JPH0135613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は育苗容器への播種装置に関するもの
である。従来より育苗箱、合成樹脂製育苗用枠
体、育苗用紙筒集合体等への播種は所定ピツチに
播種孔を設けた播種板の下に同様の落下孔を設け
た摺動板を重ね合せた播種装置を用いるとか、周
囲に種子溝を設けた回転ドラムを種子ホツパー内
を回転させ種子溝に種子を収容し種子が下端に回
転して来た時下方に配した育苗容器上に落下播種
せしめる如くした播種装置を使用するのが常であ
る。

しかしながら、播種板の使用においてはその摺
動操作等全て人力に頼る関係上連続的な操作がで
きず、又種子ドラムを使用する場合、育苗容器上
への種子散布がドラムの回動作動を行ないながら
の自然落下に頼るため種子溝よりの排出が不完全
となり特に所定大きさに区画されている育苗用枠
体、紙筒集合体の如き鉢個々への種子量に差が生
じ、播種精度を低下さすもので、その結果育苗後
移植時に欠株となつてしまう欠点を有しているも
のである。

この考案者は上記欠陥を是正せんと鋭意研究し
た結果種子溝よりの自然落下に頼ることなく揺動
自在として常時回動方向に弾機引張つた種子移送
体の先端に樋状とした種子移送体を用いて、下端
に開閉板を設けた種子シユート内に樋中の種子を
強制排出し、この種子を一旦種子シユート落下口
に滞留させた後、その下側を走行する育苗容器の
進行速度ピツチとシユート開閉板の開閉を連動さ
せることで所定量の種子を育苗容器の所定位置へ
確実に播種することで達成したものである。

即ち、この考案では種子移送体先端樋中に入つ
た所定量の種子はこれを強制的に種子シユートに
排出するので、種子シユートへの排出量むらがな
く、又種子シユート落下にこれら種子を一時滞留
後、開閉板を開放するので滞留種子は時間差なく
下方の育苗容器上に落下播種されるもので所定量
の種子が所定位置にきわめて正確に播種できるも
のである。

以下図面により一実施態様を説明する。

１は播種装置であり、２は播種装置１下方に設
けた育苗容器コンベヤで矢示方向に進行する。３
はコンベヤ２上に載置した育苗容器で、４はコン
ベヤ３を駆動する駆動モーターでモーター４の駆
動により播種装置１及びコンベヤ２が駆動されコ
ンベヤ２上を進行する育苗容器３上に播種するも
のである。

播種装置１内の種子９は上方に配した種子補給
ホツパー部５と下方に設けた種子ホツパー掬いと
り部６内に貯蔵してある。そして、種子９は掬い
とり部６内を回転する種子移送体１７の先端樋状
部１６により掬いとられ、掬いとり部６の側面に
固定した種子シユート７に移され、種子シユート
７で一時貯留した後下側を進行する育苗容器３内
に落下する。前記ホツパー部５の下部は前記掬い
とり部６の内側と連通しており、掬いとり部６内
の種子が掬いとられて減少するとホツパー部５よ
り種子を隙間部８を介して補給し、掬いとり部６
の種子面が常に一定になるようにする。前記掬い
とり部６の底面は前記種子移送体１７の回転軌跡
にそい曲面をなす。又、種子ホツパー部５、掬い
とり部６及び種子シユート７のそれぞれの横幅は
育苗容器３の横幅とほゞ等しく、種子シユート７
には育苗容器３の横列に対応した仕切２６，２６
を設けてある。

種子掬いとり部６の中央には、回転軸１０が両
側壁を貫通して設けられており、この軸１０の一
端にはスプロケツト１１を固定し、チエン１２を
介してモーター４と連動さる。更に軸１０には一
定の間隔をあけて１対のフランジ１３，１４が固
定され、該フランジ１３，１４間には円周方向に
固定軸１５が所定間隔で固定され、この固定軸１
５両側には種子を掬いとるため先端樋状部１６を
有する種子移送体１７を回動自在に嵌合してあ
る。前記先端樋状部１６近傍にはスプリング１８
の一端を固定し、他端をフランジ１３，１４の取
付前方に固定し常時緊張させてある。このため種
子移送体１７は常時回転方向に引張られているの
で、先端樋状部１６が掬いとつた種子９がフラン
ジ１３，１４の回転によつて上方部に至つても後
部へ倒れて落ちることはない。１９はカムフロア
であり、種子移送体の先端樋上部１６の端部に設
けられており、種子掬いとり部６側壁上部に固定
したカム（ガイド）２０と係合できるようになつ
ている。このため種子移送体１７が上方に回転し
姿勢を変えてもカム２０が立上りを押えて先端樋
状部１６中の種子が落下せず、種子移送体１７が
あまり直立しないように制御できる。種子シユー
ト７上端とカム２０の末端の間には間隙２１があ
いており、カムフロア１９とカム２０との係合が
とけると押えられていた種子移送体１７がスプリ
ング１８の効果により前方へ急回転するので先端
１６中の種子９は回転運動による慣性により種子
シユート７内へ排出される。種子９の排出を終つ
た種子移送体１７はそのカムフロアー１９を種子
シユート７に打ちつけて更に排出を完全ならしめ
カムフロアー１９を種子シユート７の背面に摺接
させつつ種子掬いとり部６内に入り先端樋状部１
６が種子９を掬いとつて上方に回転し前記操作を
繰返す。

ガイド２０の上方にはブラシ２２を設けてあ
り、ブラシ２２の幅は先端樋状部１６の長さと
ほゞ同じで適宜の伝導装置により回転する。この
ため回動してくる種子移送体１７の先端樋状部１
６に当接するとその中に入つている種子９を均平
する。この際カム２０の取付位置を上下調節可能
に設けて先端凹部１６の通過位置を調節し、ブラ
シ２２が先端樋状部１６上面と接する高さを調節
し、先端樋状部１６中の種子量を調節するとよ
い。

先端樋状部１６を離れた種子９は種子シユート
７内に入るが、種子シユート下端出口は蝶番でと
りつけた開閉板２３で鋭角状に閉塞してある。こ
のため種子９は種子シユート７の先端で一時滞留
する。前記開閉板２３は板バネ２４を固定し常時
押圧閉塞している。該バネ２４の他端は回動軸１
０に固定した開閉カム２５と係合しており、板バ
ネ２４の端部が開閉カム２５の凹部と接すると係
合がとかれ回転軸１０の回転と連動して開閉板２
３を開き前記滞留している種子９を下方に落下さ
せコンベア２上の育苗容器３に播種する。このと
き育苗容器３に育苗用紙筒集合体を使用する場合
は紙筒の１鉢列分の進行と、種子シユート７の開
閉板２３の１回の開閉が一致するよう前記カム２
５の凹部を設けておく。又、種子移送体１７は開
閉板２３の閉塞時に種子９を種子シユート７内に
放出するよう構成してあるので、育苗容器３の１
列毎に所定量の種子９が供給される。更に前記種
子シユート７に予め育苗容器３の横幅と同一幅で
等間隔に仕切片２６を設けてあるので、先端樋状
部１６の種子９は各仕切片２６，２６間に同一量
入り所定量の種子を各育苗容器３内に播種するこ
とができる。

この考案は上記のようにして構成されるもので
あり、コンベヤー２と連動回転する回転軸１０に
フランジ１３，１４を設けて該フランジ１３，１
４に先端樋状部１６をもつ種子移送体１７を設け
スプリング１８により回転方向に引張つてあるの
で回転により種子移送体が後方に倒れ種子９がこ
ぼれ落ちることがなく、又カム２０に当接して姿
勢を変えた種子移送体１７は種子シユート７上端
近くでカム２０との係合が解かれるとスプリング
１８の引張力により生ずる慣性とカムフロア１９
が種子シユート７の上端に衝接したとき生ずる衝
撃により種子９は慣性により全量種子シユート７
内に強制放出されるので、従来の播種ロールを使
用する場合の様に種子がロールに付着し、播種量
が変るようなことはない。更にこの考案では種子
シユート７の先端で種子９を一時滞留せしめ、育
苗容器３の進行と連動させて開閉板２３を開閉
し、播種するものであるから所定量の種子９を確
実に育苗容器３のそれぞれに播種することができ
る。

この考案の装置は紙筒集合体の如く個々の鉢体
が蜂巣状に集合している育苗容器の播種に使用し
て極めて効果的であるが、平箱のような育苗箱に
使用しても定間隔に確実に播種できるので、大苗
を得るための条播を行う場合に極めて精度の高い
播種が行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の装置を装着した側面全体
図、第２図は播種装置の平面詳細図、第３図は播
種装置の横断面図、第４図は播種装置の側面図で
ある。 １……播種装置、３……育苗容器、６……種子
ホツパー掬いとり部、７……播種シユート、９…
…種子、１６……先端樋状部、１７……種子移送
体、１８……スプリング、１９……カムフロア、
２０……カム、２３……開閉板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ホツパー内側に種子移送体を回転体に放射状
   に設けた播種機において、 前記種子移送体は、一端を回転体に揺動可能
   に遊設し、他端は回動方向に引張られた先端樋
   状部に固定すると共に、回転体上方に前記先端
   樋状部と係合する種子移送体姿勢制御カムを設
   け、該種子移送体の回転軌跡上前方には種子シ
   ユートを設け、該種子シユート下端には、育苗
   容器コンベヤの進行に連動して開閉する開閉板
   を付設すると共に、開閉板の閉塞時には前記種
   子移送体が種子シユート上端に衝接して、種子
   シユート内に種子を強制放出する構成としたこ
   とを特徴とする育苗容器への播種装置。 (2) 回転体上方で種子移送体の回転軌跡上に種子
   移送体姿勢制御カムを設け、常時回転方向に引
   張られた種子移送体先端樋状部と係合させると
   共に、前記姿勢制御カム末端は、間隙をおいて
   種子シユート上端と対応させ、常時回転方向に
   引張られた種子移送体を、姿勢制御カム末端に
   て係合を解き、種子シユート上端と衝接する如
   くした実用新案登録請求の範囲第１項の育苗容
   器への播種装置。 (3) 育苗容器移送コンベヤの回動と、種子シユー
   トの開閉板の開閉の連動を、育苗容器の進行速
   度ピツチに対応させたカムを介して連動する構
   成としたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項のいずれか１項記載の育
   苗容器への播種装置。