JPS6237006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、農業機械のベルトテンシヨン機構に
おけるテンシヨンアーム機構に関するものであ
る。

従来、農業機械のベルトテンシヨン機構におい
ては、テンシヨンアーム先端にローラを設け、ア
ーム中途部をテンシヨンスプリングにて付勢し、
ローラをベルトに圧接状態として、ベルトのテン
シヨンを行うものであり、かかるテンシヨンスプ
リングの機体への取付けに際しては、スプリング
端部にテンシヨンボルトを配し、同テンシヨンボ
ルトの進退操作により、スプリングの位置を変化
せしめてベルトへ適当なテンシヨンがかかるべく
調整可能としていた。

しかしながら、最近メンテナンスの容易化と部
品点数の削減のため、バネ定数の低いスプリング
を用いることにより、テンシヨンボルトを不要と
し、スプリング自体の作用によりテンシヨンアー
ムの位置変化にかかわらず常時ベルトに適当なテ
ンシヨンを与えられるべく構成したものがある
が、かかる構造ではテンシヨンを与えるべきベル
トが長い場合等において、ベルトの負荷変動に対
応しきれずベルトがおどり、外れるという恐れが
あり、テンシヨン機構付近にベルトの外れを防止
する機構等を設ける必要があり、真に部品点数の
削減とはならず、またベルト離脱防止機構自体ベ
ルト駆動時に常時離脱防止機能を果しうるべく構
成とした際には、ベルト取外し操作が容易に行い
難くなり、ベルト駆動時には確実なベルト離脱防
止が行えると共にベルト取替え時には容易にベル
トの取外しの行えるテンシヨン機構の出現が望ま
れていた。

本考案では、基端を枢支し、かつ所定方向に付
勢したテンシヨンアームの中途部にテンシヨンロ
ーラを設け、同ローラより先方に延設したテンシ
ヨンアームの先端部は動力伝達ベルトの横側方を
通過して同ベルトのテンシヨン付勢方向に突出せ
しめ握持可能な突出部とし、同突出部を動力伝達
用ベルトの横側方離脱防止とプーリーからの同ベ
ルト取外し用の握持レバーとなりうるよう構成す
ることにより、ベルト取外し操作時の操作レバー
とベルト駆動時のベルト離脱防止のガイドとを別
途設けることなく、１つの部品で兼用せしめ、部
品点数の削減を図れると共に、ベルト駆動時には
確実なベルト離脱防止が行えベルト取替え時には
容易なベルト取外し操作の行える農業機械のテン
シヨン機構におけるテンシヨンアーム構造を提供
せんとするものである。

この考案の実施例を図面に基き詳説すれば、Ａ
は脱穀機の一種としてのコンバインを示すもので
あり、前部には刈取部１を設け、その後方には、
脱穀部２を、その下方に選別部３をそれぞれ有し
た本機ａを連設しており、本機ａの下部には、ク
ローラよりなる走行部４を配設し、走行部４によ
り走行しながら刈取部１で刈取つた穀稈を脱穀部
２で脱穀し、選別部３で選別し、本機ａの右側方
に設けた籾回収部５で精穀粒の回収を行うように
構成している。

刈取部１は、本機ａの左側半部前方に上下軸自
在に連結され、前端に分草板６を、その後方に刈
穀引起し装置７を、その後方下部に刈刃８をそれ
ぞれ配し、刈刃８の後方上部には、穂先搬送装置
９と株元搬送装置１０とを一体に刈取部１と別体
で上下動可能に配設しており、株元を後述するフ
イードチエーン１１に受渡す際のフイードチエー
ンによる株元挾持間隔の調整を行い扱深さ調整が
可能に構成されている。

株元搬送装置１０の始端は、フイードチエーン
１１の後端と穀稈受渡し可能に近接されており、
フイードチエーン１１は、脱穀部２における扱室
１２中に回転自在に軸架された扱胴１３側方下位
部より一定の上り勾配傾斜にて後方へ延設されて
おり、穀稈を扱胴１３の下側部にて脱穀しながら
搬送する下扱式のアンダーチエーン構造に構成し
ている。

選別部３は、脱穀部２の下方に配され、扱胴１
３の下方に揺動自在に配設した揺動選別部１４、
その下方の唐箕１５、１番コンベア１６、２番コ
ンベア１７、２番還元筒１７′及び揺動選別部１
４後方の排塵装置１８等より構成されており、１
番コンベア１６により集められた精穀粒は、本機
ａの右側方の籾回収部５にて回収されるべく構成
されている。

走行部４及び本機ａの各部への動力伝達は本機
ａの前部下部に配設したエンジン出力軸プーリー
１９から順次行われる。

２０は扱胴駆動軸、２１は同軸２０に連設した
扱胴駆動軸入力プーリー、２２は同軸２０に連設
した動力伝達用プーリー、２３は排藁カツター連
動用プーリー、２４は２番コンベア入力プーリ
ー、２５は唐箕入力プーリーであり、エンジン出
力軸プーリー１９と扱胴駆動軸入力プーリー２１
との間に駆動ベルトｍを懸架して、エンジン出力
軸プーリー１９の動力を扱胴駆動軸２０に入力せ
しめ、同時に動力伝達用プーリー２２を連動する
ものである。

動力伝達用プーリー２２、排藁カツター連動用
プーリー２３、２番コンベア入力プーリー２４、
唐箕入力プーリー２５を順次介した状態で動力伝
達用ベルトＭを懸架しており、同ベルトＭは内側
面２７を各プーリーに圧接した状態としている。
動力伝達用ベルトＭのテンシヨンは動力伝達用プ
ーリー２２付近に設けたベルトテンシヨン機構２
８により行われるものであり、このベルトテンシ
ヨン機構２８の構造は次の通りである。即ち、基
端を扱胴駆動軸２０に枢支したテンシヨンアーム
２９の中途部にテンシヨンローラ３０を枢支する
と共に、テンシヨンアーム２９の後部上側に基端
を固定せしめた付勢スプリング３１の先端をテン
シヨンアーム２９の中途部に連設して、テンシヨ
ンアーム２９を動力伝達用ベルト２６の内側方へ
付勢せしめテンシヨンローラ３０を動力伝達用ベ
ルトＭの外側面３２に圧接せしめた状態で、同ベ
ルトＭを内側方に押圧して同ベルトＭのテンシヨ
ンを行いうるよう構成している。

また、かかる状態ではテンシヨンローラ３０よ
り先方に延設したテンシヨンアーム２９の先端部
が動力伝達用ベルトＭの横側方を通過して、同ベ
ルトＭの内側方に突出する突出部３３となるよう
構成されている。

突出部３３は動力伝達用ベルトＭの横側面３４
と対向する横側面対向部３５と、動力伝達用ベル
ト２６の内側面２７と対向すべく折曲せしめた内
側面対向部３６と同部３６の外側から後方へ折曲
した握持部３７とから構成されており、しかもテ
ンシヨンアーム２９は基端から先端に向けて幅員
を漸次縮小せしめて形成しているので、握持部３
７は握持可能な狭い幅員に形成されている。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、テンシヨンアーム２９の構造においては内
側面対向部３６を折曲して設けることなく、平板
状に形成し、突出部３３を横側方対向部３６と握
持部３７のみとして形成してもよい。

また、テンシヨンアーム２９の構造としては第
５図に示すように、先端に向けて漸次幅員を減少
する板状体の先端を同板状体の中心線と直交する
状態で二個所折曲した場合には、内側面対向部３
６の上下側部３６−１，３６−２が外側方に向か
う下り傾斜状に形成されるのでテンシヨンアーム
２９をスプリング３１に抗して回動せしめた際に
下側部３６−２がベルトＭに接触し、同ベルトＭ
が下側部３６−２の傾斜に沿つて、容易に外側方
に移動してベルトＭがプーリーから容易に取外し
うるように構成してもよい。

本考案の実施例は上記のように構成されてお
り、走行部４で圃場を走行し、穀稈を刈取部１で
刈取り、刈取つた穀稈を脱穀部２で脱穀し、脱穀
処理物は揺動選別部１４により１番物は１番コン
ベア１６に、２番物は２番コンベア１７に、３番
物は排塵装置１８にて機外へそれぞれ選別され、
かつ２番物は２番コンベア１７から２番還元筒１
７′を介して再度脱穀部２へ還元されるものであ
る。

この際の各部の駆動は、エンジン出力軸プーリ
ー１９から駆動ベルトｍを介して扱胴駆動軸入力
プーリー２１を駆動し、脱穀部２の扱胴１３を連
動し、また、扱胴駆動軸入力プーリー２１の駆動
と同時に動力伝達用プーリー２２をも駆動し、同
プーリー２２から動力伝達用ベルトＭを介して排
藁カツター連動用プーリー２３、２番コンベア入
力プーリー２４、唐箕入力プーリー２５を連動す
ることにより行われるものである。

かかる、動力伝達用ベルトＭは、スプリング３
１の付勢力によるテンシヨンアーム２９のローラ
３０により圧接状態でテンシヨンされ、しかも、
ベルトＭの横側面は、テンシヨンアーム２９の横
側面対向部３５と相対し、ベルトＭの内側面は、
テンシヨンアーム２９の内側面対向部３６と相対
しているので、ベルトＭ駆動時には、ベルトＭの
おどりがあつても、同ベルトＭは、両対向部２
５，２６に当接しプーリーからは容易に離脱する
ことはなく、また、ベルトＭを取り外す際には、
握持部３７を握持して、テンシヨンアーム２９を
スプリング３１の付勢力に抗して、枢支部を中心
に回動せしめれば、ベルトＭのテンシヨンが解除
され、容易に、ベルトＭをプーリーから取外すこ
とが可能となるものである。

本考案によれば、基端を枢支し、かつ所定方向
に付勢したテンシヨンアームの中途部にテンシヨ
ンローラを設け、同ローラより先方に延設したテ
ンシヨンアームの先端部は動力伝達ベルトの横側
方を通過して同ベルトのテンシヨン付勢方向に突
出せしめ握持可能な突出部とし、同突出部を動力
伝達用ベルトの横側方離脱防止と、プーリーから
の同ベルト取外し用の握持レバーとなりうるよう
構成したので、一本のアームを、ベルト離脱防止
と、ベルト取外し用との両方に兼用でき、部品点
数削除と共にベルト駆動時には確実な離脱防止を
図れ、かつベルト取外し操作時には容易なベルト
取外しが行えるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例に係るコンバインの一部
切欠全体側面図、第２図は、要部拡大側面図、第
３図は、第２図−線における断面図、第４図
は、コンバインの全体側面図、第５図は、テンシ
ヨンアームの他の例の部分斜視図である。 Ａ：コンバイン、Ｍ：動力伝達用ベルト、２
８：ベルトテンシヨン機構、２９：テンシヨンア
ーム、３０：テンシヨンローラ、３３：突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定のプーリー間に懸架した動力伝達用ベルト
   のテンシヨンを行う農業機械のベルトテンシヨン
   機構２８において、基端を枢支し、かつ所定方向
   に付勢したテンシヨンアーム２９の中途部にテン
   シヨンローラ３０を設け、同ローラ３０より先方
   に延設したテンシヨンアーム２９の先端部は動力
   伝達ベルトＭの横側方を通過して同ベルトＭのテ
   ンシヨン付勢方向に突出せしめ握持可能な突出部
   ３３とし、同突出部３３を動力伝達用ベルトＭの
   横側方離脱防止と、プーリーからの同ベルトＭ取
   外し用の握持レバーとなりうるよう構成してなる
   農業機械のベルトテンシヨン機構におけるテンシ
   ヨンアーム構造。