JPS6232A - 慢性関節リウマチ性貧血治療剤 - Google Patents

慢性関節リウマチ性貧血治療剤

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JPS6232A
JPS6232A JP61022930A JP2293086A JPS6232A JP S6232 A JPS6232 A JP S6232A JP 61022930 A JP61022930 A JP 61022930A JP 2293086 A JP2293086 A JP 2293086A JP S6232 A JPS6232 A JP S6232A
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epo
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rheumatoid arthritis
cells
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 て含何する慢性関節リウマチ性貧血治療剤に関する。
エリスロポエチン(以下EPOと略記することもある)
は主として腎で生産される糖タンパクであり骨髄に存在
する赤芽球系幹細胞に働いて赤血球系細胞への分化を促
進する作用を有する体液性造血因子として知られている
ヒ)EPOに関する研究は多数報告されているが、入手
できる純粋なヒトEPOの量に制約があること等からヒ
)EPOの医薬としての有用性および有効性については
未だ不明である。
近年、慢性関節リウマチ患者に於ける合併症として、貧
血症が島頻度で認められており(例えば、Nilsso
n  F  ;  アクタ メデイカ スカンジナビ力
すプリメンタム (Acta.Med.  Scand
Suppl.  2UfL巻 193頁(1948L 
 RobertsFD等 ; ブラッド(Bloocl
)n1巻 470頁(1963)等を参照コ、特に重度
の貧血は臨床的に患者の治療上重要な問題となっている
貧血の機序としては、一般的に鉄代謝異常による網内系
に於ける鉄補足、鉄放出障害、牌の関与、エリスロポエ
チン産生障害、溶血、造血幹細胞の異常などが考えられ
るが、慢性関節リウマチ性貧血の場合、大部分が正球性
低色素性貧血であること、平均赤血球ヘモグロビン濃度
が低下していること、骨髄中の赤芽球が減少しているこ
と、赤血球中の遊離プロトポルフィリンが増加している
などの事実から[例えば、Wint robe MM 
:クリニカルヘマトロジー (ClinicalHem
atoloJl’)  871頁 リー アンド フェ
ビガーロンド7  (Lea  &  Febiger
  London)(1974)を参照コ鉄代謝異常に
よる赤血球内の鉄不足に起因して貧血が起こると考えら
れている。
しかしながら、慢性関節リウマチ患者に於ける血中EP
O値は貧血の程度が強くなっても対応して上昇しないこ
とが報告されており(例えば、WardHP等 ; ジ
ャーナル オブ ラボラトリ−アンド クリニカルメデ
ィ’/7CJ、   L a b、  CI  i  
n、Me d、  ヱ圭巻93頁 (1989)、Pa
vlovic−KenteraV等; スカンジナビア
ン ジャーナル オブ ヘマトロジー(Scand、J
、Haematol、)i1巻141頁(1979)な
どを参照コ、この事は慢性関節リウマチ性貧血にエリス
ロポエチン産生障害も関与している可能性を示唆してい
るか、慢性関節リウマチ患者に於いてはEPOの産生臓
器である腎や甲状腺等での異常が観察されていない事か
ら実際にエリスロポエチン産生障害が生じているか否か
は不明である。従って血中EPO値が上昇しない理由と
して、その他、EPOに対する骨髄での感受性が低下し
ていることや、EPOのインヒビターが産生されている
可能性が考えられている。
従って慢性関節リウマチ性貧血患者にヒ)EPOを投与
しても貧血治療に有効であるか否かは疑問であった。ヒ
)EPOの作用効果に関してはこれまで多数報告されて
いるが慢性関節リウマチ性貧血の治療薬として有効であ
ることをヒト又は動物に実際に投与することによって実
証した者はない。
本発明者等は人尿中から高純度に精製したヒトEPoお
よびヒ)EPOをコードする遺伝子を宿主細胞内で形質
発現させて得たヒトEPOを用いて慢性関節リウマチ疾
患の動物モデルについて貧血治療効果を調べたところ、
ヒトEPoが顕著な貧血治療効果を示したことから慢性
関節リウマチ性貧血治療薬として有効であることを見い
出し本発明を完成した。
本発明は新規な慢性関節リウマチ性貧血治療剤の提供に
係るものである。
すなわち本発明はヒトエリスロポエチンを有効成分とし
て含宵する慢性関節リウマチ性貧血治療剤である。
本発明に用いられるヒトエリスロポエチンとは前述の如
き赤血球系細胞への増殖、分化成熟をっがさ°どる微量
生理活性物質として規定される。
ヒトEPOは種々の手段によって得られることが知られ
ており、例えば、正常人尿や再生不良性貧血患者の尿又
は血漿(血清を含む)がら抽出する方法 [T、MIY
AKE等; ジャーナル オブ バイオロジカルケミス
) IJ−(J、B、C,)  212巻 5558頁
(1977)+  J、P、Lewin等; ジャーナ
ル オブ ラボラトリ−77ド クリニカル メディシ
ン(J、Lab、Cl1n、Med。
■巻987頁 (19Et5)]、ヒ ト腎癌細胞の組
織培養物から製造する方法[特開昭54−55790コ
、ヒトエリスロポエチン産生能を何するヒト由来のリン
パ芽球様細胞から製造する方法[特開昭57−4041
1]等の他、ヒト細胞株を細胞融合して得られるハイブ
リドーマを培養して得る方法やヒトEPOのメツセンジ
ャーRNA (mRNA)を採取することにより、その
mRNAを利用して組換DNA体を作成し、適当な宿主
細胞(例えば、大腸菌の如き細菌類、酵母類。
植物又は動物の細胞株等)で生産させるような、所謂、
遺伝子工学的方法によっても得られる[例えば、 5Y
LVIA  L、H,等 ; プロシーディング オブ
ザ ナシ式ナル アカデミ−オブ サイエンシーズ オ
ブ ザユーエスx−(Proc、Nat 1.Acad
、Sc i。
USA l−巻 2708頁 (1984)  を参照
コ。
前記の動物細胞株は種々の細胞株を用いることができる
が、好ましくはヒト又は吐乳動物由来の培養細胞株であ
り、例えば、cos細胞。
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、マウスC
−127細胞などを挙げることができる。
これらの方法によって得られたヒトEPOは慢性関節リ
ウマチ性貧血の治療に有効であるような十分な酸素運搬
機能を有する成熟赤血球細胞を増殖させる限り、全て本
発明に使用され得る。
上記の方法に於いて、尿または培養上清中に含まれてい
るヒトEPOは、所望により通常の単離・精製法によっ
てさらに濃縮・精製される。例えば、安息香酸、エタノ
ール、アセトン、タンニン酸等の何機溶媒による沈殿法
、硫安等による塩析法、濃縮真空透析等の透析法、ゲル
ろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー等の各種クロマ
トグラフィー法、等電点電気泳動、ゲル電気泳動等の電
気泳動法などが挙げられ、これらの方法は単独でまたは
適宜組合わせて用いてもよい。
得られたヒトEPOは凍結保存とするかまたは凍結乾燥
、真空乾燥等の手段により水分を除去して保存すること
ができる。さらにはヒトEPO含宵水溶液に水溶性塩類
もしくは親水性有機溶媒を添加して有効成分を析出させ
、゛得られた沈殿物を乾燥して保存することもできる。
また所望により、ヒトEPOを適当な緩衝液に溶解した
後、ミリポアフィルタ−等で無菌ろ過して注射剤とする
ことができる。
本発明の貧血治療剤は場合によりその他の貧血治療剤、
例えば鉄剤、ビタミンB12製剤、男性ホルモン剤等を
処方的に配合するかまたは使用時に混合することができ
、前記鉄剤の例として乾燥硫酸第一鉄、フマール酸鉄、
グルコン酸鉄、グルクロン酸鉄、オロチン酸鉄等が挙げ
られる。
本発明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤に含まれるヒ)
EPOの投与量、投与回数は対象の疾患患者の病状を配
慮して決めることができるが通常成人1人当たり 0.
1〜500μg好ましくは5〜100μgのエリスロポ
エチンを含有する製剤を1a間に1〜7回投与すること
ができる。
本発明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤は安定化物質を
含んでいてもよく、該安定化物質として、例えば、ポリ
エチレングリコール、タンパク質。
糖類、アミノ酸、無機塩、何機塩および含硫還元剤が挙
げられ、これらの1つ又は2つ以上を含有してもよい。
これらの安定化物質の添加量は、エリスロポエチンの1
重量部にたいして0.11〜1oooo重量部の割合で
配合することが好ましい。なお、2つ以上の安定化物質
を混合して使用する場合においてもそれらの総量が上記
範囲以内であればよい。
これらの安定化物質は相応する量を適当な濃度とpHの
水溶液に調整して使用する。この水溶液の浸透圧比は0
.1〜3.0 の範囲とし、より好ましくは0.8〜1
.2  である。水溶液のpHは5.0〜9.0に調整
し、特にpH8〜8に調整するのが好ましい。また本発
明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤を調整するにあたっ
ては、吸着防止剤を添加してもよい。
MIYAKE、T、等の方法(J、B、C,λ江555
8(1977))に従って再生不良性貧血患者圧から1
)SephadexG50による脱塩2)DEAEセル
ロースによるバッチ吸着3)エタノール沈殿4)DEA
Eアガロースカラムクロマトグラフィーを用いて部分精
製されたヒトEPOを得た。得られた部分精製ヒ)EP
Oを24%プロパツール(和光純薬社製)を含む0.1
  %トリフルオロ酢酸(Aldrich社製)溶液に
溶解せしめたのちHPLCによる精製を行った。HPL
C装置は日立638−50型を用い280nmと220
nmの紫外部吸収により検出を行った。
゛   ロマトグラフ − 24%n−プロパツールを含んり0.1  %トリフル
オロ酢酸溶液で予め平衡化したMMC−C8カラム(6
mmX30cm山村化学社製)に上記で得られた試料を
注入シ、前記平衡化溶液で溶出させた。未吸着画分が溶
出後n−プロパツールの濃度を26%に高めて溶出させ
た。EPOの活性画分を集めた後、Cent r i 
con−100(Amicon社製商品名)を用いた限
外ろ過により 0.1 〜0.2 mlに1縮した。
−゛     ロマトグラフ − 上記濃縮試料を26%n−プロパツールを含む 0.1
%TFA溶液で予め平衡化したTSK−G300SWカ
ラム(7,8mmX60cm東洋曹達社製)に注入し、
前記平衡液で溶出させた。分子量25000〜3000
0の位置にEPO活性を宵するピークが得られたので、
この部分を集めて凍結乾燥した。
比活性は約9 X 10’u / m gであった。
各ステップに於ける比活性を表■に示す。
表1 *アッセイ法  1scove  N、N等 [ジャー
ナル オブセルラー フィジオロジ−(J、 Ce l
 1. phyS i o 1. )U巻 309頁 
(1974)]の方法に従った。
参考例2    ′ に  ヒト   の1′12月2
7日に出願された発明の名称「真核細胞の形質転換のた
めの補助DNAを含むベクター」(特願昭59−281
862)に開示された方法に従って、ヒトEPOをコー
ドする遺伝子を組込んだプラスミドをチャイニーズハム
スター卵巣細胞(CHO細胞)で形質発現させることに
よってヒトEPOを得た。要約すると以下の如(である
ヒト胎児肝細胞から得られたヒトEPOをコードする遺
伝子を組込んだラムダHEPOFL13クローンからの
DNAをEcoRlで消化させ、EPoをコードする遺
伝子を含む小さなR1フラグメントを取り出しプラスミ
ドRKI−4のEc。
R1部位へ挿入した。このEPO遺伝子を組込んだプラ
スミドRKI、−4をDHFR=欠損CHO細胞に組入
れて形質転換させた。CHO細胞を核酸を欠如したアル
ファ媒地中で培養することによって少なくとも1つのD
HFR遺伝子を有する細胞を選択した後、段階的にメト
トレキサートの濃度を高めてゆくことによってヒトEP
Oを産生させた。最終的な培養上清中のヒトEPOの比
活性は20 u/m lであった。得られたヒトEPO
を含む培養液は0.1  %BSAを含む生理食塩水に
て透析した後実験に供した。
8週令の雌性LEW/Crjラット(日本チャールスリ
バー社より購入)にアジュバント(W山B株50mg/
m1)0.05 mlをラット尾部に皮下投与した。投
与後27日目のアジュバント処理ラットについて関節炎
の生起を確認した後、種々の赤血球パラメーターを測定
した。(表工)〈測定項目〉 ・ヘモグロビン量:眼か採血ののち分光光度計(RaB
A s u 1) e r発売元中外製薬)により測定 ・ヘマトクリット値:へマドクリット管により眼か採血
ののち常法にて測定 ・赤血球数:眼か採血した血液を希釈液(ISOTON
 (コールタ−エレクトロニクス社商品名))で希釈し
コールタ−カウンターM o d e IZBIにて測
定した 表1アジュバントラットにおける赤血球パラメーターの
変化 **p<o、 ot Adjuvant感作 27日目測定 各群 4匹 表Iに示す如くアジュバント処理ラットは、赤血球パラ
メーターについてのすべての測定値(ヘモグロビン量、
ヘマトクリット値、赤血球数)で正常ラットに対して仔
意な差を示し貧血状態に陥っていることを示した。
アジ バント  :ラントに司  。
1のアジュバント処理ラットについてアジュバント注射
後18日月から7日間人尿由来ヒ)EPO(25u/ラ
ット/日)を腹腔内に連日投与した群と無投与群との赤
血球パラメーターを比較した。
(表■) 表■ 人尿由来ヒ)EPOの貧血治療効果1のアジュバ
ント処理ラットについてアジュバント注射後18日月か
ら7日間CHO細胞由来ヒトEP。
(10u/ラット7日)を腹腔内に連日投与した詐き無
投与群との赤血球パラメーターを比較した。
(表■) 表III CHO細胞由来ヒトEPOの貧血治療効果表
■、■に示される如くアジュバントラット群に比べてヒ
)EPO投与群ではへマドクリット値、ヘモグロビン量
、赤血球数の仔意な改善効果が見られたことから貧血治
療に有効であることがわかった。
またこれ等の実験条件下に於いて毒性は認められなかっ
た。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発
明はこれ等に限定されるべきものではない。
実施例1 エリスロポエチン       1重量部ヒト血清アル
ブミン   100重量部注射用蒸留水にて全量 to
oooo重量部上記組成比で無菌的に溶液を調製し、バ
イアル瓶に分注し、凍結乾燥し密封した。
実施例2 実施例1におけるヒト血清アルブミンに代えてデキスト
ラン40を100ffiffi部用い、同様にて凍結乾
燥製剤を作製した。
実施例3 100ml中にマンニトール5g、エリスロポエチン1
 m g + ヒト血清アルブミン100mg、アセチ
ルトリプトファンナトリウム 2.154mg。
カプリル酸ナトリウム 1.33mgを含む水溶液を無
菌的に調製し、1 m lずつバイアルに分注し凍結乾
燥し密封する。
実施例4 pH7,0の0.05Mリン酸緩衝液100m1中にエ
リスロポエチン1 m g v ポリエチレングリコー
ル4000 500mg、 エチレンオキサイドプロピ
レンオキサイド共重合体30 m g +塩化ナトリウ
ム800mgを含む水溶液に無菌的に調製し、1mlず
つアンプルに分注し溶閉する。
実施例5 pH7,0の0.05Mリン酸緩衝液50m1中にエリ
スロポエチン0.5mg、グリシン1g。
ンルビトール1gを含む水溶液を無菌的に襄製し、0.
5mlずつバイアルに分注し、凍結乾燥し密封する。別
に0.1 %メチルセルロース水溶液を無菌的に調製し
、1mlずつアンプルに分注し、溶解用溶液とする。
実施例6 100m1中にエリスロポエチン1mg、ヒト血清アル
ブミン50 m g +  マンニトール500mgを
含む水溶液を無菌的に調製し、1mlずつバイアルに分
注し凍結乾燥し密封する。
別に300m1中にグリコン酸第二鉄3g、NaCl2
.7gを含む水溶液を無菌的に調製し、3mlずつアン
プルに分注し、溶封する。
上記1バイアルを1アンプルに溶解し徐々に(2〜3分
で)静注する。
手続補正書(自発) 昭和61年4月25日 特許庁長官   宇 賀  道 部 殿1、事件の表示 昭和61年特許願第22930号 2、発明の名称 慢性関節リウマチ性貧血治療剤 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 東京都北区浮間5丁目5番1号 4、 補正の対象 明細書全文 5、 補正の内容  別紙の通り (注)書類送付先及び連絡先 特許部 置 (031987−7111(大代表)明   細 
  書 1、発明の名称 慢性関節リウマチ性貧血治療剤 2、特許請求の範囲 (1) ヒトエリスロポエチンを有効成分として含佇す
る慢性関節リウマチ性貧血治療剤。
(2) ヒトエリスロポエチンが人尿由来のものである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の慢性関節
リウマチ性貧血治療剤。
(3) ヒトエリスロポエチンがヒトエリスロボエチン
のアミノ酸配列をコードする遺伝子を宿主細胞内で形質
発現させて得たものであることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の慢性関節リウマチ性貧血治療剤。
(4) 宿主細胞が大腸菌、酵母、植物または動物の細
胞株のいずれかであることを特徴とする特許請求の範囲
第3項記載の慢性関節リウマチ性貧血治療剤。
(5) 宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞で
あることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の慢性
関節リウマチ性貧血治療剤。
(6) 宿主細胞がCOS細胞であることを特徴とする
特許請求の範囲第3項記載の慢性関節リウマチ性貧血治
療剤。
3、発明の詳細な説明 本発明はヒトエリスロボエチン(以下「ヒトEPOJと
いう)を有効成分として含有する慢性関節リウマチ性貧
血治療剤に関する。
本願明細書においてヒトEPOとは、ヒト固有のアミノ
酸配列を有するポリペブタイドであって、適宜糖鎖を有
するかまたは育さないものであり、例えばヒト尿由来の
もの(以下「ヒト尿EPOJという)7、ヒトEPOの
アミノ酸配列をコードする遺伝子を宿主細胞内で形質発
現させることにより得られるもの(以下「ヒトrEPO
Jという)ヒト腎癌細胞の組織培養物から得られるもの
、あるいはヒトEPO産生能を育するヒト由来の細胞株
を細胞融合して得たハイブリドーマを培養して得られる
もの等を含む。また単にエリスロポエチン(以下rEP
OJという)という場合、それはヒトに限らず、種々の
動物において骨髄に存在する赤芽球系幹細胞に働いて、
赤血球系細胞への分化成熟、増殖を促進する作用を示す
微量生理活性物質をいう。
ヒト尿EPOに関する研究は多数報告されているが、ヒ
トEPOの医薬としての有効性については未だ不明であ
る。
近年、慢性関節リウマチ患者に於ける合併症として、貧
血症が高頻度で認められており[例えば、Ni1sso
n  F;アクタ メゾイカ スカンジナビ力 サプリ
メンタム(Acta  Med。
5cand、5upp1.)210巻193頁(194
8年)、Roberts  FD等;ブラッド(Blo
od)21巻470頁(19E33年)などを参照コ、
特に重度の貧血は臨床的に患者の治療上重要な問題とな
っている。
貧血の機序としては、一般的に鉄代謝以上による網内系
に於ける鉄補足、鉄放出障害、牌の関与、EPO産生障
害、溶血、造血幹細胞の異常などが考えられるが、慢性
関節リウマチ性貧血の場合、大部分が正球性低色素性貧
血であること、平均赤血球ヘモグロビン濃度が低下して
いること、骨髄中の赤芽球が減少していること、赤血球
中の遊離プロトポルフィリンが増加しているなどの事実
から[例えば、Wintrobe  MM;クリニカル
 ヘマトロジ−(C1inical  Hem゛ato
logY)671頁、リー アンド フェビガー ロン
ドン(Lea&Febiger  L。
ndon)(1974年)を参照コ鉄代謝異常による赤
血球内の鉄不足に起因して貧血が起こると考えられてい
る。
しかしながら、慢性関節リウマチ患者に於ける血中EP
O値は貧血の程度が強くなっても対応して上昇しないこ
とが報告されており[例えば、Ward  HP等;ジ
ャーナル オブ ラボラトリ−アンド クリニカル メ
デイシン(J、Lab。
CI in、Med、)74巻93頁(1989年)、
Pavlovic−Kentera  V等;スカンジ
ナビアン ジャーナル オブ ヘマトロジ−(Scan
d、J、Haematol、)23巻141頁(197
9年)などを参照コ、この事は慢性関節リウマチ性貧血
にEPO産生障害も関与している可能性を示唆している
が、慢性関節リウマチ患者に於いてはEPOの産生臓器
である腎や甲状腺等での異常が観察されていない事から
実際にEPO産生障害が生じているか否かは不明である
。従って血中EPO値が上昇しない理由として、その他
、EPOに対する骨髄での感受性が低下していることや
、EPOのインヒビターが産生されている可能性が考え
られている。
従って慢性関節リウマチ性貧血患者にヒ)EPOを投与
しても貧血治療に有効であるか否かは疑問であった。ヒ
ト尿EPOの作用効果に関してはこれまで多数報告され
ているがヒト尿EPOをはじめとするヒトEPOが慢性
関節リウマチ性貧血の治療薬として有効であることをヒ
ト又は動物に実際に投与する9とによって実証した者は
ない。
本発明者等は高純度に精製したヒト尿EPOおよびヒト
EPOのアミノ酸配列をコードする遺伝子を宿主細胞内
で形質発現させて得たヒ)rEP。
を用いて慢性関節リウマチ疾患の動物モデルについて貧
血治療効果を調べたところ、これらのヒトEPOが顕著
な貧血治療効果を示したことから慢性関節リウマチ性貧
血治療薬として有効であることを見い出し本発明を完成
した。
本発明は新規な慢性関節リウマチ性貧血治療剤の提供に
係るものである。
すなわち本発明はヒトEPOを有効成分として含有する
慢性関節リウマチ性貧血治療剤である。
本発明に用いられるヒトEPOは種々の手段によって得
ることができ、例えば、ヒト尿EPOは正常人尿や再生
不良性貧血患者の尿から抽出することにより得ることが
できる[:T、MIYAKE等、ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー(J、 B、 C,)、2
52巻5558頁(1977年);J、P、Lewin
等、ジャーナル オブ ラボラトリ−アンド クリニカ
ルメディ’i7 (J、Lad、CI in、Med、
)66巻987頁(1985年)コ。
またヒトrEPoはヒトEPOのアミノ酸配列に対応す
るメツセンジャーRNA (mRNA)を採取し、壱の
mRNAを利用して組換DNA体を作製し、次いで適当
な宿主細胞(例えば、大腸菌の如き細菌類、酵母類、植
物又は動物の細胞株等)で生産させるような、所謂、遺
伝子工学的方法によって得られる。[例えば、5YLV
IA  L。
H,等;プロシーディンゲス オブ ザ ナシロナル 
アカデミ−オブ サイエンシーズ オブザ ニー  −
”ス :r−−(Proc、Natl。
Acad、Set、USA)81巻 2708頁(19
84年)を参照。コ 前記の動物細胞株は種々の細胞株を用いることができる
が好ましくはヒト又は噴孔動物由来の培養細胞株であり
、例えば、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(
CHO)細胞、マウスC−127細胞などを挙げること
ができる。この他、ヒト腎癌細胞の組織培養物から製造
する方法[特開昭54−55790] 、ヒトEPO産
生能を有するヒト由来のリンパ芽球様細胞から製造する
方法[特開昭57−404111 、ヒト細胞株を細胞
融合して得られるハイブリドーマを培養して得る方法等
によっても製造することができる。
これらの方法によって得られたヒトEPOは慢性関節リ
ウマチ性貧血の治療に有効であるような十分な酸素運搬
機能を有する成熟赤血球細胞を増殖させる限り、全て本
発明に使用され得る。
上記の方法に於いて、尿または培養上清中に含まれてい
るヒトEPOは、所望により通常の単離・精製法によっ
てさらに濃縮・精製される。例えば、安息香酸、エタノ
ール、アセトン、タンニン酸等の有機溶媒による沈殿法
、硫安等による塩析法、濃縮真空透析等の透析法、ゲル
ろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー等の各種クロマ
トグラフィー法、等電点電気泳動、ゲル電気泳動等の電
気泳動法などが挙げられ、これらの方法は単独でまたは
適宜組合せて用いてもよい。
得られたヒトEPOは凍結保存とするかまたは凍結乾燥
、真空乾燥等の手段により水分を除去して保存すること
ができる。さらにはヒトEPO含何水溶液に水溶性塩類
もしくは親水性有機溶媒を添加して有効成分を析出させ
、得られた沈殿物を乾燥して保存することもできる。ま
た所望により、ヒトEPOを適当な緩衝液に溶解した後
、ミリポアフィルタ−等で無菌ろ過して注射剤とするこ
とができる。
本発明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤は場合によりそ
の他の貧血治療剤、例えば鉄剤、ビタミンB12製剤、
男性ホルモン剤等を処方的に配合するかまたは使用時に
混合することができ、前記鉄剤の例として乾燥硫酸第一
鉄、フマール酸鉄、グルコン酸鉄、デキストラン鉄、グ
ルクロン酸鉄、オロチン酸鉄等が挙げられる。
本発明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤に含まれるヒ)
EPOの投与量、投与回数は対象の疾患患者の病状を配
慮して決めることができるが通常9X10’u/mgヒ
トEPOとして成人1人当たり0.1〜500μg好ま
しくは5〜100μgのヒ)EPOを含有する製剤を1
週間に1〜7回投与することができる。
本発明の慢性関節リウマチ性貧血治療剤は安定化物質を
含んでいてもよく、該安定化物質として、例えば、ポリ
エチレングリコール、タンパク質、糖類、アミノ酸、無
機塩、有機塩および含硫還元剤が挙げられ、これらの1
つ又は2つ以上を含有してもよい。
これらの安定化物質の添加量は、ヒ)EPOの1重量部
にたいして0.11〜1oooo重量部の割合で配合す
ることが好ましい。なお、2つ以上の安定化物質を混合
して使用する場合においてもそれらの総量が上記範囲以
内であればよい。
これらの安定化物質は相当する量を適当な濃度とpHの
水溶液に調整して使用する。この水溶液の浸透圧比は0
.1〜3.0の範囲とし、より好ましくは0.8〜1.
2である。水溶液のpHは5゜0〜9.0に調整し、特
にpH8〜8に調整するのが好ましい。また本発明の慢
性関節リウマチ性貧血治療剤を調整するにあたっては、
吸着防止剤を添加してもよい。
参考例1 ヒト    の1゛ MIYAKE、T、等の方法[ジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリー (J、B。
C,)252巻5558頁(1977年)コに従って再
生不良性貧血患者床から、1)SephadexG50
による脱塩、2)DEAEセルロースによるバッチ吸着
、3)エタノール沈殿、4)DEAEアガロースカラム
クロマトグラフィーを用いて部分精製されたヒト尿EP
Oを得た。
°  ロマト ラフ − 得られた部分精製ヒト尿EPOを24%プロパツール(
和光紬薬社製)を含む0.1%トリフルオロ酢酸(Al
drich社製)溶液に溶解せしめたのちHPLCによ
る精製を行った。HPLC装置は日立838−50型を
用い280nmと220nmの紫外部吸収により検出を
行った。
24%n−プロパツールを含んだ0.1%トリフルオロ
酢酸溶液で予め平衡化したYMC−C8カラム(8mm
X30cm山村化学社製)に上記で得られた試料を注入
し、前記平衡化溶液で溶出させた。未吸着画分が溶出後
、n−プロパツールの濃度を26%に高めて溶出させた
。EPOの活性画分を集めた後、Cent r ico
n−100(Amicon社製商品名)を用いた限外ろ
過により、0.1〜0.2mlに濃縮した。
ロマト ラフ − 上記濃縮試料を26%n−プロパツールを含む0.1%
TFA溶液を予め平衡化したTSK−G3000SWカ
ラム(7,8mmX60cm東洋曹達社製)に注入し、
前記平衡液で溶出させた。
分子量25000〜aooooの位置にEPO活性を有
するピークが得られたので、この部分を集めて凍結乾燥
した。比活性は約9X104uンmgであった。
各ステップに於けるヒトEPO活性を表Iに示す。
*アッセイ法 l5cove  N、N等[ジャーナル
 オブ セルラー フィジオ ロジ−(J、Ce11.Ph1s iol、)83巻309頁(19 74年)コの方法に従った。
参考例 2        ヒ     の″昭和59
年12月27日に出願された発明の名称「真核細胞の形
質転換のための補助DNAを含むベクター」 (特願昭
59−281862)に開示された方法に従って、ヒト
EPOのアミノ酸配列をコードする遺伝子を組込んだプ
ラスミドをチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)で形質発現させることによってヒトrEPoを得た
要約すると以下の如くである。
ヒト胎児肝細胞から得られたヒトEPOのアミノ酸配列
をコードする遺伝子を組込んだラムダHEPOFL13
クローンからのDNAをEcoRlで消化させ、ヒトE
POのアミノ酸配列をコードする遺伝子を含む小さなR
1フラグメントを取り出しプラスミドRKI−4のEc
oR1部位へ挿入した。このヒ)EPO遺伝子を組込ん
だプラスミドRKI−4をDHFR−欠損CHO細胞に
組入れて形質転換させた。CHO細胞を核酸を欠如した
アルファ媒地中で培養することによって少な(とも1つ
のDHFR遺伝子を有する細胞を選択した後、段階的に
メトトレキサートの濃度を高めてゆくことによってヒト
rEPoを産生させた。
最終的な培養上清中のヒトrEPoの活性は20u/m
lであった。
CHO細胞を無血清培養液で3日間培養した後、ヒト尿
EPOで用いた精製方法に準じてヒトrEPOを精製し
た。得られたヒトrEPoはKrystal等の方法[
ジャーナル オブ ラボラトリ−アンド クリニカル 
メディスン(J、 Lab、CI in、Med、)9
7巻144頁(1981年)コにより6800 u/m
 1の活性を有していた。またこのヒトrEPoはSD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果、単一のバン
ドであることが確認された。
得られたヒトrEPoに0.1%BSAを加え、生理食
塩水にて透析した後、実験に供した。
8週令の雌性LEW/Cr jラット(日本チャールス
リバー社より購入)にアジュバント(青山B株50mg
/m1)0.05m1をラット尾部に皮下投与した。投
与後27日口のアジュバント処理ラットについて関節炎
の生起を確認した後、種々の赤血球パラメーターを測定
した。(表I)く測定項目ジ 拳ヘモグロビン量:眼から採血ののち分光光度計(Ra
BA  5uper発売元中外製薬)により測定 ・ヘマトクリット値:へマドクリット管により眼から採
血ののち常法にて測定 ・赤血球数:眼から採血した血液を希釈液[l5OTO
N (コールタ−エレクトロニクス社商品名)コで希釈
しコールタ−カウンターModeIZBIにて測定した
**p<0.01 Adjuvant感作 27日目測定  各群  4匹 表Hに示す如くアジュバント処理ラットは、赤血球パラ
メーターについてのすべての測定値(ヘモグロビン量、
ヘマトクリット値、赤血球数)で正常ラットに対して有
意な差を示し貧血状態に陥っていることを示した。
アジ パン   さう・・トに・番 ヒト1のアジュバ
ント処理ラットについてアジュバント注射後18日月か
ら7日間ヒト尿EPO(25u/ラット/日)を腹腔内
に連日投与した群と無投与群との赤血球パラメーターを
比較した。
(表■) 表■ ヒト尿EPOの貧血治療効果 測定項目      アジュバントラフト   EPO
投与ラフト各群7匹          X京p <0
.011のアジュバント処理ラットについてアジュバン
ト注射後18日月から7日間CHO細胞由来ヒトrEP
o(10u/ラット7日)を腹腔内に連日投与した群と
無投与群との赤血球パラメーターを比較した。(表■) 表■、■に示される如くアジュバントラット群に比べて
ヒトEPO投与群ではへマドクリット値、ヘモグロビン
量、赤血球数の有本な改善効果が見られたことから貧血
治療に宵効であることがわかった。
またこれ等の実験条件下に於いて毒性は認められなかっ
た。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発
明はこれ等に限定されるべきものではない。
実施例1 上記組成比で無菌的に溶液を調整し、バイアル瓶に分注
し、凍結乾燥し密封した。
実施例2 実施例1におけるヒト血清アルブミンに代えてデキスト
ラン40を100重量部用い、同様にて凍結乾燥製剤を
作製した。
実施例3 100ml中にマンニトール5g1ヒト尿EP0 1m
g1ヒト血清アルブミン100mg1アセチルトリプト
ファンナトリウム2.154mg1カプリル酸ナトリウ
ム1; 33mgを含む水溶液を無菌的に調整し、1m
lずつバイアルに分注し凍結乾燥示し密封する。
実施例4 pH7,0の0.05Mリン酸緩衝液100m1中にヒ
ト尿EP01mg、ポリエチレングリコロール4000
500mg1工チレンオキサイドプロピレンオキサイド
共重合体30 m g 1塩化ナトリウム800mgを
含む水溶液に無菌的に調整し、1mIずつアンプルに分
注溶閉する。
実施例5 pH7,0の0.05Mリン酸緩衝液50m1中にCH
O細胞由来ヒトrEPOo、5mg、グリシン1g1ソ
ルビトール1gを含む水溶液を無菌的に調整し、o−5
m1ずつバイアルに分注し、凍結乾燥し密封する。別に
0.1%メチルセルロース水溶液を無菌的に調整し、1
mlずつアンプルに分注し、溶解用溶液とする。
実施例6 100m1中にヒト尿EPO1mg1ヒト血清アルブミ
ン50 m g %マンニトール500mgを含む水溶
液を無菌的に調整しs 1ml!、ずつバイアルに分注
し凍結乾燥し密封する。
別に300m1中にグリコン酸第二鉄3g1NacI 
 2.7gを含む水溶液を無菌的に調整し、3mlずつ
アンプルに分注し、溶封する。
上記1バイアルを1アンプルに溶解し徐々に(2、〜3
分で)静注する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ヒトエリスロポエチンを有効成分として含有する
    慢性関節リウマチ性貧血治療剤。
  2. (2)ヒトエリスロポエチンが人尿由来のものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の慢性関節リウマチ性貧血治療剤。
  3. (3)ヒトエリスロポエチンがヒトエリスロポエチンを
    コードする遺伝子を宿主細胞内で 形質発現させて得たものであることを特徴 とする特許請求の範囲第1項記載の慢性関 節リウマチ性貧血治療剤。
  4. (4)宿主細胞が大腸菌、酵母、植物または動物の細胞
    株のいずれかであることを特徴と する特許請求の範囲第3項記載の慢性関節 リウマチ性貧血治療剤。
  5. (5)宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞であ
    ることを特徴とする特許請求の範 囲第3項記載の慢性関節リウマチ性貧血治 療剤。
  6. (6)宿主細胞がCOS細胞であることを特徴とする特
    許請求の範囲第3項記載の慢性関 節リウマチ性貧血治療剤。
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