JPS6234907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、トラツクターミナル等多
量の物品（荷など）を取扱う機関において、次々
と搬入されてくる物品を所要の箇所に捌き搬送す
べく設けられるコンベヤ設備の改良に関する。

トラツクターミナル等においては、多数の荷が
一時に集中して入荷された場合に対応するため
に、経路方向での多数箇所を荷のせ箇所とするか
なり長い入荷用コンベヤが設けられている。又、
入荷された荷のうちで一時的に保管しておく荷も
あり、このために、一時的に滞留しておく荷に対
する滞留用のコンベヤの複数個が、入荷用コンベ
ヤと交差する姿勢で入荷用コンベヤの長手方向に
並設されている。

ところで、上述の如く、長い入荷用コンベヤが
設けられているにも拘らず、次のような事情のた
めに、多数の荷が一時に集中して入荷されてきた
場合、能率的な荷のせ作業ができないでいるのが
実情である。即ち、入荷用コンベヤの始端側では
荷を次々とコンベヤ上にのせていつても何ら不具
合は生じないが、終端側に近くけば近づくほど、
それの上手側から送られてくる荷の数が多くて荷
と荷の隙間が小さくなる傾向があり、荷をコンベ
ヤ上にのせるに当たり、うまくタイミングをとら
なければならない苦心がいり、又、待ち時間が長
くなる。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、設備全体の大型化を抑制しな
がら、一時に集中して多数の荷が入荷されてきた
場合でも、荷のせ作業を能率的に行えるようにす
ることである。

上記目的を達成するための本考案の構成は、経
路方向での多数箇所を荷のせ箇所とする入荷用コ
ンベヤが設けられ、一時的に滞留しておく荷に対
する滞留用のコンベヤの複数個が、前記入荷用コ
ンベヤと交差する姿勢で前記入荷用コンベヤの長
手方向に並設され、前記入荷用コンベヤの中間部
から分岐し、且つ、前記入荷用コンベヤの終端部
に合流する迂回用コンベヤが、前記滞留用コンベ
ヤの前記入荷用コンベヤから離れる側の端部を迂
回する状態で配設され、前記迂回用コンベヤの経
路長が、前記入荷用コンベヤにおける前記迂回用
コンベヤの分岐部から終端部に至る経路長よりも
十分に長い状態に構成されていることにあり、そ
の作用効果は次の通りである。

即ち、入荷用コンベヤにおける前記分岐部より
上手側の部分にのせられた荷は、分岐部において
迂回用コンベヤに受け渡される。つまり、入荷用
コンベヤにおける前記分岐部より下手側の部分に
は、分岐部より上手側のコンベヤ部分にのせられ
た荷が進入してこない。従つて、分岐部下手側の
コンベヤ部分でも、分岐部上手側のコンベヤ部分
における荷のせ作業と同様に、時間待ちが少なく
てすみ、能率よく次々と荷をのせていくことがで
きる。

又、迂回用コンベヤの経路長が入荷用コンベヤ
の分岐部下手側部分の経路長よりも十分に長いの
で、多数の荷が一時に集中して入荷され、入荷用
コンベヤの分岐部上手側部分と下手側部分とにお
いて同時的に荷のせ作業を行う場合でも、前記上
手側の入荷用コンベヤ部分から迂回用コンベヤに
受け渡された荷のうち先頭の荷が、前記両コンベ
ヤの合流部に到達するまでには、下手側の入荷用
コンベヤ部分にのせられた全部又は大多数の荷が
すでに前記合流部を通過していることになる。従
つて、合流部において２系統の荷がかち合う可能
性はゼロ又は十分に低く、かち合う場合でもその
個数は僅かであるから、合流部で荷詰まりが生じ
るおそれがなく、スムーズに荷捌きすることがで
きる。

さらに、経路長が長い迂回用コンベヤを設ける
に、滞留用のコンベヤが設けられることを利用し
て、滞留用コンベヤの入荷用コンベヤから離れる
側の端部を迂回するように配設するものであるか
ら、例えば入荷用コンベヤの滞留用コンベヤが位
置する側とは反対側の側脇に、迂回用コンベヤを
配設する等の他の構造を採用するに較べて、設備
全体の大型化を抑制できるのである。

もつて、全体として、設備の小型化を図りなが
らも、荷のせ作業を能率的に行えるようになつ
た。

次に、本考案の実施例を、トラツクターミナル
に適用した場合につき、図面に基づいて説明す
る。

Ａはトラツクターミナルの２階に設けられた入
荷作業場を、又Ｂは１階に設けられた出荷作業場
を示す。

２は２階入荷作業場Ａに設けられた入荷用コン
ベヤとしての第一ベルトコンベヤで、スロープＳ
を通つて昇つてきた集配車ａ…を接車して、そこ
から卸した荷をフリーのローラコンベヤ１…を介
しての載置後、搬送する。３は、前記第一ベルト
コンベヤ２から大きく離れた位置でそれと平行に
設けられた第二ベルトコンベヤで、これら両ベル
トコンベヤ２，３は、水平又はほぼ水平姿勢に架
設され、夫々の長手方向中間で、分岐用ベルトコ
ンベヤ４を介して連絡されている。

５および６は、第一コンベヤ２および第二コン
ベヤ３の終端に連絡される受継用ベルトコンベヤ
で、両者５，６は合流具７を介して１階の出荷作
業場Ｂに通ずるベルトコンベヤ８に合流連絡され
ている。

前記分岐用ベルトコンベヤ４、第二ベルトコン
ベヤ３のうち３Ａで示される部分と、受継用ベル
トコンベヤ６とから、迂回用コンベヤが構成され
ることになる。そして、この迂回用コンベヤ４，
３Ａ，６は、後述する滞留用のコンベヤ２４の入
荷用コンベヤ２から離れる側の端部を迂回する状
態で配設されることになり、さらには、経路長
が、入荷用コンベヤ２における迂回用コンベヤ
４，３Ａ，６の分岐部から終端部に至る経路長よ
りも十分に長い状態に構成されている。

９と１０は、１階出荷場Ｂに互いに平行な接近
状態で設けられた仕分け用主ベルトコンベヤで、
両主コンベヤ９，１０の長手方向複数箇所には、
夫々の横外側方に向けて仕分け用シユート１１
…，１２…が分岐連絡されている。そしてシユー
ト１１…，１２…の終端には、フリーのローラコ
ンベヤ１３…，１４…が配設され、ここに輸送車
ｂ…が接車される。前記２−１階連絡用のコンベ
ヤ８は、その途中部分で２つに分岐され、これら
連絡用分岐コンベヤ８Ａ，８Ｂが適宜経路を経
て、夫々前記主コンベヤ９，１０の始端部に連絡
している。この連絡箇所には制御管制室１５，１
６が設けられ、送られてきた荷を各々どの輸送車
ｂ…に送るべきかの行先指令をなし、対応するダ
イバーダ１７，１８…に動作指令を出している。

１９，１９は、配送先から荷を、積載して或い
は卸されずに持ち帰つた輸送車b′から卸した荷を
搬送するベルトコンベヤ、２０，２０は、特別な
集配車a′から卸した荷を搬送するベルトコンベヤ
で、これら１９，１９、２０，２０は一つのベル
トコンベヤ２１に合流連絡されていて、このベル
トコンベヤ２１は前記とは別の制御管制室２２脇
を通過したあとで３つに分流される。２つ２１
Ａ，２１Ｂは前記仕分け用主コンベヤ９，１０に
連絡される。残りの一つ２１Ｃは２階入荷作業場
Ａの第二コンベヤ３に連絡されている。即ち、輸
送車b′又は集配車a′からの荷は管制室２２で行先
指令され、ダイバーダ２３，２３に動作指令を与
え、仕分け用主コンベヤ９又は１０或いは２階入
荷作業場Ａの第二コンベヤ３に送られる。

１階出荷作業場Ｂに設けられ、入荷物を機械的
に仕分けする設備全体をＤで示す。この設備Ｄ
は、１階での入荷物をも処理するものであるが、
この機能がない場合のものも含む。尚、ベルトコ
ンベヤ４，５，６，８，１９，２０，２１，２１
Ｃは、夫々複数個の組合わせで構成してある。

そして、２階入荷作業場Ａの一対の第一、第二
両ベルトコンベヤ２，３間に、２階で卸した荷の
うち１階に送ることが時期尚早の荷、或いは１−
２階連絡用のコンベヤ２１Ｃを介して１階から２
階へ送られてきた荷を一時的に滞留させておく設
備Ｃ（第２図参照。第１図では省略してある）を
設けてある。この設備Ｃは、前記両コンベヤ２，
３間に亘り、かつ、それらの長手方向に適当ほぼ
同間隔を隔てて（第２図では一部を省略してい
る）、一時的に滞留しておく荷に対する滞留用コ
ンベヤとしてのフリーローラーコンベヤ２４の複
数個を並設することにより構成されている。前記
各コンベヤ２４の長手方向両端部には、正逆転切
換可能な１つ又は少数の駆動ローラー（図示略）
が設けられ、送り込み、送り出し作業を補助して
いる。

集配車ａから荷を卸す作業車は荷に書き込んだ
送り先コード番号に基づいて、１階に送り出すべ
き荷か否かを判断し、仕分けする。送り出すべき
でない荷は、これを前方に押出すと前記駆動ロー
ラーにて移動力を与えられフリーローラーコンベ
ヤ２４上を奥部まで自動的に達し、順次奥部から
詰まつていく状態に滞留される。滞留された荷を
１階の作業状態を判断してフリーローラーコンベ
ヤ２４上を逆送し、第一ベルトコンベヤ２に送り
出す。

分岐用コンベヤ４よりも下手側で第一コンベヤ
２上に送り出された荷は受継用コンベヤ５を介し
て１階に送り込まれていく。分岐用コンベヤ４よ
りも上手側で第１コンベヤ２上に送り出された荷
は、分岐用コンベヤ４にて搬送されたのち、傾斜
案内板２５にて第二コンベヤ３の上位往行程部分
３Ａの上面に受け渡され、その進行方向終端に至
つて傾斜案内板２６にて受継用コンベヤ６に受け
渡されたのち１階に送り込まれていく。

１−２階連絡用のコンベヤ２１Ｃにて２階に持
ち上げられてきた荷は、傾斜案内板２７を介し
て、第二コンベヤ３の下位復行程部分３Ｂの上面
に受け渡され、その進行方向に沿つての搬送途上
で荷滞留設備Ｃの適宣のコンベヤ２４…その他の
台車２８…に移し替えられる。

即ち、この第二コンベヤ３は、集配車ａ…によ
つて集合された荷を、仕分けならびに積込みのた
めに１階の出荷作業場Ｂに送り出すといつた業務
と、この業務とは全く別異の、１階で輸送車b′又
は特別の集配車a′から卸された荷のうち、直ちに
輸送車ｂ…に積込みできず一時的に保管しなけれ
ばならない荷であつて、１−２階連絡用のコンベ
ヤ２１Ｃにて１階から２階まで搬送されてきたも
の（集配車ａ…からの荷とは全く別の荷）を、荷
滞留設備Ｃや台車２８…に向けて搬送するといつ
た業務との両業務に共用化されている。

尚、このコンベヤ３をベルト式とする以外、チ
エーン構成としても良い。又、適用機関は、トラ
ツクターミナル以外何でも良きものとする。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンベヤ設備の実施例を示
し、第１図はトラツクターミナルの全体斜視図、
第２図はその入荷作業場の拡大斜視図である。 ２……入荷用コンベヤ、４，３Ａ，６……迂回
用コンベヤ、３……無端回動式コンベヤ、３Ｂ…
…下位復行程部分、２４……滞留用のコンベヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 経路方向での多数箇所を荷のせ箇所とする入
   荷用コンベヤ２が設けられ、一時的に滞留して
   おく荷に対する滞留用のコンベヤ２４の複数個
   が、前記入荷用コンベヤ２と交差する姿勢で前
   記入荷用コンベヤ２の長手方向に並設され、前
   記入荷用コンベヤ２の中間部から分岐し、且
   つ、前記入荷用コンベヤ２の終端部に合流する
   迂回用コンベヤ４，３Ａ，６が、前記滞留用コ
   ンベヤ２４の前記入荷用コンベヤ２から離れる
   側の端部を迂回する状態で配設され、前記迂回
   用コンベヤ４，３Ａ，６の経路長が、前記入荷
   用コンベヤ２における前記迂回用コンベヤ４，
   ３Ａ，６の分岐部から終端部に至る経路長より
   も十分に長い状態に構成されているコンベヤ設
   備。 ２ 前記迂回用コンベヤ４，３Ａ，６の一部を構
   成するコンベヤ部分３Ａが、水平姿勢に架設さ
   れた無端回動式コンベヤ３の上位往行程部分を
   もつて構成されたものであり、かつ、この無端
   回動式コンベヤ３の下位復行程部分３Ｂも荷搬
   送作用部に構成されている実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載のコンベヤ設備。