JPS622191B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、湯と水を所定の温度に混合し給湯を
行なう湯水混合式給湯装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の湯水混合式給湯装置は第１〜２図
に示すように構成されていた。すなわち第１図に
おいて水道１より給水された水は、給湯熱源であ
る電気温水器２内のヒータ３により加熱され、タ
ンク４内に貯えられる。電気温水器２には給湯配
管５が接続されており、給湯配管５の端末には給
湯栓として手動の湯水混合水栓６，７が設けられ
ている。この湯水混合水栓６，７にはそれぞれ給
湯配管から分岐した給湯分岐管８，９と、電気温
水器２の手前の水道１から分岐した給水管１０に
接続される給水分岐管１１，１２が接続されてい
る。湯水混合水栓６あるいは７を開成すると、電
気温水器２内のタンク４に貯えられている高温の
湯は、水道１の水圧により押され給湯配管５を通
つて湯水混合水栓６あるいは７に達する。ここで
湯は給水管からの水と混合され、使用に適した湯
温にまで下げられて供給される。第２図は湯水混
合水栓６あるいは７を表わすものであり、本体１
３は湯の入口１４と水の入口１５を有しており、
湯の流路１６と水の流路を弁体１９に設けたスリ
ツト１８により開度調節を行なつている。弁体１
９は図において上下方向にスライドするように動
作し、駆動は混合湯温検出手段を兼ねたワツクス
パレツト２０により行なわれ、温調つまみ２１で
設定された温度以上に混合湯温が上がると、ワツ
クスペレツト２０が膨張し弁体１９を上方に移動
させ、下がると下方に移動させて流路の開度を調
節している。混合湯は混合湯流路２２あるいは２
２′を通つて、例えば風呂への給湯栓２３あるい
はシヤワーへの給湯栓２４の開閉により、給湯対
象に供給される。給湯栓２３，２４が双方とも閉
成され給湯が止まると、自然放熱により湯温が下
がるため、ワツクスペレツト２０は収縮し弁体１
９はバネ２５に押されて下方に移動し、水側の流
路１７をスリツト１８が次第に絞つて行く。完全
に湯が冷え切ると水側流路１７は全閉され、湯側
流路１６が全開された状態となつている。この従
来例は弁体の駆動を混合湯温検出手段を兼ねたワ
ツクスペレツトで行なつているが、この他にも最
近では弁体をモータで駆動し、混合湯温をサーミ
スタで検出し制御する方式も出現して来たが、給
湯停止後において湯が冷却されるに伴ない、弁体
が湯側流路を開成し水側流路を閉成して行く現象
はワツクスペレツト型と同様に起つていた。

従来のこの種の湯水混合装置は以上の様に構成
されていたため次の様な欠点を有していた。

(1) 給湯使用後の自然放熱冷却により弁体が水側
流路を閉成し、湯側流路を開成しているため、
給湯を再開した時に、設定値より高い熱湯が供
給され火傷のおそれがある。特に近くの他の湯
水混合水栓が使われた後や循環給湯システム、
また給湯熱源までの給湯配管距離が短い場合等
においては、給湯配管に奪われる熱が少ないた
め非常に熱い湯が出て危険である。

(2) 常に湯側流路開成、水側流路閉成の状態から
温調制御がスタートするため、設定温度に到達
するまでに時間がかかる。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
で、給湯の再開時や温度設定が変えられた時に、
予め記憶している混合湯温と弁体開度の関係に基
き一早く開度を予測設定する湯水混合給湯装置を
提供することを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するため本発明は、混合弁と、
混合弁を駆動する駆動装置と、混合湯温を検出す
る温度検出器と、混合湯温を設定する温度設定器
と、温度検出器と温度設定器の信号偏差に基づき
駆動装置を制御する駆動制御回路と、給湯の有無
を検出する流量スイツチ等の検出器と、給湯中の
混合弁開度と混合湯温の関係を記憶する記憶回路
と、温度設定器の設定値の変更時に温度設定器と
記憶回路に従つて混合弁開度を予測設定する予測
設定回路より装置を構成し、給湯の再開時、温度
設定器設定値の変更時には設定温度と、予め記憶
回路で記憶している混合弁開度と混合温湯の関係
に従つて混合弁開度を設定することにより、所定
の湯温を得るまでの時間を短縮し、危険を防止す
るものである。

実施例の説明 次に本発明の一実施例について第３図、第４図
に基づいて説明する。第３図において、水道３１
より供給された水は、給湯熱源である電気温水器
３２内のヒータ３３により加熱され、タンク３４
内に貯えられる。電気温水器３２には給湯配管３
５が接続されており、この端末側に湯水混合装置
３６，３６′と、開閉弁である給湯栓３７，３
７′が設けられている。湯水混合装置３６を代表
例として説明すると、第４図において湯の入口３
８と水の入口３９と混合湯の出口４０を有した混
合弁框体４１内に、湯側流路４２と水側流路４３
の開度を調節する弁体４４と４５が設けられてい
る。

水側弁体４５は圧力バランスを取るためのピス
トン４６を有しており、図面では記載されていな
いが混合室４７の圧力が、ピストン４６の背面の
室４８に導かれている。弁体４４と４５には軸４
９が貫通しており、軸４９に弁体４４，４５は摺
動可能となつている。

弁体４４，４５はバネ５０により外側に向つて
付勢されており、軸に設けた止め輪５１，５２に
よりその最外端が規制されている。湯水混合装置
３６の混合弁５３部は以上の様に構成されてい
る。次に軸４９は弁框体４１の外部に設けた駆動
装置であるであるモータ５４により、回転運動を
直線運動に変換する変換装置５４′を介して駆動
される。混合湯温は温度検出器５５で検出され、
制御器５６内で温度検出器５５と温度設定器５７
の信号比較が行なわれ、その偏差に応じて駆動制
御回路５８でモータ５４の駆動量が制御される。

混合流路５８には混合湯の供給の有無を検出す
る検出器として流量スイツチ５９が設けられてい
る。また制御器５６内には、温度検出器５５の信
号や混合弁５３の位置関係を記憶する記憶回路６
０と、温度設定器５７の設定が変更された場合、
記憶回路６０と温度設定器５７に従つて混合弁開
度を予測設定する予測設定回路６１を有してい
る。

次に動作を説明する。給湯栓３７を開成して給
湯を行なつている状態を想定する。電気温水器３
２内の湯は水道圧で給湯管３５を通つて湯水混合
装置３６へ送られる。湯水混合装置３６へは、給
水管を通して送られて来た水も導入される。湯の
入口３８と水の入口３９から入つて来た湯と水
は、弁体４４と４５により湯と水の流路４２，４
３の開度が調節され、各々の流量が決められる。
この弁体４４と４５は、温度検出器５５と温度設
定器５７の信号偏差により制御され、温度検出器
５５で拾つた混合湯温度が設定値よりも高いと、
制御器５６を介してモータ５４が駆動され、変換
装置５４′を介して軸４９を右側の方に押す。弁
体４４と４５はこれにより平行移動し、弁体４４
は湯側流路４２を閉じる方向に、弁体４６は水側
流路を開ける方向に動く。設定値より混合湯温度
が低いと逆に弁体４４と４５は動き湯側流路４２
を開け、水側流路４３を閉じる。

給湯が定常的に行なわれた状態で温度設定器５
７の設定が急に変えられたとする。温度設定器５
７の変更された温度設定値は、予測設定回路６１
に伝えられる。予測設定回路６１には記記憶回路
６０からの弁開度と混合湯温の関係も伝えられ
る。記記憶回路６０は温度検出器５５からの混合
湯温の信号と、混合弁５３の位置を表わすための
駆動制御回路５８の駆動パルス量の関係を記憶し
ている。混合弁５３の位置はこの他にもポテンシ
ヨメータ等を用いて直接検出する方法もある。こ
の記憶内容は、季節による水温の変動を補正する
ため、時々サンプリングしている。混合湯温と弁
体開度の関係は湯温水温があまり変動がない時は
最初からインプツトしておいても良い。予測設定
回路６１ではこの記憶回路６１の混合湯温と混合
弁の開度の関係係に従つて、温度設定器５７で変
更された目標値に対してどれだけモータ５４を駆
動したら良いかを即座に演算し、混合弁５３の開
度を温度検出器５５の信号が伝達される以前に調
節するよう駆動制御回路に必要駆動量を指令す
る。混合弁５３が所定の位置に臨んだ後は温度検
出器５５の信号に切り換わり、以後混合弁５３位
置の微調整が行なわれる。

給湯の停止は流量スイツチ５９で検出し、通常
はモータ５４の通電を断つている。停止中温度設
定器５７の温度設定が変更された場合、すなわち
給湯の使用開始に先立ち温度設定を変えた場合な
ど、給湯使用中と同様に温度設定器５７と記憶回
路６０に従つて予測設定回路６１で混合弁５３開
度を予測設定して、予め開度調整を行なう。調整
後は温度検出器５５の値にかかわらず混合弁開度
を温度設定器５７の設定値に従つた位置に保持す
る。給湯停止中のこの動作は必ずしも必須条件で
はなく、給湯開始に当つて蛇口を開成した際の流
量変化を一早く流量スイツチ５９で検出し予測設
定回路によつて混合弁５３の開度を調整しても実
用には耐え得る。

この実施例においては給湯の停止中は温度設定
器の設定値変更に伴ない混合弁開度の予測設定を
行ない、予測設定後は混合弁開度を保持している
ため、いつ給湯が開始されても設定値に近い混合
湯が供給できる効果を有する。また、給湯の有無
を検出する検出器を流路スイツチで構成し給湯の
停止中は駆動装置への通電をやめるように構成す
れば、一層の省電化と、流量スイツチによる早い
混合弁開度調整が可能となる。

発明の効果 本発明は以上の様に、温度設定器の設定値が変
更された場合、給湯が再開された場合に、温度設
定値と予め記憶された混合弁開度と混合湯温の関
係に従つて、混合弁開度を予測設定しているため
次の様な効果を有する。

(1) 温度設定値の変更、給湯の開始に当り予め記
憶された混合弁開度と混合湯温の関係に従つて
混合弁開度を予測設定しているため、設定値に
近い湯温が早く供給され使い勝手が向上する。

(2) 給湯停止後の時間をあまり経過しない状態で
の再給湯や循環給湯システム、また給湯熱源ま
での距離が短い場合などにおいて、設定値に近
い湯が始めから供給されるため従来のように火
傷などの心配がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合給湯装置を示すシステ
ム図、第２図は同混合弁の断面図、第３図は本発
明の湯水混合給湯装置の一実施例のシステム図、
第４図は同混合弁断面図、第５図は同制御ブロツ
ク線図である。 ５３……混合弁、５４……モータ（駆動装
置）、５５……温度検出器、５７……温度設定
器、５９……流量スイツチ（検出器）、６０……
記憶回路、６１……予測設定回路、５８……駆動
制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 湯側と水側の開度を変え混合湯を得る混合弁
   と、混合弁を駆動する駆動装置と、混合湯温を検
   出する温度設出器と、混合湯温を設定する温度設
   定器と温度検出器と温度設定器の信号偏差に基き
   駆動装置を制御する駆動制御回路と、給湯の有無
   を検出する検出器と、給湯中の混合弁開度と混合
   湯温の関係を記憶する記憶回路と、温度設定器の
   設定値変更時、給湯の開始時に温度設定器と記憶
   回路に従つて混合弁開度を予測設定する予測設定
   回路より成る湯水混合給湯装置。 ２ 予測設定回路は給湯の停止中は温度設定器の
   設定値変更に伴ない混合弁開度の予測設定を行な
   い、予測設定後は混合弁位置を保持した特許請求
   の範囲第１項記載の湯水混合給湯装置。 ３ 給湯の有無を検出する検出器は流量スイツチ
   をもつて構成し、給湯の停止中は駆動装置への通
   電を断ち、給湯開始時は流量スイツチ信号に従つ
   て混合弁開度の予測設定動作を開始する特許請求
   の範囲第１項記載の湯水混合給湯装置。