JPS62295942A - 耐候性の良好な耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐候性の良好な耐熱性樹脂組成物

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JPS62295942A
JPS62295942A JP13990386A JP13990386A JPS62295942A JP S62295942 A JPS62295942 A JP S62295942A JP 13990386 A JP13990386 A JP 13990386A JP 13990386 A JP13990386 A JP 13990386A JP S62295942 A JPS62295942 A JP S62295942A
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vinyl monomer
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Nobuyuki Hayashi
宣行 林
Kiyotaka Saito
清高 斉藤
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族ビニル単量体残基と不飽和ジカルボン酸
イミド誘導体残基を有する共重合体を含む樹脂組成物に
関するものであり、本発明の樹脂組成物より得られる成
形体は、インストルパネル、メーターフード等の自動車
用途部品、表面パネル材、被覆材等の鉄道車輌又は船舶
用途部品、太陽熱温水器構成部品など耐熱性に加えて耐
候性を要求される分野に好ましく用いることができる。
(従来の技術) 芳香族ビニル単量体及び不飽和ジカルボン酸イミドを含
むいわゆるイミド化共重合体(USP3642949)
は極めて高い耐熱性を有しているが、半面脆く、単独で
は実用に供せる用途範囲が限られている。そこでこのイ
ミド化共重合体を有効利用するための試みが数多くなさ
れ、特開昭体よりなるゴム強化樹脂グラフト物を配合す
ることにより、充分な耐熱性を保持しつ\かつ耐衝撃強
度が格段に向上した組成物が示されている。しかしなが
らこの開示例ではゴム強化樹脂グラフト物のゴム成分に
ポリブタジェンを用いているために、最終的に得られる
組成物の耐候性に難があり、各種自動車部品等に供しう
るだけの耐熱性及び耐衝撃性を兼ね備えているにもかか
わらず、長期間の屋外使用に限界があるという欠点を有
している。
耐候性にすぐれたゴム強化樹脂グラフト物を得るにはゴ
ム成分を耐候性の良好なゴム、例えばアクリル酸アルキ
ルエステルを主成分としたアクリルゴムに替えるという
方法が一般に知られている。
(1発明が解決しようとする問題点) しかしアクリルゴムは概してポリブタジェンゴムに比べ
るとゴム弾性にやや劣り、ポリブタジェンの場合と同等
の耐衝撃強度を得るには樹脂グラフト物中のゴム含量を
増やさねばならず、この樹脂グラフト物を構成成分とす
る組成物の剛性や耐熱性が低下してしまう。従ってアク
リルゴムを構成成分とするゴム強化樹脂グラフト物を前
記イミド共重合体に配合しても耐候性はポリブタジェン
含有のゴム強化樹脂グラフト物を配合した場合に比べて
向上するものの一方でポリブタジェンの場合と同等の耐
衝撃性を得ようとするならばゴム含量を増やして耐熱性
のレベルを下げざるを得ないそこでかかる不都合を解消
し、耐候性を充分なる耐熱性、耐衝撃性を兼ね備えた樹
脂組成物を得るべく本発明者らが鋭意検討したところ、
アクリル系ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体を含む単
量体混合物を多官能性ラジカル開始剤を用いてグラフト
重合して得られる(樹脂成分の分子量が高い)グラフト
共重合体(すなわちアクリル系ゴム強化樹脂グラフト物
)を前記イミド共重合体に配合することにより、アクリ
ル系ゴム状重合体を多量に含有せずとも充分な耐衝撃性
を有し、かつ高レベルの耐熱性をそなえた、耐候性耐熱
性樹脂組成物かえられることを見い出し、本発明を完成
するに到った。
(発明の構成) すなわち本発明は A成分:芳香族ビニル単量体残基35〜80重量%、不
飽和ジカルボン酸イミド誘に体残基20〜65重量%、
これら以外のビニル単量体残基0〜30重量%及びゴム
状重合体0〜30重量%を含む共重合体 10〜90重量%と、 B成分:炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル
酸アルキルエステル60〜99.99重量%、これと共
重合可能なビニル単量体0〜40重量%及び一分子中に
2個以上の炭素−炭素不飽和結合を有する架橋性化合物
0.01〜20重量%よりなるアクリル系ゴム状重合体
5〜80重量部に対し、芳香族ビニル単量体40〜90
重量%、シアン化ビニル単量体0〜40重量%及びこれ
らと共重合可能なビニル単量体0〜40重量%から成る
グラフト重合用単量体混合物20〜95重量部を、該単
量体混合物100重量部あたり0.02〜1重量部の多
官能性ラジカル開始剤を用いてグラフト共重合して得ら
れるグラフト共重合体10〜90重量%と、 C成分:芳香族ビニル単量体40〜90重量%、シアン
化ビニル単量体0〜40重量%及びこれらと共重合可能
なビニル単量体O〜40重量%からなる共重合体0〜8
0重量% とからなる耐候性の良好な耐熱性樹脂組成物Iである。
本発明の樹脂組成物はA成分とB成分のみから成るもの
であってもよいが、さらにこれにC成分の芳香族ビニル
系共重合体を80重量%以下の範囲で混合しても本発明
熱可塑性樹脂のすぐれた緒特性が低下しないため、安価
な芳香族ビニル共重合体を大量に配合することができる
利点を有する。
ここでまずA成分について説明する。
共重合体を構成する芳香族ビニル単量体残基としてはス
チレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチ
ルスチレン、クロロスチレン等のスチレン単量体及びそ
の置換体であり、これらの中でスチレンが特に好ましい
共重合体中に含まれる不飽和ジカルボン酸イミド誘導体
残基は、不飽和ジカルボン酸無水物を共重合したのちに
アンモニア及び/又は第1級アミンと反応させることに
よってイミド誘導体としたものであってもよいし、又は
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−ナフチルマレイミド等のイミド単量体を
直接共重合することにより得たものでもよい。しかしな
がら共重合体を製造する方法としては前者、すなわち不
飽和ジカルボン酸無水物を芳香族ビニル単量体と共重合
させた後にイミド化する方法が共重合性、共重合体の物
性の点でより好ましい。
不飽和ジカルボン酸無水物としてはマレイン酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の無水物があり、
これらの中でマレイン酸無水物がとくに好ましい。
イミド化反応に用いる第1級アミンの例としてメチルア
ミン、エチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルア
ミン等のアルキルアミン、及びこれらのクロル又はブロ
モ置換アルキルアミン、アニリン、トリルアミン、ナタ
チルアミン等の芳香族アミン及びクロル又はブロモ置換
アニリン等のハロゲン置換芳香族アミンがあげられる。
イミド化反応を溶液状態又は懸濁状態で行なう場合は通
常の反応容器、例えばオートクレーブなどを用いるのが
好ましく、塊状溶融状態で行なう場合は脱揮装置の付い
た押出機を用いてもよい。
またイミド化する際に触媒を存在させてもよく、例えば
第3級アミン等が好ましく用いられる。
イミド化反応の温度は約80℃〜350℃であり、好ま
しくは100〜300℃である。80℃未満の場合は反
応速度が遅く、反応に長時間を要し、実用的でない。一
方、350℃をこえる場合には重合体の熱分解による物
性低下をきたす、また、反応させるアンモニア及び/又
は第1級アミンの量は不飽和ジカルボン酸無水物基に対
して0、8モル当量以上が好ましい。0.8モル当量未
満であるとイミド化重合体中に酸無水物基が多量となり
、熱安定性及び耐熱水性が低下し、好ましくない。
芳香族ビニル単量体残基及び不飽和ジカルボン酸イミド
誘導体残基以外のビニル単量体残基は、芳香族ビニル単
量体と不飽和ジカルボン酸無水物及び/又は不飽和ジカ
ルボン酸イミドと共重合させたビニル単量体に基く単量
体残基である。
芳香族ビニル単量体及び不飽和ジカルボン酸無水物及び
/又は不飽和ジカルボン酸イミドと共重合可能なビニル
単量体としてはアクリロニトリル、メタシクロニトリル
、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量
体、炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル酸ア
ルキルエステル単量体、炭素数1〜4のアルキル基を有
するメタリル酸アミド、メタクリル酸アミド等があって
、これらの中でアクリロニトリル、メタクリル酸アルキ
ルエステル、アクリル酸、メタクリル酸などの単量体が
好ましい。
ゴム状重合体としては、ブタジェン重合体、ブタジェン
と共重合可能なビニル単量体との共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体、ブタジェンと芳香族ビニルとのブ
ロック共重合体、アクリル酸アルキルエステル重合体及
びアクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能なビ
ニル単量体との共重合体等が用いられる。最終的に得ら
れる組成物の耐候性を考慮するとこの中ではエチレン−
プロピレン共重合体や、アクリル酸アルキルエステル共
重合体が特に好ましい。しかし、最終的な物性バランス
(耐候性と耐衝撃性)を考慮する場合にはブタジェン共
重合体も充分利用が可能である。
A成分中に含まれる芳香族ビニル単量体残基は35〜8
0重景%で重量、35重量%未満では、芳香族ビニル化
合物の特徴である成形性及び寸法安定性が損なわれる。
また、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基はA成分中
に20〜65重量%含重量、20重量%未満では最終的
にえられる組成物の耐熱性が不充分であり、65重量%
をこえると共重合体がもろくなり、又成形性も著しく悪
くなる。
芳香族ビニル単量体残基及び不飽和ジカルボン酸イミド
誘導体残基以外のビニル単量体残基とゴム状重合体は、
各々、A成分中で30重量%をこえない範囲で用いるこ
とができるが、30重量%をこえてしまうと耐熱性及び
成形加工性の点で好ましくない。
次に日成分について説明する。
B成分中のゴム成分は炭素数1〜13のアルキル基を有
するアクリル酸アルキルエステル、好ましくはメチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート
、2−エチル−ヘキシルアクリレートを主成分としたも
のであるが、これらと共重合可能なビニル又はビニリデ
ン単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル
、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量
体、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸ア
ルキルエステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の
ビニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリ
ル酸アミド、N、N’−ジメチルアクリルアミド、ビニ
ルノルボルネン等を40重重量をこえない範囲で共重合
することもできる。40重量%をこえる場合にはゴム弾
性等、ゴムの特性が損なわれる場合があり好ましくない
アクリルゴムは未架橋の状態では成形、加工時に変形を
うけやすく、これがために物性低下をきたすことがある
。そこでゴムの重合時に、一分子中に2個以上の〉C=
Cく不飽和結合を有する架橋性化合物を添加し、重合と
同時に架橋を行なう。
かかる架橋性化合物としては、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト等のジアクリレート化合物、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のト
リアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレ
ート化合物、フタル酸ジアリール、マレイン酸ジアリー
ル等のジアリール化合物、アクリル成子り−ル、メタク
リル酸アリール等の不飽和カルボン酸アリール、ジシク
ロペンタジェン、エチリデンノルボルネン、ビニルノル
ボルネン、ノルボルナジェン、トリアリルシアヌレート
、トリアリルイソシアヌレート等があげられる。これら
架橋性化合物の使用量は、ゴム中20重量%好ましくは
10重量%をこえない範囲にすべきで、20重量%をこ
えるとゴム弾性が著しく低下する。
また、0.01重量%未満では充分な架橋効果かえられ
ない。ゴムの重合法にはとくに制限がないが、好ましく
は乳化重合が行なわれる。この場合、ゴムの重合にひき
つづいて、樹脂成分の乳化グラフト重合が行なえるので
好都合である。
乳化重合法に使用できる乳化剤としては、ステアリン酸
ナトリウム、オレイン酸カリウムのような脂肪酸石けん
、不均化ロジン酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムのような有機スルホン酸塩等が挙
げられるが、脂肪酸石けん、あるいは不均化ロジン酸石
けんはアクリル酸アルキルエステルの加水分解をきたす
おそれがあるため、中性付近のpH1好ましくとpH4
〜8で重合できる有機スルホン酸塩が好ましい。
乳化重合法に使用できる重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハ
イドロパーオキサイド、過酸化水素、過酸化ナトリウム
、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムのような過酸化
物触媒、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ触媒
およびホルムアルデヒドスルホキシル酸塩、L−アルコ
ルビン酸、ブドウ糖等の還元剤、硫酸第一鉄、塩化コバ
ルトのような金属塩、ピロリン酸もしくはエチレンジア
ミン4酢酸2ナトリウムのようなキレート剤を併用する
レドックス触媒等が挙げられる。
これらの中で、過硫酸カリウム等は分解により重合系内
のpi(が著しく低くなる場合があり、重合装置の腐蝕
等を回避する目的で緩衝剤として酢酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムといった弱酸の塩を少
量添加するのが好ましい。
重合温度は30〜100℃、とくに40〜80℃程度が
好ましい。
乳化重合を行なう場合は、公知のシード重合法によって
所望のゴム粒子径を得ることが可能であり、これは、モ
ノマーの添加方法、速度、乳化剤の添加量等によって適
宜制御される。好ましいゴム粒子径は重量平均粒径0.
05〜5μ、さらに好ましくは0.1〜2μである。0
.05μ未満では得られる樹脂組成物の耐衝撃性が不充
分であり、5μをこえる場合には、成形物の表面光沢が
低下する。
B成分中、ゴムへグラフト重合させるグラフト重合用単
量体混合物のうち、芳香族ビニル単量体としてはスチレ
ン、αメチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルス
チレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体及びその
置換単量体であり、これらの中でスチレン、αメチルス
チレンがとくに好ましい。シアン化ビニル単量体として
はアクリロニトリル、メタシクロニトリル、αクロロア
クリロニトリル等があり、特にアクリロニトリルが好ま
しい。又、これらと共重合可能なビニル単量体としては
炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル酸アルキ
ルエステル、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸等
のビニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミド、N−アルキル置換マレイミド、N−芳香
族置換マレイミド等があげられる。これらグラフト重合
用単量体混合物の使用量はゴム5〜80重量部に対し2
0〜95重量部であり、20重量部未満では得られる成
形物の成形性、表面外観が悪く、剛性も低い。又、95
重量部をこえる場合には、耐衝撃性が不充分となる。単
量体混合物のうち、芳香族ビニル単量体の占める割合は
40〜90重量%であるが、40重量部未満では得られ
る成形物の成形性及び寸法安定性がそこなわれる。又、
シアン化ビニル単量体が同単量体混合物に占める割合は
0〜40重量%であるが、40重量%をこえると成形性
が低下するので好ましくない。
グラフト重合用単量体混合物のゴムへのグラフト重合に
あたっては、とくに重合法に制限はないが、乳化重合に
より得られたゴムには、操作性の面から乳化重合又は懸
濁重合によりグラフト重合を行なうのが好ましい。
懸濁重合法に使用できる懸濁安定剤として、ポリビニル
アルコール、メチルセルロース、カルボキシエチルセル
ロース、ゼラチン、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ベントナイト、タルク等が挙げられる。
乳化重合法に使用できる乳化剤としては、ステアリン酸
ナトリウム、オレイン酸カリウムのような脂肪酸石けん
、不均化ロジン酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムのような有機スルホン酸塩等が挙
げられる。
グラフト重合用単量体混合物の添加方法には一括添加、
一部のみ分割添加および全グラフト重合用単量体の連続
分割添加等の方法があるが、ゴム状重合体へのグラフト
共重合を効果的に行なうため、連続分割添加が最も好ま
しい。重合温度30〜80℃、特に50〜75℃程度が
好ましい。
本発明の最たる特徴はB成分中、ゴムへのグラフト重合
を行なうにあたり、多官能ラジカル開始剤を用い、グラ
フト樹脂を高分子量のものとすることにある。
多官能性ラジカル開始剤としては10時間の半減期を得
るための分解温度70〜100℃程度のものが最も大き
い分子量増大効果を発揮する。好ましい多官能性ラジカ
ル開始剤は、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エ
チルヘキサノイルパーオキシ)へ千サン、ジ−t−ブチ
ルパーオキシへキサヒドロテレフタレート、4−(t−
ブチルパーオキシカルボニル)−3−ヘキシル−6−(
7−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ヘプチル)シ
クロヘキセン、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、
2.5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ
)ヘキサン、1.1−ジーt−ブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、1,1−ジーt−ブチルパーオキシ−3,3
,5−トリメチルシクロヘキサン、2.2−ジー(t−
ブチルパーオキシ)ブタン等である。これらは一種単独
で用いることも複数種併用することも可能である。
また、分解温度の高い重合開始剤を用いる場合は、ホル
ムアルデヒドスルホキシル酸塩、L−アスコルビン酸、
ブドウ糖等の還元剤、硫酸第一鉄、塩化コバルトのよう
な金属塩、ビロリン酸、もしくはエチレンジアミン4酢
酸2ナトリウムのようなキレート剤を併用するいわゆる
レドックス重合を行なうことが好ましい。
グラフト重合にあたって多官能性ラジカル開始剤の使用
量は、グラフト重合用単量体混合物100重量部に対し
0002〜1重量部、好ましくは0.05〜0.8重量
部である。0.02重量部未満では重合速度が著しく遅
く、又、1重量部をこえるとオリゴマーの生成量が増え
るため、分子量が上がらず、充分な耐衝撃強度かえられ
なくなる。
重合開始剤の添加方法は一括添加、一部のみ分割添加、
及び全量連続分割添加の方法があるが、重合速度の制御
のしやすさ、ゴムへのグラフト効率といった面から、連
続分割添加が最も好ましい。
又、本発明においてゴムへのグラフト重合を行なうにあ
たり、ノルマルデシルメルカプタン、を−ドデシルメル
カプタン、ノニルメルカプタン、キサントゲンジスルフ
ィドのような硫黄化合物、テルペン、テトラヒドロナフ
タレン、9.10−ジヒドロアンスラセンのような炭化
水素化合物等の連鎖移動剤を使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、ゴム弾性の比較的弱いアクリル
系ゴムを構成要素とするゴム強化樹脂グラフト物(すな
わちB成分)を成分とするにもかかわらず充分なる耐衝
撃性を発揮するが、これはB成分中のグラフト樹脂が高
分子量であるために剛性が増し、かつ、それ自体極めて
剛直な性質を有するA成分との相溶性が向上することに
起因すると考えられる。
次にC成分について説明する。
C成分に用いられる芳香族ビニル単量体としてはスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチル
スチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体及びそ
の置換体であり、これらの中でスチレン及びα−メチル
スチレンが特に好ましい。
シアン化ビニル単量体としてはアクリロニトリル、メタ
シクロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等があり
、これらの中でとくにアクリロニトリルが好ましい。
これらと共重合可能なビニル単量体としては炭素数1〜
13のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体、
炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸エステ
ル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボ
ン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、
アセナフチレン、N−ビニルカルバゾール、N−アルキ
ル置換マレイミド、N−芳香族置換マレイミド等があげ
られる。
C成分中、芳香族ビニル単量体の占める割合は40〜9
0重量%、シアン化ビニル単量体のそれが0〜40重量
%であるが、このように範囲を限定した理由は、A成分
及び日成分との相溶性を考慮したためである。
重合は公知のいずれの重合法も採用可能であって、例え
ば懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合及び生成重
合体の非溶媒中での沈殿重合等がある。
本発明の組成物は前記したA成分l及びB成分に必要に
応じてC成分を混合したものであるが、その混合法にと
くに制限はなく、公知の手段を用いることができる。そ
の手段として例えば、バンバリーミキサ−、ヘンシェル
ミキサー、タンブラ−ミキサー、混合ロール、1軸又は
2軸押出機等があげられる。混合形態としては通常の溶
融混合、マスターペレット等を用いる各段階溶融混練、
溶液中でのブレンドにより組成物を得る方法がある。
A成分、B成分及びC成分の各成分をブレンドする割合
はA成分が10〜90重量%、B成分が10〜90重量
%、C成分が0〜80重量%であるが、このようにブレ
ンド割合を限定した理由は、最終的に得られる組成物に
耐候性、耐熱性、耐衝撃性、成形性等、諸物性をバラン
スよく保持させるためである。
また、本発明の組成物にさらに必要に応じ安定剤、難燃
剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤及びタルク、
シリカ、クレー、炭酸カルシウム等の充填剤を添加して
もよい。
(実施例) 以下、本発明をさらに実施例によって説明するが、本発
明はその要旨をこえない限り以下の実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中の部、%はいずれも重量
基準で表わした。
1  (A   のム ) 攪拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン60部、メ
チルエチルケトン75部を仕込み、系内を窒素ガスで置
換した後、温度を85℃に昇温し、無水マレイン酸40
部とベンゾイルパーオキサイド0.15部をメチルエチ
ルケトン200部に溶解した溶液を6.5時間で連続的
に添加した。添加後さらに4時間温度を85℃に保った
。粘調な反応液の一部をサンプリングしてガスクロマト
グラフィーにより未反応単量体の定量を行なった結果、
重合率はスチレン96.0%、無水マレイン酸99.0
%であった。ここで得られた共重合体溶液に、無水マレ
イン酸に対して当量のアニリン38部、トリエチルアミ
ン0.3部を加え、150℃で5時間反応させた。反応
溶液にメチルエチルケトン200部を加え、室温まで冷
却し、激しく攪拌したメタノール3000部中に注ぎ、
析出、濾別、乾燥し、イミド化共重合体を得た。C−C
−13部分析より酸無水物基のイミド基への転化率は9
8.8%であった。このイミド化重合体は不飽和ジカル
ボン酸イミド誘導体としてのN−フェニルマレイミド単
位を54.3%含む共重合体であり、これを重合体■と
した。
験例2 (A成 の合成) 実験例1と同様のオートクレーブ中にスチレン60部、
メチルエチルケトン90部、小片状に切断したJSR製
アクリルゴムAR−112部を仕込み、室温で一昼夜攪
拌しアクリルゴムAR−1を溶解した後、系内を窒素ガ
スで置換し、温度を85℃に昇温した。無水マレイン酸
40部とベンゾイルパーオキサイド0.08部及びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.08部をメチルエチルケト
ン220部に溶解した溶液を7時間で連続的に添加した
。これ以降は実験例1と全く同じ操作を行なった0重合
率はスチレン97.8%、無水マレイン酸99.2%で
あった。酸無水物基のイミド基への転化率は97.8%
であった。このイミド化重合体は不飽和ジカルボン酸イ
ミド誘導体としてのN−フェニルマレイミド単位を49
.0%含む共重合体であり、これを重合体■とした。
験例3 (A   のム ) 実験例1と同様のオートクレーブ中にスチレン52部、
アクリロニトリル8部を仕込み、実験例1のベンゾイル
パーオキサイド0.15部をアゾビスイソブチロニトリ
ル0.15部にかえ、アニリン38部をアニリン32部
及びメチルアミン2部にかえた以外は実験例1と全く同
じ操作を行なった。
重合率はスチレン96.7%、アクリロニトリル95.
1%、無水マレイン酸99.6%であった。酸無水物基
のイミド基への転化率と99.9%であった。このイミ
ド化重合体は不飽和ジカルボン酸イミド誘導体としての
N−フェニルマレイミド及びN−メチルマレイミド単位
を53.4%を含む共重合体であり、これを重合体■と
した。
攪拌機を備えたオートクレーブにイオン交換純水35部
、酢酸ナトリウム0.15部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.06部を仕込み、攪拌しながら70
℃に昇温しで過硫酸カリウム0.03部を添加後、ブチ
ルアクリレート20部及びジビニルベンゼン0.6部の
混合物を3時間で連続的に添加する。添加後70℃でさ
らに2時間攪拌をつづける。次にこの反応系にイオン交
換純水350部、酢酸ナトリウム1.5部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み、攪拌し
ながら70℃に再び昇温しで過硫酸カリウム0.35部
を添加後、ブチルアクリレート230部及びジビニルベ
ンゼン6.6部の混合物を3時間で連続的に添加する。
添加後70℃でさらに2時間攪拌を続けたのち、この反
応系に新たにイオン交換純水3800部、酢酸ナトリウ
ム15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.
0部を仕込み、攪拌しながら70℃に再び昇温し、過硫
酸カリウム3部を添加する。こののち、ブチルアクリレ
ート2500部及びトリアリルイソシアヌレート60部
の混合物を3時間で連続的に添加後、70℃でさらに2
時間、さらに80℃に昇温しで2時間攪拌をつづけ、ア
クリルゴムのラテックススチレンラテックスを用いた、
吸光度と重量平均粒子径の関係を示す検量線によって、
ここで合成したゴムラテックスの重量平均粒子径を求め
たところ、0.39μであった。またゴム中ゲル含率は
90.5%であった。
(2)  ゴムへのグラフト重合 (11で得たゴムラテックスを固形分換算で100部、
イオン交換純水400部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.5部を攪拌機付のオートクレーブに仕込
み、55℃に昇温後、ホルムアルデヒドスルホキシル酸
ナトリウム0.35部、エチレンジアミン4酢酸ナトリ
ウム0.02部及び硫酸第1鉄0.01部を添加する。
こののちスチレン75部、アクリロニトリル25部、t
−ドデシルメルカプタン0.2部及びジ−t−ブチルパ
ーオキシアゼレート0.2部からなる混合物を3時間か
けて連続的に添加する。添加後、ジ−t−ブチルパーオ
キシアゼレート0.1部を添加して75℃に昇温後、さ
らに3時間攪拌をつづけた。スチレン、アクリロニトリ
ルの重合率をガスクロマトグラフィーにより求め、各々
98.5%、97.6%という値を得た。得られたラテ
ックスを塩化カルシウムで凝固、水洗、乾燥して白色粉
末としてのグラフト共重合体を得た。これを重合体■と
する。重合体■のTHF可溶分く即ちグラフト樹脂)の
重量平均分子i(Mw)をGPC測定により求めたとこ
ろ、14.6万であった。
一験例5(比較B成 の合成) 実験例4(2)でジ−t−ブチルパーオキシアゼレート
のかわりにジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イドを用いる以外は実験例4(2)と全く同じ操作を行
ない、グラフト共重合体を得た。これを重合体■とする
。重合体■のTHF可溶分のM−は9.7万であった。
(GPC) 算、重量平均粒子径0.36μ、ゲル含率90%)、ス
テアリン酸カリウム1部、ソジウムアルデヒドスルホキ
シレート0.1部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウ
ム0.04部、硫酸第1鉄0.01部、及び水380部
を50℃に加熱し、これにスチレン75部、アクリロニ
トリル25部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.18
部を5時間で添加し、添加後75℃に昇温し、3時間攪
拌を続け、重合を完了した。重合率はスチレン98.3
%、アクリロニトリル95.5%であった。実験例4(
2)と同様にして白色粉末状のグラフト共重合体を回収
した。これを重合体■とする。
験例7  (C成゛・の合成) スチレン70部、アクリロニトリル30部、ステアリン
酸カリウム2.5部、t−ドデシルメルカプタン0.4
部、及びイオン交換純水230部を70℃に昇温し、こ
れに過硫酸カリウム0.05部を添加して重合を開始さ
せた。重合開始から6時間後、さらに過硫酸カリウム0
.03部を添加し、温度を80℃に上げて3時間保ち、
重合を完結させた。重合率は98.2%であった。得ら
れたラテックスを塩化カルシウムで凝固し、水洗、乾燥
後、白色粉末の共重合体を得、これを重合体■とした。
大施奥上二工 A成分、B成分及びC成分を第1表に示した割合で配合
し、これに2−(2’−ヒドロキシ−5′−メチルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾール1.2部、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネ−) 0.8 部を添加したのち、ヘン
シェルミキサーにより混合した。この混合物を30wφ
脱揮装置付スクリュー押出機により押出しペレット化し
た。このペレットを射出成形機で成形後、物性測定を行
ない、その結果を第1表に示した。
止較五上二工 A成分、比較B成分及びC成分を第1表に示した量比で
配合し、実施例と同様の安定剤を添加後、ペレット化、
成形し物性測定を行なって第1表にその結果を示した。
物性の測定は下記の方法によった。
1)耐候性:カーボンサンシャインウェザ−メーター(
WE−3UN−DC型)によ り83℃(降雨なし)でIzod片に光照射し1000
hr後のIzod強度を測定することにより調べた。
2)Izod強度: ASTM−D 256に準じ測定
した。
3)ビカット軟化点:荷重5 kgSAST門−D 1
525に準じて測定 4)GPCIII昭和電工製GPCカラム5hodex
KF−80Mを用い、THFを溶離 液とし、流速1++/!/minで行なった。(検出は
UV (240部m)によった、)又、キャリブレーシ
ョンカ ーブの作成は標準ポリスチレンによ った。
5)ゲル含率;ゴムのゲル含率は以下のようにして求め
た。即ち、ゴムラテックス に塩化カルシウムを添加して凝固 後、水洗、乾燥し、メチルエチル ケトンに溶解して、不溶分の割合 を重量%で求め、これをゲル含率 とした。
(発明の効果) 第1表より、本発明の組成物は多官能ラジカル開始剤を
用いたグラフト重合で得られる、樹脂成分の分子量が高
められたアクリルゴム強化樹脂グラフト物(即ちB成分
)を含むことにより、耐衝撃性にすぐれ、かつ耐候性の
良好な耐熱性形成物を与えることが明らかである。
特許出願人   電気化学工業株式会社手  続  補
  正  書 昭和61年7月11日 特許庁長官  宇 賀 道 部 殿 1、事件の表示 昭和61年特許願第139903号 2、発明の名称 耐候性の良好な耐熱性樹脂組成物 3、補正をする者 事件との関係   特許出願人 住所 ■100 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号
明細書の発明の詳細な説明の欄 5、補正の内容 (1)明細書第8頁第18行の「ナフチルアミン」を「
ナフチルアミン」と訂正する。
(2)明細書第15頁第9〜10行の「L−アルコルビ
ン酸」を「L−アスコルビン酸」と訂正する。
(3)明細書第25頁第16行の「アクリルゴムAR−
1」を[アクリルゴムAR−1OIJと訂正する。
(4)明細書第25頁第17〜18行の「アクリルゴム
AR−1」を「アクリルゴムAR−101Jと訂正する
(5)明細書第29頁第1〜2行の「エチレンジアミン
4酢酸ナトリウム」を「エチレンジアミン四酢酸−2−
ナトリウム」と訂正する。
(6)明細書第32頁第8行の「カーボンサンシャイン
」を「カーボンアークサンシャイン」と訂正する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 A成分:芳香族ビニル単量体残基35〜80重量%、不
    飽和ジカルボン酸イミド誘導体残 基20〜65重量%、これら以外のビニ ル単量体残基0〜30重量%及びゴム状 重合体0〜30重量%を含む共重合体 10〜90重量%と、 B成分:炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル
    酸アルキルエステル60〜99.99重量%、これと共
    重合可能なビニル単量 体0〜40重量%及び一分子中に2個以 上の炭素−炭素不飽和結合を有する架橋 性化合物0.01〜20重量%よりなるア クリル系ゴム状重合体5〜80重量部に 対し、芳香族ビニル単量体40〜90重 量%、シアン化ビニル単量体0〜40重 量%及びこれらと共重合可能なビニル単 量体0〜40重量%から成るグラフト重 合用単量体混合物20〜95重量部を、 該単量体混合物100重量部あたり0.02〜1重量部
    の多官能性ラジカル開始剤を 用いてグラフト共重合して得られるグラ フト共重合体10〜90重量%と、 C成分:芳香族ビニル単量体40〜90重量%、シアン
    化ビニル単量体0〜40重量%及 びこれらと共重合可能なビニル単量体0 〜40重量%からなる共重合体0〜80 重量% とからなる耐候性の良好な耐熱性樹脂組成物。
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