JPS6230493Y2

JPS6230493Y2 -

Info

Publication number: JPS6230493Y2
Application number: JP1981186675U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-14
Filing date: 1981-12-14
Publication date: 1987-08-05
Also published as: JPS5890821U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は乗合バス等の車両の側部に設けられる
引違い窓の水抜き構造に関する。

（従来の技術）車両の側部に設けられる引違い窓においては、
窓枠の床に前後方向へ延びる内外２本のレールを
設け、この両レールに対し窓の閉塞時に窓枠の前
部に当接する外側引窓と、窓枠の後部に当接する
内側引窓が摺動可能に支持されているのが通常で
ある。そして、上記窓枠の床に水抜き孔を設け、
外側レールの内側に溜る雨水等を水抜き孔から車
外へ自然排水するという技術も一般に知られてい
る。また、この場合、上記水抜き孔は前後に間隔
をおいて複数箇所に設けられているのが通常であ
る。

（考案が解決しようとする問題点）ところで、車両の停車中は窓枠の床に溜る雨水
等は上記水抜き孔から比較的円滑に排出されるも
のの、高速での走行中は車室側が車外に対し負圧
になつたり、あるいは風の影響などにより、水抜
き孔から車室へ空気が吹込み、それに伴つて窓枠
の床に溜つている水が車室へ吹上げられるという
問題がある。また、車外からの洗車時において
も、水が水抜き孔を介して車室へ吹込むという問
題がある。

しかして、かかる問題に対しては、上記水抜き
孔に空気や水の逆流防止手段を設けることを考え
る必要があるが、個々の水抜き孔に対しかかる手
段を設けることはコスト高になるとともに、引窓
の円滑な摺動を図りながら個々の水抜き孔に逆流
防止手段を設けることも難しい。

本考案は、上述のような問題を解決しようとす
るものである。

（問題点を解決するための手段）本考案における車両引違い窓の水抜き構造にお
いては、車両の側部の窓枠の床にそれぞれ前後方
向に延びる内側と外側のレールを設け、閉塞時に
窓枠の前部に当接する外側引窓を外側レールに、
閉塞時に窓枠の後部に当接する内側引窓を内側レ
ールにそれぞれ摺動自在に支持し、上記外側レー
ルよりも内側において窓枠の床の前端部に水抜き
孔を形成するとともに、この水抜き孔をその上方
で覆うカバーを設け、このカバー内に水抜き孔を
閉塞するシヤツター材を前後方向へ摺動可能に差
込んだことを特徴とする。

（作用）上記水抜き構造の場合、カバーおよびシヤツタ
ー材は、外側レールよりも内側にあるから外側引
窓の摺動に支障はなく、また、窓枠の床の前端部
にあるから、内側引窓の全閉に支障がないととも
に、この内側引窓の開放巾が若干狭くなるものの
その摺動には支障を与えない。そして、シヤツタ
ー材にて水抜き孔を開けた状態では、外側レール
の内側にある水が水抜き孔より円滑に排出され、
また、一時的に外から水抜き孔を介して空気が吹
込むことがあつても、カバーに水の飛沫が当た
り、車室内へ多量に飛び散ることが防止される。
そうして、雨天の高速走行時や洗車時にはシヤツ
ター材にて水抜き孔を閉塞することにより、車室
内への水の侵入を確実に阻止することができる。
また、上記水と同様に塵埃の車室への侵入を防止
することができる。

（考案の効果）従つて、本考案によれば、外側レールよりも内
側において窓枠の床の前端部に水抜き孔、カバー
およびシヤツター材を設けたことにより、内外の
引窓の全閉や摺動を妨げることなく、水抜き孔か
ら車室への水の侵入をシヤツター材で確実に防止
することができるとともに、水抜き孔が開いてい
る場合でも車室内への水の飛散を抑えることがで
き、さらに塵埃の車室への侵入も防止することが
できる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図において、１はバス車体の側部に設ける
引違い窓の窓枠で、２はそれに嵌接された外側の
引窓、３は同様内側の引窓である。４はこの引窓
３を開けたときのストツパーで通常車両等の進行
方向に対し、前方側の窓枠１の上縁に固着され
る。第２図において、５はこの窓枠１の下部に成
形せられる引窓２摺動用の外側レールで、６は同
様引窓３摺動用の内側レールである。７はこの外
側レール５と内側レール６を接続するレール基部
の床であり、上記外側と内側の両レール５，６は
車体の前後方向に延びている。

この場合、外側引窓２は第１図に示す如くその
閉塞時に窓枠１の前部に当接し、内側引窓３は閉
塞時に窓枠１の後部に当接するようになされてい
る。これは、閉塞状態での車両の走行時に、外側
引窓２と内側引窓３の互いの縁の重合部に走行風
が直接作用して両者間のシール性が損われるのを
防止するためである。また、上記のレール５，６
および床７を一体成形してなる窓枠１は、バス車
体等の車体側９にビス１０を用いて固着せられ、
且つこの車体側９との間には、排水間隙１１を有
する。１２は防塵用ゴムである。

しかして、上記床７の前端部には外側レール５
と内側レール６の間と、内側レール６の内側の両
位置において上下に貫通する水抜き孔８，８が形
成されている。さらに、外側レール５の内側に上
記水抜き孔８，８をその上方で覆う門型のカバー
１５が設けられていて、このカバー１５は第５図
に示す如く内側レール６に対し取付ねじ１６で固
着されている。そして、上記水抜き孔８，８を閉
塞可能なシヤツター材１３がカバー１５内に差込
まれている。すなわち、このシヤツター材１３
は、門型でその両脚部の下端に水抜き孔８，８を
閉塞するための水平になつた閉塞部１４を備えて
いるとともに、第３図、第４図および第６図に示
す如くつまみ１７が後方へ突出して設けられてい
て、上記閉塞部１４が水抜き孔８の上を前後方向
に摺動できるようにカバー１５内に嵌められてい
る。

従つて、上記実施例の水抜き構造においては、
雨天の停車時や低速走行時、引窓２，３を伝つて
流下する雨水や結露水は外側レール５と内側レー
ル６の間や内側レール６の内側に入るが、シヤツ
ター材１３を後方へ引いて水抜き孔８，８を開口
しておけばこれらの水は水抜き孔８，８から間隙
１１を経て防塵用ゴム１２の隙間から車体側部に
自然に排出される。そして、一時的に強い風があ
つて外気が水抜き孔８，８から車室へ吹込むこと
があつても、この水抜き孔８，８の上方がカバー
１５で覆われているため、水抜き孔まわりの水の
飛沫はカバー１５にあたり、車室へ飛散すること
や乗客の衣服を濡らすことが防止される。また、
晴天時においてもカバー１５によつて塵埃の吹込
みが抑えられる。

一方、雨天の高速走行時や洗車時には、シヤツ
ター材１３を前方へ摺動させて水抜き孔８，８を
閉塞すれば、風雨や洗浄水の車室への侵入を確実
に防ぐことができる。また、このような雨天時等
だけでなく、晴天時等でも車室内冷暖房のため車
窓を全閉にしたときでも従来なれば、この排水口
から侵入する外部塵埃を、この閉塞構造の組み込
みによつて雨水同様完全に遮断し、客室内が汚れ
るのを防止出来るという優れた効果がある。

すなわち、公知の防水、防塵構造とは異なり、
水抜き孔８に任意に操作出来るシヤツター材１３
を組合せたから引違い窓のレール部に溜る雨水の
排水が自由に出来、しかも、これが客室内侵入等
の不都合があつて、必要なときは、このシヤツタ
ー材１３の操作用つまみ１７を用いて水抜き孔８
をいつでも完全閉塞出来るので、これで任意に完
全に客室内への雨水や塵埃の侵入を防止出来る。

また、かかる有効な閉塞機能だけでなく、シヤ
ツター材１３の上面にカバー１５を設けたから、
シヤツター材１３の摺動でその操作者等の手を水
抜き孔８に挾み込むこともなく、しかも、上記シ
ヤツター材１３およびカバー１５は外側レール１
５の内側にあるから外側引窓２の開閉に支障はな
く、また、床７の前端部にあるから内側引窓６の
開閉にも大きな支障をきたすことはない。さら
に、上記水抜き構造は簡単で各構造部品の製作も
容易で、部品点数も少なく組付けも容易であるな
ど実用的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
窓枠に組込まれた引違い窓の組合せ正面図、第２
図は第１図のＡ〜Ａ拡大断面図、第３図はシヤツ
ター材を引出した状態を説明する側面図、第４図
は同様シヤツター材を閉じた状態を説明する側面
図、第５図は第２図のＢ〜Ｂ拡大断面図、第６図
はシヤツター材の外観斜視図である。１……窓枠、２，３……引窓、５……外側レー
ル、６……内側レール、７……床、８……水抜き
孔、１３……シヤツター材、１４……閉塞部、１
５……カバー、１７……つまみ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

車両の側部の窓枠の床にそれぞれ前後方向に延
びる内側レールと外側レールとが設けられ、内側
レールには窓の閉塞時に窓枠の後部に当接する内
側引窓が、また外側レールには窓の閉塞時に窓枠
の前部に当接する外側引窓がそれぞれ摺動可能に
支持されていて、上記外側レールよりも内側にお
いて窓枠の床の前端部に水抜き孔が形成されてい
るとともに、この水抜き孔をその上方で覆うカバ
ーが設けられ、このカバー内に水抜き孔を開閉す
るシヤツター材が前後方向へ摺動可能に差込まれ
ていることを特徴とする車両引違い窓の水抜き構
造。