JPS6234858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈要旨の概要〉 この考案は自動車等の車輛のエンジンルームと
車室との間に設けたボデイパネルの車室側に遮音
材として添設されたダツシユサイレンサが該ボデ
イパネルから延設されたクランプをダツシユサイ
レンサに形成された取付孔に挿通し曲折させて取
付られるようにされている車輛のダツシユサイレ
ンサ取付体構造に関する考案であり、特に、上記
ダツシユサイレンサの厚みに相当する高さを有す
ると共に、車室側に狭小するテーパ状の外周面を
有して別体形成されたスペーサがダツシユサイレ
ンサの取付孔に嵌装されている車輛のダツシユサ
イレンサ取付体構造に係る考案である。

〈従来技術〉 従来、第１図に示す様に、自動車１においてエ
ンジンルーム２と車室３との間に隔設されている
ボデイパネル４には該エンジンルーム２からの騒
音を遮断するべくダツシユサイレンサ５が添設さ
れている。

而して、該ダツシユサイレンサ５のボデイパネ
ル４に対する取付けは、第２図に示す様に、該ボ
デイパネル４に所定間隔で車室方向に溶接植立さ
れた短冊状クランプ６，６…に対して、ウレタン
エラストマー製表皮材７、及び、該表皮材７に一
体添設のウレタンフオームの吸音材８より成る所
定合成樹脂材製のダツシユサイレンサ５の取付孔
９，９…を嵌装させ、第３図に示す様に、上記表
皮材７より突出したクランプ６′を曲折させて取
付けるようにされていた。

又、近似する技術としては、実開昭55−31733
号公報に開示されたダツシユサイレンサ取付体構
造がある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 而しながら、上述従来の車輛のダツシユサイレ
ンサ取付体構造においては、第３図に示す様に、
該突出クランプ６′を折り曲げる際に、表皮材７
の取付孔９の開口部を支点にし易く、したがつ
て、その弾性を介して該取付孔９が拡開９′され
てエンジンルーム２からの騒音が車室３内に侵入
し、遮音効果を低下させるという欠点があり、
又、該表皮材７、及び吸音材８の曲折部近傍に於
ける可撓的摺曲が吸音性、遮音性を劣化させると
いう難点があつた。

又、設定取付孔９が拡開されるためダツシユサ
イレンサ５の取付孔９の開口が避けて、その点か
ら遮音性を低下させ、添着性を悪化させるという
不利点もあつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく車輛の
ダツシユサイレンサ取付体構造の問題点を解決す
べき技術的課題とし、遮音性が向上されると共
に、組み付け作業性も向上上されるようにして、
車輛産業における防音技術利用分野に益する優れ
た車輛のダツシユサイレンサ取付体構造を提供せ
んとするものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述問題点を解決
するために、エンジンルームと車室との間に隔設
されているボデイパネルに短冊状クランプを延設
し、一方、予め別体形成されたスペーサの外周面
を車室側に狭小するテーパ状に形成しておき、該
スペーサをダツシユサイレンサの取付孔に嵌入し
易くすると共に、隙間なく密着して取り付けられ
て遮音性が向上されるようにし、更に、スペーサ
の高さをダツシユサイレンサの厚みに相当する寸
法にすると共に、スペーサの上記短冊状クランプ
に対する挿入孔を車室側に狭小されるテーパ状に
形成し、該挿入孔の車室側先端を該クランプに対
応するスリツト状に開口させておき、而して、ダ
ツシユサイレンサの取付孔に嵌装されたスペーサ
の挿入孔に短冊状クランプを挿通し、該ダツシユ
サイレンサをボデイパネルの車室側に添設するよ
うにして、該クランプとスペーサとの隙間が極め
て小さくされ遮音性が向上されるようにし、更
に、上記クランプの先部をスペーサの車室側先端
にてダツシユサイレンサに鋭角的に曲折して固定
するようにして、堅固な装着が出来、見栄えも良
く、その上、取付作業性が極めて向上されるよう
にした技術的手段を講じたものである。

〈実施例−構成〉 次に、この考案の１実施例を第４図以下の図面
に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、第
１，２，３図と同一態様部分については同一符号
を用いて説明するものとする。

１０はスペーサであつて、硬質塩ビ製等の適宜
合成樹脂製であり、断面矩形状の角筒であつて、
その底部はフランジ１１が形成され、内部には第
４〜７図に示す様に、挿入孔１２が先端側に狭小
するテーパ状に穿設され、又、外周面も先端側に
狭小するテーパ状にされていて先端開口部１３は
クランプ６に対するスリツト状にされ、ダツシユ
サイレンサ５と同一厚さの高さにされて別体成形
されている。

又、ボデイパネル４に溶接植立されたクランプ
６は従来態様同様に短冊状に車室側へ内方突設さ
れ、ダツシユサイレンサ５は従来品同様ウレタン
エラストマー製遮音材の表皮材７と該表皮材７に
一体添設されたウレタンフオーム製の吸音材８か
ら成り、予め上記クランプ６の植設間隔毎にほぼ
スペーサ１０の外形に近いスリツト状の取付孔９
が対応して穿設されている。

〈実施例−作用〉 上述構成において、ダツシユサイレンサ５の各
取付孔９に上記別体の各スペーサ１０を吸音材８
側から挿入する。

そこで、この時、スペーサ１０の外周面が先端
側に狭小するテーパ状にされているので、取付孔
９への挿入は極めて容易であり、更に、スペーサ
１０をダツシユサイレンサ５に隙間なく密着して
嵌装させることが出来る。

而して、各スペーサ１０が嵌装された上記ダツ
シユサイレンサ５をその吸音材８をボデイパネル
４側に向け、各スペーサ１０の挿入孔１２に各ク
ランプ６を挿通させて、第４，６図に示す様に、
ボデイパネル４に添設する。

そして、添設が終えると該ダツシユサイレンサ
５の表皮材７に略面一に位置するスペーサ１０の
開口部１３を支点にして、第５，７図に示す様
に、クランプ６をして所定方向に曲折６′させて
ボデイパネル４にダツシユサイレンサ５を装着完
了する。

尚、この時に、クランプ６はスペーサ１０の開
口部１３を支点にして極めて鋭角的に曲折させる
ことが出来、その結果、ダツシユサイレンサ５は
ボデイパネル４に堅固に固定することが出来ると
共に、見栄えも良い。

したがつて、その間ダツシユサイレンサ５はそ
の取付孔９をしてスペーサ１０に当接させるよう
にしてあるので、クランプ６の挿入、曲折に直接
係り合うことなく、そのため第３図の様に取付孔
９が拡開することもなく、裂傷も生ぜず、ダツシ
ユサイレンサ自体の変形もなく、エンジンルーム
２よりの騒音遮断を設定通りに企ることが出来
る。

又、各スペーサ１０はダツシユサイレンサ５に
その取付孔９に於いて隙間なく密着して取付けら
れており、一方、スペーサ１０の挿入孔１２は車
室側に狭小されるテーパ状に形成され、しかも、
スペーサ１０の開口部１３とクランプ６との隙間
も極めて小さくされているので、エンジンルーム
２の騒音の車室３への遮音性は向上される。

更に、各スペーサ１０は別体形成されていて、
ボデイパネル４、又は、ダツシユサイレンサ５に
溶接、或いは、接着等の手段により固着する必要
がなく、ダツシユサイレンサ５に挿入嵌装させた
後に、クランプ６を挿通し曲折するだけで取り付
けることが出来るので、作業性が良いと共に、作
業工数も縮減され、生産性も向上される。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、他の態様、設計変更
が可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、自動車等の車輛のエ
ンジンルームと車室とを離隔しているボデイパネ
ルに対して、該ボデイパネルから延設されたクラ
ンプにスペーサを介装してダツシユサイレンサの
取付孔を外挿するようにし、該スペーサに対して
クランプを曲折するようにしたことにより、ダツ
シユサイレンサの取付孔の変形拡大が避けられ、
したがつて、透過音が無く、取付孔の周囲に裂け
目が生ずることによる漏音、取付不良も生ぜず、
又、ダツシユサイレンサもフラツトな状態が保て
設定通りの遮音性が維持出来るという優れた効果
が奏される。

又、スペーサの外周面が先端側に狭小するテー
パ状に形成されていることにより、ダツシユサイ
レンサの取付孔に嵌入し易くなると共に、該スペ
ーサとダツシユサイレンサは隙間なく密着して嵌
挿させることが出来、一方、スペーサの挿入孔は
車室側に狭小されるテーパ状に形成され、しか
も、スペーサの挿入孔の先端が短冊状クランプに
対応したスリツト状に開口されていることによ
り、スペーサとクランプとの隙間を極めて小さく
することが出来、その結果、エンジンルームから
の騒音は車室に漏洩することなく確実に遮断さ
れ、遮音性が極めて向上されるという優れた効果
が奏される。

そして、スペーサも極めて簡単な合成樹脂成形
で製造が出来、コストもほとんど上ることがない
利点がある。

更に、スペーサはダツシユサイレンサの厚みに
相当する高さに形成されていることにより、クラ
ンプの曲折に於いて、該スペーサの開口部を支点
にして折り曲げることが出来るので、該クランプ
を小曲率で曲折することが出来、見栄えが良いと
共に、ダツシユサイレンサの装着が正しく行わ
れ、装着状態も堅固に定着され、走行中の耐振性
も良く、したがつて、走行中の遮音性も良いとい
うメリツトがある。

又、スペーサは別体形成されていて、ボデイパ
ネル、又は、ダツシユサイレンサに溶接、或い
は、接着等の手段により固着させる必要がなく、
該スペーサをボデイパネルの取付孔に嵌挿させた
後にクランプをスペーサの挿入孔に挿通し曲折す
るだけで取付けることが出来るので、取付作業性
が極めて良く、作業工数も縮減できて生産性を向
上させることが出来るという優れた効果も奏され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のダツシユサイレンサ取付状態
の要部側面図、第２図は従来技術に基づく装着拡
大断面図、第３図は同装着後の取付孔拡開断面
図、第４図以下はこの考案の１実施例をすもので
あり、第４図は第２図相当断面図、第５図は取付
完了断面図、第６，７図は第４，５図部分斜視図
である。 ２……エンジンルーム、３……車室、４……ボ
デイパネル、６，６′……クランプ、５……ダツ
シユサイレンサ、９……取付孔、１０……スペー
サ、１３……開口、１２……挿入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンルームと車室との間に隔設されている
   ボデイパネルから延設された短冊状クランプが該
   ボデイパネルの車室側に添設されたダツシユサイ
   レンサの取付孔に挿通され曲折されている車輛の
   ダツシユサイレンサ取付体構造において、予め別
   体形成されたスペーサが上記ダツシユサイレンサ
   の厚みに相当する高さにされて車室側に狭小形成
   されるテーパ状の外周面を有すると共に上記短冊
   状クランプに対する挿入孔を車室側に狭小形成さ
   れるテーパ状にされ先端開口をスリツト状に形成
   されており、而して上記取付孔に該スペーサを嵌
   装されたダツシユサイレンサがスペーサの挿入孔
   に上記短冊状クランプを挿通してボデイパネルに
   添設され、短冊状クランプがスペーサの車室側先
   端でダツシユサイレンサに曲折されていることを
   特徴とする車輛のダツシユサイレンサ取付体構
   造。