JPS6240119Y2

JPS6240119Y2 -

Info

Publication number: JPS6240119Y2
Application number: JP1982156668U
Authority: JP
Priority date: 1982-10-16
Filing date: 1982-10-16
Publication date: 1987-10-14
Also published as: JPS5960382U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、過給機付きエンジンを搭載した自動
二輪車で使用されるコネクチングチユーブ、すな
わちエアクリーナ・ケースと過給機とを連結する
コネクチングチユーブに関するものである。

エンジンに吸入される空気を予め加圧して充填
効率を高め、出力向上を計つた過給機付きエンジ
ンは既知である。過給機は、排気ガスによつて駆
動されるタービンを動力源としているため、排気
管の位置によつて、過給機の配設位置が規定され
る。一方、過給機へ空気を送るためのエアクリー
ナの配設位置も、シート下方、或いはフロントフ
オーク前方フロントカウリング内等に限定され
る。したがつて、エアクリーナ・ケースと過給機
を連結するコネクチングチユーブは比較的長尺に
なり、しかも、他の補機類との関係で特殊な彎曲
形状になるのが普通である。ところが、従来のコ
ネクチングチユーブは、金属製であるため、特殊
形状への加工が難しく、場合によると他の補機類
の配置関係を調整する必要も生じていた。また、
長尺の金属管を用いれば、車体重量を増大させる
ことにもなる。

本考案は、斯かる事情を考慮して創案された従
来技術の改良に係り、エアクリーナ・ケースと過
給機を連結するコネクチングチユーブとして、三
次元的な彎曲形状を有する樹脂管を用い、しかも
同樹脂管に、空気温度センサー取付け用ボスを一
体成形したことを特徴としている。

本考案の目的は、コネクチングチユーブの成形
を容易化することによつて、特殊形状のコネクチ
ングチユーブを用い、以つて各種補機類の適正配
置を達成し、かつ車体の軽量化を計る点にある。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第７図に
則して説明する。

自動二輪車１の前部は、フエアリングＦで覆わ
れており、同フエアリングＦの内方であつて、ハ
ンドル２乃至フロントフオーク３の前方位置に、
フエアリングステー４で支持された小物入れ５お
よびエアクリーナ・ケース６が配置されている。

また、左右Ｖ型エンジンＥの前方であつて、ラ
ジエータＲの後方にタービン９とコンプレツサー
１０で構成される過給機８が配設されている。タ
ービン９とコンプレツサー１０とは、車体幅方向
の同一軸線上に結合されている（第２図、第６
図、第７図参照）。なお、図中、FWはフロント
ホイールを示す。

そして、エアクリーナ・ケース６とコンプレツ
サー１０の吸気口１０ａとは、樹脂材で一体成形
されたコネクチングチユーブ７で連結されてい
る。このコネクチングチユーブ７は、エアクリー
ナ・ケース６に接続された左右方向水平部７ａ
と、小物入れ５の側方を避けるとともに、ラジエ
ータＲの上方を迂回した彎曲部７ｂと、ラジエー
タＲの後方を上下方向に通る垂下部７ｃと、コン
プレツサー１０に接続された左右方向水平部７ｄ
とで形成されており、三次元的に彎曲した複雑な
形状をなしている。コネクチングチユーブ７に於
ける彎曲部７ｂの後部外壁面には、ボス７ｅが一
体に突設されており、ボス７ｅの開孔部に空気温
度センサーＳが取付けられている（第２図、第３
図参照）。この空気温度センサーＳは、吸気の温
度と圧力センサーによる圧力の入力によつてその
時々のエンジンの作動状態に最適な噴射量を決め
るコンピユーターＣ（第１図参照）に接続されて
いる。

なお、コネクチングチユーブ７は、エアクリー
ナ・ケース６の導出管６ａおよびコンプレツサー
１０の吸気口１０ａに対して、夫れ夫れゴム製ジ
ヨイント１１ａ，１１ｂにより接続されている。
このゴム製ジヨイント１１ａ，１１ｂは、バンド
１１ｃを以つて締着される（第２図、第４図参
照）。前記接続部の構造としては、第５図に示す
如く構成しても良い。すなわち、第５図では、コ
ネクチングチユーブ７およびエアクリーナ・ケー
ス６の導出管６ａ（又は、コンプレツサー１０の
吸気口１０ａ）の各接続端部径を大きくし、これ
に対応する形状のジヨイント１１ａ，１１ｂを用
い、バンド１１ｃで締着して接続している。

また、コンプレツサー１０の排気口１０ｂに
は、サージタンク１３に連通する分岐チヤージ管
１２の一端が接続され、同分岐チヤージ管１２の
他端に共鳴式消音器１４が接続されている。

さらに、エンジンＥの各排気口に接続された排
気管１５が、タービン９の吸入口に接続され、タ
ービン９の排気口には、マフラー１６が接続され
ている。なお、排気管１５とマフラー１６は、短
絡管（図示せず）で連結されており、この短絡管
内にタービン９へ導通する排気ガス量を調整する
ためのバルブが配設されている。

前記構成に於いて、エンジンＥの稼動状態で
は、エンジンＥの各シリンダの排気口から排出さ
れた排気ガスは、排気管１５を経て、タービン９
の吸入口に導通され、タービン９内で所要の仕事
が行われて、コンプレツサー１０が運転される。
その結果、エアクリーナからコネクチングチユー
ブ７に吸入された空気は、コンプレツサー１０で
加圧された後、分岐チヤージ管１２を経てサージ
タンク１３に導通され、キヤブレターを介して燃
料と共にエンジンＥのシリンダに供給される。

しかして、本実施例に於けるコネクチングチユ
ーブ７は、樹脂（例えば、ポリプロピレン樹脂）
を使用し、ブロー成形したものであり、従来の溶
接を併用した金属製コネクチングチユーブの製造
に比し、三次元的な彎曲形状を比較的容易に得る
ことができ、長さ方向で管径を自由に変化させる
こともできる。したがつて、エアクリーナ・ケー
ス６、過給機８を最適位置に配設することがで
き、コネクチングチユーブ７をレイアウトするた
めに各補機類の位置乃至形状を調整する必要も無
く、改機器の最適配置が達成される。

また、空気温度センサーＳを取付けるためのボ
ス７ｅは、金属製コネクチングチユーブの場合、
熟練技術を要する溶接で付設していたが、本実施
例では、コネクチングチユーブ７と一体に成形し
たので、生産性が向上し、接合部の欠陥等に注意
を払う必要が無く、付設強度も十分である。

さらに、金属製コネクチングチユーブでは、防
錆のために表面処理を行う必要があつたが、本実
施例のコネクチングチユーブ７は、樹脂製である
ため防錆処理の必要が無く、生産性が向上し、コ
ストダウンが達成される。

また、コネクチングチユーブ７をポリプロピレ
ン樹脂製（比重＝0.9）にした場合、スチール製
（比重＝7.8）に比して、その重量が、例えば1/4
程度になり、車体の軽量化に寄与し得る。

以上、実施例の説明から明らかなように、本考
案では、エアクリーナ・ケースと過給機を連結す
るコネクチングチユーブとして、三次元的な彎曲
形状を有する樹脂管を用い、しかも同樹脂管に、
空気温度センサーを一体成形しており、三次元的
な彎曲形状を有する樹脂管は、例えばブロー成形
により容易に得ることができ、各機器配置に応じ
た形状を比較的自由に選択し得るので、各機器の
最適配置が達成される。また、空気温度センサー
の一体成形も容易であり、金属製コネクチングチ
ユーブに比して生産性が向上し、コストダウンが
達成される。

さらに、金属製コネクチングチユーブに代え
て、樹脂製コネクチングチユーブを使用すること
により、車体の軽量化が達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るコネクチング
チユーブを備えた自動二輪車の側面図、第２図は
第１図に於ける−線矢視要部平面図、第３
図、第４図は第２図の要部拡大図、第５図は、コ
ネクチングチユーブの他の実施例に係る接続構造
を示す断面図、第６図は第２図に於ける−線
矢視図、第７図は前記コネクチングチユーブを含
む給気系の分解説明図である。１……自動二輪車、２……ハンドル、３……フ
ロントフオーク、４……フエアリングステー、５
……小物入れ、６……エアクリーナ・ケース、６
ａ……導出管、７……コネクチングチユーブ、７
ａ……水平部、７ｂ……彎曲部、７ｃ……垂下
部、７ｄ……水平部、７ｅ……ボス、８……過給
機、９……タービン、１０……コンプレツサー、
１０ａ……吸気口、１１ａ，１１ｂ……ジヨイン
ト、１１ｃ……バンド、１２……分岐チヤージ
管、１３……サージタンク、１４……共鳴式消音
器、１５……排気管、１６……マフラー、Ｃ……
コンピユーター、Ｅ……エンジン、Ｆ……フエア
リング、Ｒ……ラジエータ、Ｓ……空気温度セン
サー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

吸入空気を加圧してエンジンに供給する過給機
付きエンジンを搭載した自動二輪車に於いて、エ
アクリーナ・ケースと過給機とを連結するコネク
チングチユーブが三次元的な彎曲形状をなす樹脂
管で成形され、かつ同コネクチングチユーブには
空気温度センサー取付け用ボスが一体に形成され
ていることを特徴とするコネクチングチユーブ。