JP2001095804A - 超音波画像診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波診断装置の超音波プローブ幅より大き
い被診断部位の広範囲な全体像を得て三次元画像を表示
する。 【解決手段】 超音波プローブ１を、超音波断面に垂直
な方向に移動して被診断部位の所望の面を走査する。得
られた画像フレームデータをシネメモリ５に蓄積する。
超音波プローブを隣接した部位に移動して、繰返して走
査する。被診断部位の所望の面をすべて走査した後、そ
れぞれの三次元画像を生成する。複数の三次元画像を位
置合わせをして合成する。合成した三次元画像をディス
プレイモニタ４に表示する。このようにして、任意の大
きさの被診断部位の所望の範囲の三次元画像が表示でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、超音波画像診断装
置に関し、特に、超音波診断装置における三次元画像表
示に関する。

【０００２】

【従来の技術】超音波画像診断装置により、生体の被診
断部位の三次元画像を表示して、立体的な観察により診
断を行うことが可能になっている。従来の超音波診断装
置には、特開平7-163558号公報に開示されたものなどが
ある。図４に、従来の超音波診断装置の構成を示す。図
４において、ＩＰ（Intensity Projection）処理部18
は、超音波プローブ16で得た最初のフレームデータを、
ＩＰデータとしてバッファメモリ19に記憶する。次に、
超音波プローブ16をスキャン面に略垂直な方向に移動さ
せて、所定位置毎に順に取得したフレームデータが入力
されたときに、そのフレームデータの中の１つのデータ
について、投影方向に沿って対応するデータを、バッフ
ァメモリ19に記憶したＩＰデータの中から読み出し、両
データの中でＩＰ処理を行い、その結果をＩＰデータの
中の１つのデータとしてバッファメモリ19に書き込むこ
とを繰り返す。そして、フレームデータが順に入力され
るのと並行して、バッファメモリ19のＩＰデータをＤＳ
Ｃ21で画像化し、ＣＲＴ24に表示する。ＩＰ処理方法を
変えることで、最大値、最小値、平均値、最大値＋最小
値の少なくとも一つの投影像をリアルタイムに得ること
ができる。

【０００３】また、ＩＰ処理部18により、投影方向の変
化するＩＰデータの画像を連続的に表示（シネ表示）す
るために、複数のＩＰデータをシネメモリ22に記憶す
る。そして、それら複数のＩＰデータから、なめらかな
シネ表示のために、例えば１度ピッチのＩＰデータ群を
補間処理部23で生成し、生成したデータはシネメモリ22
に記憶し、ＤＳＣ21でシネメモリ７からＩＰデータ群の
中の１つのＩＰデータを投影方向の変化する順に読み出
し、画像化し、連続的にＣＲＴ24に表示する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の三次元画像表示においては、超音波プローブをスキ
ャン面に垂直な方向に１回のみ移動し、得られた超音波
画像から三次元画像を構築するために、狭い範囲の画像
しか表示できないという問題があった。

【０００５】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、プローブの大きさや走査方向に制限されずに、任意
の大きさの被診断部位の広範囲の三次元画像を、所望の
方法や条件で作成して表示することのできる超音波画像
診断装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、超音波画像診断装置を、超音波プロ
ーブを一定速度で移動させて得た被診断部位のエコー情
報を物理的に連続した複数のエコー情報として記録する
エコー情報記録手段と、エコー情報を被診断部位の任意
の断面の二次元画像情報に変換する変換手段と、二次元
画像を連続して表示する表示手段と、二次元画像情報を
超音波プローブの移動毎に区別して記録する二次元画像
情報記録手段と、三次元画像を作成するための範囲を二
次元画像に基いて指定するとともに三次元画像を作成す
るための手法と条件を指定する入力手段と、指定範囲に
対応するエコー情報をエコー情報記録手段から読み出す
手段と、指定された手法と条件でエコー情報から三次元
画像情報を作成する手段と、三次元画像情報を記録する
三次元画像情報記録手段と、三次元画像を表示する手段
とを具備する構成とした。

【０００７】このように構成したことにより、記録手段
に残されているエコー情報から、異なる範囲、手法、条
件で異なる三次元画像情報を作成表示し、これを繰り返
すことで、一つの連続したエコー情報から異なる複数の
三次元画像を表示できる。

【０００８】また、二次元画像情報に基いて、超音波プ
ローブの移動部位に対応する複数の三次元画像を作成す
る手段と、複数の三次元画像を位置関係を保持して合成
した画像を一画面上に表示する手段とを設けた。

【０００９】このように構成したことにより、超音波プ
ローブの走査を複数回繰り返し、超音波プローブの移動
毎に区別して記録された二次元画像情報から、超音波プ
ローブの移動部位に該当する複数の三次元画像を構築
し、かつ一の画面上に位置関係を保持し合成画像を表示
できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図１〜図３を参照しながら詳細に説明する。

【００１１】図１は、本発明の実施の形態における超音
波画像診断装置の機能ブロック図である。本発明の実施
の形態は、位置を変えて複数回スキャン走査して得られ
た複数の超音波画像データを記憶し、それぞれの超音波
画像データから三次元画像を構築し、複数の三次元画像
を合成して１画面上に表示する超音波画像診断装置であ
る。図１において、超音波プローブ１は、電気信号を超
音波に変換して送出するとともに、超音波を受けて電気
信号に変換するトランスジューサである。超音波プロー
ブ１から送出される超音波の扇形の面を超音波断面と呼
び、超音波断面に垂直な方向（走査方向）に超音波プロ
ーブ１を移動させてスキャンする。受信信号処理部２
は、超音波プローブ１で受信した超音波信号を物理的に
連続した複数のエコー情報に変換処理する回路である。
デジタルスキャンコンバータ（ＤＳＣ）３は、受信信号
を二次元画像情報として表示するためのフォーマットに
変換する回路である。ディスプレイモニタ４は、ＣＲＴ
などの表示装置である。

【００１２】シネメモリ５は、物理的に連続した複数の
エコー情報を記録するメモリである。シネメモリ読出し
制御部６は、シネメモリに記録されたエコー情報を読み
出す回路である。三次元画像処理部７は、エコー情報を
もとに三次元画像情報を作成する手段である。シネメモ
リ書き込み制御部８は、三次元画像情報をシネメモリに
書き込む回路である。システム制御部９は、全体を制御
する手段である。入力装置10は、三次元画像を作成する
ための各種条件を指定するための装置である。シネメモ
リ読み込みアドレスカウンタ11とシネメモリ書込みアド
レスカウンタは、シネメモリのアドレスを発生する回路
である。外部接点スイッチ13は、１走査の開始と終了を
システム制御部９に通知するためのスイッチである。一
時記憶用メモリ14は、走査開始終了時刻を記憶するため
のメモリである。クロックタイマ15は、走査開始終了時
刻を取得するためのタイマである。

【００１３】図２は、超音波プローブの移動方向と、超
音波画像フレームを説明するための図である。図３は、
合成三次元画像表示フォーマットを示す図である。

【００１４】以上のように構成された本発明の実施の形
態における超音波画像診断装置の動作を、図１〜図３を
用いて説明する。最初に、図１に示す超音波画像診断装
置の概略動作を述べる。プローブ１で受信された超音波
信号は、受信信号処理部２を介して、デジタルスキャン
コンバータ３で、ディスプレイモニタ４に表示させるた
めのフォーマットに変換され、被診断部位の任意の断面
の二次元画像情報としてディスプレイモニタ４に表示さ
れる。それと同時に、受信した超音波信号を、受信信号
処理部２で物理的に連続した複数のエコー情報に変換し
て、シネメモリ５に記録する。また、シネメモリ読み出
し制御部６、シネメモリ書き込み制御部８、三次元画像
処理部７で、シネメモリに記録された複数のエコー情報
の一部を元に三次元画像情報を作成し、再びシネメモリ
に記録する。

【００１５】次に、図２を参照して、複数フレームの記
録方法を説明する。超音波プローブ１を、プローブの移
動開始点からプローブの移動終了点に向かい、一定速度
で移動する。超音波プローブ１で送信され、生体で反射
されて受信された超音波信号は、受信信号処理部２で増
幅、検波等の信号処理が行われ、シネメモリ５に、連続
したエコー情報として記録される。超音波プローブ１を
一定速度で移動しながら、シネメモリ５に、物理的に連
続したエコー情報を複数フレーム分記録する。図２に示
すように、プローブ移動方向に沿って、フレーム１、フ
レーム２、・・・・、フレームＮと、Ｎ枚分の断面のエ
コー情報として、シネメモリ５に記録される。

【００１６】図３を参照して、三次元画像情報の作成方
法を説明する。シネメモリに記録されたエコー情報は、
デジタルスキャンコンバータ３により二次元画像情報に
変換され、ディスプレイモニタ４に表示される。表示さ
れた連続二次元画像に基いて、図３に示す三次元画像を
作成するための注目範囲を指定する三次元ＲＯＩを、入
力手段により指定する。シネメモリ読み出し制御部６
は、連続したフレームから、三次元ＲＯＩによって指定
された部分のエコー情報だけを読み出す。三次元画像処
理部７で、二次元のエコー情報から三次元画像情報を作
成する。三次元画像処理部７では、ボリュームレンダリ
ングによる透過表示に変換する。さらに、その変換にあ
たっては、透明度の指定、検出したい表面の手前にある
ノイズをカットするための値の設定、表面をなめらかに
見せるためのフィルターの設定等を行い、図２に示す視
線方向から見た三次元画像を作成する。三次元画像処理
部７で作成された三次元画像情報を、シネメモリ書き込
み制御部８によりシネメモリ５に記録する。記録した三
次元画像情報は、デジタルスキャンコンバータ３によ
り、ディスプレイモニタ４に表示するためのフォーマッ
トに変換され、ディスプレイモニタ４に表示される。

【００１７】さらに、入力手段により、元の二次元画像
情報をディスプレイモニタに再度表示させ、三次元ＲＯ
Ｉの大きさ、フレームの指定、透明度の指定、検出した
い表面の手前にあるノイズをカットするための値の設
定、表面をなめらかに見せるためのフィルターの設定等
を再度行い、先に述べた手段と同様に、新たな三次元画
像を作成して表示する。このようにして、超音波プロー
ブにより一度記録した連続エコー情報から、何度でも三
次元画像情報を作成することができる。

【００１８】さらに、以下の方法により、広範囲の三次
元画像を表示することができる。 （１）各スキャンの開始前に、超音波プローブ１と一体
化したスイッチまたは外部接点スイッチ13により、１走
査の開始をシステム制御部９に通知し、シネメモリ５へ
の取り込みを開始する。それとともに、システム制御部
９は、この時刻Ts1をクロックタイマ15から読み込み、
一時記憶用メモリ14に記憶する。１走査中は、画像デー
タを連続してシネメモリ５に取り込む。１走査終了時
に、再び接点スイッチ13を押し、シネメモリ５への取り
込みを終了する。それとともに、システム制御部９は、
この時刻Te1をクロックタイマ15から読み込み、一時記
憶用メモリ14に記憶する。１走査中は、等速度で超音波
プローブ１を超音波断面に垂直な軸方向に、所定の部位
まで(移動距離Ｌ)移動する。超音波診断装置では、移動
の開始、終了時に時刻を記憶しているので、これらより
移動時間t1を知る。超音波診断装置は、１走査の開始お
よび終了時に、シネメモリアドレスカウンタ12に備えら
れているデータ書き込みアドレスを読み込み、該当する
１走査の開始、終了アドレスを一時記憶用メモリ14に記
憶する。 （２）次に、超音波プローブを１回目の超音波プローブ
移動面に隣接した部位に移動し、(1)と同じ手順で(１)
と同じ距離Ｌだけ移動する。データ書き込みアドレス
は、前回の最終アドレス＋１からスタートする。 （３）上記の（１）、（２）を繰り返し、所望の範囲の
超音波画像データをメモリへ取り込む。（１）で記録し
た１走査の画像メモリの開始、終了アドレスから各三次
元画像を構築し、図３に示す表示フォーマットで１画面
上に表示する。この時、移動時間は既知であるので、超
音波プローブ移動時の速度が求められ、これを三次元画
像構築時に使用することにより、移動方向の伸縮差を抑
制する。構築された各三次元画像は、入力部からの指示
に従い、デジタルスキャンコンバータ３の座標変換によ
り、その画像表示位置を調整することができ、隣接する
三次元画像間の位置合わせができる。

【００１９】上記のように、本発明の実施の形態では、
超音波画像診断装置を、位置を変えて複数回スキャン走
査して得られた複数の超音波画像データを記憶し、それ
ぞれの超音波画像データから三次元画像を構築し、複数
の三次元画像を合成して１画面上に表示する構成とした
ので、プローブの幅以上の範囲の被診断部位の三次元画
像を表示できる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、記録手段に残されているエコー情報から、異なる
範囲、手法、条件で異なる三次元画像情報を作成表示
し、これを繰り返すことで、一つの連続したエコー情報
から異なる複数の三次元画像を表示できるという効果が
得られる。

【００２１】また、超音波プローブの走査を複数回繰り
返し、超音波プローブの移動毎に区別して記録された二
次元画像情報から、超音波プローブの移動部位に該当す
る複数の三次元画像を構築し、かつ一の画面上に位置関
係を保持し合成画像を表示することで、所望の広範囲の
三次元画像を表示できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における超音波診断装置の
システムブロック図、

【図２】本発明の実施の形態における超音波プローブの
移動方向および得られる超音波画像フレームの説明図、

【図３】本発明の実施の形態における合成三次元画像表
示フォーマットを示す図、

【図４】従来の超音波診断装置のシステムブロック図で
ある。

【符号の説明】

１ 超音波プローブ ２ 受信信号処理部 ３ デジタルスキャンコンバータ ４ ディスプレイモニタ ５ シネメモリ ６ シネメモリ読み出し制御部 ７ 三次元画像処理部 ８ シネメモリ書き込み制御部 ９ システム制御部 10 入力装置 11 シネメモリ読み込みアドレスカウンタ 12 シネメモリ書込みアドレスカウンタ 13 外部接点スイッチ 14 一時記憶用メモリ 15 クロックタイマ

フロントページの続き Ｆターム(参考） 4C301 AA01 BB13 BB29 CC01 EE13 EE20 HH51 JB35 JC01 JC07 JC14 JC20 KK17 KK19 KK30 LL03 LL04 LL20 5B050 AA02 BA09 BA12 EA19 EA28 FA02 FA06 FA10 5C076 AA19 BA01 BA02 BA03 BA06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 超音波プローブを一定速度で移動させて
   得た被診断部位のエコー情報を物理的に連続した複数の
   エコー情報として記録するエコー情報記録手段と、前記
   エコー情報を被診断部位の任意の断面の二次元画像情報
   に変換する変換手段と、前記二次元画像を連続して表示
   する表示手段と、前記二次元画像情報を前記超音波プロ
   ーブの移動毎に区別して記録する二次元画像情報記録手
   段と、三次元画像を作成するための範囲を前記二次元画
   像に基いて指定するとともに三次元画像を作成するため
   の手法と条件を指定する入力手段と、指定範囲に対応す
   るエコー情報を前記エコー情報記録手段から読み出す手
   段と、指定された手法と条件で前記エコー情報から三次
   元画像情報を作成する手段と、前記三次元画像情報を記
   録する三次元画像情報記録手段と、三次元画像を表示す
   る手段とを具備することを特徴とする超音波画像診断装
   置。
2. 【請求項２】 前記二次元画像情報に基いて、前記超音
   波プローブの移動部位に対応する複数の三次元画像を作
   成する手段と、前記複数の三次元画像を位置関係を保持
   して合成した画像を一画面上に表示する手段とを備えた
   ことを特徴とする請求項１記載の超音波画像診断装置。