JPS602577Y2 - フイルム圧板取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カメラのフィルム圧板取付装置に関する。

カメラにおいては、フィルムをカメラ本体の裏側に設け
たレール面に均一な圧力で押圧するため、裏蓋側にフィ
ルム圧板が設けられている。

この圧板は、フィルムを均一に押圧するという機能上、
裏蓋に対して弾性的に取付けられる必要があり、また裏
蓋を閉じた状態ではフィルム移送時に移動しないように
する必要がある。

このための取付装置としては、従来、第１図、第２図に
示す如き装置が知られている。

つまり、第１図に示す従来例は、圧板１の裏側に断面山
形状のばね板２の頂部（図示せず）を適宜の手段で固着
し、その両側に設けた四本の脚部３． ４．５．６のう
ち三本の脚部３．４． ５にフィルム移送方向（矢印方
向）と平行な直線１３ａ、４ａ、５ａを設け、残る一本
の脚部６にフィルム移送方向と直角方向の直線溝６ａを
設け、これら直線溝をカメラ裏蓋に固植した有頭軸？、
８． ９． １０に係合させるようにしたものであ
る。

上記構成においては、比較的取付状態が安定してはいる
が、取付けるための工数が非常にかかり、また部品点数
も多くを要するという欠点を有していた。

一方、第２図に示す従来例は、圧板１に固着したばね板
２の一方の脚部１１にフィルム移送方向と平行な直線溝
１１ａを設け、他方の脚部１２には、鳩尾状漸開溝１２
ａ及び直線状補助溝１２ｂを、上記直線溝１１ａの延長
上で対向した状態で連通させた円孔１２ｃを設け、これ
らをカメラ裏蓋に設けた有頭軸１３．１４に係合させる
ようにしたものである。

上記構成においては、取付の工数が短くてすみ、且裏蓋
に設ける有頭軸の数も第１図に示す従来例と比し半分で
すむが、フィルム移送方向の力を受けたとき、保合がは
ずれやすいという欠点を有していた。

本考案は上記欠点を除去すべくなされたものであって、
圧板を保持するばね板の一方の脚部にはフィルム移送方
向と平行な直線溝を設け、他方の脚部には鳩尾状漸開溝
をその中心線がフィルム移送方向と直交する状態で連通
させた円孔を設け、これらをカメラ裏蓋に設けた有頭軸
に係合させることにより、取付けが簡単で且取付状態も
安定した圧板取付装置を得られるようにしたものである
。

以下、図示の実施例に基き本考案を説明する。

第３図は本考案の適用されるカメラを示すものであって
、図中、カメラ本体２０には既知の如くフィルムパトロ
ーネと係合するフィルム巻戻し軸２１、レール面２２．
スプロケット２３．スプール２４が配設されており、さ
らにこの本体２０の側部にて裏蓋２５が回動自在に軸支
されている。

ばね板２６は断面山形状に底形されており、その頂部２
６ａには圧板１が適宜の手段により固着されている。

また上記ばね板２６の一方の脚部２７には、フィルム移
送方向と略平行に直線状の溝２７ａが設けられている。

この直線溝２７ａの巾は、裏蓋２５に固植した有頭軸２
８の軸部２８ａの軸径と略等しくなされている。

さらに、上記ばね板２６の他方の脚部２９には、裏蓋２
５に固植した他の有頭軸３０の軸部３０ａの軸径と略等
しい円孔２９ａが設けられている。

この円孔２９ａの一方の周縁には、フィルム移送方向と
直交する向きの中心線を有する鳩尾状の漸開溝２９ ｂ
が連通させられている。

なお、上記円孔２９ａと漸開溝２９ｂとの連通部の巾Ｗ
は上記軸部３０ａの軸径よりわずかに小径となされてい
る。

さらに上記円孔２９ａの他方の周縁には、フィルム移送
方向と直交する向きの直線溝２９ｃが設けられている。

上記構成においては、圧板１を裏蓋２５に取付けるにあ
たり、まず、圧板１及びばね板２６を第４図に示される
状態より適宜反時計方向へ回動させた位置で、まず直線
溝２７ａを有頭軸２８の軸部２８ａに係合させる。

次にこの有頭軸２８を中心として圧板１及びばね板２６
を時計方向に回動させる。

このとき、他の有頭軸３０の軸部３０ａは、漸開溝２９
ｂを通り、連通部を押広げた後円孔２９ａ内に位置する
ようになる。

この状態でカメラ本体に対し裏蓋を閉じれば、ばね板２
６の一方の脚部２７が有頭軸２８に沿って摺動可能なた
め、圧板１はフィルムを均一な押圧力でレール面に押圧
することができる。

また、フィルム移送方向の力を受けた際にも漸開Ｒ２９
ｂが上記方向と直角方向になっているため、ばね板と有
頭軸との係合が外れるといった不具合を生ずることがな
い。

第５図乃至第７図は本考案の実施例を示すものであって
、図中、ばね板３１の略中央部は断面山形状に成形され
ており、その頂部３１ａには圧板１が固着されている。

また、上記ばね板３１の一方の脚部３２には裏蓋に固植
された有頭軸３３の軸部と略同径の直線溝３２ａ及び上
記有頭軸３３の頭部と略同径であって上記直線溝３２ａ
に連通ずる軸挿入用円孔３２ｂが設けられている。

さらに上記ばね板３１には、上記一方の脚部３２と略平
行に切起し腕３４が設けられている。

この切起し腕３４はその先端に折曲部３４ａ、３４ｂが
設けられおり、この折曲部３４ ａ、 ３４ ｂ間に
はフィルム押圧用ローラー３５が軸支されている。

このフィルム押圧ローラー３５は、裏蓋をカメラ本体に
対し閉じたとき、スプールとスプロケットとの間に位置
するように威されており、フィルムパーフォレーション
のスプロケットよりの離脱ヲ防止する。

一方、ばね板３１の他方の脚部３６には、裏蓋に固植さ
れた他の有頭軸３７の軸部と略同径の円孔３６ａが、略
ｅ□＝ｅ２となる位置に設けられている。

さらにこの円孔３６ａのフィルム移送方向の中心軸線に
関して対称的な位置に、上記有頭軸３７の頭部と略同形
の軸挿入用円孔３６ｂ及び補助円孔３６ｃが設けられて
いる。

そして上記円孔３６ａと軸挿入用円孔３６ｂとの間は漸
開Ｒ３６ｄで連通されており、円孔３６ａと補助円孔３
６ｃとの間は、直線’ｆＲ３６ｅで連通されている。

なお、上記円孔３６ａと漸開溝３６ｄ及び直線溝３６ｅ
との連通部は、前記有頭軸３７の軸部よりもせまく形成
されている。

さらに、上記ばね板３１の他方の脚部３６の先端は適宜
の角度をもって圧板１側へ折曲げられており、パトロー
ネオサエ３８を形成している。

このパトローネオサエ３８はその表面が摩擦抵抗大とな
るように適宜処理されており、裏蓋をカメラ本体に対し
て閉じたとき、本体内のパトローネを押圧し、パトロー
ネのフィルム引出口を最適位置に保持するように構成さ
れている。

上記構成においては、まず裏蓋に設けられた有頭軸３３
を一方の脚部３２に設けられた軸挿入用円孔３２ｂ内に
位置させ、ついでばね板３１を摺動させ、上記有頭軸３
３の軸部を直線溝３２ａ内に位置させる。

この後、他方の脚部３６の軸挿入用円孔３６ｂを他の有
頭軸３７に対向させ、次いでばね板３１を時計方向に回
動させる。

従って上記有頭軸３７の軸部は漸開溝を通った後円孔３
６ａ内に位置することになり、ばね板３１及び圧板１は
確実に裏蓋に保持されることとなる。

ここで上記有頭軸３７を、円孔３６ａ内へ位置させるに
あたっては、補助円孔３６ｃ及び直線溝３６ｅの形状を
適宜定めることにより、その挿入力量を調節させること
ができる。

また、円孔３６ａを中心として軸挿入用円孔３６ｂと補
助円孔３６ｃとを略対称的な位置におかせることにより
、パトローネオサエ３８のパトローネに対する押圧力量
を略角−化させることができる。

上記した如く、本考案は、圧板をカメラ裏蓋へ取付ける
にあたって、圧板を支持しているばね板の対向脚部の一
方に、直線溝をフィルム移送方向と略平行に設け、他方
にはフィルム移送方向と交差する向きに漸開溝と円孔と
を連通状態で設けたものであるからして、取付けが容易
で且取付けた後の状態も安定しており、しかも部品点数
が少なくてすむ圧板取付装置を得ることができるもので
ある。

特に、圧板を裏蓋に取付けるためのばね板で、フィルム
押圧用ローラーの支持腕、パトローネオサエ等を兼用さ
せた場合には、フィルム移送方向と同方向の力が、兼用
させない場合と比し、非常に大きく、このため圧板が裏
蓋より外れるという事故がおきやすいが、本願の如く構
成することにより、兼用させた場合にも十分確実に圧板
を保持させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示す平面図、第３図、第４
図は本考案の適用されるカメラの外観図、第５図は本考
案の一実施例を示す平面図、。 第６図は上記実施例の側面図、第７図は上記実施例の一
部拡大図である。 １・・・・・・圧板、２５・・・・・・裏蓋、２６，３
１・・・・・・ばね板、２７，２９，３２．３６・・・
・・・脚部、２７ａ、３２ａ・・・・・・直線溝、２９
ａ、 ３６ ａ・・・・・・円孔、２９ｂ、３６ｄ
・・・・・・漸開溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カメラのフィルム圧板取付装置において、フィルム圧板
   に固着されたばね板の対向脚部の一方に、カメラ裏蓋に
   固植された有頭軸の軸径に略等しい直線溝をフィルム移
   送方向と略平行に設けるとともに、 上記対向脚部の他方にパトローネ押えを一体的に設け、
   該脚部のパトローネ押えとフィルム圧板との間にカメラ
   裏蓋に固植された他の有頭軸の軸径に略等しい内径の第
   １の円孔を穿孔し、上記能の有頭軸の頭部が挿通される
   軸挿入用の第２の円孔をこの第１の円孔にフィルム移送
   方向と交差する向きに連通部の幅が該第１の円孔の直径
   よりわずかに小さくなるように連通させて穿孔したこと
   を特徴とするフィルム圧板取付装置。