JPH07198201A - 給湯器およびその出湯湯温制御方法 - Google Patents

給湯器およびその出湯湯温制御方法

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JPH07198201A
JPH07198201A JP35357193A JP35357193A JPH07198201A JP H07198201 A JPH07198201 A JP H07198201A JP 35357193 A JP35357193 A JP 35357193A JP 35357193 A JP35357193 A JP 35357193A JP H07198201 A JPH07198201 A JP H07198201A
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久恭 渡辺
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喜久雄 岡本
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイパス流路10にバイパス電磁弁11を設けた
給湯器の出湯湯温の安定化を図る。 【構成】 バイパス電磁弁11をオンして開いた状態で熱
交換器3側から出る湯にバイパス流路10の水をミキシン
グして給湯燃焼運転を行っている最中に、給湯設定温度
を高めに変更したときや、通水量が増加方向に変化した
ときに、アンダーシュートの発生の大きさを予測し、予
測したアンダーシュートの大きさに応じた時間だけバイ
パス電磁弁11を閉じ、バイパス流路10側のミキシングの
水を停止し、給湯設定温度の高め変更や通水量の増加変
化の過渡期における湯温のアンダーシュートの発生を抑
制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイパス流路をもった
給湯器の出湯中の湯温安定化を行う給湯器およびその出
湯湯温制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9には、バイパス通路をもった給湯器
の一般的な模式構成が示されている。同図において、器
具ケース(図示せず)内にバーナ1と、このバーナ1へ
の燃焼空気を供給する燃焼ファン2と、バーナ1の火炎
でもって加熱される熱交換器3とが設けられ、熱交換器
3の入口側には給水路としての給水管4が接続されてお
り、熱交換器3の出口側には出湯路としての給湯管5が
接続されている。給水管4には入水量を検出するフロー
センサ(流量センサ)6と、入水温度を検出する入水温
度センサ7とが設けられており、給湯管5には出湯温度
を検出する出湯温度センサ8が設けられている。
【0003】前記給水管4と給湯管5はバイパス流路10
によって連通されており、バイパス流路10には流路の開
閉を行うバイパス電磁弁11が介設されている。前記温度
センサ7,8とフローセンサ6の検出信号は制御装置12
に加えられており、この制御装置12には給湯温度を設定
するリモコン13が接続されている。
【0004】制御装置12は、出湯栓(図示せず)が開け
られて、フローセンサ6が給水管4を通る入水を検知し
たときに、燃焼ファン2を回転し、バーナ1へのガスの
供給と、バーナ1の点着火を行い、出湯温度センサ8で
検出される出湯温度が、リモコン13で設定される給湯の
設定温度になるように、燃焼量およびそれに合った燃焼
ファン2の回転を制御するもので、熱交換器3で作り出
された湯は、バイパス電磁弁11が閉動作状態にあるとき
にはそのまま出湯され、バイパス電磁弁11が開動作状態
にあるときにはバイパス流路10を通る水と混合して埋め
られ、給湯管5を介して台所等の所望の給湯場所に導か
れるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の給湯器では、給湯燃焼運転中に、図10の(a)に示す
ように、給湯器の通水流量が急激に増加したときには、
制御装置12はフローセンサ6によりこの流量の増加を検
出し、燃焼熱量をアップする方向に燃焼熱量を制御する
が、この燃焼量増加分の熱量が熱交換器3を介して熱交
換器3内の通水流に伝達するのに時間遅れが生じ、流量
急増の過渡期にはこの燃焼増加の熱伝達が間に合わず、
設定温度で出湯している出湯温度が急激に低下するとい
うアンダーシュートの湯が出るという問題がある。
【0006】同様に、通水流量が急激に減少したときに
は、熱交換器3の保有熱量に余熱が生じ、この余熱が流
量急減の通水流に加えられるため、今度は、設定温度で
出湯していた出湯温度が設定温度よりも上昇するオーバ
ーシュートの湯が出るという問題がある。
【0007】また、図10の(b)に示すように、一定流
量で給湯燃焼が行われていたときに、設定温度が低い温
度に変更された場合には、熱交換器3に生じる余熱の放
出がシャープに行われないために、湯温の立ち下がりが
遅く、変更温度まで湯温が低下するまでに時間がかか
り、オーバーシュートの湯が出湯し、同様に、設定温度
がより高い温度に変更されたときも、燃焼熱量の増加の
伝熱遅れが生じるために、出湯温度の立ち上がりが遅
く、変更温度の湯温が出湯するまでに時間がかかり、ア
ンダーシュートの湯が出湯するという問題があり、上記
いずれの場合も、湯の使用者に不快感を与えるという問
題がある。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、第1に、給湯運転中
に、通水流量が急激に増減されることにより生じるアン
ダーシュートやオーバーシュートを効果的に抑制するこ
とができる給湯器の出湯湯温制御方法を提供することに
あり、第2に、給湯運転中に設定温度が高低方向に変更
されたときに発生する応答遅れによる湯温のアンダーシ
ュートやオーバーシュートを抑制することができる給湯
器およびその出湯湯温制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明の給湯器の第1の出湯湯温制御方法は、熱交換器の
入水路と出湯路とを連通して熱交換器を迂回するバイパ
ス流路を設け、このバイパス流路に該流路の開閉を行う
バイパス制御弁を設け、バイパス制御弁を閉じた状態で
給湯燃焼運転を行っているときに、給湯の設定温度の変
更を監視し、設定温度が低い温度に変更されたときには
その設定温度変更の過渡期に発生する湯温のオーバーシ
ュートの大きさを予測し、設定温度の変更時にタイミン
グを合わせてオーバーシュートの大きさに応じた時間だ
けバイパス制御弁を開けて熱交換器から出る湯にバイパ
ス流路の水をミキシングしオーバーシュートを抑制する
ことを特徴として構成されている。
【0010】また、本発明の給湯器の第2の出湯湯温制
御方法は、熱交換器の入水路と出湯路とを連通して熱交
換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流路
に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイパス
制御弁を開いた状態で給湯燃焼運転を行っているとき
に、給湯の設定温度の変更を監視し、設定温度が高い温
度に変更されたときにはその設定温度変更の過渡期に発
生する湯温のアンダーシュートの大きさを予測し、設定
温度の変更時にタイミングを合わせてアンダーシュート
の大きさに応じた時間だけバイパス制御弁を閉じて熱交
換器から出る湯にミキシングするバイパス流路の水を一
時的に停止し、アンダーシュートを抑制することを特徴
として構成されている。
【0011】さらに、本発明の給湯器の第3の出湯湯温
制御方法は、熱交換器の入水路と出湯路とを連通して熱
交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流
路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイパ
ス制御弁を閉じた状態で給湯燃焼運転を行っているとき
に、通水流量を監視し、通水流量が急激に減少変化した
ときにはその減少変化の過渡期に発生する湯温のオーバ
ーシュートの大きさを予測し、流量変化時にタイミング
を合わせてオーバーシュートの大きさに応じた時間だけ
バイパス制御弁を開けて熱交換器から出る湯にバイパス
流路の水をミキシングしオーバーシュートを抑制するこ
とを特徴として構成されている。
【0012】本発明の給湯器の第4の出湯湯温制御方法
は、熱交換器の入水路と出湯路とを連通して熱交換器を
迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流路に該流
路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイパス制御弁
を開いた状態で給湯燃焼運転を行っているときに、通水
流量を監視し、通水流量が急激に増加変化したときには
その増加変化の過渡期に発生する湯温のアンダーシュー
トの大きさを予測し、流量変化時にタイミングを合わせ
てアンダーシュートの大きさに応じた時間だけバイパス
制御弁を閉じて熱交換器から出る湯にミキシングするバ
イパス流路の水を一時的に停止し、アンダーシュートを
抑制することを特徴として構成されている。
【0013】本発明の給湯器の第5の出湯湯温制御方法
は、熱交換器の入水路と出湯路とを連通して第1のバイ
パス流路と第2のバイパス流路を設け、第1のバイパス
流路には該流路の開閉を行う第1のバイパス制御弁を、
第2のバイパス流路には同じく流路の開閉を行う第2の
バイパス制御弁をそれぞれ設け、第1のバイパス制御弁
を開け、第2のバイパス制御弁を閉じ、熱交換器から出
る湯に第1のバイパス流路からの水をミキシングして給
湯運転を行っているときに、給湯の設定温度の変更を監
視し、設定温度が低い温度に変更されたときにはその設
定温度変更の過渡期に発生する湯温のオーバーシュート
の大きさを予測し、設定温度の変更時にタイミングを合
わせてオーバーシュートの大きさに応じた時間だけ第2
のバイパス制御弁を開けて熱交換器から出る湯にミキシ
ングする水量を多くして、オーバーシュートを抑制し、
前記給湯の設定温度が高い温度に変更されたときにはそ
の設定温度の過渡期に発生する湯温のアンダーシュート
の大きさを予測し、設定温度の変更時にタイミングを合
わせてアンダーシュートの大きさに応じた時間だけ第1
のバイパス制御弁を閉じて熱交換器から出る湯にミキシ
ングするバイパス流路の水を一時的に停止し、アンダー
シュートを抑制することを特徴して構成されている。
【0014】本発明の給湯器の第6の出湯湯温制御方法
は、熱交換器の入水路と出湯路とを連通して第1のバイ
パス流路と第2のバイパス流路を設け、第1のバイパス
流路には該流路の開閉を行う第1のバイパス制御弁を、
第2のバイパス流路には同じく流路の開閉を行う第2の
バイパス制御弁をそれぞれ設け、第1のバイパス制御弁
を開け、第2のバイパス制御弁を閉じ、熱交換器から出
る湯に第1のバイパス流路からの水をミキシングして給
湯運転を行っているときに、通水流量を監視し、通水流
量が急激に減少変化したときにはその減少変化の過渡期
に発生する湯温のオーバーシュートの大きさを予測し、
流量変化時にタイミングを合わせてオーバーシュートの
大きさに応じた時間だけ第2のバイパス制御弁を開けて
熱交換器から出る湯にミキシングする水量を多くしてオ
ーバーシュートを抑制し、前記通水流量が急激に増加変
化したときにはその増加変化の過渡期に発生する湯温の
アンダーシュートの大きさを予測し、流量変化時にタイ
ミングを合わせてアンダーシュートの大きさに応じた時
間だけ第1のバイパス制御弁を閉じて熱交換器から出る
湯にミキシングするバイパス流路の水を一時的に停止
し、アンダーシュートを抑制することを特徴として構成
されている。
【0015】また、本発明の第1の給湯器は、熱交換器
の入水路と出湯路とを連通して熱交換器を迂回するバイ
パス流路を設け、このバイパス流路に該流路の開閉を行
うバイパス制御弁を設けてなる給湯器において、設定温
度を監視する設定温度モニタ部と、前記設定温度モニタ
部により給湯の設定温度が変更されたことが検出された
ときに、この設定温度の変更に伴うオーバーシュート又
はアンダーシュートの大きさを予測してそのオーバーシ
ュート又はアンダーシュートを抑制するバイパス制御弁
のオン又はオフの時間を演算するバイパス弁オン・オフ
時間演算部と、この演算された時間だけバイパス制御弁
のオン・オフを駆動するバイパス制御弁駆動部とを有し
ていることを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の第2の給湯器は、熱交換
器の入水路と出湯路とを連通して熱交換器を迂回するバ
イパス流路を設け、このバイパス流路に該流路の開閉を
行うバイパス制御弁を設けてなる給湯器において、通水
量を監視する流量モニタ部と、流量モニタ部により通水
流量が急激に変化したことが検出されたときに、この流
量変化に伴うオーバーシュート又はアンダーシュートの
大きさを予測してそのオーバーシュート又はアンダーシ
ュートを抑制するバイパス制御弁のオン又はオフの時間
を演算するバイパス弁オン・オフ時間演算部と、この演
算された時間だけバイパス制御弁のオン・オフを駆動す
るバイパス制御弁駆動部とを有していることを特徴とし
ている。
【0017】
【作用】上記構成の本発明において、給湯燃焼運転中
に、通水量が減少する方向に急激に変更されたときや、
給湯の設定温度が低い温度に変更されたときには、これ
らの変更の過渡期に発生するオーバーシュートを予測
し、その予測されるオーバーシュートの大きさに応じて
バイパス流路のバイパス制御弁を開けることで、オーバ
ーシュートの発生分がバイパス流路のミキシング水量の
増加分によってキャンセルされ、オーバーシュートが抑
制された安定した湯温の湯が出湯する。
【0018】また、給湯燃焼運転中に通水量が増加方向
に変更されたときや、給湯の設定温度が高い方向に変更
されたときには、これらの過渡期において湯温のアンダ
ーシュートが発生するが、本発明ではこのアンダーシュ
ートの大きさを予測し、そのアンダーシュートの大きさ
に応じてバイパス流路のバイパス制御弁を一時的に閉じ
るので、その分、発生しようとするアンダーシュートを
キャンセルする分だけバイパス流路側のミキシングの水
量が減じるので、アンダーシュートが効果的に抑制さ
れ、設定温度に追従した安定した湯温の湯が出湯する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には本発明の出湯湯温制御方法を行う制御回
路の要部構成が示されている。この実施例は、前記図9
に示す従来例と同様に、熱交換器3にバイパス流路10を
設けた給湯器を対象にしており、前記図9に示すものと
同一の名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省
略する。
【0020】図1に示す本実施例の制御回路は制御装置
12に設けられるもので、高温・低温設定判定部15と、バ
イパス電磁弁オン・オフ指令部16と、バイパス電磁弁駆
動部17と、バイパス電磁弁オン・オフ時間演算部21と、
バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22とを有して
構成されている。
【0021】また、制御回路中の燃焼能力演算部23と、
温度偏差検出部24と、比例弁操作量演算部25と、比例弁
駆動部26は給湯器の燃焼制御を行う部分の回路構成を示
すものである。
【0022】この燃焼制御を行う部分の回路は公知のも
ので、これを簡単に説明すると、まず、燃焼能力演算部
23はリモコン13等の温度設定部で設定された温度情報
と、入水温度センサである入水サーミスタ7により検出
される入水温度の情報と、流量センサ(フローセンサ)
6で検出される流量検出値との情報を受け、さらに、温
度偏差検出部24で検出される出湯温度と設定温度との偏
差の検出情報を受けて、入水温度を設定温度に高めるの
に要する燃焼熱量(燃焼能力)を演算により求め、その
演算結果を比例弁操作量演算部25に加える。
【0023】比例弁操作量演算部25は、燃焼能力演算部
23で演算された燃焼能力を得るための比例弁の開弁駆動
電流を演算により求める。なお、比例弁は、バーナ1に
ガスを供給するガス供給管に介設されるもので、開弁量
の大きさに応じてバーナ1のガス供給量を制御するもの
であり、開弁駆動電流の大きさに比例して開弁量の大き
さを制御するものである。比例弁駆動部26は比例弁操作
量演算部25で算出された開弁駆動電流を比例弁に加え、
比例弁の開弁量、つまり、ガス供給量を制御し、出湯湯
温の安定化制御を行う。
【0024】本実施例の特徴的な出湯湯温の安定化を行
う制御回路中の高温・低温設定判定部15は、温度設定部
の設定温度の情報を受け、高温給湯であるか低温給湯で
あるかの判定を行う。設定温度が例えば60℃あるいは70
℃であるときには高温給湯と判定し、設定温度が、例え
ば、36℃〜48℃の範囲の温度であるときには、低温給湯
と判定し、その判定結果をバイパス電磁弁オン・オフ指
令部16に加える。
【0025】バイパス電磁弁オン・オフ時間演算部21
は、流量モニタ部と、設定温度モニタ部と、演算部と、
メモリとを内蔵している。流量モニタ部は、流量センサ
6からの流量検出信号を監視する。また、設定温度モニ
タ部は、リモコンの温度設定部で設定される設定温度の
情報をモニタし、設定温度の変更がなされたか否かを検
出する。演算部は、設定温度モニタ部により給湯の設定
温度が変更されたと認められたときと、流量モニタ部に
より通水流量が急激に変化したときに、これら設定温度
の変更や流量変化に伴うオーバーシュートやアンダーシ
ュートを抑制するためのバイパス電磁弁11のオンまたは
オフの時間を演算する。
【0026】前記バイパス電磁弁11のオンまたはオフの
時間演算は、次の事項を考慮して行われる。給湯燃焼の
安定動作状態においては、設定温度の湯温を出湯させる
のに必要な熱量は、入水温の入水量を設定温度に高める
ための熱量Q1 と、設定温度の湯を出湯できるように熱
交換器3の缶体を暖めて維持する熱量Q2 と、排気ガス
その他によって排出される排熱量Q3 とに分類でき、出
湯湯温が安定しているときには、これらQ1 ,Q2 ,Q
3 の熱量はそれぞれ変動のない安定状態を保っている。
【0027】通水量の変動や、設定温度が変更される
と、流量変動や設定温度変更後に安定状態に移行する
が、変更前後の前記熱量Q1 は理論演算によりそれぞれ
正確な熱量として求められ、その熱量が制御装置12の燃
焼制御によって連続的に与えられるものとして考えら
れ、排熱量Q3 は出湯湯温には影響しない熱量と考えら
れる。設定温度や通水量の給湯条件が変化すると、変化
の前と後ではQ2 の熱量に差異が生じ、このQ2 の差分
の熱が余熱である場合には、その余熱が通水流に伝達排
出されるために、出湯湯温は設定温度よりも高いオーバ
ーシュートの湯となり、差分の熱量が不足の場合には、
その熱量が不足する分だけ通水流に熱が伝達されず、湯
温は設定温度よりも低いアンダーシュートの湯が生じる
こととなり、設定温度が変更されて熱量移動が行われる
場合には、これら差分の熱量移動が緩慢に行われるた
め、湯温の立ち上がりや立ち下がりの応答の遅れが生じ
ることとなる。
【0028】本実施例では、前記差分の熱量をバイパス
電磁弁11をオンあるいはオフすることによりキャンセル
できることに着目し、差分熱量が余熱の場合には、その
余熱分をキャンセルする水量を求め、この水量をバイパ
ス電磁弁11のオン時間に換算して求め、その時間だけバ
イパス電磁弁を開いてバイパス流路10側のミキシングの
水量を増加し、オーバーシュートをキャンセル解消しよ
うとするものであり、また、前記差分熱量が不足の場合
には、その不足分の熱量に対応する水量を求め、この水
量をバイパス流路を通過する通水時間に換算して求め、
この求めた時間だけバイパス制御弁をオフして、バイパ
ス流路からのミキシングの水量供給を停止し、前記不足
分の熱量をミキシングの水量を供給しないことによって
キャンセルし、アンダーシュートの発生を防止しようと
するものである。
【0029】前記設定温度の変更や流量変動によるQ2
の差分熱量は、熱交換器3の違いや、燃焼制御方法の違
い等によって異なるので、本実施例では熱交換器の違い
や制御方法の違い等の各種の条件によって、メモリ等に
記憶させておき、実際に設定温度の変更や流量変動によ
って熱移動が生じるときには、これらの流量変化や設定
温度の変更を熱量に換算した値として求め、この熱量を
キャンセルするためのバイパス流路側の水量を入水温度
と、バイパス比(給水管4から供給される水が熱交換器
3側とバイパス流路10側に分配される比率)等の情報に
よって求め、この水量を、バイパス制御弁11のオンある
いはオフの時間の値に換算して求める。
【0030】具体的には、例えば、図2や図3に示すよ
うな関係が導かれる演算式や表データやグラフデータを
予めメモリに与えておき、これらのデータからオーバー
シュートやアンダーシュートを抑制するバイパス電磁弁
11のオン時間TONやオフ時間TOFF を求めることができ
る。
【0031】図2の(a)は、流量減少変化時の流量偏
差に対するオーバーシュート量の関係を示すもので、流
量偏差が大きくなればなるほど、かつ、給湯設定温度が
高ければ高いほどオーバーシュート量が大きくなってお
り、流量偏差と設定温度の情報に基づき、オーバーシュ
ートの大きさが求められる。このオーバーシュートの大
きさが求められると、入水温の情報により、同図の
(b)に示すグラフデータを用いて、バイパス電磁弁11
のオーバーシュートを抑制するオン時間TONが求められ
ることとなる。
【0032】同様に、設定温度の低下方向の変更による
温度偏差とオーバーシュート量とを示すデータと、オー
バーシュート量とバイパス電磁弁11のオン時間TONとの
関係を示すデータを与え、設定温度の変更温度差を検出
することにより、オーバーシュートを抑制する的確なバ
イパス電磁弁11のオン時間TONが求められる。
【0033】図3は、アンダーシュートの大きさに対す
るバイパス電磁弁11のオフ時間TOFF 時間を求めるグラ
フデータの一例を示したもので、図3の(a)は、流量
増加変化時の流量偏差の大きさとアンダーシュート量の
関係データを示しており、同図の(b)は、アンダーシ
ュート量からバイパス電磁弁11のオフ時間TOFF を求め
るグラフデータを示している。このグラフデータから、
通水量が増加方向に変化した場合、その流量偏差を求め
ることにより、アンダーシュート量が予測され、その予
測したアンダーシュート量に基づき、アンダーシュート
を抑制するバイパス電磁弁11のオフ時間TOFF が求めら
れることを意味する。同様に、給湯設定温度が高い方向
に変更されたときの温度偏差とアンダーシュート量の関
係を示すグラフと、入水温のデータに基づき、アンダー
シュート量と、このアンダーシュートを抑制するTOFF
の時間を求めるデータを与えておくことにより、設定温
度の変更によるアンダーシュートを抑制するバイパス電
磁弁11のオフ時間TOFF が求められる。
【0034】これら、バイパス電磁弁オン・オフ時間演
算部21により求められるバイパス電磁弁11のオン時間T
ONとオフ時間TOFF の値はバイパス電磁弁オン・オフ指
令部16へ加えられる。
【0035】バイパス電磁弁オン・オフ指令部16は、高
温・低温設定判定部15から高温給湯の判定結果を受けた
ときはバイパス電磁弁11をオフ指令し、また、バイパス
電磁弁オン・オフ時間演算部21からバイパス電磁弁のオ
ン信号を受けたとき、つまり、バイパス電磁弁11をオフ
状態にして給湯している状態で、オーバーシュートの出
湯湯温が推定されたときに、バイパス電磁弁11のオン指
令を直ちに発する。その一方で、バイパス電磁弁オン・
オフ指令部16は、バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タ
イマ22にTON時間のタイマ動作を指令する。
【0036】また、バイパス電磁弁オン・オフ指令部16
は、バイパス電磁弁11をオン状態にして給湯している状
態で、バイパス電磁弁オン・オフ時間演算部21からバイ
パス電磁弁11のオフ信号を受けたとき、つまり、アンダ
ーシュートの出湯湯温が推定されたときには、直ちにバ
イパス電磁弁11のオフ指令を行うと共に、バイパス電磁
弁オン・オフ時間計測タイマ22にTOFF 時間のタイマ動
作を指令する。
【0037】バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ
22は前記TONのタイマ動作指令が加えられたときには、
そのタイマ動作を開始し、TONの時間が経過するとき
に、TONのタイムアップ信号をバイパス電磁弁オン・オ
フ指令部16に加え、また、バイパス電磁弁オン・オフ指
令部16からTOFF のタイマ動作の指令が加えられたとき
には、そのTOFF 時間のタイマ動作を行い、TOFF の時
間が経過するときにTOFF のタイムアップ信号をバイパ
ス電磁弁オン・オフ指令部16へ加える。
【0038】なお、バイパス電磁弁オン・オフ指令部16
はバイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22からTON
のタイムアップ信号が加えられたときにバイパス電磁弁
11のオフ指令を出力し、バイパス電磁弁オン・オフ時間
計測タイマ22からTOFF 時間のタイムアップ信号が加え
られたときにはバイパス電磁弁11のオン指令を出力す
る。バイパス電磁弁駆動部17はバイパス電磁弁オン・オ
フ指令部16からオン信号が加えられたときにバイパス電
磁弁11をオン駆動し、バイパス電磁弁オン・オフ指令部
16からオフ指令が加えられたときにバイパス電磁弁11を
オフ駆動する。
【0039】この実施例は上記のように構成されてお
り、次に、その動作を図4に示すフローチャートに基づ
いて説明する。給湯器の設置施工後等にリモコン13によ
り給湯運転がコールドスタート状態でオン指令される
と、ステップ101 でフローセンサ(流量センサ)6がオ
ンしたか否かが判断される。フローセンサ6がオンする
と、ステップ102 ではリモコンの設定温度により、高温
給湯であるか低温給湯であるかの判断が行われる。高温
給湯の場合にはバイパス電磁弁11をオフし、給湯燃焼を
開始する。なお、フローチャート中、ステップ103 等で
示す記号BVはバイパス電磁弁を示す記号である。
【0040】給湯燃焼の開始後、ステップ105 と106 で
出湯温度を設定温度にするように燃焼熱量が制御され、
ステップ107 で、リモコンの設定温度が低温給湯に変更
されたか否かを判断する。給湯設定温度の変更がないと
きには、次に、ステップ109で、通水流量が減少したか
否かを判断する。通水流量の減少がないときには、燃焼
運転を引き続き行い、ステップ110 でフローセンサがオ
フされたときに、燃焼運転を停止し、次の再出湯に備え
る。
【0041】前記ステップ109 で、流量の減少が確認さ
れたときには、オーバーシュートの発生が予測されるの
で、ステップ111 で、バイパス電磁弁11のオン時間TON
を計算あるいはグラフデータ等を用いて求める。そし
て、バイパス電磁弁11のオン指令を行うと同時に、バイ
パス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22のタイマ動作を
スタートし、バイパス電磁弁11をオンして弁を開く。ス
テップ114 ではバイパス電磁弁11をオンしてから設定時
間のTON時間が経過したか否かを判断し、TONの時間が
経過したときに、バイパス電磁弁11を閉じ、バイパス電
磁弁オン・オフ時間計測タイマ22をクリアして高温給湯
の燃焼運転を継続する。前記ステップ113から115 にか
けて、バイパス流路10側の水が熱交換器3側から出る湯
に一時的にミキシングされることで、流量減少に伴うオ
ーバーシュートが効果的に抑制される。
【0042】前記ステップ102 で低温給湯と判断された
ときおよび前記ステップ107 で給湯の設定温度が高温給
湯から低温給湯に変更されたときには、バイパス電磁弁
11をオンし、バイパス流路の水を熱交換器3側から出る
湯にミキシングして設定温度の湯が出湯されるように燃
焼制御が行われる。
【0043】そして、ステップ122 で、リモコンの設定
温度が低温給湯から高温給湯に変更されたか否かが判断
される。高温給湯に変更されたときには、バイパス電磁
弁11をオフして前記ステップ105 以降の動作を行う。
【0044】給湯設定温度が変更されないときには、ス
テップ124 で通水量が増大したか否かの判断が行われ
る。流量増大がない場合にはそのまま燃焼運転が継続さ
れ、ステップ131 でフローセンサからオフ信号が加えら
れたときに燃焼運転を停止し、次の再出湯に備える。
【0045】これに対し、ステップ124 で流量の増大が
認められたときには、アンダーシュートが発生するの
で、ステップ125 で、バイパス電磁弁11をオフする時間
OFFを、計算やグラフデータ等を用いて求める。そし
て、バイパス電磁弁11のオフ指令を出力すると同時にバ
イパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22のTOFF のタ
イマ動作をスタートし、バイパス電磁弁11をステップ12
7 でオフして閉じる。
【0046】ステップ128 ではバイパス電磁弁11をオフ
してから時間TOFF が経過したか否かを判断し、TOFF
の時間が経過したときにバイパス電磁弁11をオンして開
き、バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22をクリ
アし、低温給湯燃焼を続行する。そして、ステップ131
でフローセンサがオフしたときに、給湯燃焼を停止し、
次の再出湯に備える。
【0047】低温給湯燃焼では、流量が増大したときに
は、TOFF 時間だけバイパス電磁弁11が閉じられるの
で、流量増大の過渡期においてはバイパス流路10側のミ
キシングの水が停止されるので、流量増大に起因して生
じるアンダーシュートが抑制され、湯温変動のない安定
した湯の出湯が可能となる。
【0048】図5には本発明の第2の実施例に係る給湯
器の模式構成が示されている。この実施例の給湯器は、
熱交換器3の入水路である給水管4と熱交換器3の出湯
路である給湯管5間に熱交換器3を迂回する第1と第2
の2本のバイパス流路10a,10bを設け、各バイパス流
路10a,10bに対応する第1と第2のバイパス電磁弁11
a,11bを介設している。この給湯器では、高温給湯時
にはバイパス電磁弁11a,11bを共にオフ状態に保って
給湯運転を行い、低温給湯時には、バイパス電磁弁11a
をオン状態に維持し、バイパス電磁弁11bをオフ状態に
して給湯運転を行うものである。
【0049】図6にはこの実施例の出湯湯温の制御を行
う制御回路のブロック構成が示されている。この実施例
では、バイパス電磁弁オン・オフ時間演算部21では、通
水量が減少方向に変化したときや、給湯設定温度が低い
方向に変更されたときに、発生するオーバーシュートの
大きさを予測し、そのオーバーシュートを抑制するバイ
パス電磁弁11bのオン時間TONを求め、通水量が増加す
る方向に変化したり、給湯設定温度が高い温度に変更さ
れたときには、発生するアンダーシュートの大きさを予
測し、このアンダーシュートを抑制するバイパス電磁弁
11aのオフ時間TOFF を求める。
【0050】バイパス電磁弁オン・オフ指令部16は、バ
イパス電磁弁オン・オフ時間演算部21からの情報を受け
て、湯温のオーバーシュートが予測されるときには、バ
イパス電磁弁11bのオン指令をバイパス電磁弁駆動部17
bに加え、同時にTON時間のタイマ動作をバイパス電磁
弁オン・オフ時間計測タイマ22に指令する。その一方
で、給湯湯温のアンダーシュートが予測されるときに
は、バイパス電磁弁11aのオフ指令をバイパス電磁弁駆
動部17aに加えると同時に、バイパス電磁弁11aのオフ
時間TOFF のタイマ動作をバイパス電磁弁オン・オフ時
間計測タイマ22に指令する。その一方で、バイパス電磁
弁オン・オフ指令部16はバイパス電磁弁オン・オフ時間
計測タイマ22からTON時間のタイムアップ信号を受けた
ときにバイパス電磁弁11bのオフ指令を出力し、バイパ
ス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22からTOFF 時間の
タイムアップ信号を受けたときにはバイパス電磁弁11a
のオン指令を出力する。
【0051】バイパス電磁弁駆動部17aはバイパス電磁
弁オン・オフ指令部からオフ指令を受けたときにバイパ
ス電磁弁11aをオフ駆動し、バイパス電磁弁オン・オフ
指令部からオン信号を受けたときにバイパス電磁弁11a
をオン駆動する。同様に、バイパス電磁弁駆動部17b
は、バイパス電磁弁オン・オフ指令部からオン指令が加
えられたときにはバイパス電磁弁11bをオン駆動し、オ
フ指令が加えられたときにはバイパス電磁弁11bをオフ
駆動する。
【0052】このように、第2の実施例では、バイパス
電磁弁11aを利用して給湯設定温度の高め変更や、通水
量の増加変動に伴うアンダーシュートを抑制し、バイパ
ス電磁弁11bを利用して給湯設定温度の低め変更や通水
量の減少変動に伴うオーバーシュートを抑制するように
構成したものであり、それ以外の構成は前記第1の実施
例と同様である。
【0053】次に、第2の実施例の動作を図7に示すフ
ローチャートと図8に示すタイムチャートに基づき簡単
に説明する。まず、コールドスタート状態でリモコンに
より給湯運転がオンされると、ステップ201 でバイパス
電磁弁11a,11bが共にオフされる。なお、フローチャ
ート中、BV1 はバイパス電磁弁11aを、BV2 はバイ
パス電磁弁11bをそれぞれ示す記号である。ステップ20
2 でフローセンサ6からオン信号が加えられたか否かを
判断し、オン信号が加えられたときには給湯運転の燃焼
が開始し、出湯温度が設定温度となるように燃焼制御が
行われる。
【0054】ステップ206 ではリモコンにより給湯設定
温度が低めに変更されたか否かの判断を行い、低め変更
がないときには、次にステップ207 で給湯設定温度が高
めに変更されたか否かの判断を行う。設定温度の高め変
更もないときには次のステップ208 で通水量が増加方向
に変化したか否かが判断され、この流量増加が認められ
ないときにはステップ209 で通水量が減少方向に変化し
たか否かが判断される。流量の減少がないときには、そ
のまま燃焼運転が継続され、ステップ210 でフローセン
サからオフ信号が加えられたときに燃焼を停止し、次の
再出湯に備える。
【0055】前記ステップ206 でリモコンの設定温度が
低めに変更されたときと、ステップ209 で通水量が減少
方向に変化したときには、オーバーシュートが予測さ
れ、ステップ212 ではそのオーバーシュートを解消する
バイパス電磁弁11bのオン時間TONが計算やグラフデー
タ等により求められる。そして、バイパス電磁弁11bの
オン駆動がなされると同時にバイパス電磁弁オン・オフ
時間計測タイマ22のTON時間のタイマ動作がスタートす
る。
【0056】ステップ214 ではTON時間が経過したか否
かが判断され、TON時間に達するまでバイパス電磁弁11
bを開けてバイパス流路10bの水の他にバイパス流路10
aの水を加えてミキシングし、前記オーバーシュートを
抑制する。TON時間のタイムアップ信号が出されたとき
には、バイパス電磁弁11bを閉じてバイパス電磁弁オン
・オフ時間計測タイマ22をクリアし、ステップ210 以降
の動作を行う。
【0057】また、前記ステップ207 で給湯設定温度が
高めに変更されたときと、ステップ208 で通水量が増加
方向に変化したことが認められたときには、アンダーシ
ュートが予測され、ステップ218 ではこのアンダーシュ
ートを抑制するバイパス電磁弁11aのオフ時間TOFF
同様に計算やグラフデータを用いて求め、バイパス電磁
弁11aのオン指令を行うと同時にバイパス電磁弁オン・
オフ時間計測タイマ22に時間TONのタイマ動作を指令す
る。
【0058】ステップ220 ではバイパス電磁弁11aのオ
フ指令によりバイパス電磁弁11aが閉じられたときから
OFF の経過時間が経過したか否かが判断され、そのT
OFF時間が経過しない間はバイパス電磁弁11aを閉じ、
バイパス流路10aからの水のミキシングを停止してアン
ダーシュートの発生を防止する。TOFF 時間のタイムア
ップ信号が加えられたときに、バイパス電磁弁11aを開
け、バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ22をクリ
アして燃焼運転を続行する。
【0059】この実施例では、バイパス流路を2本設
け、バイパス流路10aのバイパス電磁弁11aを用いてア
ンダーシュートを抑制し、バイパス流路10bのバイパス
電磁弁11bを用いてオーバーシュートを抑制するように
構成したので、給湯設定温度の上下いずれの方向の変更
による湯温変動と、通水量の増減いずれの方向の変化に
対してもこれら設定温度変更や流量変化の過渡期におけ
るオーバーシュートやアンダーシュートの発生を効果的
に解消することができ、湯温変動のない安定した湯温の
湯を出湯させることができると共に、これらアンダーシ
ュートやオーバーシュートを効果的にキャンセル解消で
きることから、給湯設定温度を変更したときにおいて
も、湯温の立ち上がりや立ち下がりがシャープとなり、
短時間の内に変更温度の安定した湯を出湯させることが
できる。図8に示す出湯温度を示す曲線の実線は本実施
例の場合を示し、破線は従来例の場合を示しており、こ
れらを比較することにより上記効果が明らかに実証され
ている。
【0060】本発明は上記各実施例に限定されることは
なく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記各実
施例では、バイパス制御弁を、開閉式のバイパス電磁弁
10,10a,10bで構成したが、このバイパス制御弁は水
量可変方式の水量制御弁により構成してもよい。バイパ
ス制御弁を水量可変式の制御弁により構成することによ
り、アンダーシュートやオーバーシュートの大きさに応
じてバイパス流路側のミキシングの水の量を自在に可変
制御できるので、より精度よくオーバーシュートやアン
ダーシュートの抑制が可能となる。なお、開閉式のバイ
パス電磁弁を用いた構成としたときにおいても、電磁弁
のオンとオフの動作を繰り返し駆動し、そのオン・オフ
の周波数や、オンとオフの時間比率を可変することによ
り水量可変式の弁として使用することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、バイパス流路のバイパス制御
弁を開けた状態で給湯運転を行っているときに、給湯設
定温度が高めに変更されたり、通水量が増加方向に変化
したときには、発生するアンダーシュートの大きさに応
じた時間だけバイパス制御弁を閉じてバイパス流路のミ
キシングの水を停止するので、給湯設定温度の高め変更
や通水量の増加変化の過渡期におけるアンダーシュート
の発生を効果的に抑制することができこととなる。
【0062】また、バイパス制御弁を閉じた状態で給湯
運転を行っているときにおいても、給湯設定温度が低め
方向に変更されたときや、通水量が減少する方向に変化
したときには、発生するオーバーシュートの大きさに応
じてバイパス制御弁を開いてオーバーシュートを抑制す
る水をバイパス流路からミキシングするので、オーバー
シュートの発生を防止することができ、これら給湯設定
温度の変更や通水量変化に伴う過渡期における湯温の安
定化を図ることが可能となる。
【0063】さらに、第1と第2のバイパス流路を設
け、第1のバイパス流路には第1のバイパス制御弁を、
第2のバイパス流路には第2のバイパス制御弁を設けた
構成のものにあっては、通常は第1の制御弁をオン状態
で使用し、第2のバイパス制御弁をオフ状態で使用する
ときに、設定温度の低め変更や通水量の減少変化によっ
て湯温のオーバーシュートが予測されるときには、第2
のバイパス制御弁をオーバーシュートの大きさに応じた
時間だけ開くことにより給湯設定温度の変更や通水量変
化の過渡期におけるオーバーシュートの発生を確実に防
止することが可能となる。
【0064】また、給湯設定温度が高め方向に変更され
たときや、通水量が増加方向に変化したときには、発生
するアンダーシュートの大きさが予測され、そのアンダ
ーシュートの大きさに応じた時間だけ第1のバイパス制
御弁が閉じられるので、これら給湯設定温度の変更や通
水量変化に伴うアンダーシュートの発生を効果的に防止
することができることとなり、給湯設定温度が高低いず
れの方向に変更されても、また、通水量が増減いずれの
方向に変化しても、これらの過渡期におけるオーバーシ
ュートやアンダーシュートの発生を完璧に防止すること
ができ、湯温変動のない安定した湯温の供給が可能とな
る。
【0065】さらに、前記の如く、給湯設定温度の変更
の過渡期におけるオーバーシュートやアンダーシュート
が解消される結果、給湯設定温度の変更時の湯温の立ち
上がりや立ち下がりが極めてシャープとなり、殆ど時間
遅れなく、給湯変更温度の湯を即座に出湯することがで
き、湯の使用者に快適な湯の使用感を与えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給湯器の出湯湯温制御方法を行う
制御回路の第1の実施例を示すブロック構成図である。
【図2】オーバーシュートを抑制するバイパス制御弁の
オン時間TONを求めるグラフの説明図である。
【図3】アンダーシュートを抑制するバイパス制御弁の
オフ時間TOFF を求めるグラフデータの説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の動作を示すフローチャ
ートである。
【図5】本発明の第2の実施例に係る給湯器の模式構成
図である。
【図6】本発明の給湯器の出湯湯温制御方法を行う第2
の実施例の制御回路のブロック構成図である。
【図7】本発明の第2の実施例の動作を示すフローチャ
ートである。
【図8】同実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図9】一般的なバイパス流路を設けた給湯器の模式説
明図である。
【図10】通水量の変化や、給湯設定温度の変更に伴う湯
温変動の不具合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10a,10b バイパス流路 11,11a,11b バイパス電磁弁 15 高温・低温設定判定部 16 バイパス電磁弁オン・オフ指令部 17 バイパス電磁弁駆動部 21 バイパス電磁弁オン・オフ時間演算部 22 バイパス電磁弁オン・オフ時間計測タイマ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイ
    パス制御弁を閉じた状態で給湯燃焼運転を行っていると
    きに、給湯の設定温度の変更を監視し、設定温度が低い
    温度に変更されたときにはその設定温度変更の過渡期に
    発生する湯温のオーバーシュートの大きさを予測し、設
    定温度の変更時にタイミングを合わせてオーバーシュー
    トの大きさに応じた時間だけバイパス制御弁を開けて熱
    交換器から出る湯にバイパス流路の水をミキシングしオ
    ーバーシュートを抑制する給湯器の出湯湯温制御方法。
  2. 【請求項2】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイ
    パス制御弁を開いた状態で給湯燃焼運転を行っていると
    きに、給湯の設定温度の変更を監視し、設定温度が高い
    温度に変更されたときにはその設定温度変更の過渡期に
    発生する湯温のアンダーシュートの大きさを予測し、設
    定温度の変更時にタイミングを合わせてアンダーシュー
    トの大きさに応じた時間だけバイパス制御弁を閉じて熱
    交換器から出る湯にミキシングするバイパス流路の水を
    一時的に停止し、アンダーシュートを抑制する給湯器の
    出湯湯温制御方法。
  3. 【請求項3】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイ
    パス制御弁を閉じた状態で給湯燃焼運転を行っていると
    きに、通水流量を監視し、通水流量が急激に減少変化し
    たときにはその減少変化の過渡期に発生する湯温のオー
    バーシュートの大きさを予測し、流量変化時にタイミン
    グを合わせてオーバーシュートの大きさに応じた時間だ
    けバイパス制御弁を開けて熱交換器から出る湯にバイパ
    ス流路の水をミキシングしオーバーシュートを抑制する
    給湯器の出湯湯温制御方法。
  4. 【請求項4】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設け、バイ
    パス制御弁を開いた状態で給湯燃焼運転を行っていると
    きに、通水流量を監視し、通水流量が急激に増加変化し
    たときにはその増加変化の過渡期に発生する湯温のアン
    ダーシュートの大きさを予測し、流量変化時にタイミン
    グを合わせてアンダーシュートの大きさに応じた時間だ
    けバイパス制御弁を閉じて熱交換器から出る湯にミキシ
    ングするバイパス流路の水を一時的に停止し、アンダー
    シュートを抑制する給湯器の出湯湯温制御方法。
  5. 【請求項5】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    第1のバイパス流路と第2のバイパス流路を設け、第1
    のバイパス流路には該流路の開閉を行う第1のバイパス
    制御弁を、第2のバイパス流路には同じく流路の開閉を
    行う第2のバイパス制御弁をそれぞれ設け、第1のバイ
    パス制御弁を開け、第2のバイパス制御弁を閉じ、熱交
    換器から出る湯に第1のバイパス流路からの水をミキシ
    ングして給湯運転を行っているときに、給湯の設定温度
    の変更を監視し、設定温度が低い温度に変更されたとき
    にはその設定温度変更の過渡期に発生する湯温のオーバ
    ーシュートの大きさを予測し、設定温度の変更時にタイ
    ミングを合わせてオーバーシュートの大きさに応じた時
    間だけ第2のバイパス制御弁を開けて熱交換器から出る
    湯にミキシングする水量を多くして、オーバーシュート
    を抑制し、前記給湯の設定温度が高い温度に変更された
    ときにはその設定温度の過渡期に発生する湯温のアンダ
    ーシュートの大きさを予測し、設定温度の変更時にタイ
    ミングを合わせてアンダーシュートの大きさに応じた時
    間だけ第1のバイパス制御弁を閉じて熱交換器から出る
    湯にミキシングするバイパス流路の水を一時的に停止
    し、アンダーシュートを抑制する給湯器の出湯湯温制御
    方法。
  6. 【請求項6】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    第1のバイパス流路と第2のバイパス流路を設け、第1
    のバイパス流路には該流路の開閉を行う第1のバイパス
    制御弁を、第2のバイパス流路には同じく流路の開閉を
    行う第2のバイパス制御弁をそれぞれ設け、第1のバイ
    パス制御弁を開け、第2のバイパス制御弁を閉じ、熱交
    換器から出る湯に第1のバイパス流路からの水をミキシ
    ングして給湯運転を行っているときに、通水流量を監視
    し、通水流量が急激に減少変化したときにはその減少変
    化の過渡期に発生する湯温のオーバーシュートの大きさ
    を予測し、流量変化時にタイミングを合わせてオーバー
    シュートの大きさに応じた時間だけ第2のバイパス制御
    弁を開けて熱交換器から出る湯にミキシングする水量を
    多くしてオーバーシュートを抑制し、前記通水流量が急
    激に増加変化したときにはその増加変化の過渡期に発生
    する湯温のアンダーシュートの大きさを予測し、流量変
    化時にタイミングを合わせてアンダーシュートの大きさ
    に応じた時間だけ第1のバイパス制御弁を閉じて熱交換
    器から出る湯にミキシングするバイパス流路の水を一時
    的に停止し、アンダーシュートを抑制する給湯器の出湯
    湯温制御方法。
  7. 【請求項7】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設けてなる
    給湯器において、設定温度を監視する設定温度モニタ部
    と、前記設定温度モニタ部により給湯の設定温度が変更
    されたことが検出されたときに、この設定温度の変更に
    伴うオーバーシュート又はアンダーシュートの大きさを
    予測してそのオーバーシュート又はアンダーシュートを
    抑制するバイパス制御弁のオン又はオフの時間を演算す
    るバイパス弁オン・オフ時間演算部と、この演算された
    時間だけバイパス制御弁のオン・オフを駆動するバイパ
    ス制御弁駆動部とを有する給湯器。
  8. 【請求項8】 熱交換器の入水路と出湯路とを連通して
    熱交換器を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス
    流路に該流路の開閉を行うバイパス制御弁を設けてなる
    給湯器において、通水量を監視する流量モニタ部と、流
    量モニタ部により通水流量が急激に変化したことが検出
    されたときに、この流量変化に伴うオーバーシュート又
    はアンダーシュートの大きさを予測してそのオーバーシ
    ュート又はアンダーシュートを抑制するバイパス制御弁
    のオン又はオフの時間を演算するバイパス弁オン・オフ
    時間演算部と、この演算された時間だけバイパス制御弁
    のオン・オフを駆動するバイパス制御弁駆動部とを有す
    る給湯器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8888021B2 (en) 2011-01-31 2014-11-18 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Fuel injector
CN112674607A (zh) * 2019-10-18 2021-04-20 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 净饮设备出水控制方法、装置及净饮设备

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