JPS6232362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープ装置に於けるリール台のク
ラツチ部のシートはみ出し防止装置に関してい
る。

このようなクラツチは、伝達トルクを安定化す
る目的で、クラツチプーリとフエルトとの間にテ
フロンシート等を挿入して使用しているが、この
シートは回転時にクラツチ外周方向にはみ出して
しまう欠点があつた。

そこで、従来、このようなはみ出しを防止する
ために、シートを接着するか、あるいは第１図に
示すように、クラツチプーリ１０に軸方向の段部
１２を設け、この段部１２にフエルト１４と共に
シート１６を挿入する等の処置をとつていた。

前者の方法に於いては、シートの接着のために
附加的な工程を必要とするばかりか信頼性に欠け
る欠点があり、一方第１図に示す構成に於いては
段部１２を比較的深く形成する必要があり、従つ
てプーリ形状が複雑となると共にクラツチの厚さ
が必然的に厚くなつてしまう。

またこの段部１２の外径とシート１６の中心孔
の径を精度良く形成してもシート１６の自身の遠
心力と不均一さによつてシートがだ円形状にゆが
み、はみ出すことがある。

本考案は、従来装置のこのような欠点を極めて
簡単な構成で解消することにある。

第２及び３図は本考案の一実施例を示し、２０
はクラツチプーリ、２２は高分子樹脂、例えばテ
フロン（登録商標等）よりなるシート、２４はフ
エルトである。本考案によれば、クラツチプーリ
２０の孔２１の周囲にわずかな（例えば0.5mm程
度）の段差を有する突出段差部２６を設け、フエ
ルト２４の内径Ｒを突出段差部２６の頂部の外径
γより大きくかつ略等しく、即ちＲ＞γでかつＲ
≒γとなるように選定し、かつフエルト２４の内
径よりも小の内径を有するシート２２を挾み込む
ことによつて第２図に示すようにシート２２の孔
の周囲を絞り、それによつてフエルト２４及びク
ラツチプーリ２０間でシートを固定し、シートが
はみ出ることを防止したものである。

このような構成をもつてすれば、フエルトの固
定のために接着剤等によるような附加手段を何ら
使用する必要はなく、しかもクラツチ部を特別に
加工する必要はない。またフエルト２４の内径を
突出段差部２６の頂部の外径より大きくかつ略等
しく選定しているので、シートが段部に沿つて変
形されるため、フエルトの内径エツジとシートに
形成された段部が噛み合いシートの遠心力によつ
てもシートがゆがむことがない。更にクラツチの
厚みを減少させることができるので、特に小形の
装置に好ましく使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の断面図、第２図は本考案の
一実施例装置の断面図、第３図は第２図の装置の
分解斜視図である。 図で、２０はクラツチプーリ、２２はシート、
２４はフエルト、２６は段差部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸孔周辺位置に円形の突出段差部を有するクラ
   ツチプーリと、上記突出段差部の頂部の外径より
   大きくかつ略等しい内径を有するリング状のフエ
   ルトと、上記突出段差部の頂部の外径よりも径の
   小さい中心孔を有するリング状の高分子樹脂シー
   トを備え、上記突出段差部の高さは上記高分子樹
   脂シートの厚さよりも大きくかつ上記フエルトの
   厚さよりも小さく形成されていると共に、上記フ
   エルトと上記クラツチプーリの間に上記高分子樹
   脂シートを介在させて上記フエルトを上記クラツ
   チプーリに対して圧着することにより上記クラツ
   チプーリ及びフエルト間で上記高分子樹脂シート
   を上記突出段差部上で絞り出し、それによつて上
   記高分子樹脂シートを固定したことを特徴とする
   磁気テープ装置におけるリール台のクラツチ機
   構。