12記載の含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、
下記一般式(II)
ことを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法。 - 請求項11又は12記載の含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、
含フッ素重合体(PT)と含フッ素重合体(QT)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有し、
前記含フッ素重合体(PT)及び前記含フッ素重合体(QT)は、下記一般式(II)
前記含フッ素重合体(PT)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)単位のモル換算含有率〔pt%〕と、前記含フッ素重合体(QT)におけるパーフルオロビニルエーテル誘導体(T1)単位のモル換算含有率〔qt%〕との比〔(pt−qt)/qt〕(但し、pt>qtである。)が0.5以上であることを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法。 - 請求項11又は12記載の含フッ素ポリマー誘導体を製造することよりなる含フッ素ポリマー誘導体製造方法であって、
含フッ素重合体(RT)と含フッ素重合体(ST)とをブレンドする工程、及び、前駆体処理をする工程を有し、
前記含フッ素重合体(RT)及び前記含フッ素重合体(ST)は、下記一般式(II)
前記含フッ素重合体(RT)のメルトフローレート〔rt(g/10分)〕と、前記含フッ素重合体(ST)のメルトフローレート〔st(g/10分)〕との比率〔rt/st〕(但し、rt>stである。)が10以上である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体製造方法。 - 請求項13、14、15又は16記載の含フッ素ポリマー誘導体製造方法により製造されたものである
ことを特徴とする含フッ素ポリマー誘導体。 - 請求項11、12又は17記載の含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形し、含フッ素成形体を得ることよりなる
ことを特徴とする含フッ素成形体製造方法。 - 請求項1、2、3、4若しくは9記載の含フッ素ポリマー、及び/又は、請求項11、12若しくは17記載の含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものである
ことを特徴とする含フッ素成形体。 - 請求項10又は18記載の含フッ素成形体製造方法により製造されたものである
ことを特徴とする含フッ素成形体。 - 膜である請求項19又は20記載の含フッ素成形体。
- 請求項1、2、3、4若しくは9記載の含フッ素ポリマー、及び/又は、請求項11、12若しくは17記載の含フッ素ポリマー誘導体を用いて成形したものである含フッ素成形体であって、
前記含フッ素成形体は、厚さが10〜200μmである
ことを特徴とする含フッ素成形体。
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