JPS6240362A - 鉄合金材料の表面処理方法 - Google Patents

鉄合金材料の表面処理方法

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JPS6240362A
JPS6240362A JP17878185A JP17878185A JPS6240362A JP S6240362 A JPS6240362 A JP S6240362A JP 17878185 A JP17878185 A JP 17878185A JP 17878185 A JP17878185 A JP 17878185A JP S6240362 A JPS6240362 A JP S6240362A
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新井 透
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藤田 浩紀
Junji Endo
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義彦 杉本
Yukio Oota
幸夫 太田
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金型、治工具類及び機械部品などの鉄合金材
料の表面に周期律表の第Va族元素の窒化物あるいは炭
窒化物層を形成せしめる表面処理方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
鉄合金材料の表面に第Va族元素の炭化物1窒化物また
は炭窒化物から成る表面処理層を被覆すると、鉄合金材
料の耐摩耗性、耐焼付性、耐酸化性、耐食性などの諸性
質が改善されることはよく知られている。この表面層を
被覆する方法について、近年多くの提案がなされている
。例えば、第Va族元素のハロゲン化物などを利用して
プラズマCVD (化学的気相蒸着法)などにより鉄合
金材料表面に第Va族元素の炭窒化物から成る表面層を
形成しようとする方法が提案されている(例えば、特開
昭5’5−65357号、特開昭55−154563号
)。これらの方法では、鉄のA ((変態点である約7
00℃以下の温度域で処理す−るため3鉄合金材料の母
材に熱による歪みを与えることなく表面層を形成するこ
とができるものの。
形成された表面層のつきまわり性や密着性が良好なもの
を得ることは難しい。また1処理工程が複雑で、装置が
高価である。また、水素中あるいは減圧中で実施しなけ
ればならないので能率も悪い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上記従来の問題点を解消して、きわめて簡単
な装置で、能率よく、低温での加熱処理により、母材に
歪みを発生させることなく、鉄合金材料に母材との密着
性の優れた第Va族元素の窒化物或いは炭窒化物から成
る表面層を形成する方法を提供しようとするものである
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、鉄合金材料の表面に鉄・窒素または鉄・炭素
・窒素の窒化物層を形成させる窒化処理を施した後、該
鉄合金材料と1周期律表の第Va族元素(バナジウム、
ニオブ、タンタル)を含む材料と、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の塩化物、ホウ弗化物、弗化物、酸化
物、臭化物。
ヨウ化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸塩のうちの1種または
2種以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩または金属
ハロゲン化物の一方または双方から成る処理剤とを共存
せしめて、580℃以下において加熱処理し、第Va族
元素を上記鉄合金材料表面に拡散せしめることにより、
鉄合金材料表面に第Va族元素の窒化物あるいは炭窒化
物から成る表面層を形成せしめることを特徴とする鉄合
金材料の表面処理方法である。
本発明において、鉄合金材料は第Va族元素の窒化物あ
るいは炭窒化物層を表面に形成する被処理材である。該
鉄合金材料としては、炭素を含むもの例えば炭素鋼2合
金鋼、鋳鉄、焼結合金等でもよく、また純鉄のような炭
素を極くわずかしか含まないものでもよい。また、鉄合
金材料中の炭素含有量が多ければ、それだけ形成される
第Va族元素の炭窒化物層中の炭素量も増える。そのた
め形成される表面層の炭素量を増やす目的で、窒化処理
に先立って、浸炭処理等により表面部の炭素含有量を増
加させてもよく、窒化処理中に浸炭させてもよい。なお
、工業用純鉄を被処理材とする場合には、母材中に含有
される極く微量の炭素が第Va族元素の炭窒化物層に入
る。
窒化処理とは、鉄合金材料の表面に窒素(N)を拡散さ
せ、窒化物層を形成するものである。この窒化物層は、
鉄と窒素とが反応した鉄の窒化物あるいは鉄と窒素と母
材中の炭素とが反応した鉄の炭窒化物から成る。なお、
該窒化物層の直下には窒素の鉄への固溶体層(拡散層)
が形成されている。そして、この鉄合金材料を第Va族
元素を含む材料と共に加熱処理することにより窒化物層
に第Va族元素が拡散し、第Va族元素と上記窒化物層
中の鉄との置換反応が起こる。この際、窒化物層が鉄の
炭窒化物層の場合には第Va族元素の炭窒化物から成る
表面層が形成され、また窒化物層が鉄の窒化物層の場合
には第Va族元素の窒化物から成る表面層が形成される
。該窒化処理した鉄合金材料に形成させ得る表面層の最
大厚さは。
窒化物層の層厚さと同じであり、従って表面層の厚さは
窒化処理によって規定される。
窒化処理の方法としては、ガス窒化、ガス軟窒化、塩浴
軟窒化、グロー放電窒化など如何なる方法でもよい。窒
化物層の窒化濃度は高い方が望ましく、また窒化物層厚
さは深い方が望ましいが。
最も望ましいのは窒化物層厚さが3〜15μmの範囲で
ある。窒化物層厚さが浅すぎると形成される第Va族元
素の窒化物あるいは炭窒化物層の厚さが薄くなり、−力
源すぎると鉄合金材料の靭性が低下するおそれがある。
鉄合金材料に上記窒化処理を施した後、該鉄合金材料と
第Va族元素を含む材料とを共存させて加熱処理する。
この加熱処理は、鉄合金材料の表面に第Va族元素を拡
散させて、その窒化物あるいは炭窒化物から成る表面層
を形成するものである。
上記第Va族元素を含む材料とは、鉄合金材料の表面に
拡散させる第Va族元素を供給するものであり、該元素
を含む金属あるいは該元素を含む化合物等を用いる。該
金属としては、第Va族元素の金属やフェロバナジウム
等の合金が挙げら゛れる。上記元素を含む化合物として
は、 VCIz、NbCl5゜KJbF 71 NbF
B 、 VF5 、 KzTaF、+ VzOs 、 
NaVO3,Nb2O5,Taxes等の塩化物、弗化
物、酸化物等が挙げられる。しかして、これら第Va族
元素を含む材料は、これらのうち1種または2種以上を
用いるが、純合金を用いるのが最も実用的である。
また、前記処理剤は、第Va族元素が鉄合金材料の表面
に拡散する媒介となる働きを有している。
該処理剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩化物、弗化物、ホウ弗化物、酸化物。
臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸塩のうちの1
種または2種以上から成るアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の化合物、あるいはハロゲン化アンモニウム塩
または金属ハロゲン化物の一方または双方から成るもの
であり、加熱処理方法によって適宜選択して使用する。
例えば、上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化
合物としては、 NaCl、CaC1z、LtCl、N
aF+KF。
LiF、 KBFa、 NazCO:+、 LiC0z
、 KCOz、 NaNOs、 NazO等が挙げられ
、これらのうちの1種または2種以上を使用する。また
、ハロゲン化アンモニウム塩としては、 NILCI、
NHJr、NHaLNH4F等が挙げられ、金属ハロゲ
ン化物としては、 Crh、CrBr:+、TiF4+
VC1i。
TiBrn等が挙げられ、これらのうちの1種または2
種以上を使用する。なおTiやCrを含む化合物を使用
する場合には、第Va族元素(V、 Nb、 Ta)と
同時にTi、 Crが含まれた表面層が形成される可能
性がある。
また、処理剤としてVCI 3 、 NbC1x等の第
Va族元素のハロゲン化物を使用する場合、前記第Va
族元素を含む材料として兼用することもできる。
加熱処理方法としては、処理温度においてこれら処理剤
が溶融状態にあるか固体状態にあるかによって、溶融塩
浸漬法、溶融塩電解法、粉末法等がある。また、該粉末
法には、埋設法、ペースト法、非接触法、流動層法があ
る。
以下、これらにつき説明する。
上記溶融塩浸漬法とは、前記処理剤を溶融して溶融浴を
形成し、該溶融浴に第Va族元素を含む材料と鉄合金材
料とを浸漬するものである。この方法で用いる処理剤は
、前記処理剤のうちのアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の塩化物、弗化物、ホウ弗化物、炭酸塩、硝酸塩、
酸化物、硼酸塩の1種または2種以上、あるいは加熱処
理温度以下の温度で熔融し蒸発しない金属ハロゲン化物
を使用する。なお、溶融状態を良好にするため。
NaC1とCaC1,との組合わせのように2種類以上
の上記化合物を使用するのが望ましい。更に溶融浴の粘
性を調節するなどの目的のために八120.ZrO□ 
      ′等の酸化物やNaCN等のシアン化合物
等を添加してもよい。
上記溶融浴に第Va族元素を含む材料を浸漬するのは、
溶融浴中に第Va族元素を溶入させるためである。第V
a族元素を含む材料を浸漬する手段としては、該材料を
粉末状(好ましくは200メツシユ以下)または薄板状
で溶融浴に添加する方法あるいは棒状または板状の該材
料を陽極として溶融浴中に浸漬して電解し第Va族元素
を陽極溶解させる方法等がある。上記陽極溶解により第
Va族元素を溶入する場合には、第Va族元素が迅速に
溶入して作業能率を向上させることができ。
しかも未溶解の第Va族元素を含む材料が浴底に堆積す
ることはないという点で有利である。なお。
この場合の陰極としては溶融浴の容器または他に挿入し
た導電性物質を使用する。陽極溶解するときの陽極電流
密度は、これを大きくすれば溶入速度は大きくなるが、
電解しなくても溶入することから考えても、比較的低い
電流密度で充分である。
実用上は0.1〜0.8 A / crAが適当である
浴中に溶入した第Va族元素は鉄合金材料の前記窒化処
理により形成された窒化物層表面に拡散して第Va族元
素の窒化物あるいは炭窒化物層を形成する。
なお、溶融浴の容器としては黒鉛や鋼などが用いられる
が、実用上は鋼で充分である。
また、前記熔融塩電解法とは、処理剤を溶融せしめた浴
に第Va族元素を含む材料を浸漬し第Va族元素を溶入
せしめた状態で、該溶融浴に鉄合金材料を陰極として浸
漬し、電解処理を行うものである。なおこの場合、陽極
として浴の容器または別に挿入した導電性物質を用いる
処理剤としては、上記溶融塩浸漬法と同様なものを使用
し、該処理剤を溶融した浴に第Va族元素を含む材料を
浸漬して第Va族元素を溶入する手段も前記溶融浴温浸
漬法と同様な方法でよい。
また処理剤の溶融浴に第Va族元素を含む材料を陽極、
鉄合金材料を陰極として浸漬し電解処理を行うこともで
きる。この場合、第Va族元素の陽極溶解と表面層の形
成とを同時に行うことができるというメリットがある。
また、鉄合金材料を浸漬して電解処理を行う陰極電流密
度は2A/cflI以下、実用的には0.8〜0゜05
A/cntが適当である。
なお、上記溶融塩浸漬法、溶融塩電解法とも大気雰囲気
あるいは保護ガス(NztAr等)中いずれにても処理
が可能である。
次に、前記粉末法とは、前記処理剤と第Va族元素を含
む材料との混合粉末及び鉄合金材料を共存させ、加熱す
るものである。
該粉末法において、処理剤と第Va族元素を含む材料と
の混合粉末及び鉄合金材料を共存させる方法としては次
のものがある・。即ち、埋設法と一般に言われている鉄
合金材料を上記混合粉末中に埋めこむ方法、ペースト法
と一般に言われている鉄合金材料の表面に上記混合粉末
を被覆する方法。
非接触法と一般に言われている一定の空間内に鉄合金材
料と上記混合粉末とを非接触状態で配置する方法、及び
流動層法と一般に言われている上記混合粉末を流動状態
として流動層を形成し該流動層に鉄合金材料を挿入する
方法がある。
上記粉末法で用いる処理剤は、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の塩化物、弗化物、臭化物。
ヨウ化物、ホウ弗化物のうちの1種または2種以上ある
いはハロゲン化アンモニウム塩または金属ハロゲン化物
の一方または双方から成るものである。なお、粉末法の
中でも流動層の場合には、上記金属ハロゲン化物は、加
熱処理温度以下の温度で昇華または蒸発するもの(Ti
F4.VFI、TiBra等)を使用する。これは、加
熱処理温度以下の温度で昇華または蒸発しない金属ハロ
ゲン化物を使用すると、処理剤から発生し第Va族元素
の拡散の働きに寄与するガスの発生量が少なく生成する
層の厚さが薄くなるためである。
処理剤と第Va族元素を含む材料との配合割合は、第V
a族元素を含む材料に対して0.5〜20重量%(以下
重量%を%とする)の処理剤が含まれる範囲が望ましい
。この範囲外であると連続的に第Va族元素の窒化物あ
るいは炭窒化物から成る表面層を形成することが困難に
なり、またこの範囲の中心に近づくと、連続的な表面層
形成が容易になる傾向にある。
また処理剤と第Va族元素を含む材料との混合粉末の粒
度は、埋設法、ペースト法、非接触法を実施する場合J
ISIVk1)00のフルイ通過程度でよい。これより
粗くとも細かくとも特に大きな影響はない。また、流動
層法を実施する場合60〜350メツシユの粒度の範囲
のものが好ましい。
60メソシユより粗いと混合粉末を流動化させるために
多量のガスを必要とし、しかも表面層形成が進みにくい
。逆に350メソシユより細かくなると混合粉末が浮遊
しやすくなり、取り扱いが困難になる。
混合粉末には、上記処理剤と第Va族元素を含む材料以
外に添加剤を加えることができる。たとえばペースト法
を実施する場合デキストリン、水ガラス等の粘着剤を添
加することができる。また。
処理剤の種類によっては加熱処理中に固化しやすい傾向
のものもある。この場合にはアルミナ(Al□03)等
の不活性粉末を添加することができる。更に第Va族元
素を含む材料と処理剤の組合わせによっては表面層形成
効果の乏しい組合わせもある。
かかる場合には従来活性剤として公知のハロゲン化物を
添加し1表面層形成効果を高めることができる。これら
の添加物の添加量は、目的に応じて任意に選択すること
ができる。
以下に、上記した粉末法の具体例である埋設法。
ペースト法、非接触法及び流動層法について詳しく説明
する。
埋設法では、一定の容器に処理剤と第Va族元素を含む
材料との混合粉末を入れ、その粉末中に被処理剤たる鉄
合金材料を埋めこみ、大気下の加熱炉あるいは雰囲気炉
に容器を入れ、容器ごと鉄合金材料を加熱する方法であ
る。なお、容器の開口部に外気の侵入を防止するためア
ルミナ等の不活性粉末あるいは鉄−ボロン粉末等の金属
粉末の層を設けることがある。
ペースト法とは、混合粉末に例えばデキストリン水溶液
、グリセリン、水ガラス、エチレングリコールとアルコ
ール等の粘着剤を添加し、混合粉末をペースト化して使
用するものである。この混合粉末のペーストは、鉄合金
材料の表面に通常1)以上の厚さで被覆される。ペース
トを被覆された鉄合金材料は1通常容器に入れられて加
熱炉で加熱される。雰囲気は大気中でよいが非酸化性雰
囲気下ではペーストの被覆層を薄くすることができる。
また、このペースト法では、ペーストの被覆された表面
部のみに表面層が形成されるため鉄合金材料の任意の一
部表面部のみに表面層を形成することができる。
非接触法とは、一定の密閉空間中に鉄合金材料と混合粉
末を共存させるものである。具体的には容器の開口部近
くに混合粉末を配置して外気の侵入を防止し、容器中の
混合粉末と接触しない位置に鉄合金材料を配置する方法
で加熱処理を実施する。この方法は、鉄合金材料と混合
粉末とが接触していないため作業上の利点がある。
流動層法とは、流動層式炉を用いるものであり。
混合粉末が流動中に固まりとなるのを防ぐためのアルミ
ナ等の耐火物を上記混合粉末に添加した粉末と鉄合金材
料とを上記炉中に配置し、更に流動化ガスを導入して粉
末が流動化した流動層状態にするものである。この方法
で加熱処理を実施するときわめて平滑な表面層を得るこ
とができ、さらに流動層の温度分布が均一であるので、
均一な厚さの表面層を形成することができる。流動化ガ
スとしては、アルゴンガス等の不活性ガスや窒素ガス等
の非酸化性ガスを使用することができる。また流動化ガ
スの流速は流動層中で50口/分以上とするのが1表面
層に粉末の付着がなく望ましい。
ガス圧としては、取り扱い上0.5〜2kg/cI]l
の範囲がよい。
以上のような加熱処理の加熱温度は580℃以下とする
。580℃以下の温度域で処理することにより鉄合金材
料の母材が歪を受けにくくなる。
また、その下限温度としては450℃とするのが望まし
い。450℃より低温で加熱処理を施した場合、第Va
族元素の窒化物あるいは炭窒化物から成る表面層の形成
速度は非常に遅い。実用上はダイス鋼の高温焼戻し温度
、構造用鋼の焼戻し温度の500〜580℃が望ましい
加熱処理の処理時間が長くなれば表面層中の第Va族元
素の含有量か増加する。このため処理時間は所望とする
第Va族元素の含有量により定まるが、1〜50時間の
範囲で選ばれる。
また、形成する表面層の厚さは3〜15μm程度が実用
的である。
〔作用〕
本発明による第Va族元素の窒化物あるいは炭窒化物か
ら成る表面層の形成機構は明確ではないが1本発明者ら
がマイクロアナライザ分析や処理時間と厚さの関係など
から判断すると、以下のようになっていると考えられる
。なお、以下の説明は第Va族元素の炭窒化物層を形成
する機構についてである(以下のm、n、o、pはそれ
ぞれ数字を表す)。
まず、被処理材である鉄合金材料に窒化処理を施すこと
により、外部から供給される窒素(N)が鉄合金材料の
表面部の鉄(Fe)及び炭素(C)と反応してpem 
(c+ N) 、、の形で窒化物層が形成される。また
、この窒化物層の直下には、窒素の固溶体(Fe−Nの
形)も形成される。
その後、鉄合金材料に加熱処理を施すことにより、上記
窒化物層に外部からの第Va族元素(以下Mと表示する
)が拡散する。この拡散はFe、(C。
N)7のFeとMとが置換する反応であり、窒化物層は
(M、Fe)o(CIN)9に変化する。そしてFe、
 (C,N)7層がすべて(M、Fe)。(c、 N)
9に変化するとそれ以上(M 、 Fe) 。(C,N
) p層の成長はない。なお、(M、Fe)。(C,N
)、層においては表面はどMが多く、母材に近いほどF
eが多い傾向にある。従って条件に−よっては表面部の
Fe量は著しく小さく、  Mo(C1N)pと表示す
るのが妥当な場合もある。
従って、形成される表面層の厚さは最初の窒化処理によ
り形成される窒化物層の厚さと同じである。そのため、
窒化処理の条件によって表面層の最大層厚さを規定する
ことができる。また、すべてのFem(C,N)n層が
(M 、Fe) 。(C,N) pに変化するまでの間
は表面側に(M、Fe)。(C,N)p層、母材側にF
em (C+ N) n層の存在する二層から成る表面
層が存在している。そしてこの表面層の厚さは最初のP
e1Il(C,N)n層の厚さにほぼ等しい。
また、第Va族元素の窒化物から成る表面層を形成する
場合についても9表面層形成機構は上記と同様である。
これは本発明方法が580℃以下という低温で加熱処理
を行っているためであり、このような機構での、したが
ってこのような処理時間−厚さ関係を持つ表面層の形成
はこれまで知られていない。
本発明方法では、実施例1の第1図に表されるように加
熱処理を550℃で行った場合(曲線A)の表面層厚さ
くFem (C+ N) n層の厚さと(M、Fe)。
(C,N)、層厚さの合計厚さ)は加熱処理時間には影
響されていない。それに対して1000℃のような高温
で加熱処理を行った場合(曲線Sl)には加熱処理時間
が長くなれば一般の拡散処理と同じく表面層厚さも増加
している。
なお実用上には鉄・炭素・窒素の窒化物層を全部(M、
Fe)。(C,N)、層に変えてしまう必要はない。
2つの層の共存する状態でも、全部が(M、Fe)。
(C,N)、liに変わった状態でもよい(鉄・窒素の
窒化物層を第Va族元素の窒化物から成る表面層に変え
る場合についても同様)。
〔発明の効果〕
本発明によれば、鉄・窒素あるいは鉄・炭素・窒素の窒
化物層を形成後、前記特定の処理剤を用い、580℃と
いう低温において第Va族元素の拡散処理を行うので、
低温において、鉄合金材料に第Va族元素の窒化物ある
いは炭窒化物から成る優れた表面層を形成することがで
きる。
また、低温で鉄合金材料を加熱するため、材料の母材に
歪みが発生しにくい。更に低温処理による操作性が良好
であり、多大のエネルギーを必要としない。
また2本発明による層は拡散によって形成されるため、
低温で処理するにもかかわらず、拡散反応のないPVD
による炭化物層、窒化物層の場合と異なり母材との密着
性に優れ、緻密な表面層を形成することができる。また
、形成された層の厚さは実用上十分なものである。
また1本発明の第Va族元素の窒化物または炭窒化物か
ら成る表面層を形成する方法では、窒化処理を行わない
で第Va族元素の炭窒化物層を形成する方法に比べて非
常に短時間で層を形成することができる。
〔実施例〕
以下1本発明の詳細な説明する。なお%は重量%を意味
する。
実施例1゜ 直径5mm、長さ301mのJIS・5KH51丸棒試
片丸棒子0℃の塩浴中に2時間浸漬して塩浴窒化処理を
施した。次にCaCIg 52モル%とNaC148モ
ル%との混合物の入った耐熱鋼容器を大気中の電気炉に
て加熱して550℃の熔融塩浴を形成し、更に浴中に一
100メソシュのフェロバナジウム(Fe−V、  J
 I S 1号)粉末を上記溶融塩浴に対して20%添
加した。この550℃の溶融塩浴に上記窒化処理した試
片を1〜25時間漫清後。
取り出して油冷した。付着浴剤を洗滌除去後、断面を研
磨して、断面組織の観察により表面に形成された層の厚
さを測定した。その結果を第1図の曲線Aに示す。この
曲線Aにおいて浸漬時間0時の厚さとは最初の窒化処理
により形成された窒化物層の厚さであり、1hr以降の
厚さは該窒化物層とバナジウムの炭窒化物層との合計厚
さく全表面層の厚さ)である(なお、■の炭窒化物層の
厚さを曲NIABに示す。)。全表面層の厚さは、処理
時間が異なってもほとんど同じであり、約4μmであっ
た。
なお、8時間浸漬処理して形成された表面層の断面組織
の顕微鏡写真(倍率400倍)を第2−図に示す。該表
面層は表面の滑らかな層であり、しかも層と母材との境
界は複雑に入り組み、密着性に優れた被覆層である。ま
た、X線マイクロアナライザーによる分析では第3図に
示すように表面層中にはVとともにNとCとが認められ
た。表面からの分析結果によると、約45%のvlが存
在した。更にX線回折ではVNに相当する回折線が認め
られた。このことより形成された表面層は、(V。
Fe) (N、 C)から成るバナジウムの炭窒化物層
であることが確かめられた。
また、比較のため、上記と同じ処理で窒化されたJIS
−3KH51試片を、1000℃に加熱された上記と同
様な溶融塩浴に浸漬して、処理したところ、第1図の曲
線S1に示される厚さのバナジウム炭窒化物層が形成さ
れた。この比較例で明らかなように、浸漬時間が長くな
るにつれて層厚さは厚くなっているが2本発明では長く
なっても全表面層厚さは厚くならない。従って1本発明
の炭窒化物層の形成機構は比較例の高温処理の場合の形
成機構と異なっていることが明らかになった。
実施例2゜ 実施例1と同様にしてJIS−345C試片(直径7鰭
、長さ50m■)を塩浴窒化処理した。次に実施例1と
同様の組成のCaC1,+NaC1の溶融塩浴を調整し
、更にこの浴中にVCl、粉末(−320メツシユ)を
上記溶融塩浴に対して15%添加した。この溶融塩浴を
500tにして上記試片を浴に1〜16時間漫消し浸漬
の後浴中より取り出し油冷した。
形成された表面層は浸漬時間にかかわらずほとんど同じ
層厚さ、同じ組織の層が形成された。−例として4時間
の浸漬で処理された試片を調べたところ、第4図の表面
層の断面組織の顕微鏡写真(倍率400倍)に示すよう
に層厚さ約8μmの表面層が形成されていた。X線回折
や第5図に示すx′aマイクロアナライザー分析の結果
よりこの表面層は、  (V、 Fe)(N、C)より
成るバナジウムの炭窒化物層であることが確かめられた
実施例3゜ 外径φlQmm、内径φ6鶴、長さ25鶴の円筒形JI
S−348C試片を570℃、6時間でガス軟窒化処理
した。
次に、実施例1と同様の組成のCaC1,+NaC1の
溶融塩浴を調整し、更にこの浴中に上記溶融塩浴に対し
て3%のAl2O2粉末(−320メツシユ)と20%
のフェロバナジウム合金(J I S 1号)粉末(−
200メツシユ)を添加した。この溶融塩浴を550℃
にして上記試片を9時間と25時間でそれぞれ浸漬し、
その後浴中より取り出し油冷した。
これら2種類の試片について真円度を測定したところ、
すべてほとんど同じ真円度であり、試片の上部と下部と
も約5μmと小さかった。なお比較のため溶融塩浴への
浸漬温度を850℃(浸漬時間は4時間)にした場合の
試片では真円度は約20μmであり1本発明で処理した
試片に比べて約4倍も大きかった。
本発明で処理(浸漬温度550℃、浸漬時間9時間)し
た試片を切断して表面層を観察したところ形成された表
面層は厚さ約8μmであり、また。
X線マイクロアナライザーにより分析したところ該層は
、  (V、 Fe)(N、C)より成るバナジウムの
炭窒化物層であることが確かめられた。
実施例4゜ JIS−3KDII試片(直径61).長さ30ta)
を550℃、3時間の条件でイオン窒化処理した。
次に実施例1と同様の組成のCaCl2+NaClの溶
融塩浴を黒鉛容器中で調整し、更にこの浴の中央に40
msX35mmX4mmの板状のFe−V (J I 
S 1号)を挿入し、これを陽極、黒鉛容器を陰極とし
て、0.6A/cnlの陽極電流密度で約15時間通電
した。このFe−Vの陽極溶解処理によってFe−V板
の重量減から計算して塩浴量全体に対して約6%のバナ
ジウムが浴中に溶入された。この溶融塩浴中に上記試片
を550℃で9時間浸漬した後、取り出し油冷した。
処理された試片を切断してX線マイクロアナライザー分
析で調べたところ、第6図に示すように表面層中には■
とNの他にCも認められた。また。
X線回折結果ではVNの回折線とよく一致したことから
表面層は、バナジウムの炭窒化物層であることが確かめ
られた。
実施例5゜ 直径約7龍×長さ50mmのJIS−345C17)試
片を570℃、1時間塩浴窒化処理した。
次に、KF50モル%とLiP50モル%の混合物の入
った黒鉛容器を大気中の電気炉にて580 ’Cに加熱
して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に−I00メソシュ
のFe−V (J I S 1号)粉末を溶融塩浴に対
して25%添加した。この580℃の浴に上記窒化処理
した試片を浸漬してこれを陰極、黒鉛容器を陽極として
陰極電流密度0.05A/cotで8時間通電して電解
を行った。
試片を浴から取り出し油冷して、形成された表面層をX
線マイクロアナライザーにより分析したところ1表面層
は、  (V、 Fe)(C,N)より成ることが確か
められた。また表面からの分析結果では約45%のVの
他に、NとCが確認された。
実施例6゜ 実施例4と同様にして直径8鶴×長さ35龍の工業用純
鉄試片(炭素含有量0.03%以下)をイオン窒化処理
した。
次に、実施例1と同様な組成のCaC1,+NaC1の
溶融塩浴を鋼容器内で調整し、更に浴中に一200メツ
シュのFe−V (J I S 1号)粉末を溶融塩浴
に対して30%添加した。この浴を580℃にして、浴
中に上記試片を8時間浸漬し、その後浴から取り出し油
冷した。
形成された表面層は、第7図の断面組織の顕微鏡写真(
倍率400倍)に示すように層厚さがイオン窒化処理し
た時の窒化物層の厚さと同じ約12μmであった。また
、xvAマイクロアナライザー分析結果より表面層には
約70%の■の他NとCとが認められた。
また、X線回折の結果からは、V2NとVNの回折線が
認められ、形成された表面層は、 (v+ Fe) 2
(C,N)  + (L Fe) (C,N)より成る
バナジウムの炭窒化物層であることが確かめられた。
実施例7゜ 実施例1と同様にしてJIS−345C試片を塩浴窒化
処理した。
次に、 LizCOi45%、に2C0325%、 N
azCOs30%の混合物の入った耐熱鋼容器を大気中
の雰囲気炉にて550℃に加熱して溶融塩浴を調整し、
更にこの浴に一100メソシュの純ニオブ粉末を溶融塩
浴に対して30%添加した。この浴を十分に攪拌した後
、この550℃の浴に上記試片を4時間浸漬保持した。
試片を浴から取り出し油冷して、形成された表面層をX
線マイクロアナライザーにより分析したところ、第8図
に示すように表面層には、 Nbの他NとCとが認めら
れた。また、X線回折で調べたところ、NbNの回折線
とよく一致し、従って表面層は、  (Nb、 Fe)
 (C,N)より成ることが確かめられた。
実施例8゜ 直径8龍×長さ30璽璽のJIS−5層4試片を570
℃、150分の条件でガス軟窒化処理した。
次に、ステンレス鋼容器に入れた一100メツシュのF
e−V90%と硼フッ化カリウム(KBF4.) 10
%からなる混合粉末に上記試片を埋設した。更に酸化防
止のため混合粉末の上に一100メツシュのフェロポロ
ン粉末を3〜41)の厚さで被覆した。
これを容器ごと大気炉で580℃、16時間加熱した。
容器を炉から取り出して空冷後、粉末中がら試片を取り
出した。
試片に形成された表面層をX線マイクロアナライザーで
分析したところ2第9図に示すように表面層中に■とN
、Cとが認められ表面からの分析結果では約20%のV
が認められ、この層は、バナジウムの炭窒化物層である
ことが確かめられた。
実施例9゜ 直径7鶴×長さ301mのJIS−345C試片を57
0℃、60時間の条件でガス窒化処理した。
次に、上記試片を実施例8と同様な粉末中に埋設して5
80℃、16時間加熱した。形成された表面層をX線マ
イクロアナライザーで分析したところ、第10図に示す
ように表面層はV、N、Cから成っており1表面からの
分析結果では約4−0%の■が検出され、バナジウムの
炭窒化物層であることが確かめられた。
実施例10゜ アルミナ(AtzOff、 −200メソシユ)40%
Fe−V (−100メツシユ)55%、塩化アンモニ
ウム(NH,C1,−80+ 100メツシユ)5%か
ら成る混合粉末を、エチルアルコールでエチルセルロー
スを溶かした溶媒を用いてペースト状にした。
実施例9と同じ条件でガス窒化処理したJIS・545
C試片(直径20m、長さIO龍)に3〜5鰭厚さに上
記ペーストを塗布した後、ステンレス製容器中に装入し
、アルゴン雰囲気中にて580℃、16時間加熱した。
形成された表面層をX線マイクロアナライザーで分析し
たところ1表面層は、バナジウムの炭窒化物より成って
いることが確かめられた。
実施例1)゜ 八1zO+(−80メツシユ)60%、 Fe−V (
−100メソシユ)38.8%、 VCli (80メ
y ’/ユ)1.2%から成る混合粉末を流動層炉内に
入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス(炉内での流
速200cm/分、炉導入口での圧力1.5kg/cf
(1)で上記混合粉末を流動状態にした。この流動層炉
内に実施例1と同様に塩浴窒化処理したJIS−3K4
棒(直径71m、長さ501)を装入し580°Cで8
時間加熱処理した。
形成された表面層をX線マイクロアナライザーで分析し
たところ、第1)図に示すように表面層はVとN、Cか
ら成っており1表面分析では約30%のVが検出され、
かつX線回折の結果ではVN回折線と一致したことから
2層は、  (V、 F、e)(C,N)であることが
確かめられた。
実施例12゜ 直径7m、長さ50龍のJIS−3層4試片を570℃
、4時間の条件で塩浴窒化処理した。
次に、 AhOs(−80メツシユ)58.8%、 F
e −Nb(−100メツシユ)40%、 NH,CI
(−80メツシユ)1.2%から成る混合粉末を流動層
炉内に入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス(流速
200cm/分、圧力1.5 kg/cnりで上記混合
粉末を流動状態とした。この流動層炉内に上記SK4試
片を装入し、580℃で16時間保持して加熱処理した
形成された表面層をX線マイクロアナライザーで分析し
たところ、第12図に示すように表面層はNbとN、C
から成り2表面からの分析では約20%のNbが検出さ
れた。X線回折の結果ではNbN回折線と一致したこと
から3層は(Nb、 Fe) (C,N)であることが
確かめられた。
実施例13゜ 長さ60鶴2幅20龍、厚さ10mの板状のJIs−3
KH51試片を実施例1と同様にして塩浴窒化処理した
次に、 CaCIz 52モル%とNaC148モ)L
t%の混合物を耐熱鋼容器に入れ、大気中の電気炉にて
570℃に加熱して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に一
200メツシュのFe−V (J I S 1号)粉末
を溶融塩浴全量に対して25%添加した。この570℃
の浴に上記試片を8時間浸漬した後、取り出し油冷した
形成された表面層をX線回折で調べたところ。
VNに相当する回折線が認められ1表面層はバナジウム
の炭窒化物層であることが確かめられた。
次に上記バナジウム炭窒化物′#1.覆試片(試料隘C
)について9球状化焼なましされたJIS−3CM21
を相手材として入超式迅速摩耗試験機により乾式、最終
荷重3.3kg、すべり距離600m。
すべり速度’1m7secと4.4 m /secの条
件で摩耗試験を実施した。また比較のため、上記の窒化
処理も加熱処理も施していないJIS−5KH51試片
(試料Th52)と窒化処理のみ施した5KH51試片
(試料m53)についても摩耗試験を実施した。
上記の摩耗試験の結果を表に示す。表より明らかなよう
に2本発明により形成された表面層は、比較例のものに
比して摩耗しにくいことがわかる。
表 また100℃の高温度の溶融塩浴中に2時間浸漬して約
4μm厚さの炭化バナジウム層(V C)層を被覆した
JIS−3KH51試片あるいは850℃、4時間の条
件でイビ学気相蒸着法(CVD)により約7μm厚さの
Ti (C,N)からなるチタンの炭窒化物層を被覆し
たJIS−3KH51試片についても摩耗試験を行った
ところ3本発明により処理した試料隘Cの試片とほとん
ど同じような摩耗量であった。このことより9本発明に
より形成した表面層は、高温での溶融塩浴浸漬法やCV
Dにより形成した表面層に比べて、耐摩耗性や耐焼付性
の点において劣っていないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において形成された表面層の層厚さの
浸漬時間に対する変化を示す図、第2図。 第4図、第7図はそれぞれ実施例1.2.6において本
発明の処理により形成された表面層の断面組織を示す顕
微鏡写真(400倍)、第3図、第5図、第6図、第8
図、第9図、第10図、第1)図、第12図はそれぞれ
実施例1,2,4.7゜8.9.1).12において本
発明により処理された鉄合金材料の表面部のx′MAマ
イクロアナライザー分析結果を示す図である。 涜瑣碕f’−’t(hr) 凱 第6図 第8図 釦

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)鉄合金材料の表面に鉄・窒素または鉄・炭素・窒
    素の窒化物層を形成させる窒化処理を施した後、該鉄合
    金材料と、周期律表の第Va族元素を含む材料と、アル
    カリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、弗化物、ホ
    ウ弗化物、酸化物、臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、硝酸塩
    、硼酸塩のうちの1種または2種以上あるいはハロゲン
    化アンモニウム塩または金属ハロゲン化物の一方または
    双方から成る処理剤とを共存せしめて、580℃以下に
    おいて加熱処理し、第Va族元素を上記鉄合金材料表面
    に拡散せしめることにより、鉄合金材料表面に第Va族
    元素の窒化物あるいは炭窒化物から成る表面層を形成せ
    しめることを特徴とする鉄合金材料の表面処理方法。
  2. (2)上記第Va族元素を含む材料は、第Va族元素の
    金属、第Va族元素の合金、第Va族元素を含む化合物
    の1種または2種以上から成る特許請求の範囲第(1)
    項記載の鉄合金材料の表面処理方法。
  3. (3)上記加熱処理は、上記処理剤を溶融せしめた溶融
    浴中に第Va族元素を含む材料と鉄合金材料とを浸漬す
    ることにより行う特許請求の範囲第(1)項記載の鉄合
    金材料の表面処理方法。
  4. (4)上記加熱処理は、上記処理剤を溶融せしめると共
    に、第Va族元素を含む材料を浸漬した溶融浴中で鉄合
    金材料を陰極とし、電解処理により行う特許請求の範囲
    第(1)項記載の鉄合金材料の表面処理方法。
  5. (5)上記加熱処理は、上記処理剤と第Va族元素を含
    む材料との混合粉末中に鉄合金材料を埋設することによ
    り行う特許請求の範囲第(1)項記載の鉄合金材料の表
    面処理方法。
  6. (6)上記加熱処理は、上記処理剤と第Va族元素を含
    む材料との混合粉末のペーストを鉄合金材料に塗布した
    状態において行う特許請求の範囲第(1)項記載の鉄合
    金材料の表面処理方法。
  7. (7)上記加熱処理は、上記処理剤と第Va族元素を含
    む材料との混合粉末と鉄合金材料とを一定空間内に非接
    触状態で配置することにより行う特許請求の範囲第(1
    )項記載の鉄合金材料の表面処理方法。
  8. (8)上記加熱処理は、上記処理剤と第Va族元素を含
    む材料との混合粉末を流動状態にしてその中に鉄合金材
    料を入れることにより行う特許請求の範囲第(1)項記
    載の鉄合金材料の表面処理方法。
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