JPH0330058B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、湯と水を所定の温度に混合し給湯を
行なう湯水混合式給湯装置に関するものである。

従来の技術 従来この種の湯水混合給湯装置は第４図〜第５
図に示すように構成されていた。すなわち第４図
において水道１より給水された水は、給湯熱源で
ある電気温水器２内にヒータ３により加熱され、
タンク４内に貯えられる。電気温水器２には給湯
配管５が接続されており、給湯配管５の端末には
給湯栓として手動の湯水混合水栓６，７が設けら
れている。この湯水混合水栓６，７にはそれぞれ
給湯配管から分岐した給湯分岐管８，９と、電気
温水器２の手前の水道１から分岐した給水管１０
に接続される給水分岐管１１，１２が接続されて
いる。湯水混合水栓６あるいは７を開成すると、
電気温水器２内のタンク４に貯えられている高温
の湯は、水道１の水圧により押され給湯配管５を
通つて湯水混合水栓６あるいは７に達する。ここ
で湯は給水管からの水と混合され、使用に適した
湯温にまで下げられて供給される。第５図は湯水
混合水栓６あるいは７を表わすものであり、本体
１３は湯の入口１４と水の入口１５を有してお
り、湯の流路１６と水の流路１７を弁体１９に設
けたスリツト１８により開度調節を行なつてい
る。弁体１９は図において上下方向にスライドす
るように動作し、駆動は混合湯温検出手段を兼ね
たワツクスパレツト２０により行なわれ、温調つ
まみ２１で設定された温度以上に混合湯温が上が
ると、ワツクスペレツト２０が膨張し弁体１９を
上方に移動させ、下がると下方に移動させて流路
の開度を調節している。混合湯は混合湯流路２２
あるいは２２′を通つて、例えば風呂への給湯栓
２３あるいはシヤワーへの給湯栓２４の開閉によ
り、給湯対象に供給される。給湯栓２３，２４が
双方とも閉成され給湯が止まると、自然放熱によ
り湯温が下がるため、ワツクスペレツト２０は収
縮し弁体１９はバネ２５に押されて下方に移動
し、水側の流路１７をスリツト１８が次第に絞つ
て行く。完全に湯が冷え切ると水側流路１７は全
閉され、湯側流路１６が全開された状態となつて
いる。この従来例は弁体の駆動を混合湯温検出手
段を兼ねたワツクスペレツトで行なているが、こ
の他にも最近では弁体をモータで駆動し、混合湯
温をサーミスタで検出し制御する方式も出現した
来たが、給湯停止後において湯が冷却されるに伴
い、弁体が湯側流路を開成し水側流路を閉成して
行く現像はワツクスペレツト型と同様に起つてい
た。

発明が解決しようとする問題点 以上述べたような従来の湯水混合給湯装置は次
のような問題点を有していた。

(1) 給湯使用後の自然放熱冷却により弁体が水側
流路を閉成し、湯側流路を開成しているため、
給湯を再開した時に、設定値より高い熱温が供
給され火傷のおそれがある。特に近くの他の湯
水混合栓が使われた後や循環給湯システム、ま
たは給湯熱源までの給湯配管距離が短い場合等
においては、給湯管に奪われる熱が少ないため
非常に熱い湯が出て危険である。

(2) 常に湯側流路開成、水側流路閉成の状態から
温調制御がスタートするため、設定温度に到達
するまでに時間がかかる。

本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
で、給湯の再開時や温度設定が変えられた時に、
予め記憶している混合湯温と弁体開度の関係に基
き一早く開度を予測設定する湯水混合給湯装置を
提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の湯水混合
給湯装置は、混合弁と、この混合弁の駆動装置
と、混合湯温を検出する温度検出器と、混合湯温
を設定する温度設定器と、この温度設定器と温度
検出器の信号偏差に基づき駆動装置を制御する駆
動制御回路と、混合弁と弁開度と混合湯温の関係
を記憶するとともに温度検出器の検出信号に基づ
いて記憶を更新する更新部を有した記憶回路と、
温度設定器の設定変更時や給湯の開始時に温度設
定器と記憶回路に従い温度検出器の信号に優先し
て駆動制御回路に信号を伝達し混合弁開度を予測
設定する予測設定回路とを備えて構成するもので
ある。

作 用 本発明は上記した構成によつて、通常時は温度
設定器と温度検出器の信号偏差に基づいて駆動装
置を調節してフイードバツク制御を行ない、温度
設定器の設定変更時や給湯の開始時には、温度設
定器の設定値と記憶回路による混合弁開度と混合
温度の関係に従い、混合弁をオープンループ制御
して一早く目標温度に近い温度を得るとともに、
オープンループ制御の結果得られる混合湯温を温
度検出器の信号として記憶回路に取り込み、記憶
更新部で更新してより精度の高いオープンループ
制御を達成するものである。

実施例 次に本発明の実施例について第１図から第３図
に基づいて説明する。第１図において水道３１に
より供給された水は、給湯熱源である電気温水器
３２内のヒータ３３により加熱され、タンク３４
内に貯えられる。電気温水器３２には給湯配管３
５が接続されており、この末端側に湯水混合装置
３６，３６′と、開閉弁である給湯栓３７，３
７′が設けられている。湯水混合装置３６を代表
例として説明すると、第２図において湯の入口３
８と水の入口３９と混合湯の出口４０を有した混
合弁框体４１内に、湯側流路４２と水側流路４３
の開度を調節する弁体４４と４５が設けられてい
る。

水側弁体４５は圧力バランスを取るためのピス
トン４６を有しており、図面では記載されていな
いが混合室４７の圧力が、ピストン４６の背面の
室４８に導かれている。弁体４４と４５には軸４
９が貫通しており、軸４９に弁体４４，４５は摺
動可能となつている。

弁体４４，４５はバネ５０により外側に向つて
付勢されており、軸に設けた止め輪５１，５２に
よりその最外端が規制されている。湯水混合装置
３６の混合弁５３部は以上の様に構成されている 次に軸４９は弁框体４１の外部に設けた駆動装置
であるステツピングモータ５４により、回転運動
を直接運動に変換する変換装置５４を介して駆動
される。混合湯温は温度検出器５５で検出され、
制御器５６内で温度検出器５５と温度設定器５７
の信号比較が行なわれ、その偏差に応じて駆動制
御回路５８でステツピングモータ５４の駆動量が
制御される。

混合流路５８′には混合湯の供給の有無を検出
する検出器として流量スイツチ５９が設けられて
いる。また制御器５６内には、温度検出器５５の
信号や混合弁５３の位置関係を記憶する記憶更新
部を有した記憶回路６０と、温度設定器５７の設
定が変更された場合、記憶回路６０と温度設定器
５７に従つて混合弁開度を予測設定する予測設定
回路６１を有している。

次に動作を説明する。給湯栓３７を開成して給
湯を行なつている状態を想定する。電気温水器３
２内の湯は水道圧で給湯管３５を通つて湯水混合
装置３６へ送られる。湯水混合装置３６へは、給
水管を通して送られて来た水も導入される。湯の
入口３８と水の入口３９から入つて来た湯と水
は、弁体４４と４５により湯と水の流路４２，４
３の開度が調節され、各々の流量が決められる。
この弁体４４と４５は、温度検出器５５と温度設
定器５７の信号偏差によりフイードバツク制御さ
れ、温度検出器５５で拾つた混合湯温度が設定値
よりも高いと、制御器５６を介してステツピング
モータ５４が駆動し、変換装置５４′を介して軸
４９を右側の方に押す。弁体４４と４５はこれに
より平行移動し、弁体４４は湯側流路を閉じる方
に弁体４６は水側流路を開ける方向に動く。設定
値より混合湯温度が低いと逆に弁体４４，４５は
動き湯側流路４２を開け、水側流路４３を閉じ
る。

給湯が定常的に行なわれた状態で温度設定器５
７の設定が急に変えられたとする。制御は今迄の
フイードバツク制御からオープンループ制御に切
り替り温度設定器５７の変更された温度設定値
は、予測設定回路６１に伝えられる。予測設定回
路６１には記憶回路６０からの弁開度と混合湯温
の関係も伝えられる。記憶回路６０は混合湯温
と、混合弁５３の弁開度との関係を例えば混合湯
温と駆動制御回路５８の駆動パルス量との関係と
して記憶している。混合弁５３の位置はこの他に
もポテンシヨメータ等を用いて直接検出する方法
もある。この記憶内容は、季節による水温の変動
に伴うオープンループ制御時の混合湯温の変動を
補正するため、時々温度検出器５５でサンプリン
グされる混合湯温をチエツクして記憶更新部で記
憶が更新されている。混合湯温と弁体開度の関係
は最初インプツトしておいた内容が更新されて行
き、より精度の高い制御がなされる。予測設定回
路６１ではこの記憶回路６０の混合湯温と混合弁
の開度の関係に従つて、温度検出器５７で変更さ
れた目標値に対してどれだけステツピングモータ
５４を駆動したら良いかを即座に塩酸し、混合弁
５３の開度を温度検出器５５の信号に優先して調
節するよう駆動制御回路５８に必要駆動量を指令
する。混合弁５３が所定の位置に臨んだ後は温度
検出器５５の信号に切り替わり、以後混合弁５３
位置の微調整がフイードバツク制御によつて行な
われる。この切り替えは、温度検出器５５で検出
される温度が所定の範囲に入つてから行なう手段
もある。

給湯の停止は流量スイツチ５９で検出し、通常
はステツピングモータ５４の通電を断つている。
停止中温度設定器５７の温度設定が変更された場
合、すなわち給湯の使用開始に先立ち温度設定を
変えた場合など、給湯使用中と同様に温度設定器
５７と記憶回路６０に従つて予測設定回路６１で
混合弁５３開度を予測設定して、予め開度調整を
行なう。調整後は温度検出器５５の値にかかわら
ず混合弁開度を温度設定器５７の設定値に従つた
位置に保持する。給湯停止中のこの動作は必ずし
も必須条件ではなく、給湯開始に当つて蛇口を開
成した際の流量変化を一早く流量スイツチ５９で
検出し予測設定回路によつて混合弁５３の開度を
調整しても実用には耐え得る。

なお、この実施例の駆動制御回路５８、記憶回
路６０、予測設定回路６１等はハード回路でな
く、例えばマイクロコンピユータ等によるソフト
的な手段でもよい。

発明の効果 以上のように本発明の湯水混合給湯装置によれ
ば次のような効果が得られる。

(1) 温度設定値の変更、給湯の開始に当り予め記
憶された混合弁開度と混合湯温の関係に従つて
混合開度を予測設定しているため、設定値に近
い湯温が早く供給され使い勝手が向上する。

(2) 給湯停止後の時間をあまり経過しない状態で
の再給湯や循環給湯システム、また給湯熱源ま
での距離が短い場合などにおいて、設定値に近
い湯が始めから供給されるため従来のように火
傷などの心配がなくなる。

(3) 記憶回路の記憶更新部により、制御した結果
の混合湯温チエツクして混合弁開度と設定温度
との関係が修正できるため、温度設定変更時や
給湯開始時等にオープンループ制御の良い制度
の混合湯温が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における湯水混合給
湯装置を示すシステム図、第２図は同装置に用い
た混合弁を示す一部切欠断面図、第３図は同制御
ブロツク線図、第４図は従来の湯水混合給湯装置
を示すシステム図、第５図は同装置に用いた混合
弁を示す切欠断面図である。 ５３……混合弁、５４……ステツピングモータ
（駆動装置）、５５……温度検出器、５７……温度
設定器、５８……駆動制御回路、６０……記憶回
路、６１……予測設定回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湯側と水側の弁開度を変え混合湯を得る混合
   弁と、この混合弁を駆動する駆動装置と、混合湯
   温を検出する温度検出器と、混合湯温を設定する
   温度設定器と、この温度設定器と前記温度検出器
   の信号偏差に基づき前記駆動装置を制御する駆動
   制御回路と、前記混合弁の弁開度と混合湯温の関
   係を記憶するとともに前記温度検出器の検出信号
   に基づいて記憶を更新する更新部を有した記憶回
   路と、温度設定器の設定変更時や給湯の開始時に
   前記温度設定器と記憶回路に従い前記温度検出器
   の信号に優先して前記駆動制御回路に信号を伝達
   し混合弁開度を予測設定する予測設定回路とを備
   えた湯水混合給湯装置。