JPS6240387B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は入射光を光源に対し有効に再帰反射す
る光再帰反射膜の有利、簡単な製法に関するもの
である。

在来この種の再帰反射膜の製法では液状の接着
剤でなる透明塗刷料内部に無機硝子の透明微球子
だけを混入、撹拌したものがあるがこの製法では
いかように透明塗刷料と透明微球子とを撹拌し透
明微球子を平均密度に分散せしめても、これを塗
刷機にかける為撹拌作業を中止した場合透明塗刷
料と透明微球子との比重に大差が有るので透明微
球子は透明塗刷料の下部にしゆん時にして急速に
沈降、集積しよつて塗刷機に平均密度に分散され
た透明微球子を包有した良好な状態の透明塗刷料
を塗刷機に安定、継続して供給することが困難で
ある。特にこの種の再帰反射膜に使用する透明微
球子は顕微鏡的に微小なものであるから在来の製
法では透明微球子が透明塗刷料の薄膜中の或る部
分には粗分散密度になり亦他の或る部分には複列
の層になつて塗刷されることを防止出来ずよつて
これを薄膜中の全面に再帰反射作用するに適した
単列の層にならしめて被塗刷物面に支障なく塗刷
することは不可能事に近いことである。

これに反し本発明の製法では透明塗刷料中の透
明微球子は透明固形微粒子で支持された平均密度
分散の良状態にあり急速な沈降を防止されている
ので透明塗刷料を塗刷機に供給するに要する時間
についても該透明微球子は塗刷料中にあつて平均
密度に分散された良好な状態で時間的な余猶をも
つて保持されており被塗刷物面に支障なく透明微
球子を単列の層にならしめて塗刷し得るものであ
る。しかも本発明ではもし仮に塗刷料薄膜中の或
る部分の透明微球子が複列の層になつて塗刷され
ていたとしても該部分の透明微球子は、薄膜中の
透明固形微粒子の熱溶融時に発生するこれの透明
塗刷料との混和、平面拡漲運動による作用で複列
の層になつた透明微球子を流動せしめこれを単列
の層にならしめて再帰反射するに適したものにな
らしめる優れた利点と効果を挙げるものである。

又他の在来の製法には連続した長尺シート状の
被接着物面に接着剤を塗刷し該接着剤面に透明微
球子を撒布して製する再帰反射膜があるが、この
製法ではコーチング機を経済的な通常の高速回転
にせしめた場合撒布、接着されるべき筈の透明微
球子はこのスピードに追従出来ずかつ亦このスピ
ードで生じた風圧で透明微球子が被塗刷物面以外
の他に飛散して空費され被接着物面に大形のピン
ホール状の透明微球子の不接着部分が生じること
をまぬがれ得ず、よつて仕上り製品の外見を損し
商品価値を失するが本発明の製法では前文中に説
明した諸特長を有する透明塗刷料の薄膜中に平均
密度に分散した透明微球子を包有せしめて被塗刷
物面に塗刷するものであるから仮に薄膜中の一部
分面には濃分散密度に透明微球子の反射層が塗刷
され亦これに連続した他の一部分面の透明微球子
の反射層が淡分散密度になつていてもこれら両者
の反射層における透明微球子の濃、淡、分散密度
差違は連続塗刷中に特に目立つことなく濃密度か
ら、淡密度に除々にうつりかわつて塗刷されてい
るのでことさらにその外見が損されたものとして
目に入らず仕上り製品の商品価値を失しないもの
である。

本発明は在来の製法の欠点を除く為発明された
製法でこれを図面によつて説明すれば、 (イ) 透明塗刷料１の内部に透明固形微粒子２，
２′及び透明微球子３，３′を混入、撹拌する。

(ロ) この撹拌で透明固形微粒子及び透明微球子と
を透明塗刷料中に平均密度に分散して浮遊して
いるが如き状態にする。

(ハ) 透明塗刷料中の透明微球子を単列の層になる
よう塗刷機を用いて被塗刷物面に薄膜で塗刷す
る。

(ニ) 更にこの透明塗刷料の薄膜を加熱して透明固
形微粒子を溶融し透明塗刷料と混和せしめると
ともに透明微球子を単列の層にならしめ後これ
を乾燥する。

本発明は以上のように構成された光再帰反射膜
の製法であつてこれに入射される光を球子の反射
作用でその光源に対し集中反射するものである。

本発明の製法でなる透明塗刷料の薄膜はその上
面を外向して使用出来るとともに亦該薄膜を被塗
刷物面より剥取りその下面を外向しても使用し得
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図を透明塗刷料（液状或はペースト状）の
拡大の断面図とする。第２図を透明塗刷料の薄膜
（液状或はペースト状）の拡大断面図とする。第
３図を透明塗刷料の薄膜（加熱、乾燥後）の拡大
断面図とする。 １は透明塗刷料（合成樹脂或はゴム系でなる液
状亦はペースト状のもの）、２は透明固形微粒子
（合成樹脂でなり熱溶融性、強接着性、屈伸性、
耐磨耗性を併有したもの）、３は無機硝子の透明
微球子、４は被塗刷物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 液状或はペースト状の透明塗刷料１の内
   部にこれに比較して同程度の比重を有し亦熱溶
   融性と強接着性並びに屈伸、耐磨耗性とを併有
   した材質でなる透明固形微粒子２，２′の適量
   及びこれらの両者に比し比重の大な無機硝子の
   透明微球子３，３′の適量とを混入、撹拌して
   該塗刷料中に透明固形微粒子と透明微球子とを
   平均した密度に分散してあらしめる。 (ロ) この撹拌で透明固形微粒子を透明塗刷料中に
   あつて浮遊した状態にあらしめるとともに該透
   明固形微粒子であたかも透明微球子を支えてい
   るかのように作用せしめて透明塗刷料と透明微
   球子との比重大差で透明微球子が急速に透明塗
   刷料の下部に沈降、集積することを防止する。 (ハ) 次に該透明塗刷料をこれの内部に包有した透
   明微球子が単列の層になるようコーチング機、
   スクリーン印刷具、吹付機或は他の機械、器具
   を用いて被塗刷物４面に薄膜厚で塗刷する。 (ニ) 更にこの透明塗刷料の薄膜を加熱して透明固
   形微粒子を流動性の液状或はペースト状に溶融
   して透明塗刷料と混和せしめるとともに透明微
   球子を単列の層にならしめ後にこれを乾燥す
   る。 以上の如く構成された光再帰反射膜の製法。