JPS6235758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 主として推進工法による埋設管敷設やトンネル
工事に用いる地下埋設用のセグネント・ヒユーム
管、先導管等（以下「推進管等」と総称する）に
おいては、施工後に裏込め用のモルタル等を注入
し、又は推進時に推進抵抗を軽減する滑剤を注入
する為の注入口が設けられている。

この注入口は、不使用時にはプラグで閉鎖して
施工し、裏込め材の注入等にはプラグをはずして
ホースを接続し、モルタルや滑剤を圧入するのが
普通であつた。このため、注入終了後ホースをは
ずすと、注入したモルタルや滑剤が管内に逆流し
て来るため、作業上非常に不具合であつた。この
不具合を解決するためには、注入口の入口部分に
逆止用の弁装置を取付けて、これにホースを接続
する手段がとられた。しかしこの手段によると、
管内に弁装置が凸出するので狭い管内の作業に邪
魔になる不都合があり、裏込め材の注入後には、
モルタル等の裏込め材が硬化した後に弁装置を取
りはずすため、弁装置内に逆流したモルタルも硬
化しているため、再使用にはその清掃のため非常
な労力を要する等の欠点があつた。

近時、上記不都合を解消させるため、合成樹脂
製の埋込み用逆止弁を予め注入口に取付けて置く
ことが開発された。ところが、従来のこの型の逆
止弁は、弁体とこれを注入口に取付けるための筒
体とが一体的に成形されたものであつたため、逆
流方向に強い圧力が作用しない不使用時の閉塞が
確実でなく、施工中の推進管等の周囲の地盤に湧
水があると、これが管内に流入すると言う不都合
があつた。

この考案は、このような湧水止めをも兼ね得る
埋込み用逆止弁を提供するものである。

この考案の実施例を添付図面に従つて説明す
る。

第５図は地下埋設用のセグメントＳを例示した
もので、その流入口には、通常セグメントＳその
他の推進管等（以下単に「管」と略称する）の内
側にホース等を取付けるための雌ねじ部１１を有
する注入管１が予め埋込まれている。

実施例の埋込み用逆止弁２は、第１図に示すよ
うに、注入管１の中間位置に固定し得る外周面と
して上記雌ねじ部１１に螺合する雄ねじ溝３１を
有する筒状本体３と、その内側に固定される別体
の弁体４とによつて構成されたものである。

筒状本体３は、注入管１に螺合するため当然円
筒体であるが、この筒状本体３に管の注入管１に
固定されてその内側から裏込め材や滑剤を圧入す
る場合、モルタル等の送入側となる送入側部分３
２の内法（うちのり・内径）が、送出側部分３３
の内法より小さく、その間に、管の外周方向に向
かう閉塞用段部３４が形成されている。

一方弁体４は、筒状本体の送入側部分３２の内
側に該筒体の軸方向に挿入されて、その両側端で
その内周面に密嵌し得る長さｌを有する板状の取
手部４１と、その軸方向の一側縁（上縁とする）
から両側方に延長し、筒状本体の送出側部分３３
内周面の平面形とほぼ等しい平面形を有する弁板
部分（全体を符号４２で示す）とから成る。弁板
部分４２は、その取手部側の面（下面とする）が
上記閉塞用段部３４の上面に密着し得る平坦な連
続した環状の周縁部分を有し、上面には、取手部
４１の上端と一体の中央部４３の両側に屈曲用の
凹溝４４，４４を隔てて半円形の弁板４０，４０
が一体に連設されたものである。４５は両側の凹
溝４４部分の底面をなす両側の肉薄部である。筒
状本体３の送入側部分３２には、弁体４の取手部
４１の両端部４６，４６を嵌入させるための嵌込
み溝３５，３５を有し、取手部４１の端部４６，
４６をこれに密に嵌合することにより、筒状本体
３と弁体４とを一体的に固定し得る。しかし、モ
ルタル圧入時等の注入圧に確実に耐え得るために
は、適当な接着材を用いて取手部の両端４６，４
６の端面と注入側部分３２の内周面とを固着させ
るのがよい。この嵌込み溝３５は、筒状本体３に
弁体４を嵌込む場合取手部４１の案内となつて両
者の結合を容易かつ正確にする。弁体の取手部４
１は、上記両者を結合する作業で弁本体取扱い上
の手掛りとなり、逆止弁組立後は、逆止弁の補強
用リブの役割を果す。

弁体４は、柔軟で弾性に富むナイロン、ポリエ
ステル等の弾性材料の射出成形等により容易に製
作でき、両側の弁板４０，４０は、外力を受けな
い自由状態でその底面が筒状本体の閉塞用段部３
４に密着するように平面となるように作ることが
できる。必要があれば、第３図に鎖線で示したよ
うに、弁板部分４２の中央部４３に近い部分より
遠い部分が取手部４１方向に傾いている自由形を
持つように作つて、筒状本体３に弁体４を組付け
たとき、弁板４０の底面を閉塞段部３４の受面に
弾性的に圧接させることもできる。なお第４図の
例は、弁板４０の上面外周に、送出部分３３の内
周面に摺接する環状の弁膜４７を設け、管外から
の湧水等の閉塞を一層確実にしたものである。

第６図に示すように、従来の埋込み用逆止弁
２′では、その筒状本体２２が、その上面に突出
して設けられた弁板２０，２０と一体に形成され
た合成樹脂の射出成形体であつたため、弁板２０
の底面とその受面となる筒状本体の上面２３と
は、モールドの形状の関係から、図示自由形状で
間隙を有することが避けられない。従つて、弁板
２０，２０上面に圧力が加わらない状態では、湧
水等が推進管等の内部に流入することが阻止でき
ない欠点があつた。２１は雄ねじ溝である。

これに対して、上記本考案の埋込み用逆止弁２
にあつては、第５図のように管Ｓの注入管１の中
間部に固定すると、管Ｓとその外周の地盤Ｅとの
間に滑剤や裏込め材としてのセメントモルタル等
Ｍを圧入する場合には、弁板４０がその圧入力に
よつて第１図鎖線図示のように弾性的に変形して
注入材Ｍを自由に通過させ、注入終了後は弁板４
０が自己の弾性及び注入材の外圧により必ず平面
形の原形に戻つて閉塞用段部３４上面に密着し、
その逆流を確実に阻止することはもとより、特に
外部からの圧力が掛らない湧水等の侵入をも確実
に阻止する効果がある。また、本考案の逆止弁に
おいては、弁板４０，４０の閉鎖用段部３４に対
する密着度を高めるために筒状本体３と弁体４と
を別体にしたにも関わらず、弁体４の取手部両端
部４６，４６を筒状本体３における厚みの大きい
送入側部分３２の内面に設けた嵌込み溝３５，３
５に嵌合することによつて両部材３，４を結合さ
せてあるので、両部材３，４の結合強度に不安が
なく長期の使用にも問題を来さないなどの利点も
ある。

なお、この種の埋込み用逆止弁では、第５図に
略示した逆止用の弁装置５を注入口に取付ける場
合のように管内に突出物を作らないので、作業の
障害となることがない。施工完了後、注入口は管
の内側からモルタル等で閉鎖するので、逆止弁２
は埋殺しとなるが、合成樹脂の射出成形等で安価
に提供できるものであるから、使用上に問題はな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の埋込み用逆止弁の一
例を示したもので、第１図は第２図−線によ
る縦断側面図、第２図は一部を第１図−線で
断面にして示したその平面図、第３図は弁体の斜
視図、第４図は弁膜を設けた弁体の要部を示した
拡大断面図、第５図は逆止弁の使用状態の断面
図、第６図は従来の埋込み用逆止弁の一部を断面
で示した側面図である。 Ｓ……セグメント（推進管等・管）、Ｅ……地
盤、１……注入管、２……逆止弁、３……筒状本
体、４……弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 推進管等の注入管１に固定される筒状本体３
   と、前記筒状本体３の内側に渡される取手部４１
   と、取手部４１を中心として両側に開く弁板４
   ０，４０とを備えて成る推進管等の埋込み用逆止
   弁において、弾性材料で取手部４１と弁板４０，
   ４０を一体に形成して成る弁体４を筒状本体３と
   は別体とし、前記筒状本体３の送入側部分３２の
   内法より送出側部分３３の内法を大きくして閉塞
   用段部３４を形成し、前記弁体４は筒状本体３の
   送入側部分３２の内面に設けた嵌込み溝３５，３
   ５に取手部４１の端部４６，４６を嵌込むことに
   よつて固定したことを特徴とする推進管等の埋込
   み用逆止弁。