JPS623112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、始動操作に関連して駆動し所定数
の縫目形成完了に関連して停止するサイクルミシ
ンにおいて、布送り台との間で布を挟持する押え
足と押え足を支持して布送り台に従動して移動す
る押え腕とをもつサイクルミシンの布押え装置に
関する。

従来、上記したようなサイクルミシンにおい
て、たとえば第１図に示すように、１はサイクル
カムの回転に同期して回動する布送りカムまたは
電気回路により制御されるステツピングモータ等
の送り制御手段（図示しない）によりミシンベツ
ド面２上を水平方向へ移動する布送り台、３は基
端を布送り台１上に支持した押え腕、４は押え腕
３の先端に支持して布送り台１先端上において布
を押圧して布送り台１との間で挟持する押え足で
あり、布送り台１と押え足４との間に布を出し入
れするために押え腕３の基部を布送り台１に対し
水平軸５を中心に回動可能に支持し、一サイクル
完了に関連して作用する電磁石またはサイクルカ
ムに連動する機械的作用手段（図示しない）の作
用により押え足４を布送り台１上面より離隔する
ように押え腕３を上昇回動していた。このサイク
ルミシンにより衣服等の布にラベルや名札等の布
片を縫いつける場合、布上に重ねて布送り台１上
に配置した布片中央部を押圧しその周縁に沿い針
落ちして環状の縫目線を形成するように、布片の
大きさに略等しい板状の押え足４を使用していた
が、押え腕３の上昇回動時に針６とこの押え足４
とが係合しないように板状の押え足４を高く上昇
することができず、また通常は作業者の目が斜め
上方に位置するため、押え足が邪魔となつて布を
配置すべき布送り台上の位置を目により確認しな
がら布の配置が行えず、作業が不確実となつて所
望の位置にラベル等の布片を縫着できずに商品の
品質を低下するとともに、押え足と布送り台間に
布を円滑に挿入することができずに作業能率を低
下する等の欠点を生じた。

この考案は、上記従来のものの欠点を除去する
ことを目的とする。

この考案の実施例を図面により説明するが、従
来と同じ構成のものについては同番号を符して説
明を省略する。

７は押え腕３先端に回動可能に支持したクラン
ク腕であり、たとえば実願昭50−132994号明細書
及び図面、実開昭49−65465号公報等に示されて
いる手段により、押え足周縁に沿い連続する縫目
線を形成可能とするように縫い途中の適時におい
て旋回する。

８は略直方体の支持体であり、両側面の上部よ
り両側方へ突出する突部８ａ，８ｂ、及び前後方
向に貫通しクランク腕７先端に回動可能に嵌合し
て支持する孔９、及び両側面に開孔する一対の孔
１０を形成する。

１１は押え足であり、平坦な下面をもつ板状の
押圧部１１ａ、及び支持体８の両側面に両内端面
を摺動可能に対向するように押圧部１１ａ上面か
ら起立する一対の起立部１２，１２とをもち、両
起立部１２，１２には支持体８の一対の孔１０に
連通可能とする孔１３，１３を形成し、支持体８
の一対の孔１０と孔１３，１３に各別に連通する
一対の止め軸１４により支持体８に対し押え足１
１を回動可能に支持し、押え足１１の回動を許容
するように支持体８の下面と押え足１１の押圧部
１１ａ上面とは上下方向に離隔する。両起立部１
２，１２の上端面をして、押圧部１１ａ下面が布
送り台１上面に平行する作用位置（第３図）に係
止するように支持体８の突部８ａ，８ｂの下端面
に係合する平行な第一平面部１２ａ，１２ａ、及
び押え足１１を押圧部１１ａ下面が前方に傾斜す
るとともに押圧部１１ａ下面の後端角部が軸１４
の軸心よりも後方に位置する回動位置（第４図）
に係止するように突部８ａ，８ｂの下端面に係合
する平行な第二平面部１２ｂ，１２ｂ、及び両平
面部１２ａ，１２ａ，１２ｂ，１２ｂ間に連続し
押え足１１の回動を許容するように孔９を中心と
する円弧上の円弧部１２ｃ，１２ｃとを形成す
る。

１５は下方へ開放する略Ｕ字形の板ばねであ
り、一端を支持体８の前面上部に固定し、他端を
略「字状に内方に折曲して係止部１５ａとし、押
え足１１を回動位置とするとき一方の起立部１２
の後方角部を係止部１５ａに係合して同位置に係
止し、また作用位置では一方の起立部１２の後方
端面に係合して同位置に保持するように弾性力を
付与する。

この考案は以上のような構成であり、 サイクル完了時に押え腕３がサイクルカム等の
制御手段に連動し上昇回動して第３図の状態とな
り、押え足１１は作用位置となつている。

押え足１１を第３図時計方向へ回動すると、一
方の起立部１２の後方角部が板ばね１５の係止部
１５ａに係合して回動位置に係止して第４図の状
態となる。これにより布送り台１上方が開放さ
れ、布の出し入れが容易となる。布を布送り台１
の所定位置に配置してから押え足１１を第４図反
時計方向へ回動して作用位置とし、始動操作に関
連して制御手段に連動し押え腕３が下降回動し、
押え足１１を布送り台１上に圧接し双方との間で
布を挟持する。誤つて押え足１１を回動位置のま
ま始動操作すると、押え腕３の下降回動により押
え足１１の押圧部１１ａ下面の後端角部が布送り
台１上に係合して反時計方向へのモーメントを与
え、押え足１１は反時計方向へ回動して作用位置
となり、損傷することはない。

以上のようにこの考案によれば、 押え足を押え腕に対し、押え足下面が布送り台
上面に対し平行する作用位置及び押え足下方を開
放するように傾斜する回動位置とに水平軸線を中
心に回動係止可能としたことにより、押え足を回
動位置のとき布送り台上が開放されるので、布の
出し入れの作業が容易になり作業能率を向上する
とともに、布を布送り台上に確実に配置して所望
の位置にラベル等を縫着でき、商品の品質を向上
する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサイクルミシンの斜視図、第２図は本
実施例の押え足の分解斜視図、第３図は作用位置
の押え足の側面図、第４図は回動位置の押え足の
側面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシン主軸に連動して一定の針落ち点で上下動
   する針と、 ミシンベツド面上を水平方向へ移動可能とし先
   端を針落ち点に対向配置した布送り台と、 布送り台先端との間で布を挟持可能とする板状
   の押え足と、 基端を布送り台後端に水平軸線を中心に回動可
   能に支持し先端に押え足を支持した押え腕と、 始動操作に関連して押え足を布送り台に圧接す
   るように押え腕を回動係止してからミシン主軸を
   回動し押え足周縁に沿い針落ちして縫目線を形成
   するように布送り台を移動し縫目線形成完了に関
   連してミシン主軸を停止してから押え足を布送り
   台上方に離隔するように押え腕を回動係止する制
   御手段とをもつサイクルミシンにおいて、 下方に向く平面を有する前記押え腕と、押え腕
   に対し平面下方において水平軸線を中心に回動可
   能に支持した前記押え足と、 押え足に形成し押え足下面を布送り台上面に対
   し平行にする作用位置において前記平面と係合す
   る第一支持部１２ａと、 押え足に形成し押え足下面を布送り台上面に対
   し作業者側を開放するように傾斜する不作用位置
   において前記平面と係合する第二支持部１２ｂ
   と、 押え腕に支持し押え足を作用位置または不作用
   位置に係止する作用力を付与する弾性体１５、と
   をして、 押え足を押え腕に対し、押え足が布送り台上方
   に離隔する押え腕の回動位置において、作用及び
   不作用位置とに水平軸線を中心に回動係止可能と
   したことを特徴とするサイクルミシンの布押え装
   置。