JPS6232100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は折箱用周側枠の製造方法に関し、能
率的に製造できる方法を提供しようとしている。

従来より経木等からなる木製の折箱容器に代わ
つて、発泡ポリスチレン等の発泡シートからなる
周側枠を用いた折箱容器が使用され出し、軽量で
安価なことや大量生産に向き衛生的であることな
どの点で優れたものとされている。

そして上記周側枠の製造については、予め折曲
溝を形成したシート材を個別の周側材に切断し、
その後周側材の両端を接合して枠組みされた周側
枠を形成する方法が採用されている。ところが上
記方法のうち個別の周側材の両端を接合して枠組
みする作業は非常に面倒で手数を要し、製造能率
を向上する上で最も問題となつていた。

そこでこの発明においては上記従来方法の欠点
を解消し、製造容易で大量生産に好適な方法を提
供するものであり、その構成としては、発泡樹脂
シートからなる原板材に対して折曲用溝を形成す
る際に、折曲用溝のうち少なくとも枠組み時に相
対向する二個所にはＷ字状折曲溝を形成してお
き、上記原板材を二つ折りにした後両端を突き合
せ接合し、その後原板材を所定幅毎に切断して個
別の周側枠を形成することを特徴としている。

次いでこの発明の実施態様について図を参照し
ながら以下に例示する。

１は原板材であり、発泡ポリスチレン等の発泡
樹脂シートＳの外面に合成樹脂フイルム等の薄質
体Ｆが積層された複合シートからなるものであ
り、多数の周側枠を連成した長尺の大きさに形成
している。

原板材１の発泡樹脂シートＳ側には、四角形状
の周側枠に枠組みしたときに各隅角部となる四個
所に、Ｗ字状折曲溝１０，１０…が削成されてあ
り、このＷ字状折曲溝１０の各Ｖ字溝の開口角度
Θが90゜以上になるよう形成するものとする（第
１図および第２図参照）。

次に上記原板材１を発泡樹脂シートＳ側を内側
にして二つ折りに折曲して折り畳み、両端１１，
１１を突き合せて熱接着あるいは接着剤・接着テ
ープ等を利用して接合する。

この際相対向する二個所のＷ字状折曲溝１０，
１０にて折曲するので頂度二つ折りに折り畳んだ
厚板状態に折曲できるようになつている（第３図
参照）。

次に二つ折りに接合された原板材１を各折曲溝
１０と直交する方向で所要幅毎に切断し、個別の
周側枠Ａに分離形成する（第４図参照）。

こうして出来た周側枠Ａを四角形状に枠組みす
る際には、四個所のＷ字状折曲溝１０のうち片側
のＶ字溝のみを直角に折曲して枠組みすれば従来
の折箱用周側枠と全く同様に使用できるものであ
る。

そして例えば、合成樹脂シートにて成形され物
品収納用凹部２０を設けた内容器２を、枠組みさ
れた周側枠Ａの内部に収容し、内容器２の四辺に
設けた断面鉤形の周溝状をなす口縁部２１を、周
側枠Ａの四辺上端部に引掛けて嵌合係止し、内容
器２の底が周側枠Ａ内で浮いた中吊り状態になる
よう組合せて使用すれば、周側枠Ａの枠組み状態
が正確に固定でき好都合となる。

上記内容器２を用いれば、食品等の収納物を緩
衝性および断熱性良好に保護できると共に、液状
物の漏れも無くなり食品衛生上も好ましく、外観
上にも体裁良く使用できる。

但し、従来の折箱のように周側枠Ａの底面に底
板３を貼着するもの（第７図参照）等、既知の
様々な折箱容器にも適用できることは言うまでも
無い。

また上記周側枠Ａは四隅を直角に折曲して枠組
みするもののほか、四個所のＷ字状折曲溝１０を
二段階に折曲して使用すれば、隅角部が角落しさ
れた状態の折箱容器を製造することもできる（第
８図参照）。

さらにＷ字状折曲溝１０は少なくとも相対向す
る二個所に形成すればよいので、残りの隅角とな
る折曲溝を単なるＶ字状折曲溝１２に形成してお
くもので実施できる（第９図参照）。折箱容器全
体の形状としては、四角形以外にも、六角形その
他の多角形や異形状に形成することも出来、周側
枠Ａとなる原板材１に削成する折曲溝の個数およ
び位置を変更するだけで容易に対応できる。

そして周側枠Ａとなる複合シートの素材のう
ち、発泡樹脂シートＳとしては、発泡ポリスチレ
ンのほかポリエチレン、ポリプロピレン等の種々
の樹脂からなる発泡シートが使用でき、薄質体Ｆ
としては、ハイインパクトポリスチレンフイルム
等の合成樹脂フイルムのほか、加工紙やアルミ箔
なども使用でき、また上記各素材の複層フイルム
あるいはシートでも良く、さらに薄質体Ｆに印刷
柄模様等を施せば一層好ましい。

また発泡樹脂シートＳに薄質体Ｆを積層しない
で発泡樹脂シートＳ単体でも実施できるが、特に
発泡シートの押出成形時における冷却面等に生じ
る硬質の表皮層を利用し、発泡樹脂シートＳの外
面側に比較的厚め（通常の発泡シートに比べて）
の表皮層を形成しておけば、上記薄質体Ｆと同様
の補強効果や屈曲性・耐久性などを発揮でき、表
面も平滑であるから外観上も優れたものになる。

また前記した内容器２の素材としては、ハイイ
ンパクトポリスチレンシートが強度的に優れてい
て好適であるが、そのほか各種の発泡あるいは非
発泡の合成樹脂シートも使用でき、これらのシー
ト材から真空成形、圧空成形等の加工方法で所要
の凹部２０形状等を膨出成形すれば容易で製造で
きる。

以上のごとく構成されたこの発明方法によれ
ば、原板材１の両端１１，１１を接合した後で個
別の周側枠Ａへと切断分離するので、接合作業が
非常に行ない易く、個々の周側枠Ａ毎に接合する
のに比べはるかに能率的で短かい時間で接合でき
る。

特に相対向する位置にＷ字状折曲溝１０を形成
することにより、二つ折り畳んで厚板状態にして
切断できるので、切断装置および切断作業につい
ては従来の板材に対するものと全く同じ方法で良
く、切断に要するコストが高くなる心配は全く無
い。しかも上記Ｗ字状折曲溝１０は周側枠Ａとし
て枠組みした状態においては、従来と全く同様に
何ら支障なく使用することが出来るので、既知の
様々な構造の折箱容器に対して自由に適用するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様を例示するものであ
り、第１図は原板材の正面図、第２図は平面図、
第３図は折り畳んだ状態の正面図、第４図は切断
時の一部切欠側面図、第５図は周側枠の平面図、
第６図は折箱容器の一部切欠斜視図、第７図は変
更例の断面図、第８図はさらに変更例の平面図、
第９図は周側枠の変更例の平面図である。 １……原板材、１０……Ｗ字状折曲溝、Ａ……
周側枠、Ｓ……発泡樹脂シート、Ｆ……薄質体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発泡樹脂シートからなる原板材に対して折曲
   用溝を形成する際に、折曲用溝のうち少なくとも
   枠組み時に相対向する二個所にはＷ字状折曲溝を
   形成しておき、上記原板材を二つ折りした後両端
   を突き合せ接合し、その後原板材を所定幅毎に切
   断して個別の周側枠を形成することを特徴とする
   折箱用周側枠の製造方法。 ２ 周側枠を形成する発泡樹脂シートとしては外
   面側に薄質体を積層したものからなる上記特許請
   求の範囲第１項記載の折箱用周側枠の製造方法。 ３ 周側枠を形成する発泡樹脂シートとしては外
   面側に表皮層を有するものからなる上記特許請求
   の範囲第１項記載の折箱用周側枠の製造方法。