JPS623103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は往復式電気かみそりに係り、その内刃
の往復動を生み出す振動子の改良に関するもので
ある。

従来より往復式電気かみそりは、内部に収納し
た電動機の回転運動を偏心カムと振動子によつて
往復運動へ変換し、アーチ状外刃の裏面を摺動す
る内刃にその往復運動を供与する構造を有するも
のである。その振動子自身は一般に合成樹脂成形
品であり、両側より薄肉脚部を垂設して水平に揺
動自在となし、該脚部の一端を本体に固定してい
る。そして振動子の中央部より内刃取付ボスが垂
設され、該ボスは本体ケース上部開口より突設し
てその上端に内刃が装着されるものである。とこ
ろが電動機で発生した駆動力を効率良く内刃に伝
えるためには、振動子が極めて円滑に殆んど抵抗
となることなく揺動する必要があり、それには薄
肉脚部の厚み寸法が問題となつてくる。即ち薄肉
脚部は薄いほど揺動が円滑になる。しかし、内刃
はたとえ着脱自在であつたとして駆動中に外れな
い程度にしつかりと装着されているものであるか
ら内刃の交換時あるいは清掃時に強く引つ張つて
内刃を外そうとすると振動子の薄肉脚部が破損し
てしまう恐れがある。

本考案は上述の点に鑑み改良を加えたもので、
薄肉脚部の引つ張り応力の上限を規制し、即ち内
刃を外すときに薄肉脚部を引つ張りすぎて破損す
るのを防止することを目的とするものである。

そしてその構成は、往復式電気かみそりの本体
ケース内部に駆動用電動機を取り付け、その駆動
軸に偏心カムを介して合成樹脂製で薄肉脚部を両
側に垂設した振動子を装着した従来同様の往復式
電気かみそりにおいて、振動子の両側上面に突起
を形成して前記振動子と本体ケース上面との間隔
を一定寸法以上に保つようにしたもので、しかも
振動子の中央のヘツドが突出する本体ケース上部
の穴を閉塞する防塵体に突起が自由に動けるため
の逃がし孔を形成したものである。

従つて内刃をヘツドより離脱する際に、振動子
が上方へ引つ張られ、薄肉脚部が伸張しても薄肉
脚部の破壊応力に達する直前に突起が本体ケース
に当接し、それ以上の伸張を防止し、薄肉脚部の
破損をその一歩手前で防ぐことができるものとな
る。

以下本考案をその最良の一実施例に基き図面に
従つて詳しく説明する。

第１図において往復式電気かみそり本体１は上
下２分割体２（一方は図示せず）から成る合成樹
脂製本体ケース３の上部にネツト状外刃４を装着
した金属製外刃枠５を係合したものである。

第２図において前記本体ケース３の内部には駆
動用電動機６を収納し、該電動機６は固定板７に
よつて本体ケース３内部で挾着固定されている。
該電動機６へは本体ケース３の底部に位置された
充電電池８から電流が供給されると共に、前記電
池８はピンプラグ９と電気接続されており、延長
コード（図示せず）を介して充電可能とされ、し
かも延長コードをつけたままでも交流式かみそり
として使用することもできる。

前記電動機６の駆動軸１０には偏心カム１１が
嵌合され、その上端に合成樹脂製の振動子１２が
遊嵌され、前記偏心カム１１の回転運動によつて
該振動子１２は往復運動する。前記振動子１２の
略中央には金属軸１３がインサート形成されてお
り、刃圧スプリング１４を介して該金属軸１３の
先端に内刃台１５が取着されている。そして前記
外刃４の裏面を摺動する内刃ユニツト１６が前記
内刃台１５の上面に装着されて成る。

前記振動子１２はその両側より垂下形成された
揺動自在な薄肉脚部１７，１７によつて支持さ
れ、且該脚部１７，１７の終端部に前記外刃枠５
に弾性係合する弾性爪１８，１８とその弾性源で
あるコイルスプリング１９，１９を収納する収納
部２０，２０を一体形成しており、該収納部２
０，２０はその底部に突出したボス２１，２１及
び爪２２，２２……によつて前記固定板７に保持
されている。

また第３図において前記本体ケース３の上部に
は半転繰り出し可能なきわぞり刃ユニツト２３が
具備せられ、その回動軸ピン３５，３５は前記収
納部２０，２０に突設したリブ２５，２５によつ
て抜け止めがなされている。前記きわぞり刃ユニ
ツト２３は、前記本体ケース３の前面に設けた摘
子２６によつて該本体ケース３内部のスライドレ
バー２７が上方へ動き、操作部２８が前記きわぞ
り刃ユニツト２３の一側を押すことによつて繰り
出されるようになつている。前記摘子２６に並行
して位置する始動スイツチ摘子２９は同様に前記
本体ケース３内部を摺動するスライド接点部３０
と連結しており、一回の操作で前記摘子２６と始
動スイツチ摘子２９とを摺動させて前記きわぞり
刃ユニツト２３を駆動させることが可能となつて
いる。

前記振動子１２の両側上面には突起３１，３１
が形成されており、前記本体ケース３の上面との
間に髭侵入防止用の防塵体としてのスポンジ３２
を介在せしめて前記金属軸１３の突出する窓３３
を閉塞して成る。さらに前記スポンジ３２には前
記突起３１，３１が自由に動けるように孔３４，
３４が穿たれている。

組立時には前記上分割体２に始動スイツチ摘子
２９とスライド接点部３０、摘子２６とスライド
レバー２７を夫々連結して取着し、前記きわぞり
刃ユニツト２３をそのピン３５，３５を上分割体
２の裏面に形成した凹部３６に枢支し、その上方
よりスポンジ３２及び弾性爪１８，１８とコイル
スプリング１９，１９を具備しその両肩に突起３
１，３１を形成した振動子１２をそのリブ２５，
２５が丁度前記ピン３５，３５に当接するように
位置せしめると、前記弾性爪１８，１８は前記上
ケース２側部の切欠部３６，３６より外方に突設
される。そして電動機６、充電電池８、ピンプラ
グ９を取り付けて、下分割体を上分割体２に接合
すれば本体ケース３が完成し、金属軸１３に内刃
台１５を取り付け、該内刃台１５に内刃ユニツト
１６を装着した後、外刃４のついた外刃枠５を本
体ケース３上部より嵌め込む。

また内刃ユニツト１６を内刃台１５から離脱す
るときには片手で本体ケース３を持ち、空いた手
で内刃ユニツト１６を持つて上方へ引つ張れば抜
けるが、この時前記突起３１，３１が本体ケース
３上面に当接して、前記薄肉脚部１７，１７の伸
張を押えて破損を防ぐことができる。しかも前記
スポンジ３２には該突起３１，３１が自由に動け
るような孔３４，３４が穿設されているため使用
時には過負荷となることはない。

以上の如く本考案は内刃を往復動させる振動子
の肩に突起を設け、内刃離脱時の当たりを形成し
たことにより、安心して内刃を振動子から外すこ
とができ、耐久性が向上するものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の往復式電気かみそり
の正面図、第２図はその縦断面図、第３図は同じ
く要部分解斜視図である。 ３……本体ケース、１２……振動子、１７，１
７……薄肉脚部、１３……金属軸、３１，３１…
…突起、３２……スポンジ、３４，３４……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体ケース内部に収納された電動機にカムを
   介して連結する振動子の両側上面に前記本体ケ
   ース内面に当接可能な突起を形成したことを特
   徴とする往復式電気かみそり。 本体ケース上面と前記振動子との間に介在
   し、該振動子のヘツドが外部へ突出するために
   設けられた穴から髭等の塵埃が入り込むのを防
   ぐ防塵体に前記突起が自由に動ける孔を形成し
   たことを特徴とする上記実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の往復式電気かみそり。