JPS6239906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶接用ポジシヨナーに関する、更に詳
しくは冷延装置により生産されたストリツプなど
の薄板をレザー溶接機を使用して衝合はせ溶接す
る際に使用するポジシヨナーに関する。

レーザ溶接機を使用する溶接作業では、エネル
ギー・ビームの直径が小さいため、双方の薄板の
相互に衝合はせられる縁部に高度の剪断精度が要
求される。このために、〓ダブルカツトシヤー〓
と呼ばれる剪断装置を使用して双方の薄板の縁部
を一度に剪断し、その場所でそれぞれの薄板のク
ランプを弛めることなく双方の縁部を衝合せたの
ち溶接を行う。個々の薄板の溶接すべき縁部に隣
接する区域を把持するクランプは、縁部に直角に
薄板の上面に配列される上顎部材と薄板の下面に
置かれ上顎部材と協働して薄板を挾持する下顎部
材とから構成される。上顎部材の薄板縁部に隣接
する端部は縁部に極めて近接した位置まで延び出
しているけれども、下顎部材は、薄板の剪断時に
縁部に近接して薄板の下側に置かれる剪断機の下
刃とそのホールダーとのために、端部を縁部に近
接する位置まで延び出させることを妨げられる。
従つて剪断作業を完了し剪断機の下刃及びそのホ
ールダーが薄板の下側から除去されるときは、縁
部に隣接する区域の下面に下顎部材は勿論のこと
何物も存在しない無支持部分を生ずる。このよう
な無支持部分は衝合はされた双方の薄板の縁部に
関し相互に対称にそれぞれの薄板に発生し、無支
持部分の長さは倍化する。衝合はせにより倍化す
る無支持部分に下側から当てがわれる従前のバツ
クバーは細長い１枚の板から成るもので、双方の
薄板の縁部に隣接する区域に共通するものであ
る。然しながら、従前のバツクバーには過度の衝
合はせにより下方に向つて突出する双方の薄板の
縁部を充分に修正することができない、このよう
な縁部を押上げ修正するため摩耗が激しいなどの
問題がある。本考案は冷延鋼板をレーザ溶接機を
使用して溶接する際にポジシヨナーに起るこの種
の問題を解決することを狙いとするものである。

本考案の目的は、薄板のレーザ溶接に際し、双
方の薄板の相互に衝合はされる縁部に隣接する区
域の下面に当てがわれ双方の薄板の縁部を確実に
所定位置に配列するのみならず、長期の使用に耐
える改善されたバツクバーを備えたポジシヨナー
を得ることにある。

本考案によれば、水平に置かれた第１の薄板の
溶接すべき縁部に直角に該縁部に隣接する区域に
配置せられ該薄板を上下両側から挾持する第１の
クランプ８と、第１薄板の前記縁部は衝合はされ
る第２の薄板の縁部に隣接する区域を挾持し第１
ランプに対称に配列される第２のクランプ９と、
それぞれのクランプの下顎部材の相互に対向する
２個の端部の間に形成せられ溶接すべき双方の縁
部の下側に位置する無支持部分において双方の薄
板の下面に当てがわれるバツク・バー３０とから
成るポジシヨナーであつて、前記バツクバーが相
互に衝合はされる双方の縁部を通る竪平面に沿い
２個の半体１Ａ，１Ｂに分割せられ、これらのバ
ツクバー半体がそれぞれの上部に位置する薄板を
挾持するクランプのフレーム１５，１６に昇降自
在に取付けられていることを特徴とする、特にレ
ーザ溶接に使用する溶接用ポジシヨナーが得られ
る。

さて、本考案の装置の実施例を添付図面につい
て説明すると次の如くである。

第１図を参照するにクランプ８により挾持され
た先行ストリツプＷ１と、クランプ９により挾持
された後続ストリツプＷ２と、双方のストリツプ
Ｗ１，Ｗ２の相互に離隔された端縁部分を同時に
剪断するダブルカツトシヤーと呼ばれる剪断器２
０とが示されている。クランプ８はストリツプＷ
１の上面に置かれる上顎部材１１と下面に置かれ
る下顎部材１２とを備えている。上下の顎部材１
１，１２はそれぞれ駆動用油圧シリンダー１９，
１９を備え油圧シリンダーの駆動によりストリツ
プＷ１を上下両側から挾持する。各顎部材１１，
１２はそれぞれの昇降運動を規制する案内杆１７
とこれを嵌合させる案内スリーブ１８とを備えて
いる。上顎部材１１はストリツプＷ１の剪断ライ
ン７に直角に配列せられ右端を剪断ライン７に近
接する位置に置いている。下顎部材１２はストリ
ツプＷ１を差挾み上顎部材１１に対向する位置に
置かれているけれども、剪断機２０の下刃２１Ｂ
及びそのホールダー２２により右端をストリツプ
Ｗ１の剪断ライン７に近接させることを妨げられ
ている。従つて、ストリツプＷが右端を剪断ライ
ン７により剪断せられ、剪断器２０が第１図の紙
面に垂直の方向に退去させられたのちには、スト
リツプＷ１の右端の剪断ライン７に隣接する部分
には上下の顎部材１１，１２により挾持されない
無支持部分６を発生する。

後続ストリツプＷ２を挾持するクランプ９の構
成は先行ストリツプＷ１を挾持するクランプ８の
構成と全く同一であり、クランプ８に対称に配列
されている。更にストリツプＷ２の左端に隣接す
る区域において下顎部材１４の左端と剪断ライン
７′との間に剪断機２０の退去後無支持部分６′が
形成されることも前記のクランプ８の場合と同様
である。

第２図に示す如く、双方のストリツプＷ１，Ｗ
２がそれぞれ無支持部分６，６′を有しているか
ら剪断完了後、後続ストリツプＷ２をクランプ９
により先行ストリツプＷ１の右端に衝合はせると
きは、相互の衝合はせにより形成された溶接すべ
き縁部５がたやすく下方に膨出する。

第３図に示す如く、従前のバツクバー３０が上
記の無支持部分６，６′の双方に共通して下側か
ら当てがはれ、第２図の膨出を修正するのみなら
ず双方の溶接すべき縁部を所定の位置に保持し、
しかるのち溶接を開始する。３１は上端にバツ
ク・バー３０を取付け下端をクランプ８のフレー
ム１５に回動自在に取付けた回動腕を示し、３２
は一端をフレーム１５に反対端を回動腕３１に接
続させた駆動用の油圧シリンダーを示す。従前の
バツクバー３０は第２図に示す膨出など溶接すべ
き縁部の変形を充分に修正することができない、
摩耗が激しいなどの難点があること前述の如くで
ある。更にまた第４図に示す如く、バツクバー３
０を双方のストリツプＷ１，Ｗ２の縁部の衝合は
せ前に作動させる場合に双方のストリツプＷ１，
Ｗ２の溶接すべき縁部に空隙を生じ溶接の品質を
低下させることがある。

第５図は本考案のバツクバーを備えたポジシヨ
ナー１０を示すもので、バツクバーがストリツプ
Ｗ１，Ｗ２の衝合せ線５を通る鉛直平面YYによ
り２個の半体１Ａ，１Ｂに分割されている。左側
の半体１Ａはその上部のストリツプＷ１を挾持す
るクランプ８のフレーム１５に回動腕２Ａにより
昇降自在に取付けられている。４Ａは回動腕２Ａ
を駆動する油圧シリンダーを示す。同様に右側の
半体１Ｂはその上部のストリツプＷ２を挾持する
クランプ９のフレーム１６に回動腕２Ｂにより昇
降自在に取付けられている。４Ｂは回動腕２Ｂを
駆動する油圧シリンダーを示す。

本考案の装置１０を使用するときは、バツクバ
ーの各半体１Ａ，１Ｂはそれぞれその上部に位置
するストリツプＷ１，Ｗ２を挾持するクランプ
８，９の上顎部材１１，１３と協働してストリツ
プ縁部を自由に矯正することができる。各々平坦
に矯正された双方のストリツプＷ１，Ｗ２が衝合
はされるが後続ストリツプＷ２はクランプ９とバ
ツクバー半体１Ｂとにより挾持されたまま先行ス
トリツプＷ１の剪断線に沿い抵抗なくギヤツプを
詰めることができる。また、各バツクバー半体１
Ａ，１ＢとストリツプＷ１，Ｗ２との間には力を
加えた状態で摺動することはないからバツクバー
上面に摩耗を生ずることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行ストリツプと後続ストリツプとの
溶接すべき縁部の同時剪断を示す側面図、第２図
は先行ストリツプと後続ストリツプとの衝合せ部
分に発生する両ストリツプの変形を示す断面図、
第３図は従前のバツクバーを示す側面図、第４図
は従前の装置により処理されるストリツプに起る
縁部の変形を示す断面図、第５図は本考案の装置
を示す断面図である。 １Ａ，１Ｂ……バツクバー半体、２Ａ，２Ｂ…
…回動腕、３Ａ，３Ｂ……回動ピン、４Ａ，４Ｂ
……油圧シリンダー、５……衝合はせ縁部、６，
６′……無支持部分、７……剪断ライン、８……
第１クランプ、９……第２クランプ、１０……本
考案の装置、１１……上顎部材、１２……下顎部
材、１３……上顎部材、１４……下顎部材、１５
……フレーム、１６……フレーム、１７……案内
杆、１８……案内スリーブ、１９……油圧シリン
ダ、２０……剪断機、２１Ａ……上刃、２１Ｂ…
…下刃、２２……ホールダー、２３……台車、３
０……従前のバツクバー、３１……回動腕、３２
……油圧シリンダー、３３……回動ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平に置かれた第１の薄板の溶接すべき縁部に
   直角に該縁部に隣接する区域に配置せられ該薄板
   を上下両側から挾持する第１のクランプ８と、第
   １薄板の前記縁部に衝合はされる第２の薄板の縁
   部に隣接する区域を挾持し第１クランプに対称に
   配列される第２のクランプ９と、それぞれのクラ
   ンプの下顎部材１２，１４の相互に対向する２個
   の端部の間に形成せられ溶接すべき双方の縁部の
   下側に位置する無支持部分において双方の薄板の
   下面に当てがわれるバツク・バー３０とから成る
   ポジシヨナーであつて、前記バツクバーが相互に
   衝合はされた双方の縁部を通る竪平面に沿い２個
   の半体１Ａ，１Ｂに分割せられ、これらのバツク
   バー半体がそれぞれの上部に位置する薄板を挾持
   するクランプのフレーム１５，１６に昇降自在に
   取付けられていることを特徴とする、特にレーザ
   溶接に使用する溶接用ポジシヨナー。