JPS6229967B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は例えば自動車などに装備される比較
的小形の全閉形回転電機に関し、特にそのシール
構造に関するものである。

自動車などに使用される回転電機にあつては、
外部から水や塵埃を受ける環境で使用されるの
で、一般に全閉形構造を採用し、これらの水や塵
埃が内部に侵入して不都合を生じるのを防いでい
るが、その回転電機の使用中に内部温度が上昇し
て、外気温より高くなつている状態で、外部から
外気温と同程度の温度の水がかけられると、回転
電機の内部空間の空気が冷却され収縮し外気より
も負圧となる結果、極めてわずかの隙間からでも
水を吸入する、いわゆる呼吸作用を生じる。従つ
てこのような回転電機では、外筐の各部分の嵌合
部にはゴム・パツキン類を使用していたが、小形
の回転電機では嵌合部分の厚さが薄いので、構造
的にパツキン類の使用が困難な場合があり、嵌合
面に液状シール材を使用して組立てるとか、嵌合
部の外周に粘着テープを巻きつけてシール作用を
もたせるというような構成がとられていた。

しかし、このような従来の方式においては、前
者の液状シール材を用いる場合は作業方法によつ
てシール効果にばらつきが生じ易く、後者の粘着
テープを用いる方式では、粘着テープの巻初め部
と、巻終り部の重ね合わせ部に隙間を生じる。し
かも、いずれの場合も作業性が悪いという欠点が
あつた。

この発明は以上のような点に鑑みてなされたも
のでリング状弾性部材とリング状熱収縮性物質と
を利用して簡単な構造で確実なシール効果を得る
ことを目的としている。

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図で、
図において、１は外筐、２は外筐１の一方の端部
の開口部に嵌合するブラケツト、３はブラケツト
２に保持された第１の軸受、４は外筐１の他方の
端部に保持された第２の軸受、５は第１の軸受３
と第２の軸受４とに支承された回転子である。第
２図は第１図の一点鎖線の円で囲まれた部分の
拡大部分断面図で、６は弾性材からなるリング、
７は熱収縮性物質からなるリングである。

次にシール方法について説明する。この実施例
では外筐１とブラケツト２との嵌合部の外周にま
ず、ゴムなどの弾性材からなるリング６を被せ、
更にその上に、この弾性材リング６の装着後の外
径よりやや大きい内径を有する熱収縮性物質から
なるリング〔例えばヒシチユーブ（商品名）〕７
を上記弾性材リング６を覆うようにかぶせる。そ
の後に、熱収縮性物質からなるリング７に熱風を
吹きつけるか、回転電機全体を加熱炉に入れて加
熱して、このリング７を熱によつて収縮させ、弾
性材からなるリング６を内径側に押圧させて外筐
１とブラケツト２との嵌合部を完全にシールす
る。

以上のように、この発明によれば嵌合部をリン
グ状弾性材で被覆し、さらにその上からリング状
熱収縮部材を緊着するようにしたので、極めて簡
単な構造で確実なシール効果を得ることができ、
またその作業性もよく大量生産にも適している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図の一点鎖線の円で囲まれた部分の
拡大部分断面図である。 図において、１は外筐、２はブラケツト、３，
４は軸受、５は回転子、６はリング状の弾性部
材、７はリング状の熱収縮性部材である。なお、
図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転子の回転軸の一方の端部を支承するブラ
   ケツトと、その開口端部が上記ブラケツトと外周
   部において嵌合し上記開口端部と反対側の閉鎖端
   において上記回転子の回転軸の他方の端部を支承
   する外筐とを備えた回転電機において、 上記ブラケツトと上記外筐との嵌合部外周に被
   着されたリング状の弾性部材と、 このリング状の弾性部材を覆うように被着し、
   加熱により熱収縮させて緊着させたリング状の熱
   収縮性部材とを備えたことを特徴とする回転電
   機。