JPS6232161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は袋体、主としてゴミ袋として使用され
る袋体に関するものである。

（背景技術） 従来ゴミ袋としては、２枚のフイルムを開口部
を残して側縁にてシールした一般の袋がゴミ収納
用として使用されていたが、このような袋は通常
不使用時においては開口していないシート状のも
のなるため、開口させてゴミを収納する場合には
袋体の開口部付近の両側を引つ張るという直接的
な手作業で袋体を開口させる必要があり、その作
業が結構煩雑なものとなつていた。

さらにこのように開口部作業が雑な上、ゴミを
収納した袋を保管しておくのに不便であるという
問題点がある。

従つて上記のようなゴミ袋は、日常的な作業の
際に生ずるゴミをその都度捨てるのに使用される
のではなく、むしろ予めゴミ箱に捨てられたゴミ
をまとめて捨てる際に使用されていたものであ
る。

（解決課題、技術目的） 本考案は上述のような点に鑑み、上記開口作業
や保管場所等の問題点をすべて解決することを課
題として考案されたもので、その目的とするとこ
ろは袋体開口部の開口作業を極めて容易に行なう
ことができ、しかもどのような場所にも設置でき
るという全く新規且つ有用な袋体を提供するにあ
る。

（考案の開示） 本考案の上述のような目的を達成するために構
成されたもので、その構成は、熱可塑性合成樹脂
からなる袋本体を底部にて折返し、一片を他片よ
り延長せしめた延長片の両側面に前記袋本体より
厚手の補強片を熱溶着せしめ、且つ該補強片のそ
れぞれ左右縦方向に１対の折り目を形成し、且つ
前記延長片の背面側で前記折り目間に接着剤層を
設けてなるにある。

このような構成からなる袋体は、延長片背面側
の接着剤層にてたとえば壁面等に貼着されて吊り
下げて使用されるものである。そしてゴミを袋体
内に入れる場合には、補強片を１対の折り目に沿
つて正面側へ折曲げると、補強片直下の開口部端
縁に内向きの押圧力が働らいて開口部が広がり、
それによつて開口部からゴミの挿入が容易となる
のである。

（効果） 本考案は上述のような特徴を有する袋体なるた
め、次のような顕著な効果を得た。

(イ) すなわち、上述のように折り目に沿つて補強
片を正面側で折曲げるだけで袋本体の開口部を
広げることができるため、従来のように開口端
部付近の袋本体両片をわざわざ手で引つ張つて
開口部を広げる必要もなく、その開口作業を極
めて容易に行なえるという顕著な効果がある。

(ロ) 又、延長片の背面側で前記折り目間に接着剤
層が設けられているため、前記のように折り目
にそつて延長片を両側に折り曲げても折り目間
に接着剤層が位置するので、この接着剤層をた
とえば壁面等に貼着することにより、壁面に吊
下げて設置することができ、さらに壁面のみな
らず柱や本棚の側面その他どのような場所にも
吊下げて設置できる利点がある。よつてこのよ
うな点からゴミ箱の代用として使用することも
できるのである。

(ハ) 上記(イ)，(ロ)のような効果を有するため、日常
的な作業の際生ずるゴミをその都度袋体内に収
納することができ、よつてゴミ箱の代用として
も使用できる等その実用的価値は大なるものが
ある。

(ニ) しかも吊り下げられた状態の袋体にゴミを捨
てることができるため、ゴミ箱へゴミを捨てる
ときのようにその都度かがむ必要がなく、たと
えば椅子に座つたままの状態、或いは立つたま
まの状態という非常に楽な姿勢でゴミ捨て作業
を行なうことができる。

(ホ) さらに袋体自体が平面的なものなるためゴミ
箱のようなスペースをとることがなく、従つて
狭い場所にも設置することができ、しかも設置
することによつて室内の歩行の障害にならない
ことはもちろん、他の作業の支障になることも
ないのである。

(ヘ) さらに底部にて折返し形成した袋体の補強片
に折り目を形成するだけで製作できるため、そ
の製作も非常に簡単に行なうことができるので
ある。

（実施態様） 以下、本考案の実施態様について図面に示した
一実施例に従つて説明する。

第１図は一実施例としての平面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面図である。

第１図及び第２図において１は１枚のプラスチ
ツクフイルムを底部２にて折返し形成して上端に
開口部３を設けた熱可塑性合成樹脂からなる袋本
体で、両側縁４，４が熱溶断シールされ且つ前記
開口部３から袋本体１の一片ａを他片ｂより延長
せしめて延長片５が形成され、しかも該延長片５
の背面側に吊下げ用の感圧性接着剤６を介して離
型材７が設けられている。

８は前記袋本体１より厚手の合成紙からなる補
強片で、下端が該袋本体１の開口部３よりわずか
に下側に位置するよう前記延長片５の正面側に熱
溶着されてなる。９は該補強片８の比較的外側の
左右対称位置且つ前記接着剤６及び離型材７の外
側にそれぞれ縦方向に２条形成された１対の折り
目、１０は該補強片８の正面側の前記折り目９，
９間に封緘用の感圧性接着剤１１を介して設けら
れた離型材を示す。

上述のような構成からなる袋体を使用する場合
には、先ず延長片５の背面側の離型材７を剥が
し、第３図のように接着剤６を壁面１２へ貼着さ
せると袋体が壁面１２に吊り下げられた状態とな
る。次にこの袋体内にゴミを入れる場合には、前
記補強片８を折り目９，９に沿つて第４図イの状
態からロのように折曲げると、袋本体１の他片ｂ
側の上端b′に内向きの押圧力が働らいて開口部３
が同図ロのように広がり、それによつて、ゴミの
袋本体１内への収納が極めて容易に行なわれるこ
ととなる。すなわち、開口部３付近の袋本体１の
両片ａ，ｂを直接手で引つ張らなくとも、上記の
ように折り目９，９に沿つた補強片８の折曲げと
いう非常に簡単な操作により開口部３を広げるこ
とができるため、袋本体１への開口作業が著しく
容易となつたのである。

そして袋本体１内がゴミによつて満杯になつた
とき、前記壁面１２から袋体を剥がすとともに補
強片８正面側の離型材１０を剥がし、延長片５を
袋本体１の他片ｂ側に折曲げた後該延長片５を接
着剤１１を介して該他片ｂ側に貼着する。これに
よつて袋本体１が封緘され、ゴミが外部に脱落す
ることもないのである。よつて封緘された状態の
まま袋体ごとゴミ箱、焼却炉等へ捨てることがで
きるのである。

尚、上記実施例においては補強片８の下端が開
口部３よりわずか下側に位置してなるが、決して
これに限定されるものではなく、開口部３より上
側に位置していてもよい。

又該実施例においては補強片８を合成紙で構成
してなるが、決してこれに限らずたとえば袋本体
１より厚手の熱可塑性合成樹脂で構成されていて
もよい。要は袋本体１と熱溶着可能な材料で構成
されていればよいのである。

さらに折り目９，９の位置も該実施例のごとく
必ずしも対称な位置に形成される必要はなく、要
は２条の折り目９，９がそれぞれ補強片８の左右
縦方向に１条ずつ形成されていればよいのであ
る。

さらに該実施例において補強片８の正面側に設
けられた接着剤６及び離型材７は必ずしも設けら
れる必要はなく、従つて袋体は必ずしも封緘機能
を具備しなくともよいものである。

さらに本考案の袋体は必ずしも該実施例のごと
くゴミ袋としての使用に限定されるものではな
く、その他にたとえば小物用整理袋として使用す
ることも可能で、その用途は決して問うものでは
ない。

その他本考案の意図する範囲内ですべて設計変
更自在である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る袋体の正面図。第２図は
第１図のＡ−Ａ線断面図。第３図は吊下げた状態
の断面図。第４図は吊下げた状態の平面図で、イ
は開口前、ロは開口状態を示す。 １……袋本体、２……底部、３……開口部、５
……延長片、６……接着剤、８……補強片、９…
…折り目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクフイルム等熱可塑性合成樹脂から
   なる袋本体１を底部２にて折返して上端に開口部
   ３を形成するとともに該開口部３から一片ａを他
   片ｂより延長せしめた延長片５の正面側に前記袋
   本体１より厚手の補強片８を熱溶着せしめ、且つ
   該補強片８のそれぞれ左右縦方向に１対の折り目
   ９，９を形成し、しかも前記延長片５の背面側で
   前記折り目９，９間に接着剤６層を設けてなるこ
   とを特徴とする袋体。