JPS6240858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両荷台のボツクスブリムすなわち
ロープフツク取付基台となるボツクスブリムの取
付構造に関するものである。

（従来技術） 車両荷台のサイドパネル上端部には、ロープが
引掛られるロープフツクが取付けられることが多
い。従来、このロープフツクの取付部分は、実開
昭55−31740号公報に示すように、サイドパネル
が上方に立ち上がる縦壁部のみを有して、該縦壁
部上端部に、下方が開放された断面略コ字上のボ
ツクスブリム一側側壁を固定し、このボツクスブ
リムの頂壁内面にロープフツクの基端部を固定す
るようにしていた。

しかしながら、この従来のものにあつては、ロ
ープフツクに加わる荷重をボツクスブリムのみで
受け持つため、またロープフツクのロープ荷重点
とボツクスブリムのサイドパネルに対する固定点
との間の距離が大きくなつて、強度的に好ましく
なく、これに加えて、ロープフツクのサイドパネ
ルからの外方への突出量が必然的に大きくなつて
安全上好ましくなかつた。

（考案の目的） 本考案は上述した欠点を解消するもので、強度
的に優れ、かつ安全性の面でも優れた車両のボツ
クス構造を提供することを目的とする。

（考案の構成） 上述した目的を達成するため、本考案にあつて
は、サイドパネルに、その上方へ立ち上がる縦壁
部の上端部より更に荷台内方へ延設された平担部
を形成し、該平担部上に配置されるボツクスブリ
ムの内面に接合したブラケツトを、上記平担部上
に固定するようにしてある。

（実施例） 第１図において、Ａは本考案が適用された車両
荷台で、そのサイドパネル１の上端部には、ボツ
クスブリム２が固定されると共に、該ボツクスブ
リムを利用してロープフツク３が取付られてい
る。

前記ボツクスブリム２、ロープフツク３の取付
部分の詳細を第２図、第３図に示してあり、これ
を説明すると、サイドパネル１は、インナパネル
４とアウタパネル５との内外二重構造とされ、ア
ウタパネル５は、上方に立ち上がる縦壁部５ａ
と、この上端部より荷台Ａの内方側へほぼ水平に
延設された平担部５ｂと、該平担部５ｂの先端部
を更に下方へ延設してなるブラケツト部５ｃとを
有する。また、インナパネル４も、アウタパネル
５と同様に、縦壁部４ａ、平担部４ｂ、フランジ
部４ｃを有し、該両パネル４と５とは、そのフラ
ンジ部４ｃ、５ｃ部分で例えばスポツト溶接等に
より接合されている。

前記ボツクスブリム２は、下方が開放された断
面略コ字状とされて、頂面部２ａと内方側側壁部
２ｂと外方側側壁部２ｃとを有する。このような
ボツクスブリム２は、その幅すなわち荷台Ａの左
右方向長さが、平担部５ｂの幅よりも若干長くさ
れ、ボツクスブリム２の内方側側壁部２ｂとアウ
タパネル５のフランジ部５ｃとをほぼ同一面とし
た場合に、ボツクスブリム２の外方側側壁部２ｃ
がアウタパネル５の縦壁部５ａよりわずかに外方
側へはみ出るようにされている。

前記ボツクスブリム２の内面には、ロープフツ
ク３の取付部分となる箇所において、ブラケツト
６が配置されている。このブラケツト６は、下方
が開放された断面略コ字状とされ、その頂面部６
ａと内方側壁部６ｂと外方側側壁部６ｃとを有す
る他、外方側側壁部６ｃの下端部より更に下方へ
延設された取付板部６ｄとを有する。そして、こ
のようなブラケツト６は、ボツクスブリム２の内
面において、その頂面部２ａと６ａ、および２ｂ
と６ｂとが密着された状態で嵌合され、必要に応
じてスポツト溶接等により一体化されている。

前記ブラケツト６内には、断面略Ｌ字型の補助
ブラケツト７が配設され、該補助ブラケツト７と
ボツクスブリム２の内方側側壁部２ｂとブラケツ
ト６の内方側側壁部６ｂとが、重合された状態
で、ボルト８、ナツト９を利用して一体化されて
いる。また、この補助ブラケツト７とアウタパネ
ル５の平担部５ｂとインナパネル４の平担部４ｂ
とが、重合された状態で、ボルト１０、ナツト１
１を利用して一体化されている。さらに、ブラケ
ツト６の取付板部６ｄの下端部とアウタパネル５
の縦壁部５ａ上端部とが、重合された状態で、ボ
ルト１２、ナツト１３を利用して一体化されてい
る。

前記ロープフツク３は、前記ブラケツト６の外
方側側壁部６ｃと取付板部６ｄとの境界部分に開
口した通し穴６ｅ内を貫通して、その基端部３ａ
がブラケツト６の頂面部６ａ内面に溶接され、ま
たその自由端部３ｂは、アウタパネル５の外方に
位置して、ロープ（図示略）の引掛部を構成して
いる。

このように、本実施例は、ブラケツト６とアウ
タパネル５とにより、第３図に示すように、ロー
プフツク３の取付部分において荷台Ａの左右方向
における断面が閉断面とされているので、強度的
に特に優れたものとなつている。

なお、組立に際しては、ブラケツト６にあらか
じめロープフツク３を一体化しておく一方、ナツ
ト９ボルト１０、ナツト１３をあらかじめブラケ
ツト７あるいはアウタパネル５に一体化してお
き、ボルト８、ナツト１１、ボルト１２は、荷台
Ａの内方側、下方側、外方側よりその固定作業を
行なえばよい。

第４図〜第６図は本考案の他の実施例を示すも
ので、前記実施例と同一構成要素には同一符号を
付してその説明は省略する。

本実施例においては、前記実施例におけるブラ
ケツト６、補助ブラケツト７の代りに、１つブラ
ケツト１４を用いてある。このブラケツト１４
は、板材を90゜づつ順次折曲することにより、荷
台Ａの前後方向に波打つ形状とされ、中央頂面部
１４ａ、前後の頂面部１４ｂ、１４ｃと、２つの
底面部１４ｄ，１４ｅと、該頂面部１４ａ〜１４
ｃと底面部１４ｄ，１４ｅとを連ねる４つの側壁
部１４ｆ〜１４ｉとを有する。そして、ロープフ
ツク３の基端部３ａは、中央頂面部１４ａ内面に
溶接されている。また、ブラケツト１４は、その
２つの底面部１４ｄ，１４ｅの部分において、ボ
ルト１５、ナツト１６を利用してアウタパネル５
の平担部５ｂ上に固定されている。そして、ブラ
ケツト１４は、アウタパネル５と協動して、車両
の前後方向において閉断面を構成し、強度向上を
図つている。

以上実施例では、サイドパネルがインナパネル
とアウタパネルとの内外二重構造とされた場合に
ついて説明したが、該サイドパネルが一枚構造の
ものにおいても同様に適用し得るものである。も
つとも、インナパネルとアウタパネルとの内外二
重構造とし、該両パネルをそのフランジ部４ｃ，
５ｃ部分で接合するようにすれば、強度的にさら
に優れたものが得られる。

（考案の効果） 本考案は、以上述べたことから明らかなよう
に、ボツクスブリムは、サイドパネルの縦壁部上
端部より内方に折曲されてほぼ水平に延びる平担
部上に取付けられるため、ロープフツクのサイド
パネル外面からの突出量は従来に比して著しく小
さくなつて、安全上好ましいものとなる。

また、ボツクスブリムは、サイドパネルの縦壁
部上端部より内方へ折曲された平担部上に固定さ
れるので、この折曲によりサイドパネルの曲げに
対する強度が大きくなり、これに加えて、ロープ
フツクのロープ荷重点とボツクスブリムのサイド
パネルに対する固定点との距離が小さくなつて、
全体として強度的に極めて有利なものが得られ
る。

さらに、ボツクスブリムはブラケツトを利用し
てサイドパネルに取付られるので、該サイドパネ
ルは、ロープフツク（ボツクスブリム）を有する
荷台用のものと有しない荷台用のものと兼用とし
て構成することができる、という利点も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用された荷台の一例を示
す斜視図、第２図は、本考案の一実施例を示す一
部破断斜視図、第３図は、第２図−線断面
図、第４図は、本考案の他の実施例を示す一部破
断斜視図、第５図は、第４図−線断面図、第
６図は、第４図−線断面図、である。 Ａ……荷台、１……サイドパネル、３……ロー
プフツク、４……インナパネル、４ｃ……フラン
ジ部、５……アウタパネル、５ａ……縦壁部、５
ｂ……平担部、５ｃ……フランジ部、６……ブラ
ケツト、７……補助ブラケツト、１４……ブラケ
ツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車両荷台のサイドパネルが、上方に立ち上が
   る縦壁部と該縦壁部の上端部からほぼ水平に荷
   台内方側へ延設された平担部とを有し、 前記平担部上に配置されるボツクスブリム
   が、下方が開放された断面略コ字状とされ、 前記ボツクスブリム内面にブラケツトが接合
   されると共に、該ブラケツトが前記平担部上に
   固定されている、ことを特徴とする車両のボツ
   クス構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記サイドパネルと前記ボツクスブリムとによ
   り、閉断面となるように構成され、該閉断面内
   においてロープフツクガ取付けられているも
   の。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   において、前記サイドパネルが、インナパネル
   とアウタパネルとの内外二重構造として構成さ
   れ、上記アウタパネルが、前記縦壁部と平担部
   とを有すると共に、該平担部の内方先端部より
   更に下方へ延設されたフランジ部を有し、該フ
   ランジ部にて上記インナパネルと重合、固定さ
   れているもの。