JPS623695B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば水道管、油圧管等の主管か
ら小さなパイプを引くための鞍型の分岐継手の製
造法に関する。

従来、この種の分岐継手は、主管にあけられた
橢円形の穴と連通すべく、主管を跨いで乗せら
れ、溶接により固着されていた。しかし、この分
岐継手を用いる場合には、分岐継手を主管に乗
せ、次いで分岐継手の周囲に沿つて罫書きし、そ
の後に穴あけをするため、穴が橢円となり、穴の
中心と分岐継手の中心とを合わせることが困難で
あつた。

かかる不都合を解決すべく、主管を跨ぐ部分の
内側に位置決め用の円環状突起を設けるとともに
主管を跨ぐ部分を円環状鍔とした分岐継手が提案
されている。この分岐継手を用いると、主管の穴
が円形で、円環状突起がガイドとなるため、穴の
中心と分岐継手の中心とを合わせることが容易に
行なわれ、分岐継手の取り付け作業を向上せしむ
る利点がある。しかし、この分岐継手は、主管を
跨ぐための円環状鍔とガイドとなる円環状突起を
設ける必要があるため、構造が従来の分岐継手に
比して複雑となる。この分岐継手の製造法とし
て、たとえば、鋳造、削り出し等の方法が考えら
れるが、鋳造は目的とする形状を得ることができ
るものの溶接ができないために使用できず、また
削り出しは作業性が悪く、大量に生産することは
困難である等の欠点がある。

本発明は、かかる現状に鑑み、冷間又は熱間鍜
造を利用して上述の分岐継手を製造することを目
的とするもので、所定長に切断されたパイプ、丸
棒等の素材をダイス内に配し、素材を上方からポ
ンチで押圧し、素材の上端を主管の曲率に応じた
曲面とし、次いで次工程のポンチで素材を押圧
し、上端部分の材料を外径方向に流しつつ外側方
向に円環状鍔を形成するとともに軸方向に円環状
突起を形成する配管用分岐継手の製造法を提供す
るものである。

以下、本発明の代表的な実施例を図面にしたが
つて説明する。

まず、たとえば低炭素鋼、ステンレス、銅合
金、アルミニウム合金等を素材とするパイプを所
定長に切断する。

次いで、第１図の如く、下部にカウンター３を
固定して底を設けたダイス２内に上記パイプ１を
挿入し、このパイプ１の上部から主管Ｐの曲率に
応じた曲面を有するポンチ４をプレス（図示せ
ず）でカウンター３方向に押圧する。このポンチ
４の押圧により、パイプ１は第１図の如く、上端
部分１′がポンチ４と対称形となるとともに上端
部分の材料がパイプ１の内径に流れ出し、流れ出
した材料の大半はカウンター３に接する部分１″
のパイプ１の内径方向に膨出する。

パイプ１の上端部分１′が所定の曲面となつた
ら、この操作を停止し、ポンチ４を押し上げ、次
工程のダイス５及びポンチ６を用意する。このダ
イス５及びポンチ６は、第１図示の如く成形され
たパイプ１の上端部分１′に円環状鍔１０及び円
環状突起１１を形成するもので、ダイス５は円環
状鍔１０を形成すべき部分にテーパー７を設け、
ポンチ６が押圧入される曲口部が大径になつてお
り、一方ポンチ６は第１図示のポンチ４に比して
径が大きくかつ中央部には円環状鍔１０及び円環
状突起１１を形成するために円環状溝８が設けて
ある。

ダイス５及びポンチ６の装備が終つたら、第２
図の如く、上記構成のダイス５内に前述の如く成
形されたパイプ１を押入し、次いで上記構成のポ
ンチ６をプレス（図示せず）でカウンター３方向
に押圧すると、上端部分１′の材料がダイス５と
ポンチ６との間隙９に流れ出し、円環状鍔１０を
形成するとともに円環状突起１１を形成する。

パイプ１の上端部分１′に所定の円環状鍔１０
及び円環状突起１１が形成できたら、この操作を
停止し、ポンチ６を押し上げてダイス５からパイ
プ１を取り出し、パイプ１の内径に突出する部分
１″をプレスで抜き取り、次いでパイプ１の内側
にネジ加工を施すと、第３図及び第４図示の分岐
継手Ａが得られる。

なお、本実施例において、ダイス２とダイス５
とを用いたが、たとえばダイス２にダイス５と同
形状のテーパー７及び大径部を設けておき、第１
図示の工程が終了後に、カウンター３を押し上げ
ることにより、第２図示の工程を行なうようにし
てもよい。

また、本実施例では、素材としてパイプ１を用
いたが、丸棒でも板を管状にしたものでもよい。

上述の如く、本発明は、第１工程において、主
管の曲率に応じた曲面を有するように加工するた
め、この工程において目的とする主管に応じた曲
率が自由に選定でき、また素材がバイプの場合に
は、曲面とするために流れ出す材料をパイプの内
径に膨り出させるので、加工が簡便でかつ目的の
曲率を確実に得ることができる。更に、第２工程
において、第１工程で処理された素材の曲面を利
用し、その部分の材料を外側方向に流し円環状鍔
及び円環状突起を成形するので、加工が簡便でか
つ確実に目的とする形状に成形することができ
る。そして、第１工程及び第２工程は、冷間又は
熱間鍜造により処理されるので、大量に安価に製
造することができる、等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における第１工程を示
す断面図、第２図は本発明の実施例における第２
工程を示す断面図、第３図は本発明の実施例にて
製造された分岐継手の断面図、第４図は本発明に
より製造された分岐継手の使用状態を示す断面
図、第５図はその平面図である。 Ａ…分岐継手、Ｐ…主管、１…素材、２，５…
ダイス、３…カウンター、４，６…ポンチ、７…
テーパー、８…円環状溝、９…間隙、１０…円環
状鍔、１１…円環状突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定長に切断されたパイプ、丸棒等の素材を
   ダイス内に配し、素材を上方からポンチで押圧
   し、素材の上端を主管の曲率に応じた曲面とし、
   次いで次工程のポンチで素材を押圧し、上端部分
   の材料を外径方向に流しつつ外側方向に円環状鍔
   を形成するとともに軸方向に円環状突起を形成す
   ることを特徴とする配管用分岐継手の製造法。