JPS6239616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は周面に多数の小さな凹みを有する繰出
しロールの後部を種子箱の出口に臨ませ、繰出し
ロールの前半周に押え板をかぶせ、繰出しロール
の回転により１〜２粒の種子を凹みに入れて種子
箱から繰出し、この種子を畝面に切つた条溝内へ
狭い間隔で播いてゆくようにした播種機の繰出し
装置に関するものである。

図面の実施例において、１は長方形のフレーム
で、若干の間隔をへだてる２本の側杆２とこれの
前端及び中央部を連結する横棒３…からなり、周
面に断面Ｖ字形の突条５を有する細巾の駆動輪４
を前部の軸受６に軸承し、後部の軸受７に細巾の
鎮圧輪８を軸承し、中央後部に手押し杆１０を斜
めに取付けてフレームの後端に樹立したステイ９
で支持し、駆動輪４と鎮圧輪８を畝面Ａに載せて
手押し杆１０でフレーム１を押し進めると駆動輪
の突条５が畝面に細い条溝Ｂを切る。１１は芯軸
１２をフレーム１の中央部に軸承した細巾の繰出
しロールで、下縁が畝面Ａに接近する直径に作る
と共に側面に大径の鎖輪１３を添装し、この鎖輪
と駆動輪４のボスに添着した小径の鎖輪１４にチ
エン１５を掛け、駆動輪４を運動源として繰出し
ロール１１を矢印Ｃの方向にゆつくり回転させ
る。繰出しロール１１は周面の中央に多数の小さ
な凹み１６を一定のピツチで一列に設け、この凹
みにコーチングを施こして大粒にした種子Ｓを１
粒又は２粒ずつ入れる。

１７は種子Ｓを入れた種子箱で、フレーム１の
中央部に取付けて繰出しロール１１の後上部に重
ね、前面１８が直立して繰出しロールの上縁に接
近し、背面１９の上半部が後方へ傾斜しかつその
下半部は直立し、背面の上縁の蝶番２０に蓋板２
１を取付けて上口にかぶせる。２３は種子箱１７
の内部に設けた仕切板で、種子箱の背面１９に相
対して前方へ傾き、これの下縁と細巾の水平な底
面２２との間に縦長の出口を設け、この出口に繰
出しロール１１の後部を臨ませて凹み１６に１〜
２粒の種子Ｓを入れる。種子箱１７は前面１８と
仕切板２３との間にかなり大きな空間Ｄを有し、
この空間に毛足の長いブラシ２４を納めて取付金
具２５とボルト２６で種子板１７の側板に取付
け、ブラシの先端を繰出しロール１１の上縁近く
に接触させて余分な種子を掻取り、取付金具２３
に長孔２７をあけてブラシ２２の接触具合を調節
する。

ここにブラシ２４を凹み１６を覆う太さにして
その両側にかなりの〓間を残し、ブラシを越えた
種子が矢印Ｅに示す如く繰出しロール１１の傾斜
面を転がつてブラシ２４の両側を戻つてゆくよう
にする。

２８は種子箱の前面１８に添着したスポンジ
で、繰出しロール１１の上縁に接触して種子Ｓが
繰出箱からこぼれ落ちるのを防止する。３０は帯
状の押え板で、繰出しロール１１の前半周に添わ
せて凹み１６…を覆ぎ、繰出しロールの下縁に臨
む個所に切欠き３１をあけ、上端の金具３２をフ
レーム１の中央前部から出る斜め支持板３３に固
定し、下端に連着したねじ棒３４をフレームの中
央後部の突片３５に取付けた筒金３６に挿通し、
これの両側でねじ棒３４に螺合するナツト３７，
３７を進退させて押え板の締付け具合を調節す
る。

本考案の一実施例は以上の構成からなり、畝面
Ａに駆動輪４と鎮圧輪８を載せ、作業者が手押し
杆１０をもつてフレーム１を左方へ進めると、駆
動輪４は突条５を畝面Ａに喰込ませて確実に回転
しつつ畝面に細い条溝Ｂを切つてゆく。駆動輪４
の回転は鎖輪１４，１３とチエン１５により減速
されて繰出しロール１１に伝わり、繰出しロール
１１は矢印Ｃの方向にゆつくり回転する。こゝに
繰出しロール１１は直径を大きくして凹み１６の
数を増やすと共にその周速度を遅くしたから、種
子Ｓが凹み１６に接触する機会が多くなつて種子
は確実に凹み１６に入る。凹み１６に入つた種子
は繰出しロール１１の回転に伴つて上方へ移動
し、凹みから突出する種子をブラシ２４が掻つて
凹みに１〜２粒の種子が入るようにし、ブラシ２
４を凹み１６を覆う太さにしてあるので、ブラシ
を越えた種子は矢印Ｅに示す如く繰出しロール１
１の傾斜面を転がつてブラシの両側を戻つてゆ
き、種子箱の前面１８に添着したスポンジ２８が
種子箱１７から種子がこぼれ落ちるのを防止す
る。

このようにして１〜２粒の種子Ｓが凹み１６に
入つて種子箱１７から繰出され、この種子は繰出
しロール１１の前半周に添う押え板３０に保持さ
れ、種子の入つた凹み１６が繰出しロールの下縁
に回りくると押え板の切欠き３１から矢印Ｅに示
す如く落下して畝面の条溝Ｂに入り、種子は条溝
内へ次々に落下してほヾ一定の間隔で点播され
る。こゝに繰出しロール１１を大径に作つてその
下縁を畝面Ａに接近させたから、種子Ｓは畝面の
近くで落下することになり、従つて次々に回りく
る凹み１６から落ちる種子の点播間隔の精度がよ
くなる。又押え板３０をはずすと種子の入つた凹
み１６が繰出しロールの前側へくると落下し、こ
の個所は畝面Ａからかなり離れているので種子は
条播となる。その後鎮圧ロール８が進行して条溝
Ｂをつぶし、種子Ｓを適度の深さに埋めてゆく。

以上は本考案の一実施例を説明したもので、本
考案はこの実施例に限定されることなく考案の要
旨内において設計変更でき、実施例は単条式播種
機であるが、本考案は多条式播種機にも容易に応
用しうる。

本考案は周面に多数の小さな凹みを有する大径
の繰出しロールの後部を種子箱の出口に臨ませた
から、種子は確実に繰出しロールの凹みに入り、
繰出しロールの上縁近くに凹みを覆うブラシを接
触させたから、ブラシを越えた種子が繰出しロー
ルの傾斜面を転がつて戻つてゆき、繰出しロール
の前半周に押え板を添わせてその下縁に臨む個所
に切欠きをあけたから、凹みに入つた種子が繰出
しロールの下縁で落下し、繰出しロールを大径に
作つてその下縁を畝面に接近させたから種子の点
播間隔の精度が良くなり、これらが相待つて１〜
２粒の種子を確実にほヾ一定の微小間隔で播種し
うる効果があり、押え板着脱自在に設けたからこ
れをはずすと簡単に条播を行いうる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を備える手押式播種機
を示すもので第１図はその要部を縦断した側面
図、第２図は繰出しロールの一部の斜視図であ
る。 なお、Ａは畝面、１はフレーム、１１は繰出し
ロール、１６は凹み、１７は種子箱、２２はその
底面、２３は仕切板、２４はブラシ、２８はスポ
ンジ、３０は押え板、３１は切欠きである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大径の繰出しロールをフレームの中央部に軸承
   してその下縁を畝面に接近させ、フレームの中央
   部に取付けた種子箱を繰出しロールの後上部に重
   ね、種子箱内の仕切板の下縁と種子箱の底面との
   間に出口を設けて繰出しロールの後部を臨ませ、
   繰出しロールの上縁とその近くにそれぞれスポン
   ジと凹みを覆うブラシを接触させ、繰出しロール
   の前半周に押え板を添わせてその下縁に臨む個所
   に切欠きをあけ、この押え板を着脱自在に設けた
   ことを特徴とする播種機の繰出し装置。