JP3134479B2 - リール駆動装置 - Google Patents

リール駆動装置

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JP3134479B2 JP04093730A JP9373092A JP3134479B2 JP 3134479 B2 JP3134479 B2 JP 3134479B2 JP 04093730 A JP04093730 A JP 04093730A JP 9373092 A JP9373092 A JP 9373092A JP 3134479 B2 JP3134479 B2 JP 3134479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばオーディオ用カ
セットテープ等のリール駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種リール駆動装置には、カセ
ットテープをハブ駆動軸に挿着しようとする際、ハブ駆
動軸の駆動爪にカセットテープのテープハブのリール爪
が乗り上げたとき、ハブ駆動軸がカセットテープの挿着
位置まで押し下げられ、その後ハブ駆動軸の回転に伴っ
てテープハブのリール爪がハブ駆動軸の駆動爪に係合さ
れると、ハブ駆動軸が押し上げられカセットテープの挿
着状態になる動作が行われるいわゆるリミッタばね作用
が行われるばね部材が挿入されている。
【0003】また、これとは別にリール駆動装置には、
テープの走行中に、テープが弛まないためにテープに一
定の張力を保持するいわゆるバックテンショントルクを
得るためのばね部材が挿入されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
リール駆動装置は、テープハブのリール爪乗り上げ防止
用のリミッタばねと、テープバックテンション用のばね
部材との用途の異なる2つのばね部材が挿入されている
ため、部品点数が多くなり、かつリール駆動装置の組み
立てもその分、工数を要し時間がかかるといった問題が
あった。
【0005】本発明は、上述したような問題点を解消す
るためになされたもので、リミッタばねとバックテンシ
ョン用のばね部材とを1つのばね部材で兼用し、これに
よって、部品点数を削減し、かつ組み立て工数の短縮化
を図るようにしたリール駆動装置を得ることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によるリール駆動装置は、合成樹脂材により
成形され、金属材の支持基板上に固定され立設された支
持軸と、支持軸に一体成形され、支持基板上に配設され
るようにしたフランジ部と、支持軸に回転自在に挿着さ
れ、回転伝達部材により回転駆動されるハブ駆動軸を有
するリール台と、支持軸の外周側に挿着されてフランジ
部上に保持され、リール台を上方向へ付勢するばね部材
を備え、ばね部材は、テープハブのリール爪乗り上げ
防止用のリミッタばね作用と、テープバックテンション
ばね作用とを兼用するようにしたものである。
【0007】
【作用】上述のように構成した本発明によるリール駆動
装置は、カセットテープがハブ駆動軸に挿着される際、
ハブ駆動軸の駆動爪にカセットテープのテープハブのリ
ール爪が乗り上げたとき、ハブ駆動軸がばね部材を圧縮
して押し下げられカセットテープを挿着位置まで下降さ
せる。その後、回転伝達部材によりハブ駆動軸が回転さ
れ始めると、駆動爪はテープハブのリール爪の乗り上げ
が解除されると同時にハブ駆動軸はその加圧力が解除さ
れ、ばね部材の復元力によって押し上げられハブ駆動軸
の駆動爪にテープハブのリール爪が係合され、カセット
テープの正常な挿着状態となる。
【0008】また、ばね部材は、支持軸に一体成形した
フランジ部とハブ駆動軸との間に介装されているので、
回転中のハブ駆動軸にはばね部材を捩じる方向の摩擦抵
抗が生じることになり、これによって、ハブ駆動軸に係
合して回転されているテープハブには、テープが弛まな
いためテープに一定の張力を保持するいわゆるバック
テンションばね作用が得られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明によるリール駆動装置の一例を示し
た断面図である。図において、支持基板となるメカシャ
ーシ1上には例えば、ポリアセタール等のプラスチック
部材からなる中空軸状の支持軸2が固定され立設されて
いる。詳しくは、支持軸2はその外周部に形成したフラ
ンジ部2aと鍔部2bとでメカシャーシ1を上下から挟
持するように、成形金型を用いたアウトサート成形によ
り設けられている。
【0010】そして、上述した支持軸2にはプラスチッ
ク部材よりなるリール台3が回転可能に支持されてい
る。このリール台3は、下部に水平に張り出す円板部4
の外周に歯部4aと、リール台3の中心に円筒状に突出
しその外周に3つの駆動爪5a(図1では1つのみ現れ
ている)を有するハブ駆動軸5と、ハブ駆動軸5の内部
中心を垂下する軸部6との一体成形品からなり、軸部6
が支持軸2の内部を挿入されリール台3は軸部6を回転
中心として支持されている。また、軸部6はその下端に
設けた突部6aが支持軸2の端部に当接してリール台3
の抜け出しを防止している。尚、突部6aは軸部6を支
持軸2内へ挿入した際、支持軸2の下端部を弾性変形し
押し開いて通過させたものである。
【0011】一方、支持軸2の外周にはばね部材として
のコイルスプリング7が挿着され、このコイルスプリン
グ7は、その下端が支持軸2のフランジ部2a上に当接
され、上端がハブ駆動軸5の下面に当接されるように介
装されている。これによって、リール台3はハブ駆動軸
5と共にコイルスプリング7を圧縮作用して支持軸2に
沿って所定量押し下げられる動作が行える。また、コイ
ルスプリング7の伸長状態でのリール台3は、支持軸2
に対して軸部6の上下の2か所の受部6a,6bによっ
て支持され軸振れなく回転動作する。8はリール台3の
歯部4aとかみ合ってリール台3と共にハブ駆動軸5を
回転動作させるための回転伝達歯車、また、9はハブ駆
動軸5によって回転駆動されるカセットテープで、リー
ルハブ10に形成したリール爪10aがハブ駆動軸5の
駆動爪5aと係合されているカセットテープの挿着状態
である。尚、カセットテープ9はここではカセット筐体
を仮想線で示してある。
【0012】次に上述したリール駆動装置の動作につい
て説明する。まず、図1に示したようにハブ駆動軸5に
カセットテープ9が挿着された通常の状態について説明
すると、テープの再生及び/又は記録動作時において、
回転伝達歯車8がリール台3の歯部4aとかみ合い、リ
ール台と共にハブ駆動軸5が回転駆動されると、このハ
ブ駆動軸5と係合するリール爪10aを介してリールハ
ブ10は回転動作し図示しないテープが走行移動する。
このハブ駆動軸5は常にコイルスプリング7と接触して
回転することになるので、回転中のハブ駆動軸5にはコ
イルスプリング7を捩じる方向の摩擦抵抗が生じること
になり、ハブ駆動軸5に係合して回転されているテープ
ハブ10には、テープが弛まないためにテープに一定の
張力を保持する例えば、3g・cmの適正なバックテンシ
ョントルクを発生させる作用が得られる。
【0013】また、コイルスプリング7はその下端が金
属板のメカシャーシ1の上に当接されるものでなく、プ
ラスチック部材からなる支持軸2のフランジ部2a上に
当接させたものであるので、リール台3の回転時、コイ
ルスプリング7とフランジ部2aとの間にそれ程大きな
摩擦抵抗もなく円滑に回動させることができる。
【0014】次にカセットテープがハブ駆動軸5に正常
に挿着されなかった場合について説明すると、ハブ駆動
軸5の駆動爪5aにカセットテープ9のテープハブ10
のリール爪10aが図2及び図3に示すように乗り上げ
たときには、リール台3と共にハブ駆動軸5がコイルス
プリング7を圧縮して押し下げられカセットテープ9を
その挿着位置まで下降させる。このときのコイルスプリ
ング7のばね圧は一例として30gに設定されている。
そして、テープの再生及び/又は記録動作により回転伝
達歯車8によってハブ駆動軸5が回転され始めると、駆
動爪5aはテープハブ10のリール爪10aの乗り上げ
が解除されると同時にハブ駆動軸5はその加圧力が解除
され、コイルスプリング7の復元力によって押し上げら
れハブ駆動軸5の駆動爪5aが図3の仮想線に示すよう
にテープハブ10のリール爪10aが係合され、カセッ
トテープの正常な挿着状態となってテープの通常の走行
状態となる。つまり、コイルスプリング7はハブ駆動軸
5の駆動爪5aにリールハブ10のリール爪10aが乗
り上げたときでもこれを解除するリミッタばねの作用が
得られるようになっている。
【0015】上述のように構成した本発明によるリール
駆動装置は、ハブ駆動軸5の駆動爪5aにリールハブ1
0のリール爪10aが乗り上げたときでもこれを解除す
るリミッタばねの作用と、テープの走行中、テープに一
定の張力を得るためのバックテンションばね作用とを1
つのコイルスプリング7で兼用できるようにしたので、
ばね部材が1つで済むことはもとより、これに伴う部材
が削減でき全体として部品点数を大幅に削減することが
できる。また、これら部品点数の削減によってリール駆
動装置の組み立て工数も少なくて済みリール駆動装置の
コストダウン化が可能となる。
【0016】尚、本発明は、上述しかつ図面に示した実
施例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範
囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例で
はばね部材としてコイルスプリング7を例にとって説明
したが、上述した作用が得られるものであればその他の
ばね部材を用いることであってもよい。また、支持軸2
に対するリール台3の抜け止め方法としては実施例のも
のに限定するものでなく、その他の構成であってもよ
い。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるリール
駆動装置は、1つのばね部材で、ハブ駆動軸の駆動爪に
リールハブのリール爪が乗り上げたときこれを解除する
リミッタばね作用と、テープに一定のバックテンション
ばね作用とを兼用させるようにしたので、リール駆動装
置の部品点数大幅に削減することができ、これに伴っ
てリール駆動装置の組み立て工数も削減でき、よって、
リール駆動装置のコストダウン化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるリール駆動装置の断面図
である。
【図2】実施例によるハブ駆動軸にカセットテープが乗
り上げた状態の断面図である。
【図3】実施例によるハブ駆動軸にカセットテープが乗
り上げた状態の平面図である。
【符号の説明】
1 メカシャーシ 2 支持軸 2a フランジ部 3 リール台 4a 歯部 5 リール駆動軸 5a 駆動爪 6 軸部 7 コイルスプリング 8 回転伝達歯車 9 カセットテープ 10 リールハブ 10a リール爪

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材により成形され、金属材の
    持基板上に固定され立設された支持軸と、上記支持軸に一体成形され、上記支持基板上に配設され
    るようにしたフランジ部と、 上記支持軸に回転自在に挿着され、回転伝達部材により
    回転駆動されるハブ駆動軸を有するリール台と、 上記支持軸の外周側に挿着されて上記フランジ部上に保
    持され、上記リール台を上方向へ付勢するばね部材と
    備え、 上記ばね部材は、テープハブのリール爪乗り上げ防止用
    のリミッタばね作用と、テープバックテンションばね作
    用とを兼用することを特徴とするリール駆動装置。
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