JPS5923262Y2

JPS5923262Y2 - カセツトテ−プのリ−ルハブ

Info

Publication number: JPS5923262Y2
Application number: JP12289679U
Authority: JP
Inventors: 康吉菅原
Original assignee: ソニー株式会社
Priority date: 1979-09-05
Filing date: 1979-09-05
Publication date: 1984-07-11
Also published as: JPS5641880U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、カセットテープのリールハブに関し、特にク
ランプピースによる磁気テープのクランプ力の向上を図
り且つリールハブ自体の真円度を常に維持し得るように
したものである。

一般にカセット式のテープレコーダやビデオテープレコ
ーダ等に用いられるカセットテープは、外側ケースであ
るカセツ１−ハーフ内に設けた一対のリールハブに、磁
気テープの走行方向の両端に貼着等して取付けたやや厚
めのリーダーテープをそれぞれクランプ固定して上記一
対のリールハブ間に亘って磁気テープを巻装配設してい
る。

ところで、上述のような磁気テープのリールハブへのク
ランプ固定は、従来第１図に示すような構造をもって行
なわれている。

この構造を具体的に説明すれば、カセットハーフ内に配
設されるノールバブ１に設けられる磁気テープのクラン
プ部２は、クランプピース３と、このクランプピース３
が嵌合固定される嵌合凹部４とから戒っている。

そして、クランプピース３は、上記嵌合凹部４が設けら
れるリールハブ本体５と同様な合成樹脂材で形成されて
おり、上記リールハブ本体５への嵌合時に該本体５の外
周面５ａと相俟って磁気テープ巻装面を構成する胴部６
と、この胴部６の両端から図中下方に向って延設された
一対の脚部７．８と、これら脚部７，８のそれぞれの先
端から外方側に向って突設された嵌合突部９，１０とを
有している。

一方、上述のように形成されたクランプピース３が嵌合
する嵌合凹部４は、上記嵌合突部９，１０がそれぞれ嵌
め込まれる溝部１１．１２を有し、上記クランプピース
３が密嵌し得るように形成されている。

そして、磁気テープ１３は、その両端に設けたリーダー
テープ１４を上記クランプピース３と嵌合凹部４との間
で挟持されて抜は止めがなされリールハブ１ヘクランブ
固定されている。

上述のような構成をもって磁気テープ１３をクランプ固
定するクランプ部２にあっては、被クランプ固定部とな
るリーダーテープ１４の挟圧保持を確実にするため、第
２図に示すようにクランプピース３の両嵌合突部９，１
０間に亘る長さＬｌを嵌合凹部４の両溝部１１．１２間
に亘る長さＬ２よりも少なくとも大きく形成している。

そして、各脚部７，８を互いに内方側（第２図中矢印穴
方向）へ撓わませ、かつ胴部６をも外方側（第２図中矢
印Ｂ方向）へ膨出する如く撓わませてリールハブ本体５
の嵌合凹部４に嵌合し、上記脚部７，８の弾性復帰力に
よってあらかしめ上記嵌合凹部４内に臨まされているリ
ーダーテープ１４を挟圧保持する。

しかし、上述したような従来の構造にあっては、クラン
プピース３によるリーダーテープ１４の十分な挟圧保持
力を維持しつつ、磁気テープ１３をクランプ固定した状
態でのリールハブ１自体の真円度を維持することが極め
て難しい。

上述のような十分な挟圧保持力と真円度を維持するため
には、クランプピース３の両嵌合突部９，１０間の長さ
Ｌ及び嵌合凹部４の両溝部１１．１２間の長さＬ２の加
工精度はもちろんのこと、嵌合時における胴部６の撓わ
み量を考慮してクランプピース３を成形しなければなら
ない。

このように、上記長さＬｌ及びＬ２の寸法精度を正確に
維持しつつ胴部６の撓わみ量を考慮して、合成樹脂のモ
ールド成形によってリールハブ本体５及びクランプピー
ス３を形成することは極めて困難である。

これは、モールド成形時の種々の条件の変化によってい
わゆる合成樹脂の流れやピケ等によって加工精度が微妙
に変化するためである。

そして、クランプピース３の両嵌合突部９，１０間の長
さＬｌと嵌合凹部４の両溝部１１．１２間の長さＬ２が
所望寸法通りに成形されないと、胴部６の撓わみ量も変
化してしまう。

そして、上記両溝部１１、１２間の長さＬ２が上記両嵌
合突部９，１０間の長さＬｌに比し大きすぎると脚部７
，８の圧着力が弱くなり所定のクランプ力が得られず挟
持されるリーダーテープ１４が抜けやすくなる一方、胴
部６に所望の撓み量が得られない。

その結果、胴部６の外周面６ａは、第３図中一点鎖線で
示す如くリールハブ本体５の外周面５ａの曲率半径より
大きな曲率半径を有するようになってしまう。

また、上記両溝部１１．１２間の長さＬ２が上記両嵌合
突部９．１０間の長さＬｌに比し小さすぎると脚部７，
８の圧着力が強くなりクランプピース３の嵌合時にリー
ダーテープ１４を切断してしまう等の事故を起こす危険
を生ずるほかに、胴部６に所望以上の撓み量が生じてし
まう。

その結果、胴部６の外周面６ａは、第３図中破線で示す
如くリールハブ本体５の外周面５ａの曲率半径より小さ
な曲率半径を有するようになってしまう。

上述のように、クランプピース３の胴部６の外周面６ａ
とリールハブ本体５の外周面５ａの曲率半径が一致しな
いとリールハブ１としての真円度が雑持できず、第４図
に示すように嵌合凹部４とクランプピース３との間に段
差が生ずる。

このような段差を有するリールハブ１に磁気テープ１３
を巻装したまま長時間放置しておくと、いわゆる寝押し
と称される段差跡がつき磁気テープ１３を再生する際の
音とび等の悪影響の原因となる。

上述のように従来のものにあっては、クランプピースの
撓み量を考慮しつつリールハブ本体の嵌合凹部及びクラ
ンプピースの寸法精度を維持しなければならず成形加工
が極めて困難である。

そこで、本考案は成形加工上の寸法誤差から生ずるクラ
ンプ力のバラツキを押え、常に所定のクランプ力が維持
され、かつリールハブ自体の真円度を維持しやすいもの
を提供することを目的として提案されたものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

本考案によるリールハブ２１は、第５図に示すようなリ
ールハブ本体２２の外周部に設けられた嵌合凹部２３と
、この嵌合凹部２３に嵌合し磁気テープの端部に取付け
られたリーダーテープを挟圧支持するクランプピース２
４とからなるクランプ部２５を有している。

そして、上記嵌合凹部２３に嵌合するクランプピース２
４は、上記嵌合凹部２３へ嵌合させたときにリールハブ
本体２２の外周面２２ａと相俟って磁気テープ巻装面
２６を構成する外周面２７ａを有する胴部２７と、こ
の胴部２７の両側に垂下する如く図中下方へ延設した一
対の嵌合脚片２８、２９とを有している。

これら嵌合脚片２８．２９の先端部にはそれぞれ外側方
向へ突出された突起部２８ａ、２９ａが形成されている
。

一方、リールハブ本体２２の外周面に設けられる嵌合部
２３内には、上記クランプピース２４の嵌合脚片２８．
２９とそれぞれ相対係合し、上記クランプピース２４を
上記嵌合部２３内に係合保持する撓わまない程度に十分
な強度を有する一対の係合脚片３０．３１が突設形成さ
れている。

ところで、上記保合脚片３０．３１のそれぞれの先端側
の外側部分には膨出部３２．３３が突出形成され、クラ
ンプピース２４を嵌合したときに該クランプピース２４
の嵌合脚片２８．２９の相対向するそれぞれの内側部分
に形成された凹部３４．３５に係合し上記クランプピー
ス２４を確実に保合保持するようにしている。

そして、一対の係合脚片３０、３１の各膨出部３２．３
３先端間の距離Ｌ３は、クランプピース２４の嵌合脚片
２８．２９における各凹部３４．３５間の距離Ｌ４と略
同−の長さとされ、クランプピース２４を嵌合配設した
ときに嵌合脚片２８、２９を押し広げない程度の圧着力
が生ずるように形成されている。

また、係合脚片３０．３１の先端面３０ａ、３１ａは、
クランプピース２４の嵌合時に胴部２７の内周面２７
ｂに当接し、クランプピース２４の嵌合位置を規制する
ように作用する。

さらに上記嵌合部２３内には、上記クランプピース２４
によって挟持される磁気テープに付加される引張力によ
って弾性偏倚し上記クランプピース２４の各嵌合脚片２
８．２９を押圧支持する一対の偏倚部３６゜３７が設け
られている。

これら偏倚部３６．３７は、ノールハブ本体２２のテー
プ巻装面となる外周面２２ａを構成する外周フランジ
部３８がら嵌合凹部２３上へ対向するように延設された
延設腕３９．４０から上記嵌合凹部２３内へ垂下する如
く形成され係合脚片３０．３１と相対向する如く配設さ
れている。

そして、これら偏倚部３６．３７は、磁気テープの引張
力によって基端側から全体が偏倚して係合脚片３０．３
１に係合するクランプピース２４の嵌合脚片２８．２９
を強く押圧し得るように、先端側を略半円状の膨出部３
８ａ、３９ａとされ、基端側を細径部４０ａ、４１ａと
して形成されている。

従って、相対向する各係合脚片３０．３１と各偏倚部３
６．３７間には、クランプピース２４の嵌合脚片２８．
２９がそれぞれ挿通していくに足る間隙を有している。

なお、偏倚部３６．３７はクランプピース２４の挿通を
容易にするため、嵌合凹部２３にクランプピース２４を
嵌合したときに嵌合脚片２８．２９の突起部２８ａ、２
ｇａと上記膨出部３８．３９の先端との間にわずかの間
隙ｇをもって歯合する長さをもって形成されている。

上述のように構成されたクランプ部２５に磁気テープ４
０をクランプ固定するには、まず上記磁気テープ４０の
端部に貼着されたリーダーテープ４１を嵌合凹部２３内
にあらかじめ配設しておく。

このリーダーテープ４１（ヨ上記嵌合凹部２３内の両係
合脚片３０．３１を覆うに足る長さを配設しておくこと
が望よ、しい。

そして、クランプピース２４の嵌合脚片２８．２９をそ
れぞれ嵌合凹部２３内の係合脚片３０、３１と偏倚部３
６．３７とによって形成される間隙内に挿通する。

そして、上記嵌合脚片２８．２９と係合脚片３０．３１
とを相対係合せしめてクランプピース２４を嵌合凹部２
３内に嵌合固定する。

クランプピース２４を嵌合凹部２３内に挿通していくと
きに、嵌合脚片２８．２９は係合脚片３０．３１によっ
て外方へ押圧され外方へ撓わまされ且つ偏倚部３６゜３
７を嵌合脚片２８．２９の先端突起部２８ａ、２９ａに
よって第６図に示す如く撓わませていく。

さらにクランプピース２４を嵌合凹部２３内へ押し込む
と、嵌合脚片２８．２９の凹部３４．３５に係合脚片３
０゜３１の膨出部３２．３３が係合する。

そして、磁気テープ４０より厚いリーダーテープ４１を
嵌合脚片２８゜２９と係合脚片３０．３１によって挟圧
支持し、第７図に示す如く上記磁気テープ４０をクラン
プ固定する。

このようにクランプピース２４を嵌合凹部２３内に嵌合
配設すると、嵌合脚片２８．２９によって撓わまされて
いた偏倚部３６．３７は弾性復帰して、リーダーテープ
４１を上記嵌合脚片２８．２９の突起部２８ａ、２９ａ
に巻き付ける如く押圧する。

上述のような構成をもって磁気テープ４０をクランプ固
定したリールハブ２１を配設したテープカセットを例え
ばテープレコーダに装着して記録・再生等のテープ走行
を行ない磁気テープ４０の終端に至らしめたとき上記リ
ールハブ２１に固定されているリーダーテープ４１に強
い負荷が加わる。

このときに、本考案によるリールハブ２１にあっては、
上記負荷によってリーダーテープ４１は、ノールハブ２
１外方へ強く引張られ、第８図に示す如くクランプピー
ス２４を嵌合凹部２３内から抜は出す方向へ引上げられ
る。

それと同時に嵌合脚片２８、２９の突起部２８ａ、２９
ａと歯合する如く形成されている偏倚部３６．３７がリ
ーダーテープ４１によって上記嵌合脚片２８．２９方向
へ撓わされ上記嵌合脚片２８．２９を押圧する。

一方嵌合脚片２８．２９と係合脚片３０．３１とは凹部
３４．３５と膨出部３２．３３によって係合しているた
め、上記偏倚部３６．３７の押圧力を受けて抜けること
なく強く保合し強い圧着力でリーダーテープ４１を挟着
支持するようになる。

そして、上述のような強い負荷がなくなると、偏倚部３
６．３７は弾性復帰し、がっ係合脚片３０゜３１におけ
る膨出部３２．３３先端に生ずる復帰力によって嵌合脚
片２８．２９を第８図中の矢印方向へ復帰せしめ第７図
に示す負荷のかからない正規の状態に復帰する。

上述のように構成された本考案によるリールハブ２１は
、演奏時等において磁気テープ終端に至ったとき等強い
負荷が加わったときに上記負荷に抗する強い挟着支持力
が加わるような構造となっており、強い負荷の加わらな
い状態では、それ程強い挟着支持力でリーダーテープ４
１をクランする必要はない。

そして、嵌合脚片２８．２９と係合脚片３０、３１との
相対係合においても、上記嵌合脚片２８゜２９を強く撓
わませる程の係合力は必要としない。

ノーダーテープ４１がすり抜けない保持力があればよい
。

従って、クランプピース２４を嵌合凹部２３に嵌合配設
してもテープ巻装面となる胴部２７には撓み力等の負荷
は生じない。

上記胴部２７の設計及び加工精度を得るに当って、嵌合
時の撓み量等を考慮する必要がない。

そのため、リールハブ本体２２と相俟ってリールハブ２
１を構成したときにおける磁気テープ巻装面２６の真円
度の維持が容易となる。

また、強い負荷がかからない限り所望通りの真円度が維
持され、一度負荷が加わっても、ただちに復元し得る構
造となっているので常に真円度の維持が図られる。

また、負荷に応じてリーダーテープ４１の挟着力が強く
なるので、常に安定した磁気テープ４０のクランプが行
なえる。

上述のように本考案によれば真円度の維持が容易でかつ
確実な、そして十分なりランプ力を有するリールハブを
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリールハブを示す平面図であり、第２図
は上記リールハブにおけるクランプ部の分解平面図であ
り、第３図はその嵌合状態を示す平面図である。第４図は従来のり−リハブに磁気テープを巻装した状態
の一例を示す平面図である。第５図は本考案によるリールハブを示す分解平面図であ
り、第６図はクランプピースを嵌合する状態を示す部分
平面図であり、第７図はクランプピースを嵌合した状態
のクランプ部の平面図であり、第８図は磁気テープに強
い負荷が加わったときのクランプ部を示す部分平面図で
ある。２１・・・リールハブ、２２・・・リールハブ本体、２
３・・・嵌合凹部、２４・・・クランプピース、２５・
・・クランプ部、２８、２９・・・嵌合脚片、３０．３
１・・・係合脚片、３６．３７・・・偏倚部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ノールバブ本体の外周部に一対の嵌合脚片を一体的に形
成したクランプピースの嵌合部を形成するとともに、こ
の嵌合部内に上記クランプピースの各嵌合脚片とそれぞ
れ相対係合し上記クランプピースを上記嵌合部内に保合
保持する一対の係合脚片と、上記嵌合部内に嵌合される
クランプピースによって挟持される磁気テープに付加さ
れる引張力によって弾性偏倚し上記クランプピースの各
嵌合脚片を押圧支持する一対の偏倚部とを設け、上記嵌
合部内に形成される保合脚片と偏倚部とによって構成さ
れる間隙に嵌合脚片を挿通し且つ上記保合脚片と相対係
合して上記嵌合部に嵌合配設されるクランプピースによ
って上記嵌合部内に臨まされる磁気テープの端部をリー
ルハブ本体に挟持するようにしたカセットテープのリー
ルハブ。