JP2878799B2 - 給湯器の出湯温度制御装置 - Google Patents

給湯器の出湯温度制御装置

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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本発明は、三方弁の開度に応ずる湯水混合比率を座標
上の位置として記憶し、湯水の見込み制御の弁位置を演
算して、湯温の見込み制御を可能となすガス比例弁型の
ミキシング給湯器の出湯温度制御装置に関するものであ
る。
ロ 従来の技術 従来、ガス比例弁型のミキシング給湯器の出湯温度制
御装置としては、各種構成のものがあり、例えば、公知
技術として、被加熱回路とバイパス回路との合流点から
分岐点までの間に、流量比率調整弁を設けると共に、被
加熱回路の特定箇所にこの部分の温度を検知する検知手
段を設け、この検知手段からの出力によって前記流量比
率調整弁を作動させるものがあった。又、特開昭63-163
731号公報に記載の如く、出湯温度設定値と入水温度と
の差が大きい時は、バイパス制御弁の開度を大きくして
低圧力損失で大水量を得て、差が小さい時は、バイパス
制御弁の開度を小さくして沸騰を防止するもの等があっ
た。
ハ 発明が解決しようとする課題 上記先行技術において、前者は、流量比率調整弁の動
作が被加熱回路の現実の加熱状態の出力によって制御さ
れる。所謂フィードバック制御であるから、所定の制御
状態になるまでに一定の時間を要していた。又、後者に
おいては、加熱制御器が、出湯温度設定器と入水温度検
出器との信号の差と、水量検出器の信号とによって演算
された加熱負荷の値で制御され、更に出湯温度設定器と
出湯温度検出器との偏差信号で補正されて、最終的には
出湯温度設定と等しい出湯温度を得るようになってい
る。しかし、その制御動作は前者と同様にフィードバッ
ク制御となっているものである。このように、両者はい
ずれも湯温安定までに時間がかかり、熱交換器の間歇使
用において、燃焼停止後の保有熱で残留水が加熱昇温し
て異常高温となり、出湯時に高温湯が吐出する所謂後沸
き現象や、又、再燃焼開始後に熱交換器が所要温度に上
昇安定するまで殆ど昇温せず、冷水に近い状態で流出す
る所謂前冷え現象を避けることが出来ないと言う問題が
あった。
ニ 課題を解決するための手段 本発明は、上記従来技術の実情に鑑み、湯水混合弁の
弁形状によって決定される湯水混合比率のリフト座標を
記憶させ、給湯器の熱応答遅れを見越して出湯温度の安
定に必要な混合弁位置を選択し、湯温の見込み制御を可
能となすもので、その構成は、ガス比例弁型のミキシン
グ給湯器に、加熱路とバイパス水路との分岐点又は合流
点に配置される三方弁の開度に応ずる弁位置を検出する
検出手段と、出湯温度設定器及び前記合流点の下流に設
けた出湯温度検知器からの制御信号を入力して、出湯設
定温度に近い湯温に開度を選択する演算手段と、前記演
算手段により選択された開度に前記三方弁を制御する駆
動手段とを含む給湯器の出湯温度制御装置において、前
記三方弁の開度に応ずる湯水混合比率を座標上の位置と
して予め記憶する記憶手段を備え、出湯温度設定器及び
出湯温度検知器からの制御信号を入力した演算手段が、
前記記憶手段から出湯設定温度に最も近い湯水混合率と
なる三方弁の座標上の位置を選択することにより出湯温
度の見込み制御を行なう給湯器の出湯温度制御装置であ
る。そして、前記三方弁が、入水口と前記加熱路への出
水口と前記バイパス水路への出水口とを備え、弁室内に
前記両出水口への流量を制御する湯路側調整弁と、水路
側調整弁と、弁棒とが配設され、前記弁棒が、前記湯路
側調整弁及び前記水路側調整弁に対応する位置に夫々水
量調整弁を備え、その昇降作動により前記湯路側調整弁
及び前記水路側調整弁の開度を夫々制御可能となすもの
であり、又、前記駆動手段が前記弁棒に連結し、その弁
棒を昇降作動させる制御用電動機を備え、前記検出手段
が、前記弁棒の昇降作動の上下限位置及びその中間位置
を検出する電気的測定器を備えたものである。
ホ 作用 制御用電動機に連結した三方弁の形状と、三方弁の弁
棒の昇降作動による水量調整弁位置とによって、湯路側
調整弁と水路側調整弁との開度が決定されるので、予め
記憶手段に、その開度に応ずる湯水混合比率を座標上の
弁位置として記憶させておき、使用開始前の弁位置を電
気的測定器によって検出し、更に、演算手段が出湯温度
設定器と出湯温度検知器とからの制御信号を入力して、
出湯設定温度に最も近い湯水混合率となる三方弁の座標
上の位置を選択する。そして、演算手段が選択した座標
上の位置信号を制御用電動機に出力すると、制御用電動
機はその出力信号により弁棒を昇降作動させるので、そ
の単一の昇降作動により水量調整弁が開閉して、湯路側
調整弁及び水路側調整弁の開度が制御され、出水口から
加熱路への流量と他の出水口からバイパス水路への流量
とが制御される。それによって、三方弁からの流量が出
湯設定温度に最も近い湯水混合率となるので、出湯温度
安定化のための見込み制御が可能となり、出湯温度を至
短時間で安定させることが出来る。
ヘ 実施例 以下、本発明に係る給湯器の出湯温度制御装置の一実
施例を添付図面に基づいて説明する。
第1図はその概略構成図で、1は熱交換器、2はその
熱交換器へ給水する給水路、3及び4は給水路から夫々
分岐する加熱路とバイパス水路である。そして、給水路
2の分岐点には、加熱路3とバイパス水路4とへの流量
を分配する三方弁としての湯水混合弁5が設けられ、
又、加熱路3とバイパス水路4との合流点の下流にはサ
ミスターの出湯温度検知器6が設けられている。7はガ
ス流路で、加熱源としてガスバーナ8が設けられ、この
ガスバーナ8の加熱熱量は、第2比例制御弁9の出力に
よって所定熱量に設定されるが、その出力は出湯温度設
定器13と出湯温度検知器6とからの制御信号を入力して
その差を補正するコントローラ11からの制御信号によっ
て制御される。又、前記湯水混合弁5には、検出手段を
構成する高温及び低温用のリミットスイッチ10が付設さ
れ、湯水混合弁5の湯水混合比率で制御出来る湯温の上
下限を、マイクロプロセッサ等から成るコントローラ11
の演算駆動回路11bに入力する。そして、コントローラ1
1の記憶回路11aは、予め前記湯水混合弁5の開度に応ず
る湯水混合比率を座標上の位置として記憶しておく。
更に、検出手段を構成する電気的測定器としてのステ
ッピングモータ12は、止水時又は間歇使用繰り返し時に
おける使用開始前の湯水混合弁5の弁位置を検出して、
コントローラ11の演算駆動回路11bに入力する。演算駆
動回路11bは、出湯温度設定器13と出湯温度検知器6と
からの制御信号を入力して、出湯設定温度に最も近い湯
水混合率となる湯水混合弁5の座標上の位置を選択し、
その選択した位置信号を制御用電動機としてのステッピ
ングモータ12に出力する。ステッピングモータ12はその
出力信号により湯水混合弁5を駆動して、加熱路3及び
バイパス水路4への流量を制御し、湯水混合弁からの流
量が出湯設定温度に最も近い湯水混合率となり、出湯温
度の見込み制御が可能となる。
次に、前記湯水混合弁5の構造及び作用について説明
する。
第2図において、5は湯水混合弁、10a及び10bは夫々
マイクロスイッチから成る高温リミットスイッチ及び低
温リミットスイッチ、12はステッピングモータである。
20はケース本体で、その三方には入水口21と前記加熱
路3への出水口22と前記バイパス水路4への出水口23と
が設けられ、夫々流路21a,22a、23aを介して弁室に連通
している。弁室には上方に前記出水口22への流量を制御
する湯路側調整弁としての定流弁24が、その下方に前記
出水口23への流量を制御する水路側調整弁としての主弁
25とそれに内設した副弁26とが夫々配設され、更にセン
ターに弁棒27が垂設されている。そして、その弁棒27に
は、定流弁24への流路を開閉する水量調整弁としての玉
型弁27aと、その同軸下方に水量調整弁としての副弁26
及び主弁25に夫々係止する第1フランジ27b及び第2フ
ランジ27cとが夫々設けられ、副弁26及び主弁25は夫々
弁バネ26a、25aによって弁室上方へ付勢されている。
又、弁棒27の上端部は、弁棒固定金28を介してモータ連
結金29に結合されているので、弁棒27はステッピングモ
ータ12により昇降作動する。
上記の如く構成された湯水混合弁5は、次の様に動作
する。
即ち、第2図(同図中心より右側の断面図)示の如
く、ステッピングモータ12の駆動により弁棒27が上昇す
ると、始めに玉型弁27aが開いて、入水口21から流路21a
へ流入している水が、定流弁24を通って出水口22から加
熱路3へ流入する。したがって、玉型弁27aを制御する
ことによって定流弁24の最大水量規制値を変えることが
出来る。
続いて、弁棒27が上昇すると、第1フランジ27bが副
弁26を押し上げて副弁26を開放し、流路21aへ流入して
いる水が出水口23からバイパス水路4へ流入する。更に
弁棒27が上昇すると、第2フランジ27cが主弁25を押し
上げて、流路21aへ流入している水が、主弁25とケース
本体20との間からも通水して出水口23からバイパス水路
4へ流入する。このように、バイパス水路4側は、主弁
25及び副弁26を用いてモータに水圧の影響を与えないよ
うに、ゆるやかな湯水混合比率により小水量から大水量
まで制御出来る。
上記の如く、ステッピングモータ12の駆動により弁棒
27が昇降作動させて、玉型弁27a、副弁26及び主弁25の
開度を変え、湯水混合率を変化させることが出来る。そ
の状態を第3図(a)〜(b)に示しているが、第3図
(a)は加熱路3への出水口22側の玉型弁27aを最小絞
りにし、バイパス水路4への出水口23側の副弁26及び主
弁25を全閉にした状態である。(第4図の参照)。第
3図(b)は加熱路3への出水口22側の玉型弁27aを半
開にし、バイパス水路4への出水口23側の副弁26及び主
弁25を全閉にした状態である。(第4図の参照)。第
3図(c)は玉型弁27aを全開にし、副弁26を全開、主
弁25を全閉にした状態である。(第4図の参照)。
又、第3図(d)は玉型弁27aを全開にし、副弁26及び
主弁25を両方を全開にした状態である。(第4図の参
照)。
このように、ステッピングモータ12の駆動により弁棒
27が昇降作動して、玉型弁27a、副弁26及び主弁26の開
度が変わり、湯水混合率が変化するので、この弁棒27の
リフト位置と、湯水混合弁5の開度との相関関係を座標
化すると、第4図(a)、(b)示のようなグラフが得
られる。第4図(a)は給水圧1kg/cm2時の水量特性
を、第4図(b)は給水圧0.2kg/cm2時の水量特性を表
わしている。
この相関関係は湯水混合弁5の形状によって決まるの
で、その湯水混合弁5の開度に応ずる湯水混合比率を座
標上の位置として、予めコントローラ11の記憶回路11a
に記憶させ、前述のように、湯水混合弁5からの流量が
出湯設定温度に最も近い湯水混合比率となるようにし
て、出湯温度の見込み制御を行なうのである。
即ち、後沸き対策としては、加熱路3側への流量を少
なくし、バイパス水路4側への流量を大きくするように
してスタンバイすれば良いので、例えば第4図(b)の
座標上のリフト位置5mm〜6mmが選択される。又、先冷え
対策としては、反対に加熱路3側への流量を大きくし、
バイパス水路4側への流量を少なくするようにしてスタ
ンバイすれば良いので、第4図(b)の座標上のリフト
位置3mm前後が選択される。このように、湯水混合比率
が予め記憶され、望ましい湯水混合比率を得る弁位置を
選定して見込み制御が出来るので、湯温変化時における
出湯温度の安定が早くなる。
尚、上記実施例において、弁棒27のリフト位置と、湯
水混合弁5の開度との相関関係を座標化した第4図
(a)及び第4図(b)は、一例であって、湯水混合弁
5内の各弁の構成によって如何ようにでも設定出来るも
のである。
又、検出手段として、リミットスイッチと電気的測定
器としてのステッピングモータとを用いているが、検出
手段はこれに限定されるものでは無く、他の電気的測定
器例えば可変抵抗とソレノイドバルブとを組み合せて構
成したものでも良い。
そして、上記実施例は、湯水混合弁5を給水路2の分
岐点に設けたものについて説明したものであるが、出湯
口と、加熱路からの入湯口と、バイパス水路からの入水
口とを備え、湯路側調整弁と水路側調整弁とを開閉を弁
棒によって制御する三方弁を、加熱路3とバイパス水路
4との合流点(第1図におけるP点)に設けたものは、
上記実施例と同様の作用により、加熱路からの流量とバ
イパス水路からの流量とを制御して、三方弁からの湯水
流量を出湯設定温度に最も近い湯水混合率となし、出湯
温度の見込み制御を可能となすものである。
ト 発明の効果 以上説明のように、本発明は、三方弁の開度に応ずる
湯水混合比率を、開度に応じた座標上の位置として予め
記憶することにより、出湯設定温度に最も近い湯水混合
率となる三方弁の座標上の位置を選択して制御するよう
にしているので、湯温の見込み制御を可能にして、先冷
え現象及び後沸き現象を防止すると共に、出湯温度の安
定を早めることが出来る等、その実用価値は頗る大きい
ものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る給湯器の出湯温度制御装置の実施
例の概略構成図、第2図はその三方弁の一部断面正面
図、第3図(a)〜(d)図は夫々湯水混合弁の作動状
態を示す説明図、第4図(a)及び(b)は夫々弁棒の
リフト位置と湯水混合弁5の開度との相関関係を表す座
標である。 1……熱交換器、2……給水路、3……加熱路、4……
バイパス水路、5……湯水混合弁、6……出湯温度検知
器、7……ガス流路、8……ガスバーナ、9……第2比
例制御弁、10……リミットスイッチ、11……コントロー
ラ、11a……記憶回路、11b……演算駆動回路、12……ス
テッピングモータ、13……出湯温度設定器、20……ケー
ス本体、21……入水口、22……加熱路への出水口、23…
…バイパス水路への出水口、21a、22a、23a……流路、2
4……定流弁、25……主弁、26……副弁、27……弁棒、2
7a……玉型弁、27b……第1フランジ、27c……第2フラ
ンジ、28……弁棒固定金、29……モータ連結金、P……
合流点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24H 1/00 302

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス比例弁型のミキシング給湯器に、加熱
    路とバイパス水路との分岐点又は合流点に配置される三
    方弁の開度に応ずる弁位置を検出する検出手段と、出湯
    温度設定器及び前記合流点の下流に設けた出湯温度検知
    器からの制御信号を入力して、出湯設定温度に近い湯温
    に開度を選択する演算手段と、前記演算手段により選択
    された開度に前記三方弁を制御する駆動手段とを含む給
    湯器の出湯温度制御装置において、 前記三方弁の開度に応ずる湯水混合比率を座標上の位置
    として予め記憶する記憶手段を備え、出湯温度設定器及
    び出湯温度検知器からの制御信号を入力した演算手段
    が、前記記憶手段から出湯設定温度に最も近い湯水混合
    率となる三方弁の座標上の位置を選択することにより出
    湯温度の見込み制御を行なう給湯器の出湯温度制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記三方弁が、入水口と前記加熱路への出
    水口と前記バイパス水路への出水口とを備え、弁室内に
    前記両出水口への流量を制御する湯路側調整弁と、水路
    側調整弁と、弁棒とが配設され、前記弁棒が、前記湯路
    側調整弁及び前記水路側調整弁に対応する位置に夫々水
    量調整弁を備え、その昇降作動により前記湯路側調整弁
    及び前記水路側調整弁の開度を夫々制御可能となすとこ
    ろの請求項1に記載の給湯器の出湯温度制御装置。
  3. 【請求項3】前記駆動手段が前記弁棒に連結し、その弁
    棒を昇降作動させる制御用電動機を備え、前記検出手段
    が、前記弁棒の昇降作動の上下限の位置及びその中間位
    置を検出する電気的測定器を備えたところの請求項1又
    は請求項2に記載の給湯器の出湯温度制御装置。
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