JP2000269041A - トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアを固定するための新たな材料を必要とせ
ず、容易に一対のＥ型コアを、絶縁カバーを取り付けた
コイルボビンに固定できる構造を有するトランスを提供
する。 【解決手段】 コイルボビン３に一体的に組み込まれた
絶縁カバー１の平坦部１ａに嵌合穴１ｂを設け、一方、
Ｅ型コア２の外脚２ｂの先端の接合部には凸部２ｃを設
け、一対のＥ型コア２をコイルボビン３に対向して挿入
したとき、この凸部２ｃを嵌合穴１ｂに嵌合すること
で、容易にＥ型コア２とコイルボビン３を固定するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁カバーを取り
付けたコイルボビンと、該コイルボビンに対向して挿入
される一対のＥ型コアとを設けたトランスに係り、特
に、組立が容易でかつ安価にコアをコイルボビンに組み
付け固定できるトランスの組立構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来例に係るトランスのコア固定
構造の第１の例を示す斜視図、図７は同じく第２の例を
示す斜視図である。両図に示すトランスは、絶縁カバー
１を取り付けたコイルボビン３と、このコイルボビン３
の両端開口から中央脚部が対向挿入され、かつ、外脚の
先端同士が接合されるＥ型コア２とを備えている。

【０００３】このＥ型コア２をコイルボビン３に固定す
る場合、図６に示す従来例では、粘着テープ４を用いて
いる。即ち、粘着テープ４を一対のＥ型コア２の外周に
緊密に巻回することで一対のＥ型コア２をコイルボビン
３に固定している。

【０００４】また、図７に示す従来例では、Ｅ型コア２
の外脚の接合面に接着剤５を塗布することで、一対のＥ
型コア２をコイルボビン３に固定している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
はＥ型コイルをコイルボビンに固定する場合、粘着テー
プで巻回し、あるいは接着剤を用いていた。しかし、い
ずれの場合も粘着テープを巻回する作業工程、あるいは
接着剤を塗布する作業工程が必要になり、特に、接着剤
を塗布する場合は、接着剤を硬化させなければならず、
作業性が悪いという問題があった。また、両者共新たに
固定用の材料が必要であり、安価に製作できないという
問題があった。

【０００６】この発明は、従来例が持つ以上のような問
題点を解消し、コアを固定するための新たな材料を必要
とせず、容易に一対のＥ型コアを、絶縁カバーを取り付
けたコイルボビンに固定できる構造を有するトランスを
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１の手段は、絶縁カバーを取り付けたコイルボビ
ンと、該コイルボビンに対向して挿入される一対のＥ型
コアとを設けたトランスにおいて、絶縁カバーには、Ｅ
型コアと係止するための係止部を設け、かつＥ型コアに
は、絶縁カバーの係止部と係止するための被係止部を設
けたことを特徴とするものである。

【０００８】また上記目的を達成するために、第２の手
段は、第１の手段において、絶縁カバーの係止部は嵌合
穴であり、Ｅ型コアの被係止部はこの嵌合穴に嵌合する
凸部であることを特徴とするものである。

【０００９】また上記目的を達成するために、第３の手
段は、第２の手段において、コアの凸部は、一対のＥ型
コア外脚の接合部にそれぞれ形成され、絶縁カバーの嵌
合穴は、Ｅ型コア外脚の接合部に対向する位置に形成さ
れていることを特徴とするものである。

【００１０】上述したように本発明は、絶縁カバーに
は、Ｅ型コアと係止するための係止部を設け、かつＥ型
コアには、絶縁カバーの係止部と係止するための被係止
部を設けたものである。具体的には絶縁カバー側に嵌合
穴を設け、Ｅ型コア側には凸部を設け、嵌合穴に凸部を
嵌合することでＥ型コアと絶縁カバーとを簡単に固定し
たものである。ここで絶縁カバーはコイルボビンに一体
的に取り付けてあるから、結局Ｅ型コアとコイルボビン
を簡単に固定することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、従来例と同一個所には同一
符号を付した。

【００１２】図１は本発明に係わる一実施形態を示す絶
縁カバーの斜視図である。図２は本発明に係わる一実施
形態を示すコアの斜視図である。図３は本発明に係わる
一実施形態である絶縁カバーをコイルボビンに取り付け
た状態を示す斜視図である。図４は本発明の一実施形態
である絶縁カバー及びコアを使用したトランスの組立途
中の斜視図である。図５は本発明の他の実施形態を示す
トランスの組立斜視図である。

【００１３】図１、図３に示すように、絶縁カバー１
は、その平板部１ａにあってコイルボビン３の軸方向
（Ｅ型コア２の中央脚の挿入方向）中央で、かつそれと
直角の方向の両端部に嵌合穴１ｂを設けている。また、
図３に示すように、絶縁カバー１はコイルボビン３に一
体的に組み込まれている。

【００１４】Ｅ型コア２は、図２に示すように、中央脚
２ａと一対の外脚２ｂを有し、図４に示すように、コイ
ルボビン４に対向して挿入される。各Ｅ型コア２にあっ
てその外脚２ｂの先端部、つまり対向する外脚２ｂとの
接合部には凸部２ｃが形成されている。絶縁カバー１の
嵌合穴１ｂとＥ型コア２の凸部２ｃは、一対のＥ型コア
２同士を接合した状態で互いに対向する位置になるよう
に設けられている。

【００１５】そして、この状態で凸部２ｃを嵌合穴１ｂ
に嵌合することで、絶縁カバー１とＥ型コア２とが固定
される。ここで上述したように、絶縁カバー１はコイル
ボビン３に一体的に組み込まれているので、結局凸部２
ｃを嵌合穴１ｂに嵌合することで、Ｅ型コア２をコイル
ボビン３に固定することになる。

【００１６】なお、図４に示す実施形態では、凸部２ｃ
は図面において下方に形成されているが、図５に示す実
施形態では、側方に凸部２ｃが形成されており、嵌合穴
１ｂはそれぞれの凸部２ｃに対向して形成されている。
何れの場合も、凸部２ｃを嵌合穴１ｂに嵌合すること
で、Ｅ型コア２とコイルボビン３とを容易に固定するこ
とができる。

【００１７】このように本実施の形態では、コイルボビ
ン３に一体的に組み込まれた（取り付けられた）絶縁カ
バー１の平坦部１ａに嵌合穴１ｂを設け、一方、Ｅ型コ
ア２の外脚２ｂの先端の接合部には凸部２ｃを設け、一
対のＥ型コア２をコイルボビン３に対向して挿入したと
き、この凸部２ｃを嵌合穴１ｂに嵌合することで、容易
にＥ型コア２とコイルボビン３を固定するようにしたの
で、複雑な作業工程を必要とせず、容易にかつ安価にト
ランスを製作することができる。

【００１８】また、絶縁カバー１にＥ型コア２を固定す
る機能を持たせることで、新たな固定用の材料も必要と
せず、さらに従来に比較し安価に製作できる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、絶縁カバーには、Ｅ型コアと
係止するための係止部、具体的には嵌合穴を設け、かつ
Ｅ型コアには、絶縁カバーの係止部と係止するための被
係止部、具体的には凸部を設け、嵌合穴に凸部を嵌合す
るようにしたので、粘着テープや接着剤を用いることな
く、容易にかつ安価に組み立てを行うことが可能なトラ
ンスを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる一実施形態を示す絶縁カバーの
斜視図である。

【図２】本発明に係わる一実施形態を示すコアの斜視図
である。

【図３】本発明に係わる一実施形態である絶縁カバーを
コイルボビンに取り付けた状態を示す斜視図である。

【図４】本発明の一実施形態である絶縁カバー及びコア
を使用したトランスの組立途中の斜視図である。

【図５】本発明の他の実施形態を示すトランスの組立斜
視図である。

【図６】従来例に係るトランスのコア固定構造の第１の
例を示す斜視図である。

【図７】同じく第２の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 絶縁カバー １ｂ 嵌合穴 ２ Ｅ型コア ２ｃ 凸部 ３ コイルボビン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁カバーを取り付けたコイルボビン
   と、該コイルボビンに対向して挿入される一対のＥ型コ
   アとを設けたトランスにおいて、絶縁カバーにＥ型コア
   と係止するための係止部を設け、かつＥ型コアに絶縁カ
   バーの係止部と係止するための被係止部を設けたことを
   特徴とするトランス。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、絶縁カバーの係
   止部は嵌合穴であり、Ｅ型コアの被係止部はこの嵌合穴
   に嵌合する凸部であることを特徴とするトランス。
3. 【請求項３】 請求項２記載において、コアの凸部は、
   一対のＥ型コア外脚の接合部にそれぞれ形成され、絶縁
   カバーの嵌合穴は、Ｅ型コア外脚の接合部に対向する位
   置に形成されていることを特徴とするトランス。