JPS6219649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハブとテープ固定片とから構成され
るテープリールに関する。

従来、外周上の一部に切欠部を設けて該切欠部
にテープを挿入した上で、テープ固定片を圧入す
ることによりテープを固定するようにしたオーデ
イオまたはビデオ用テープカセツトに収容される
テープリールとしては、例えば第２図に示したも
のが知られている。第２図において、Ｔは磁気テ
ープ、１はテープリール、２はハブ、３は切欠
部、４はテープ固定片であり、係合部４ａとフラ
ンジ４ｂから形成されている。先づ、テープＴを
切欠部３内に挿入してからテープ固定片４の係合
部４ａを該切欠部３に圧入すると、二つの係合部
４ａ，４ａが各々内側に回動するように一旦変形
して圧入され、その後、これらの係合部４ａ，４
ａが復原することによりテープＴが図示の如く挟
持固定される。従つて第２図においてテープＴに
対して矢印Ａ方向に張力が加わると、テープ固定
片４の係合部４ａは矢印Ｂ方向に回動しようとす
るので、テープがより強く固定されるようになつ
ている。

しかしながら、上記従来構造のものにおいて
は、第一に、テープ巻回時にハブ２の中心へ向う
圧力によりテープ固定片４の両端が図面下方に変
形してテープ固定片４の外周面とハブ２の外周面
との間に段差が生じ、その結果テープに折り目が
ついてしまつたり、ハブの真円度が損われること
となりテープ走行に悪影響を及ぼす欠点があつ
た。第二に、テープ固定片４は、その両端にウエ
ブ４ｃと係合部４ａが夫々形成されるから形状が
大きくなつてしまい、第三に、ハブ２側にも二つ
の切欠部３，３が設けられることから、係合部４
ａの挿入には大きな力を必要とするという欠点が
あつた。

本考案は、以上の点に鑑み、テープ固定片のハ
ブ切欠部への係合を、フランジの両翼部及び係合
部の内側端部により四箇所で支持することによつ
て、テープ巻回時にテープ固定片とハブとの間に
生ずる段差を除去せしめて真円度を高め、テープ
に対して張力が加えられて浮き上がつても張力が
除かれると復原し得ると共に、テープ固定片の形
状をシンプルとなし、テープ固定片のハブへの取
り付けがワンタツチで容易に行い得る上、取り付
け状態が堅固であるテープリールを提供せんとす
るものである。

以下、第１図に示した実施例により本考案のテ
ープリールの構成を説明する。Ｔは磁気テープ、
１はテープリール、２０は、外周に切欠部２２が
形成されていて、該切欠部２２の開口部２３の一
方に突起部２４を有するとともに該開口部２３の
左右端縁部に段部２６，２６が形成されたハブ、
４０はテープ固定片であり、右側端部４１′が上
記突起部２４の下側に係止されるとともに左側端
部４１″が上記切欠部２２の壁面２５に係合する
係合部４１と、該係合部４１より延びる幅狭に形
成されたウエブ４２と、ハブ２０の外周面と整合
する同心円弧状外周面を有し、両翼部４３′，４
３′が上記切欠部２２の段部２６，２６に嵌入し
て当接するフランジ４３とを備えている。

次に、上記テープリール１の作用について説明
する。先づ、テープＴを切欠部２２内に挿入して
からテープ固定片４０の係合部４１を該切欠部２
２内に圧入すると、嵌合の際に係合部４１が内側
に回動するように該ウエブ４２が変形する。その
結果、係合部４１は突起部２４を通過して切欠部
２２内に収容される。その後係合部４１が変形せ
しめられたウエブ４２の復原力によつて外側に回
動せしめられ、その右側端部４１′が切欠部２２
の突起部２４に係合して把持され、同時に、フラ
ンジ４３の両翼４３′，４３′が切欠部２２の段部
２６，２６に当接する。かくして、テープ固定片
４０は切欠部２２に係合したときに符号Ｘ，Ｙ，
Ｚで示された四箇所で切欠部２２に支持され同時
に各点Ｘ，Ｘ，Ｙ，ＺでテープＴを挟持する。従
つて、テープ巻回時にハブ２０の中心に向う圧力
が働いても、テープ固定片４０は両翼部４３′，
４３′で切欠部２２の段部２６，２６に当接支持
されているから、変形してテープ固定片４０とハ
ブ２０との間で外周面に段差を生ぜしめるような
ことがない。又、テープ固定片４０は点Ｘ，Ｘ，
Ｙ，Ｚの四箇所で切欠部２２に係合支持されてい
るから、テープＴに対して矢印Ｃ方向に張力が加
わつてテープ固定片４０が多少浮き上がつたとし
てもはずれてしまうようなことはなく、張力が除
かれれば、再び元の係合状態に戻り得るようにな
つている。更に、テープ固定片４０は、夫々一個
の係合部４１及びウエブ４２とフランジ４３とよ
り形成されるから形状が小さくシンプルとなる。
その上、ウエブ４２は幅狭に形成されるから十分
な可撓性を有することになる。又、段部２６，２
６の周方向の寸法を、ハブの開口部の同方向の寸
法と同程度としたので、翼部４３′，４３′の該段
部２６，２６への嵌合状態が安定する。

上述の如く本考案によれば、磁気テープはテー
プ固定片をハブの切欠部に嵌合させたときに両翼
部、係合部の左右の側端部による四箇所で支持さ
れるように構成したから、テープ固定片をハブの
切欠部に固定したときに、両翼部がハブの開口部
両側に形成された段部に嵌合するので、ハブの外
周面とフランジとの間の段差がなく、テープに折
り目がつく虞がない。同時にハブの真円度が高く
なるので、安定なテープ走行が得られる利点があ
る。また、磁気テープは両翼部と係合部の左右端
部で支持され確実にクランプできる効果を有す
る。又、テープに対して張力が加わつたとしても
テープ固定片は僅かに浮き上がるだけではずれて
しまうようなことがないばかりか張力を除けば元
の位置へ復帰するという効果がある。更に、上記
利点からテープ固定片の形状を小さくシンプルに
することができ、ハブへの圧入の際大きな圧入力
を必要とせずワツタツチで取り付け得、然もウエ
ブは挿入時に十分な可撓性を有するから、係合部
を円滑に挿入できる。又、段部の周方向の寸法を
ハブの開口部の同方向の寸法と同程度としたの
で、テープ固定片はハブに、より一層堅固に固定
されるという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるテープリールの一部を示
す側面図、第２図は従来のテープリールの一部を
示す側面図。 １……テープリール、２０……ハブ、２２……
切欠部、２４……突起部、２６，２６……段部、
４０……テープ固定片、４１……係合部、４２…
…ウエブ、４３……フランジ、４３′，４３′……
翼部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気テープが巻回される外周部に形成された切
   欠部の開口部に突起部を有するハブと、上記切欠
   部に嵌入されて磁気テープを固定するためのテー
   プ固定片とからなるテープリールにおいて、 上記ハブの開口部端縁両側に段部を形成し、上
   記テープ固定片は、内側端部が上記突起部に、他
   端が上記切欠部の突起部とは反対側の壁面に夫々
   係合する単一の係合部と、該係合部から延びる幅
   狭の単一のウエブと、該ウエブから左右に分岐
   し、上記ハブの段部に嵌合するほぼ上記開口部寸
   法以上の長さからなる両翼部を有するフランジと
   を形成したことを特徴とするテープリール。