JPS623188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スキーポール用グリツプに係り、と
くに、そのグリツプにおける手皮の取付け構造に
関する。

スキーにおいては、滑走中、スキーポールが手
から離れてしまうことのないように、通常、グリ
ツプに取付けられた手皮に手首を通したうえグリ
ツプを握るようすることが行なわれている。

スキーポールをこのように保持してのスキー滑
走中、たとえば、スキーポールの先端がブツシユ
などに引掛かつたりし、スキーポールを容易には
引き寄せられなくなつたときなどは、逆に、手が
手皮ごとグリツプ部分から速やかに離脱できるよ
うにしておかないと、転倒したり、手首の捻挫や
骨折を招くおそれがある。

そのため、従来、手皮部分に一定の引張り力が
働いた場合に、手皮部分がグリツプ部分から離脱
するようにした構造についての多くの提案がなさ
れてきている。

しかし、これらのものは、一般に装置が複雑で
あつて製作等が容易でないとともに、グリツプ部
分からの離脱が的確には行なわれ難いものが多か
つた。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、構造が簡単であつて部材等の製作および組
立てがきわめて容易であり、また、手皮部分がグ
リツプ部分から的確に離脱するようにしたスキー
ポール用グリツプを提供しようとするものであ
る。

つぎに、本考案の一実施例を図面について説明
する。

１はスキーポールにおけるシヤフトで、このシ
ヤフト１の上部にはグリツプ本体２が嵌着固定さ
れている。

このグリツプ本体２は、合成樹脂により一体に
成形され、その頭部には後方開口の挿入孔３が穿
設されるとともに、この挿入孔３に直交して上下
方に垂直孔４ａ，４ｂが穿設されている。

上記挿入孔３は縦断面四角形状に形成され、そ
の後方上部すなわち開口側天面部には、挿入孔３
の後上方に向かつて傾斜する拡開面部５が形成さ
れており、また、上記挿入孔３の上方に位置する
垂直孔４ａは、挿入孔３の下方に位置する垂直孔
４ｂよりも大径に形成されている。

６は上記挿入孔３内に適合して嵌合される挿入
孔としての嵌合枠で、この嵌合枠６は、第３図な
いし第５図に示すように、鋼板によりほぼ角筒状
に折曲形成され、その後方上部には上記拡開面部
５に対する拡開面部としての傾斜片部７が形成さ
れるとともに、嵌合枠６の上下板部８，９には上
記垂直孔４ａ，４ｂに対する通孔１０ａ，１０ｂ
が穿設されている。

１１は上記嵌合枠６の内底面に支持される係合
枠で、この係合枠１１は、第６図および第７図に
示すように、鋼板により折曲形成され、その上方
板部１２には後上方に向かつて傾斜しつつ延出し
た傾斜板部１３が折曲形成されるとともに、切欠
き孔１４が設けられ、また、係合枠１１の下方板
部１５には上記通孔１０ｂに対する通孔１６が穿
設されるとともに、下方板部１５の後端部には上
方に向かつて突出したストツパ片部１７が折曲形
成されされている。

しかして、上記嵌合枠６と係合枠１１とは、上
記グリツプ本体２に対する後出の手皮本体１８の
取付けに先立ち、あらかじめグリツプ本体２に対
して取付けられるものであるが、その取付けに際
しては、まず、グリツプ本体２の挿入孔３の内に
嵌合枠６を挿入嵌合するとともに、この嵌合枠６
内に係合枠１１を挿入し、グリツプ本体２の垂直
孔４ａ，４ｂ、嵌合枠６の通孔１０ａ，１０ｂ、
および係合枠１１の切欠き孔１４と通孔１６とを
合致させたうえ、グリツプ本体２の垂直孔４ａ上
方より木ねじ１９を挿入し、図示しないねじ回わ
しにより木ねじ１９を螺回させつつ、木ねじ１９
のねじ部を上記スキーポール１における上端密栓
部１ａに対して螺着することにより行なう。

これにより、木ねじ１９の頭部が係合枠１１の
切欠き孔１４に係合した状態において、嵌合枠６
と係合枠１１とは、グリツプ本体２に固着される
ことになる。

１８は合成樹脂製の手皮本体で、この手皮本体
１８の先端重接部には止めピン２０および座板２
１を介して連結枠２２が固着されている。

この連結枠２２は、第８図および第９図に示す
ように、ばね鋼板により折曲形成され、その後方
上部には、上記嵌合枠６の傾斜片部７に対するば
ね片部２３がほぼ逆へ字状に折曲形成されるとと
もに、連結枠２２の前部には上記係合枠１１の傾
斜板部１３に対する弾接片部２４がほぼレ字状に
折曲形成され、また、連結枠２２の下部後端に
は、上記係合枠１１のストツパ片部１７に対する
係合縁部２５が形成されている。

このような構成において、上記手皮本体１８
は、上記グリツプ本体２に対し連結枠２２を介し
て着脱可能に取付けられたものであるが、その取
付けに際しては、グリツプ本体２の挿入孔３内す
なわち嵌合枠６内に連結枠２２を押し込むことに
より、連結枠２２は、傾斜片部７と傾斜板部１３
とに対しばね圧をもつて抗しつつも比較的容易に
押し込まれたうえ、係合縁部２５がストツパ片部
１７に対して係止されるとともに、弾接片部２４
の先端が傾斜板部１３に当接されることにより、
これにより、グリツプ本体２に対して手皮本体１
８が取付けられた状態のものとなる。

この状態において、スキーポールは使用に供さ
れるが、この場合、手皮本体１８に後方への引張
り力が作用しても、連結枠２２における係合縁部
２５が係合枠１１のストツパ片部１７により係止
されるため、手皮本体１８がグリツプ本体２から
離脱することはなく、しかして、手皮本体１８に
一定以上の引張り力、とくに上方への力が作用す
るとき、連結枠２２は、ばね片部２３のばね圧に
抗しつつグリツプ本体２に対する姿勢を変え、ス
トツパ片部１７に対する係合縁部２５の係合が解
かれるとともに、弾接片部２４は撓みつつ傾斜板
部１３に沿つて摺接後退し、これにより、手皮本
体１８はグリツプ本体２の後方に引き離されるこ
とになる。

なお、上記嵌合枠６、係合枠１１、および連結
枠２２等は、鋼板により形成するのに代え、合成
樹脂により形成してもよく、また、嵌合枠６と係
合枠１１とを一体に形成するようにしてもよい。

本考案によれば、グリツプ本体への手皮本体取
付けに際しては、グリツプ本体の挿入孔に手皮本
体の連結枠を押し込むだけの操作により、連結枠
を介して手皮本体はグリツプ本体に対し円滑かつ
確実に連結されることになり、この状態におい
て、手皮本体に手首を通したうえでグリツプ本体
を握つているとき、手首を介して手皮に一定の強
い引張り力が加えられた場合には、連結枠は、ば
ね片部のばね圧に抗しつつストツパ片部に対する
係合縁部の係合を解いて挿入孔より引き抜かれ、
手皮本体はグリツプ本体から安全かつ確実に離脱
することになる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
スキーポール用グリツプの要部を示す縦断側面
図、第２図はその部材としての手皮部分を取外し
た状態における同上縦断側面図、第３図ないし第
５図は部材としての嵌合枠を示し、第３図かその
平面図、第４図はその側面図、第５図はその背面
図、第６図および第７図は部材としての係合枠を
示し、第６図はその側面図、第７図はその平面
図、第８図および第９図は部材としての手皮部分
の要部を示し、第８図はその側面図、第９図はそ
の底面図である。 ２……グリツプ本体、３……挿入孔、５……拡
開面部、６……挿入孔としての嵌合枠、７……拡
開面部としての傾斜片部、１１……係合枠、１３
……傾斜板部、１７……ストツパ片部、１８……
手皮本体、２２……連結枠、２３……ばね片部、
２４……弾接片部、２５……係合縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. グリツプ本体の頭部に穿設された後方開口の挿
   入孔と、この挿入孔の後方上部に形成され後上方
   に向かつて傾斜する拡開面部と、上記挿入孔の後
   方下部に設けられ上方に向かつて突出するストツ
   パ片部と、上記挿入孔の中途部底面に突設され後
   上方に向かつて傾斜する傾斜板部と、上記グリツ
   プ本体に対する手皮本体の先端部に固着され上記
   挿入孔内に挿入される連結枠と、この連結枠の後
   方上部に形成され上記挿入孔の拡開面部に対する
   ばね片部と、上記連結枠の後方下部に設けられ上
   記ストツパ片部に対する係合片部と、上記連結枠
   の前方部に設けられ上記傾斜板部に対する弾接片
   部とを備えたことを特徴とするスキーポール用グ
   リツプ。