JPS6231233B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、湯と水を所定の温度に混合し給湯を
行なう湯水混合式給湯装置に関するものである。

従来の構成とその問題点 従来この種の湯水混合式給湯装置は第１〜２図
に示すように構成されていた。すなわち第１図に
おいて水道１より給水された水は、給湯熱源であ
る電気温水器２内のヒータ３により加熱され、タ
ンク４内に貯えられる。電気温水器２には給湯配
管５が接続されており、給湯配管５の端末には給
湯栓として手動の湯水混合水栓６，７が設けられ
ている。この湯水混合水栓６，７にはそれぞれ給
湯配管から分岐した給湯分岐管８，９と、電気温
水器２の手前の水道１から分岐した給水管１０に
接続される給水分岐管１１，１２が接続されてい
る。湯水混合水栓６あるいは７を開成すると、電
気湯水器２内のタンク４に貯えられている高温の
湯は、水道１の水圧により押され給湯配管５を通
つて湯水混合水栓６あるいは７に達する。ここで
湯は給水管からの水と混合され、使用に適した湯
温にまで下げられて供給される。第２図は湯水混
合水栓６あるいは７を表わすものであり、本体１
３は湯の入口１４と水の入口１５を有しており、
湯の流路１６の水の流路１７を弁体１９に設けた
スリツト１８により開度調節を行なつている。弁
体１９は図において上下方向にスライドするよう
に動作し、駆動は混合湯温検出手段を兼ねたワツ
クスペレツト２０により行なわれ、温調つまみ２
１で設定された温度以上に混合湯温が上がると、
ワツクスペレツト２０が膨張し弁体１９を上方に
移動させ、下がると下方に移動させて流路の開度
を調節している。混合湯は混合湯流路２２あるい
は２２′を通つて、例えば風呂への給湯栓２３あ
るいはシヤワーへの給湯栓２４の開閉により、給
湯対象に供給される。給湯栓２３，２４が双方と
も閉成され給湯が止まると、自然放熱により湯温
が下がるため、ワツクスペレツト２０は収縮し弁
体１９はバネ２５に押されて下方に移動し、水側
の流路１７をスリツト１８が次第に絞つて行く。
完全に湯が冷え切ると水側流路１７は全閉され、
湯側流路１６が全開された状態となつている。こ
の従来例は弁体の駆動を混合湯温検出手段を兼ね
たワツクスペレツトで行なつているが、この他に
も最近では弁体をモータで駆動し、混合湯温をサ
ーミスタで検出し制御する方式も出現して来た
が、給湯停止後において湯が冷却されるに伴な
い、弁体が湯側流路を開成し水側流路を閉成して
行く現象は、ワツクスペレツト型と同様に起つて
いた。

従来のこの種の湯水混合装置は以上の様に構成
されていたため次の様な欠点を有していた。

(1) 給湯使用後の自然放熱に冷却により弁体が水
側流路を閉成し、湯側流路を開成しているた
め、給湯を再開した時に、設定値より高い熱湯
が供給され火傷のおそれがある。特に近傍の他
の湯水混合水栓が使われた後や循環給湯システ
ム、また給湯熱源までの給湯配管距離が短い場
合においては、給湯配管に奪われる熱が少ない
ため非常に熱い湯が出て危険である。

(2) 混合湯温が設定値に致達するまで時間がかか
るが、この間に設定値より高い湯が供給される
ので使用対象によつては無駄になつた。

(3) 駆動手段が電気的な方式の場合は、給湯停止
後冷却中も弁体を動かすために通電が行なわれ
省エネルギーに反するものであつた。

発明の目的 本発明は上記の様な従来の湯水混合式給湯装置
の欠点を解消するものであり、給湯停止後には駆
動装置を駆動し、湯側流路を閉じるか、絞り込ん
でから駆動装置を停止させ、給湯再開時の危険防
止と省エネルギーを図ることを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するため本発明は、混合弁体を
駆動するモータ等の駆動装置と、混合湯温を検出
する温度検出器と、温度検出器の信号を設定値と
比較して駆動装置を制御する制御器と、混合湯の
供給状態を直接もしくは間接的に検出する流動検
出器を設け、更に、この流動検出器による混合湯
の供給停止信号の入力により駆動装置を湯側流路
を閉成する方向に駆動する信号を出力する駆動方
向制御部と、所定量駆動後駆動を停止する停止制
御部とで構成される閉成制御器を設け使用再開時
の安全と湯の無駄な流出の防止および不使用時に
おける駆動装置の省エネルギーを図つている。

実施例の説明 次に本発明の一実施例について第３〜５図に基
づいて説明する。第３図において水道３１より供
給された水は、給湯熱源である電気温水器３２内
のヒータ３３により加熱され、タンク３４内に貯
えられる。電気温水器３２には給湯配管３５が接
続されており、この端末側に湯水混合装置３６，
３６′と、開閉弁である給湯栓３７，３７′が設け
られている。湯水混合装置３６を代表例として説
明すると、第４図において湯の入口３８と水の入
口３９と混合湯の出口４０を有した混合弁框体４
１内に、湯側流路４２と水側流路４３の開度を調
節する弁体４４と４５が設けられている。

水側弁体４５は圧力バランスを取るためのピス
トン４６を有しており、図面では記載されていな
いが混合室４７の圧力が、ピストン４６の背面の
室４８に導かれている。弁体４４と４５には軸４
９が貫通しており、軸４９に弁体４４，４５は摺
動的可能となつている。

弁体４４，４５はバネ５０により外側に向つて
付勢されており、軸に設けた止め輪５１，５２に
よりその最外端が規制されている。軸４９は弁框
体４１の外部に設けた回転スライドに変換する変
換装置５４を介し、駆動装置であるモータ５３に
より駆動される。混合湯温は、温度検出器である
サーミスタ５５で検出され、混合制御器５６にて
サーミスタ５５と温度設定器５７の信号比率が行
なわれ、その偏差に応じてモータ５３による弁体
４４，４５の駆動量が決定され、制御される。混
合流路５８には、混合湯の供給状態を検出する流
量スイツチ５９が設けられており、開閉弁である
給湯栓３７の開状態、閉状態を検出している。こ
の流量スイツチ５９は閉成制御器６０にも接続さ
れていて、閉成制御器６０内には、第５図に示す
ように停止制御部である時限回路６１と、駆動方
向制御部である信号発生回路６２を有している。

次に動作を説明する。給湯栓３７を開成して給
湯を行なつている状態を想定する。電気温水器３
２内の湯は水道圧で給湯管３５を通つて湯水混合
装置３６に送られる。湯水混合装置３６へは、給
水管を通つて送られて来た水も導入される。湯の
入口３８と水の入口３９から入つて来た湯と水
は、弁体４４と４５により湯と水の流路４２，４
３の開度が調節され、各々の流量が決められる。
この弁体４４と４５は、サーミスタ５５と温度設
定器５７の信号偏差により制御され、サーミスタ
５５で捨つた混合湯温度が設定値よりも高いと、
制御器５６を介してモータ５３が駆動し、変換装
置５４を介して軸４９を右側の方に押す。弁体４
４と４５はこれにより平行移動し、弁体４４は湯
側流路４２を閉じる方向に、弁体４６は水側流路
をを開ける方向に動く。設定値より混合湯温度が
低いと逆に弁体４４と４５は動き湯側流路４２を
開け、水側流路４３を閉じる。給湯が行なわれて
いる間は、混合流路５８に流れがあるため、流量
スイツチ５９がオンし続けモータ５３への通電を
確保する。給湯中は湯や水の圧力変動等により流
量が変化した場合は、結果的に混合湯温が変化す
るが、サーミスタ５５と制御器によりモータ５３
へフイードバツクされ、元の設定値に戻るように
弁体４４と４５が駆動される。

給湯が不要となり給湯栓３７を閉じると流れが
止まるため、流量スイツチ５９がオフとなる。こ
の流量スイツチ５９のオフ信号は、閉成制御器６
０に伝えられ、時限回路６１で設定された時間中
は信号発生回路６２から偏差信号が発せられる。
この偏差信号は温度設定器５７の設定値と、温度
検出器５５の信号の偏差に、更に所定の偏差を持
たせる。そして湯側流路４３を閉成するようにモ
ータ５３で、混合弁体４４，４５を駆動する。時
限回路６１の設定時間は、モータ５３が湯側流路
４３を閉成するに必要な時間以上に設定されてい
る。時限回路６１の設定時間後、流量スイツチ５
９がオフした信号が遅延して伝えられ、モータ５
３は通電が断たれ停止する。サーミスタ５５の周
辺の湯温が自然放熱により下つて来ても、モータ
５３は動かないため、従来の方式の様に電力を消
費することはなく、弁体４４は湯側流路４２を閉
成し、弁体４５は水側流路４３を開成する位置に
停止している。

次に給湯が再び必要となり給湯栓３７を開成す
ると、湯側流路４２は弁体４４で開成されている
ため、まず開成している側の水が流れ出す。この
流れを流量スイツチ５９が検出し即座に制御が開
始される。温度設定器５７の指示が水温を指示し
ていない限り、湯側流路４２が開けられ水側流路
４３が絞られて行き、やがて設定値に達し定常的
に混合湯が供給される。この設定値に達するまで
の間は、水温から立ち上つて設定温に到達するた
め、使い始めに熱い湯が供給されることなく、少
なくとも設定値以下の低い湯温の湯が無駄になる
だけであり、従来の様に高い湯温が捨て去られた
方式に比べ無駄が少ない。また、給湯栓の閉成時
にモータの駆動を即座に止め、開成時に再開する
方式も考えられるが、使用停止中に温度設定器の
設定温を変えられた場合の安全性やより以上の省
エネルギーの面から本方式は一層有利なものであ
る。

この実施例においては、閉成制御器６０は停止
制御部である時限回路61と駆動方向制御部である
信号発生回路６２を有し、流量スイツチ５９が給
湯栓３７の閉成を検出して、設定温度とサーミス
タ５５の信号偏差に更に偏差を持たせる方式であ
るため、簡単な制御回路構成でモータ５３の制御
が可能となつている。この他、閉成制御器に湯側
流路の閉成方向を指示する駆動方向制御部である
方向指示回路と、指示方向に所定時間通電する停
止制御部である時限回路とを設け、設定温度とサ
ーミスタ信号の如何にかかわらず、流量スイツチ
５９から停止信号を受け湯側流路を閉成する方法
や、湯側流路の閉成方向を指示する駆動方向制御
部である方向指示回路と、弁体４４が湯側流路４
２を閉成する位置を検出するリミツトスイツチ等
の閉成点険出手段を停止制御部として設け、流量
スイツチ５９の停止信号を受けてリミツトスイツ
チに当るまで弁体４４を湯側流路４２を閉成する
方向に駆動する方法でも同様な効果が得られる。
また流動検出器として、この実施例においては、
給湯栓３７の開閉に伴なう混合湯の流れを、流量
スイツチ５９で検出してモータ５３の駆動を開始
あるいは停止しているため、簡単な構成でしかも
給湯栓３７の操作だけで制御が価能な効果を有す
る。流量スイツチの他に混合湯の供給状態を検出
する流動検出器としては、例えば給湯栓と一体に
され、給湯栓操作に連動してスイツチがオン、オ
フされ、このオン、オフ信号を電線で制御器に伝
える間接的方法や、圧力スイツチを用い給湯栓開
閉に伴なう圧力変動を捨う方法等が考えられる。
なお上記実施例においては、完全に湯側流路４２
を混合湯の供給停止時に流量スイツチ５９の信号
を受けて閉成しているが、完全に閉成せずに閉成
方向に所定量駆動して駆動を止めてもよい。

本発明は以上の述べた様に、給湯停止時に湯側
流路を閉成する方向に弁体を駆動し続いて駆動装
置も停止させているものであり次の様な効果を有
する。

発明の効果 (1) 給湯再開時に、従来の様に設定値より高い熱
湯が供給され火傷をしたりすることがなく安全
である。

(2) 混合湯温が設定値に達する迄の間は、必ず設
定温よりも低い湯が供給されるため、捨てられ
る熱量も少なくて済む。

(3) 駆動手段が電気的な場合は、給湯停止後に弁
体を駆動する必要がないため、電力消費がなく
省エネルギーが達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合給湯装置のシステム
図、第２図は同装置に使用される湯水混合水栓断
面図、第３図は本発明の湯水混合給湯装置の一実
施例を示すシステム図、第４図は一実施例の湯水
混合給湯装置に使用される湯水混合装置の断面
図、第５図は本発明の一実施例を示す湯水混合給
湯装置の制御ブロツク線図である。 ３８……湯の入口、３９……水の入口、４０…
…混合湯出口、４１……混合弁框体、４２……湯
側流路、４３……水側流路、４４，４５……弁体
（混合弁体）、５３……モータ（駆動装置）、５５
……サーミスタ（温度検出器）、５６……混合制
御器（制御器）、５９……流量スイツチ（流動検
出器）、６０……閉成制御器、６１……時限回
路、（停止制御部）、６２……信号発生回路（駆動
方向制御部）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 湯と水の入口と混合湯の出口を有した弁框体
   と、弁框体内の湯側流路と水側流路の開度を調節
   する混合弁体と、混合弁体を駆動するモータ等の
   駆動装置と、混合湯温を検出する温度検出器と、
   温度検出器の信号を設定値と比較して駆動装置を
   制御する制御器と、混合湯の供給状態を直接もし
   くは間接的に検出する流動検出器とを有し、この
   流動検出器による混合湯の供給停止信号の入力に
   より前記駆動装置を湯側流路を閉成する方向に駆
   動する信号を出力する駆動方向制御部と、この駆
   動方向制御部による前記駆動装置の所定量駆動後
   前記駆動装置の駆動を停止する停止制御部とを有
   した閉成制御器とを設けて成る湯水混合給湯装
   置。 ２ 駆動方向制御部は、温度検出器の信号と設定
   値の偏差に更に所定の偏差を持たせる信号発生回
   路とし、停止制御部は信号発生時間を制御する時
   限回路とした特許請求の範囲第１項記載の湯水混
   合給湯装置。 ３ 駆動方向制御部は、湯側流路を閉成する方向
   を指示する方向指示回路とし、停止制御部は駆動
   部を所定時間駆動する時限回路とした特許請求の
   範囲第１項記載の湯水混合給湯装置。 ４ 駆動方向制御部は、湯側流路を閉成する方向
   を指示する方向指示回路とし、停止制御部は混合
   弁体の位置を検出するリミツトスイツチ等の弁位
   置検出手段とした特許請求の範囲第１項記載の湯
   水混合給湯装置。