JPS5847590Y2 - リ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリールに係り、特に磁気記録再生装置の記録媒
体として用いられる磁気テープをその外周部に巻回する
のに好適なリールに関する。

例えばカセット式ＶＴＲにおいて用いられるテープカセ
ット内には、第１図に示すようなり−ル１が用いられて
いる。

このリール１は１８０°づつに分割されているリールハ
ブのセグメント２，３と、上下のフランジ４，５とから
構成されている。

そして一方のセグメント２と下側のフランジ５とは合成
樹脂によって一体成型されてつくられている。

また下側のフランジ５にはボス６が一体に連設されてお
り、このボスの上端には円形の凹部７が形成されている
。

そしてこの凹部７内に６本のピン８が一体に値設されて
いる。

一方上側のフランジ４にはそのはゾ中央部に下方に突出
した突部９が突設されており、この突部９が下側のフラ
ンジ５のボス６の凹部７内に嵌合されるようになってい
る。

そして突部９にはさらに６つの小孔１０が形成されてお
り、突部９が凹部７と嵌合された状態において、これら
の小孔１０は前記６本のピン８と嵌合され、さらにこれ
らのピン８の上端に熱を加えて変形させることによって
、上側のフランジ４は下側のフランジ５のボス６に結合
されるようになっている。

なおこのボス６の内側には、第２図に示すように、リー
ル軸挿通用の凹部１５が形成されており、さらにこの凹
部１５の内周面にはリール軸の突起と係合する係合爪１
６が形成されており、これによってリール１はＶＴＲ本
体側に設けられているリール軸（図示せず）によってカ
セット内で回転駆動されるように構成されている。

一方別体に成型されるセグメント３には一対の係合爪１
１が設けられており、これらの係合爪１１はセグメント
２に形成されている一対の保合用凹部１２と結合されて
、セグメント２とセグメント３とが互に結合されるよう
に構成されている。

なおこの係合爪１１と係合用凹部１２とによって、この
リール１に巻回される磁気テープ２０の端部が止着され
るように構成されている。

またこの係合爪１１と係合用凹部１２との係合を解除す
るために、上側のフランジ４には一対の長孔１３が形成
されている。

このようなリール１に磁気テープ２０を巻付けると、第
３図に示すように、磁気テープ２０の張力によって、リ
ールハブを構成するセグメント２゜３は半径方向内側に
圧縮される力を受ける。

セグメント２はこの圧縮力をリブ１４で受けるとともに
、このセグメント２と一体になっているフランジ５で受
ける。

従ってリブ１４間においても、円周方向にはセグメント
２の外周部はほとんど変形することがなく、磁気テープ
２０が乱れることはない。

しかしセグメント３はフランジ４，５とは別体に構成さ
れているために、この圧縮力をリブ１４のみで受けるこ
とになる。

従ってリブ１４のある部分では半径方向内側への変形は
少ないが、リブ１４のないところでは、セグメント３の
内輪１７と外輪１８との間には何もないので、第３図に
示すように変形し、このためにセグメント３ははゾ多角
形状になってしまう。

従ってこの部分に巻付けられている磁気テープはその長
さ方向に間欠的に伸ばされることになり、このような磁
気テープを用いると、トラッキングエラーを生じること
になる。

温度の低下に伴う磁気テープ２０の収縮の場合にも同様
に、セグメント３は第３図のように変形して、磁気テー
プ２０に悪影響を及ぼす。

また磁気テープ２０の巾方向においては、第４図に示す
ようにセグメント２はリブ１４のない部分では、圧縮力
をフランジ５で受けるために、セグメント２は上端が半
径方向内側に変形し、下端はほとんど変形しない。

従ってセグメント２の上端と下端における変形量はｅだ
け差を生ずることになる。

一方セグメント３は上下のフランジ４゜５から、ともに
分離されているために、セグメント３は上端と下端とが
ともに半径方向内側に変形することになる。

従って磁気テープ２０の内のセグメント２の外周に巻回
されている部分のみが間欠的に巾方向に異って変形して
わかめ状になり、磁気ヘッドに対する接触圧に差が生ず
ることになる。

これによってもトラッキングエラーを生ずることになる
。

本考案は特にこのリール１の磁気テープ２０の巾方向に
おける変形の差を防止することを目的とするものであっ
て、リールハブがこのリールハブの中心軸に平行な平面
で分割された一対のセグメントから構成され、しかも前
記一対のセグメントのうち一方のセグメントが片側フラ
ンジと一体に成型され、前記一対のセグメントのうち他
方のセグメント単体を前記一方のセグメントに結合させ
ることによってリールハブが組立てられるように構成さ
れているリールにおいてて、前記他方のセグメントの内
輪と外輪との間に設けられているリブの前記片側フラン
ジ側に切欠きを設けたことを特徴とするリールに係るも
のである。

従って本考案によれば、前記他方のセグメントの切欠き
による変形によって、一方のセグメントの部分における
テープの巾方向の変形を補償することができる。

以下本考案をカセット式ＶＴＲにおいて用いられるテー
プカセットのリールに適用した実施例を図面につき説明
する。

なお第１図〜第４図に示す従来のテープカセットのリー
ルと対応する部分には同一の符号を付して、その説明を
省略する。

第５図〜第７図に示すように、このリール１の一対のセ
グメント２，３の内、フランジ５と別体に構成されてい
るセグメント３の内輪１７と外輪１８とを連結している
リブ１４には、磁気テープ２０の巾方向の下側すなわち
、下側のフランジ５と接触する方には、はぼ矩形の切欠
き２１が設けられている。

従って、磁気テープ２０によってリールハブを構成する
セグメント２，３が半径方向内側に圧縮される力を受け
ると、既に述べたようにセグメント２はその巾方向の下
端がフランジ５と一体に連結されているために、このセ
グメント２の巾方向の上端が下端に対して、第１０図に
示すように、ｅだけ変形することになる。

一方セグメント３はリブ１４の下部に切欠き２１が形成
されているために、セグメント３はその下端が上端に対
してはＶｅだけ変形することになる。

すなわちセグメント２の巾方向における変形とセグメン
ト３の巾方向における変形とは、ちょうど反対となり、
このためにこれらのセグメント２，３によって構成され
るリールに巻回されている磁気テプ２０の巾方向におけ
る変形は互に相殺されて補償されることになる。

従ってリール１に巻回されている磁気テープ２０が間欠
的に伸ばされてわかめ状になることはない。

なお切欠き２１は必ずしも矩形にする必要はなく、例え
ば第３図に示すように台形状にしてもよく、あるいはま
た第９図に示すように三角形状にしてもよい。

以上に述べたように、本考案によれば、フランジとは別
体になっている他方のセグメントのリブのフランジ側に
切欠きを設けて、フランジと一体になっているセグメン
トの巾方向における変形を補償するようにしたものであ
るから、これらのセグメントによって構成されるリール
に巻回されるテープか巾方向に間欠的に伸びてわかめ状
になることを効果的に阻止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は従来のカセット式ＶＴＲのテープカセ
ットのリールを示し、第１図はその分解斜視図、第２図
は第１図における■〜■線断面図、第３図は同平面図、
第４図は第３図における■〜■線断面図である。 第５図〜第１０図は本考案をカセット式ＶＴＲのテープ
カセットのリールに適用した一実施例を示し、第５図は
そのセグメント３の斜視図、第６図はその平面図、第７
図は第６図における■〜■線断面図、第８図は切欠き２
１の変形例を示す要部縦断面図、第９図は切欠き２１の
別の変形例を示す要部縦断面図、第１０図はこのリール
の第４図と同様の断面図である。 なお図面において用いられている符号において、１はリ
ール、２，３はセグメント、５は下側のフランジ、１４
はリブ、１７は内輪、１８は外輪、２１は切欠きである
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リールハブがこのリールハブの中心軸に平行な平面で分
   割された一対のセグメントから構成され、しかも前記一
   対のセグメントのうち一方のセグメントが片側フランジ
   と一体に成型され、前記一対のセグメントのうち他方の
   セグメント単体を前記一方のセグメントに結合させるこ
   とによってＩＪ−ルハブが組立てられるように構成され
   ているリールにおいて、前記他方のセグメントの内輪と
   外輪との間に設けられているリブの前記片側フランジ側
   に切欠きを設けたことを特徴とするリール。