JPS6236693B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、医用超音波診断装置として最適な超
音波映像装置に関するものである。

音波ビームを被検体内に送出し且つそのエコー
を検出しつつ走査して超音波エコーに基づくエコ
ー像を得る超音波映像装置を用いた医用超音波診
断装置においては、近年、特に電子セクタスキヤ
ン方式等の高速走査可能な装置の普及に伴ない、
Ｂモード像すなわち超音波ビーム走査による断層
像を表示しながら、そのビーム方向に沿う所望の
個所（ビーム方向上の）についてのＭモード像す
なわち方向の固定さた単一の超音波ビームによる
エコーの時間的変化像を観測できるようになつ
た。このＭモード像は特に心臓診断において非常
に有効であり、この心臓診断に際して用いられる
心臓に関するＭモード像は特にUCG
（ultrasound cardiography）と呼ばれている。

第１図は従来の装置における心臓のＢモード像
表示の一例のようすを示すものであり、超音波ビ
ームを図示Ｐ点に対応する位置を中心としてセク
タ走査することによりＢモードエコー像EBを得
るものである。そして、このようなＢモード像
EB上における所望のビーム方向BDを任意に設定
することにより、第２図に示すような該ビーム方
向BDについてのUCG画像EMを前記Ｂモード像
EBと同時に（Ｂモード表示用とは別途に設けた
表示装置により）観測することができる。

しかしながら、従来の装置においては、Ｍモー
ド（UCG）表示は走査による多数の音波ビーム
列のうちの特定の音波ビームに対応するエコーに
よつて行なわれるので、Ｍモード表示の設定個所
は超音波ビーム方向に沿つた個所に限定されそれ
以外の方向についての時間変化を観測できないと
いう問題があつた。すなわち、心臓の特定の弁の
動き等の時間変化を観測するには、本来その動き
が最も顕著にあらわれる方向個所についてのＭモ
ード像を得るのが理想的であるが、Ｍモード表示
が超音波ビームの方向に限定される場合、トラン
スジユーサの位置や超音波ビーム走査方向を所望
のＭモード表示方向に合わせて設定しなければな
らず、現実的にはこのようなことは不可能な場合
が少なくない。

本発明は、このような事情に基づいてなされた
もので、Ｍモード表示の概念を被検体内のある線
分上における超音波エコーの時間的変化の表示に
まで拡張し、被検体内の所望の個所についてのＭ
モードエコー像（時間的変化像）を得ることので
きる超音波映像装置を提供することを目的として
いる。

すなわち、本発明の特徴とするところは、超音
波ビームを被検体内に送出し且つそのエコーを検
出しつつ充分に高速な走査速度をもつて走査し、
前記エコーに基づくエコー像を得る超音波映像装
置において、検出されたエコー信号に基づいてＢ
モード像を表示するＢモード像表示手段と、この
Ｂモード像表示手段により表示されたＢモード像
上においてＭモード表示（ここでは上述のように
被検体内の特定の線分上における音波エコーの時
間的変化の表示をＭモード表示と称する〜従来の
いわゆるＭモード表示とは若干概念が異なる）を
所望する個所を任意に設定するためのＭモード位
置設定手段と、前記検出されたエコー信号の一部
または全部を一旦メモリに記憶させその書込み読
出し過程において前記Ｍモード位置設定手段によ
り設定された個所に対応するＭモード像を得るの
に必要なエコー信号データを取り出すメモリ手段
であるＭモードデータ抽出手段と、このＭモード
データ抽出手段で得たエコー信号データによりＭ
モード像を表示するＭモード像表示手段とを具備
することにある。

以下、本発明をその実施例について説明する。

まず、本発明の一実施例の原理について述べ
る。

本発明を実現するためには、基本的にメモリを
使用する。ここでは、メモリとしてデイジタルメ
モリを用いるものとし、該デイジタルメモリは少
なくともＢモード像の画像１フレーム（１画面）
分のデータの記憶が可能な記憶容量を持つものと
する。

メモリへのデータの書込みは第３図に示すよう
に、セクタ走査によるＢモード像に対応するデー
タEBdをそのままメモリDMに書き込む。そし
て、これを読出す際には、Ｂモード像上において
設定されたＭモード表示を所望する個所につい
て、すなわち例えば第３図上に示したＭモード設
定線MPに沿うデータのみを読み出す。これを、
逐次繰り返すことによつて、例えば前記設定線
MP方向を縦軸AYにとり、Ｍモード表示のスロー
スキヤン方向すなわち時間軸方向を横軸AXにと
れば第４図に示すような設定線MPについてのＭ
モード像MIが得られる。

このような原理に基づく実施例の構成を第５図
に示す。

第５図において、１は多数の単位振動素子が配
列されてなる超音波プローブ、２は超音波プロー
ブ１の各振動素子を励振するためのパルサ、３は
超音波プローブ１で受波された音波エコー信号を
検波増幅するレシーバ、４はレシーバ３で検波増
幅された音波エコー信号をデイジタルデータに変
換して格納し且つ該データの読出し時に読み出さ
れたデータをアナログ値に変換する機能を有する
メモリ装置、５はメモリ装置４に対するデータ書
込みのアドレス設定を行なうアドレス設定回路、
６は外部操作により所望のＭモード表示個所を設
定するための位置設定器、７はパルサ２、レシー
バ３、アドレス設定回路５および位置設定器６等
を制御して超音波プローブ１の各振動素子を所定
のごとく選択的に励振して音波ビーム走査（この
場合セクタ走査）およびそれに伴なう各部制御を
行なうスキヤンコントローラ、８はメモリ装置４
の記憶内容を所定の表示走査に対応してすべて読
み出しＢモード像を表示するＢモード像表示装
置、９はメモリ装置４の記憶内容のうち位置設定
器６で設定されたＭモード表示個所に対応するデ
ータのみをＭモード表示用の走査に対応して読み
出しＭモード像を表示するＭモード像表示装置で
ある。

次に、このような構成における動作について述
べる。

パルサ２はスキヤンコントローラ７の制御を受
け、超音波プローブ１が電子セクタスキヤン動作
を行なうべく超音波プローブ１の各単位振動素子
を励振する。このパルサ２の動作により、超音波
プローブ１から超音波ビームが被検体内に送波さ
れ、被検体内の反射体（異なる音響インピーダン
スの境界部）からのエコーが超音波プローブ１で
受波される。超音波プローブ１で得られたエコー
信号はレシーバ３においてスキヤンコントローラ
７による走査に対応した制御処理を受け、さらに
被検増幅された後メモリ装置４に与えられる。ま
た、アドレス設定回路５はスキヤンコントローラ
７の信号に応動し、レシーバ３の出力エコー信号
に基づくデータを第３図のようなＢモード表示そ
のままの形でメモリ装置４に書き込むためのアド
レス信号を発生する。このアドレス設定回路５の
アドレス信号に応じ前記レシーバ３から出力され
るエコー信号がデイジタルデータの形としてメモ
リ装置４に逐次書き込まれる。

メモリ装置４に記憶されたＢモード像データ
は、Ｂモード像表示装置８により、所定の表示走
査方式例えばTV（テレビジヨン）スキヤン方式
等にしたがつて前記記憶されたデータがそのまま
の形ですべて読み出され表示される。

一方、位置設定器６によつて所望に応じたＭモ
ード表示個所例えば第３図に示したような設定線
MPを外部から設定することにより、該設定線MP
に対応するアドレスが位置設定器６から出力さ
れ、それに対応するデータがメモリ装置４から読
み出され、Ｍモード像表示装置９に供給される。
Ｍモード像表示装置９では、前記読み出されたデ
ータがそれに応じた表示走査を行なうためのＸ―
Ｙスイープ信号等によつてUCG等のモード像と
して表示される。

なお、メモリ装置４内の書込み、読出しなどの
コントロール信号はスキヤンコントローラ７の信
号を受けてメモリ装置４内で発生され、また、書
込みデータのＡ／Ｄ（アナログ―デイジタル）変
換および読出しデータのＤ／Ａ（デイジタル―ア
ナログ）変換もメモリ装置４の内部で行なわれ
る。

また、上述におけるＢモード像表示装置８によ
るＢモード表示とＭモード像表示装置９によるＭ
モード表示は（Ｂモード像画面上におけるＭモー
ド表示個所のマーク等も含めて）同時に表示され
ることが診断上望ましいが、一方を表示した後他
方を表示するようにしてもよく、その場合には表
示部を共通使用することも可能となる。

ところで、この場合の例えば第４図のようなＭ
モード像MIは設定線MPに対応する読出し方向
（AY方向）の走査はＢモード表示の１フイールド
または１フレームごとに１回行なわれることにな
る。よつて、この走査は、通常の場合、数十分の
一秒に１回ずつ行なわれることになる。また、該
読出し方向の分解能は第３図における設定線MP
がＢモード表示の走査線と交わる数によつて略決
定される。一般にセクタ走査の場合の走査線は
100〜300本であるので、この場合の分解能は100
〜300本となる。すなわち、１つのＭモード像を
作る場合を考えると、一例として、Ｂモード表示
のフレーム周期が1/30秒、走査線数が128本、時
間軸方向（AX方向）のスロースキヤン速度が５
秒で１画面分走査する速度であるとすると、縦軸
方向（AY方向）について最大128画素、横軸方向
（AX方向）について〔５÷（1/30）＝１〕150画素
程度の分解能となる。この分解能は例えばUCG
として充分に有効な分解能である。また、データ
処理により見かけの分解能を更に向上させるなど
してより良いＭモード像を得ることもできる。

なお、本発明は、上記し且つ図面に示す実施例
にのみ限定されることなく、その要旨を変更しな
い範囲内で種々変形して実施することができる。

例えば、上記実施例においては、メモリ装置４
にＢモード像データをそのままの形で書き込み、
読出し時にＭモード表示設定個所に対応するデー
タのみを読み出すようにしたが、Ｂモード像をそ
のまま記憶するのではなく、第６図に示すよう
に、位置設定器６による設定個所に応じたデータ
のみを予め選択抽出してＭモード像に対応する形
で記憶するメモリ装置４ａと、このメモリ装置４
ａの入力側から直接Ｂモード表示用信号を取り出
してＢモード像を表示するＢモード像表示装置８
ａと、メモリ装置４ａの記憶内容をそのまま読み
出して表示するＭモード像表示装置９ａとを用い
た構成としてもよい。

また、同実施例では電子セクタスキヤン方式を
用いた装置について説明したが、電子リニアスキ
ヤン装置等、他の高速スキヤン方式を用いた装置
にも適用できる。

以上詳述したように、本発明によれば、Ｍモー
ド像表示の概念を被検体内の任意の線分上におけ
る超音波エコーの時間的変化の表示にまで拡張
し、被検体内の超音波ビーム以外の所望の線分上
についてのＭモード像を得ることの可能な超音波
映像装置を提供することができる。しかも、この
Ｍモード像を得るための特別の走査は不要であ
り、Ｂモード走査によるデータからＭモード像を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来装置におけるＢモー
ド表示およびＭモード表示のようすをそれぞれ示
す図、第３図および第４図は本発明の一実施例の
原理を説明するための図、第５図は同実施例の構
成を示すブロツク図、第６図は本発明の他の実施
例の構成を示すブロツク図である。 １……超音波プローブ、２……パルサ、３……
レシーバ、４，４ａ……メモリ装置、５……アド
レス設定回路、６……位置設定器、７……スキヤ
ンコントローラ、８，８ａ……Ｂモード像表示装
置、９，９ａ……Ｍモード像表示装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被検体に対して超音波ビームの送受を行なう
   ための超音波プローブと、複数の前記超音波ビー
   ムを用いて所定周期で前記被検体内における走査
   を行なわせる走査手段と、この走査手段による走
   査によつて前記超音波プローブで検出される超音
   波エコー信号データをデジタル化し、前記走査に
   対応させて順次一旦記憶するメモリ手段と、この
   メモリ手段に記載された前記超音波エコー情報を
   該メモリ手段から読み出しアナログ化して被検体
   断層像を表示する第１の表示手段と、前記複数の
   超音波ビームと交差する方向にＭモード像を得よ
   うとする線分を前記第１の表示手段上で設定する
   Ｍモード位置設定手段と、このＭモード位置設定
   手段で設定され各超音波ビームと交差する線分に
   対応する超音波エコー信号データを前記メモリ手
   段から逐次的に読み出してアナログ化してＭモー
   ド像として表示する第２の表示手段とを設けたこ
   とを特徴とする超音波映像装置。