JPH10168258A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH10168258A JPH10168258A JP33065296A JP33065296A JPH10168258A JP H10168258 A JPH10168258 A JP H10168258A JP 33065296 A JP33065296 A JP 33065296A JP 33065296 A JP33065296 A JP 33065296A JP H10168258 A JPH10168258 A JP H10168258A
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Abstract
高耐衝撃、難燃性に優れた高性能な熱可塑性樹脂組成物
を得ること。 【解決手段】 特定の組成のマレイミド系共重合体、特
定の組成のビニル系共重合体、および特定の組成のグラ
フト重合体の合計100重量部に、平均粒径20〜80
μmで、かつ平均形状比1/2〜1のアルミニウム粒子
を0.1〜2重量部とを配合することで、優れた高性能
を有する熱可塑性樹脂組成物を得ることができた。
Description
を持ち、耐熱性、耐衝撃性、成形性、および難燃性に優
れた熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、不
飽和ジカルボン酸イミド誘導体単位を有する共重合体と
アルミニウム粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物に関す
るものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は自動車部
品、電気・電子部品、事務用機器部品、カーオーディオ
部品、携帯電話、熱器具、食器、冷蔵庫部品、浴槽部
品、シャワー部品、浄水器部品、便座等に好ましく用い
ることが出来る。
を配合し、メタリック調の外観を得る樹脂組成物は知ら
れている(特公昭59−42022号公報)。但し、こ
の樹脂組成物は耐熱性が低く、耐熱性の必要な部品に使
用出来ない問題点がある。
ABS樹脂にα−メチルスチレン系共重合体を配合して
耐熱ABS樹脂を製造することが知られているが、この
耐熱ABS樹脂にアルミニウム粒子を配合すると、耐衝
撃性の低下が大きく、かつ燃焼速度が早く、UL−94
HBに合格しない問題点がある。
なメタリック調で、かつ高耐熱、高衝撃、難燃性に優れ
た樹脂はいまだ得られておらず、これらの性能を兼備し
た高性能な樹脂の開発が強く望まれているのが現状であ
る。
点を解決するため、鋭意検討した結果、特定の組成のマ
レイミド系共重合体、特定の組成のビニル系共重合体、
特定の組成のグラフト重合体と平均粒径20〜80μm
で、平均形状比1/2〜1のアルミニウム粒子を含有す
る熱可塑性樹脂組成物とし、前記(共)重合体の合計量
100重量部に対しアルミニウム粒子0.1〜2重量部
とを配合することで上記課題が解決出来ることを見いだ
した。
(B)成分、(C)成分、および(D)成分を含有して
なる組成物で、かつ(A)成分、(B)成分、(C)成
分の合計量100重量部に対して、(D)成分が0.1
〜2重量部とからなる熱可塑性樹脂組成物である。 (A)成分:芳香族ビニル単量体単位40〜80重量
%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体単位20〜60重
量%、およびこれらと共重合可能なビニル単量体単位0
〜20重量%とからなるマレイミド系共重合体5〜50
重量部、 (B)成分:芳香族ビニル単量体単位60〜80重量
%、シアン化ビニル単量体単位20〜40重量%、およ
びこれらと共重合可能なビニル単量体単位0〜20重量
%とからなるビニル系共重合体0〜50重量部、 (C)成分:ゴム状重合体35〜65重量部に、芳香族
ビニル単量体60〜80重量%、シアン化ビニル単量体
20〜40重量%およびそれらと共重合可能なビニル単
量体0〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重
量部をグラフト重合してなるグラフト重合体20〜50
重量部、 (D)成分:平均粒径20〜80μmで、かつ平均形状
比1/2〜1のアルミニウム粒子である。
は、特定の組成のマレイミド系共重合体を耐熱付与成分
として使用し、特定の形状のアルミニウム粒子を所定量
添加することで外観が良好なメタリック調となり、かつ
耐熱性、耐衝撃性、難燃性が非常に優れた熱可塑性樹脂
組成物が得られることである。
調外観、耐熱性、耐衝撃性、難燃性を要求される用途に
使用される。例えば自動車部品であるカーオーディオ、
スポイラー、ピラーサンルーフフレーム、デフロスター
グリル、ランプハウジング等や、電気・電子機器部品、
携帯電話機部品、PHS部品、カメラ部品、電子手帳、
食器、熱器具、電気冷蔵庫部品、便座、電子レンジ部
品、OA機器部品、工業用機械部品等に好適である。
れる(A)成分のマレイミド系共重合体について説明す
る。共重合体を構成する芳香族ビニル単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体
が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
イミド誘導体の共重合体は不飽和ジカルボン酸無水物を
芳香族ビニル単量体と共重合させた後アンモニア、およ
び/または第1級アミンと反応させてイミド誘導体にし
てもよい。さらにはマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミ
ド等のマレイミド系単量体を直接芳香族ビニル単量体と
共重合させても良い。(A)成分に用いられる不飽和ジ
カルボン酸イミドとしてはNーフェニルマレイミドが好
適である。また、不飽和ジカルボン酸無水物としては、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸
等の無水物が挙げられ、マレイン酸無水物が特に好まし
い。
アミンは無水または水溶液のいずれの状態であってもよ
く、また第1級アミンの例としてメチルアミン、エチル
アミン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミンおよ
び/またはアニリン、トルイジン、ナフチルアミン等の
芳香族アミンが挙げられる。
行う場合は通常の反応容器、例えばオートクレーブ等を
用いるのが好ましく、塊状溶融状態で行う場合には、脱
揮装置の付いた押出機を用いてもよい。
あり、好ましくは100〜300℃である。80℃未満
の場合には反応速度が遅く、反応に長時間を要して実用
的でない。一方、350℃を越える場合には重合体の熱
分解による物性低下をきたす。またイミド化反応時に触
媒を用いてもよく、その場合は第3級アミン、例えばト
リエチルアミン等が好ましく用いられる。
としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ア
コニット酸等の不飽和ジカルボン酸無水物、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量
体、メチルアクリル酸エステル、エチルアクリル酸エス
テル等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル
酸エステル、エチルメタクリル酸エステル等のメタクリ
ル酸エステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビ
ニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリル
酸アミド等の単量体が挙げられ、これらの中で無水マレ
イン酸が特に好適であり、アルミニウム粒子を配合した
場合の耐衝撃性の低下が小さくてすむ。
族ビニル単量体単位は40〜80重量%であり、好まし
くは45〜55重量%である。40重量%未満では成形
性が低下し、80重量%を超えると耐熱性が低下して好
ましくない。また、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体単
位は20〜60重量%であり、好ましくは45〜55重
量%である。20重量%未満では耐熱性の向上が十分で
なく、60重量%を超えると熱可塑性樹脂組成物の耐衝
撃性が大幅に低下する。さらにこれらと共重合可能なビ
ニル単量体単位は0〜20重量%であり0〜10重量%
が好ましい。20重量%を超えると(B)成分、(C)
成分との相溶性が低下し、耐衝撃性が低下し、層剥離が
発生する。
いて説明する。本発明の(B)成分において用いられる
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチ
レン系単量体が挙げられ、特にスチレンが好ましい。
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル等があり、特にアクリロニトリルが好ましい。
としては、メチルアクリル酸エステル、エチルアクリル
酸エステル、ブチルアクリル酸エステル等のアクリル酸
エステル類、メチルメタクリル酸エステル、エチルメタ
クリル酸エステル等のメタクリル酸エステル単量体、ア
クリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体、
アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、およびN−ビ
ニルカルバゾール等が挙げられる。これらの中でアクリ
ル酸エステル、およびメタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸等の単量体が特に好ましい。
例えば懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の重合方法が採
用できる。
ニル単量体単位は60〜80重量%であり、65〜75
重量%が好ましい。60重量%未満では成形性が低下
し、80重量%を超えると耐熱性が低下する。シアン化
ビニル単量体単位は20〜40重量%であり、25〜3
5重量%が好ましい。20重量%未満か40重量%を超
えると(A)成分との相溶性が低下し、熱可塑性樹脂組
成物の層剥離や衝撃強度低下の原因となる。これらと共
重合可能なビニル単量体単位は0〜20重量%であり、
0〜10重量%が好ましい。20重量%を超えると
(A)成分、(C)成分との相溶性が低下し、耐衝撃性
が低下し、層剥離が発生する。
て説明する。本発明の(C)成分は、ゴム状重合体存在
下に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体およ
びそれらと共重合可能なビニル単量体からなる単量体混
合物をグラフト重合させたものである。
はこれと共重合可能なビニル単量体よりなる重合体、例
えばブタジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合
体、あるいはアクリル酸エステル単独またはこれと共重
合可能なビニル単量体よりなるアクリル酸エステル重合
体またはその共重合体が挙げられる。このグラフト重合
体の製造に当たっては公知のいずれの重合技術も採用可
能であって、例えば懸濁重合、乳化重合の如き水性不均
一重合、塊状重合、溶液重合および生成重合体の貧溶媒
中での沈殿不均一重合等、およびこれらの組合せが挙げ
られる。
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチ
レン、クロルスチレン等のスチレン系単量体が挙げら
れ、特にスチレンが好ましい。
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好まし
い。
としては、メチルアクリル酸エステル、エチルアクリル
酸エステル、ブチルアクリル酸エステル等のアクリル酸
エステル類、メチルメタクリル酸エステル、エチルメタ
クリル酸エステル等のメタクリル酸エステル単量体、ア
クリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体、
アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、およびN−ビ
ニルカルバゾール等が挙げられる。これらの中でアクリ
ル酸エステル、およびメタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸等の単量体が特に好ましい。
合体35〜65重量部に単量体混合物35〜65重量部
をグラフト重合したものであり、特にゴム状重合体45
〜55重量部が好ましい。35重量部未満では耐衝撃性
が低く、65重量部を超えると成形加工性、耐熱性が低
下する。また単量体混合物35〜65重量部中の芳香族
ビニル単量体は60〜80重量%であり、特に65〜7
5重量%が好ましい。60重量%未満では成形性が低下
し、80重量%を超えると耐衝撃性が低下する。シアン
化ビニル単量体は20〜40重量%であり、特に25〜
35重量%が好ましい。20重量%未満か40重量%を
超えると(A)成分のマレイミド系共重合体との相溶性
が低下し、耐衝撃性が著しく低くなる。それらと共重合
可能なビニル単量体は0〜30重量%であり、特に0〜
20重量%が好ましい。30重量%を超えると、(A)
成分、(B)成分との相溶性が低下し、耐衝撃性が低下
する。
っては公知のいずれの重合技術も採用可能であって、例
えば懸濁重合、乳化重合のごとき水性不均一重合、塊状
重合、溶液重合および生成重合体の貧溶媒中での沈殿不
均一重合等、およびこれらの組合せが挙げられる。
囲が、耐衝撃性の面から好ましい。さらに、グラフト率
は20〜80%で、未グラフト共重合体の重量平均分子
量は5万〜20万の範囲であると、耐衝撃性と成形性の
バランスが良好である。
属粉について説明する。アルミニウム粒子の平均粒径は
20〜80μm、好ましくは30〜70μmである。平
均粒径が20μm未満か、または80μmを超えると耐
衝撃性が大幅に低下する。また平均粒径が20μm未満
だと燃焼速度が早くなり、UL−94HBに合格するこ
とが困難になる。
/2〜1であり、好ましくは1/1.5〜1である。形
状比が1/2未満だと、耐衝撃性が大幅に低下する。
粒径とは、アルミニウム粒子の最長径の算術平均を意味
する。そしてアルミニウム粒子の粒径測定は画像処理装
置である粒子分布測定器SPICCA−II(商品名、
日本アビオニクス(株)製)を用いた。
粒子の最短径と最長径の比、即ち(最短径/最長径)の
算術平均である。平均形状比の算出にも粒子分布測定器
SPICCA−IIを用いた。
公知の方法、例えば湿式ボールミル法、アトライター
法、振動ミル法等の方法を用いて製造出来る。
%のままで合成樹脂に配合する事が最善であるが、脂肪
酸潤滑剤をアルミニウム粒子100重量部に対して0.
1〜3重量部配合しても差し支えない。脂肪酸潤滑剤と
しては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リ
ノール酸等が使用出来る。
分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分を含有
してなる組成物で、かつ(A)成分、(B)成分、
(C)成分の合計量100重量部に対して、(D)成分
が0.1〜2重量部とからなるものである。(A)成
分、(B)成分、(C)成分の配合比は、(A)成分5
〜50重量部、(B)成分0〜50重量部、(C)成分
20〜50重量部である。さらには、(A)成分が10
〜45重量部、(B)成分が5〜45重量部、(C)成
分が25〜45重量部が好ましい。また(A)成分が5
重量部未満では、耐熱性が充分でなく、50重量部を超
えると熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、成形性が大幅に
低下する。また(A)成分がない場合は前記のように耐
熱性が低下するのみならず、燃焼速度が早くなりアルミ
ニウム粒子を用いるとUL−94HBに合格することが
難しくなる。(B)成分が50重量部を超えると耐熱性
が低下する問題点がある。(C)成分が20重量部未満
では耐衝撃性が低下し、50重量部を超えると耐熱性、
成形性が低下する。
(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して0.1
〜2重量部である。特に0.2〜1重量部が好ましく、
0.1重量部未満では、外観がメタリック調にならず、
2重量部を超えると耐衝撃性が低下し、かつ燃焼速度が
早くなり、UL−94HBに合格する事が困難になる。
(A)〜(D)成分を混合する方法には特に制限がな
く、公知の手段を使用する事が出来る。その手段として
例えばバンバリーミキサー、タンブラーミキサー、混合
ロール、1軸または2軸押出機等が挙げられる。混合形
態としては通常の溶融混合、マスターペレット等を用い
る多段階溶融混合、溶液中でのブレンドより組成物を得
る方法等がある。
に安定剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色
剤およびタルク、シリカ、クレー、マイカ、炭酸カルシ
ウム等の充填剤を添加することも可能である。
チタン、酸化鉄(弁柄)、群青、フタロシアニンブル
ー、カーボンブラック、チタンイエロー、コバルトブル
ー、ペリノン系レッド、ペリレン系レッド、キナクリド
ンレッド、アンスラキノン系レッド等が好ましく用いら
れる。
るが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の
部、%はいずれも特にことわらない限り重量基準であ
る。
チルエチルケトン100部を仕込み、系内を窒素ガスで
置換した後温度を85℃に昇温し、無水マレイン酸40
部とベンゾイルパーオキサイド0.15部をメチルエチ
ルケトン200部に溶解した溶液を8時間で連続的に添
加した。添加後、さらに3時間温度を85℃に保った。
ここで得られた共重合体溶液にアニリン38部、トリエ
チルアミン0.6部を加え温度140℃で7時間反応さ
せた。反応液をベント付き2軸押出機に供給し、脱揮し
てマレイミド系共重合体を得た。C−13NMR分析よ
り酸無水物基のイミド基への転化率は92モル%であっ
た。このマレイミド系共重合体は、不飽和ジカルボン酸
イミド誘導体としてのN−フェニルマレイミド単位を5
2%含む共重合体でありこれを共重合体A−1とした。
チルエチルケトン100部を仕込み、系内を窒素ガスで
置換した後温度を100℃に昇温し、温度を保ちながら
充分撹拌を行った。この中にメチルエチルケトン150
部に溶解したN−フェニルマレイミド40部とベンゾイ
ルパーオキサイド0.25部を8時間で連続的に添加し
ながら、重合を行った。重合終了後、反応液をベント付
き2軸押出機に供給し、乾燥し、マレイミド系共重合体
を得た。C−13NMR分析よりこの共重合体は、不飽
和ジカルボン酸イミド誘導体としてのN−フェニルマレ
イミド単位を42%含む共重合であった。これを共重合
体A−2とした。
シルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩(乳化剤)2
部、スチレン54部、N−フェニルマレイミド34部、
アクリロニトリル12部、過硫酸ナトリウム(開始剤)
0.5部、およびt−ドデシルメルカプタン(連鎖移動
剤)0.5部を一括仕込み、温度70℃に昇温して重合
を行った。重合後、硫酸マグネシウム5%水溶液300
部を加えて析出し、脱水、乾燥してマレイミド系共重合
体を得た。C−13NMR分析よりこの共重合体は不飽
和ジカルボン酸イミド誘導体としてのN−フェニルマレ
イミド単位を33%含む共重合体であった。これを共重
合体A−3とした。A−1〜A−3の組成分析の結果を
表1に示す。
トグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量を示
した。GPC測定には、昭和電工株式会社製「SHOD
EXGPC SYSTEM−21」を用い、標準分子量
のポリスチレンを用いて作製した検量線を使用し、ポリ
スチレン換算の重量平均分子量を求めた。また、表1中
のSTはスチレンを、NPMIはN−フェニルマレイミ
ドを、MAHは無水マレイン酸を、ANはアクリロニト
リルを表す。
トリル30部、第三リン酸カルシウム2.5部、t−ド
デシルメルカブタン0.5部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.2部および水250部を仕込み、温度70℃に昇
温し重合を開始させた。重合開始から7時間後に温度を
75℃に昇温して3時間保ち重合を完結させた。重合率
は97%に達した。得られた反応液に5%塩酸水溶液2
00部を添加し析出させ、脱水、乾燥後白色ビーズ状の
共重合体を得た。これを共重合体B−1とした。
アクリロニトリル30部、第三リン酸カルシウム2.5
部、t−ドデシルメルカブタン0.5部、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.2部および水250部を仕込み、温度
70℃に昇温し重合を開始させた。重合開始から7時間
後に温度を75℃に昇温して3時間保ち重合を完結させ
た。重合率は98%であった。得られた反応液に5%塩
酸水溶液を200部添加し析出させ、脱水、乾燥後白色
ビーズの共重合体を得た。これを共重合体B−2とし
た。
43部(固形分35%、重量平均粒径0.25μm、ゲ
ル含率90%)、ステアリン酸ソーダ1部、ソジウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.1部、テトラソジ
ウムエチレンジアミンテトラアセチックアシッド0.0
3部、硫酸第一鉄0.003部、および純水150部を
温度50℃に加熱し、これにスチレン70%およびアク
リロニトリル30%よりなる単量体混合物50部、t−
ドデシルメルカプタン0.2部、キユメンハイドロパー
オキサイド0.15部、を6時間で連続添加し、さらに
添加後温度65℃に昇温し2時間重合した。重合率は9
7%に達した。得られたラテックスに酸化防止剤(Ir
ganox1076)1部を添加した後、5%硫酸水溶
液200部と5%硫酸マグネシウム水溶液100部を加
えて析出し、水洗、乾燥し重合体C−1とした。
ム粒子の平均粒径および平均形状比を表2示す。
示す量比でブレンドし、このブレンド物を35m/m脱
揮装置付き同方向回転2軸押出機にて温度250℃で押
出し、ペレット化した。このペレットを使用し射出成形
機により、温度250℃にて物性測定用の試験片を作成
し、各種物性を測定した。その結果を表3〜表6に付記
した。
方法は下記の方法で行った。1)アイゾット(IZO
D)衝撃強度:ASTM D−256に準じ、厚み1/
4インチのノッチ付試験片を使用して測定した。 2)熱変形温度(HDT):ASTM D−648に準
じて、1/4インチ厚の試験片を使用し、荷重18.6
kg/cm2で測定した。 3)メルトフローレート(MFR):JIS K−68
74に準じ、温度265℃、10kg荷重で測定した。 4)外観評価:127×127×2mm角板を川口鉄工
(株)製K−125射出成形機(型締力125TON)
を用い、シリンダー温度250℃、金型温度60℃で成
形し、その射出成形試験片の外観を以下の様に評価し
た。 評価A:外観ムラなし 評価B:外観若干ムラあり 評価C:外観ムラが目立つ 5)燃焼速度:UL−94に準拠し、試験片は125×
13×3.2mmを用いて行った。 6)UL−94HB合否判定:燃焼速度40mm/分以
下であれば合格と判定し、燃焼速度40mm/分を超え
た場合は不合格と判定した。
に、実施例1〜8の組成物は優れたメタリック調の外観
を有し、かつ優れた耐熱性、耐衝撃性、難燃性(UL−
94HB合格レベル)を有している。
1〜比較例4の組成物は、(A)成分のマレイミド系共
重合体を用いないと、耐熱性が低く、燃焼速度が早くな
りUL−94HBに合格しなくなる。また比較例1〜比
較例4ではアルミニウム粒子のD−1、D−2,D−
3,D−5を使用しても衝撃強度、燃焼速度に差が認め
られないことから、アルミニウム粒子の平均粒径および
平均形成比の差異が認められなかった。
平均粒径が20〜80μm、または平均形状比が1/2
〜1の範囲外であるため、実施例に比べて、耐衝撃性が
劣っている。また、比較例5で使用しているアルミニウ
ム粒子D−1は平均粒径が15μmで、20μm未満で
あるために燃焼速度も早く、UL−94HBに合格しな
いと判断される。
系共重合体を含まないので、アルミニウム粒子の平均粒
径、平均形状比がそれぞれ20〜80μm、1/2〜1
の範囲外、範囲内でも、耐衝撃性、燃焼速度には差異が
認められなかった。しかしながら、(A)成分を含んだ
比較例5〜7では、アルミニウム粒子の平均粒径、平均
形状比が規定の範囲を外れると耐衝撃性が低下し、さら
に比較例5で開示したとおり平均粒径が小さいと燃焼速
度も早くなり、(A)成分を含む場合には特異的にアル
ミニウム粒子の粒径と形状比が重要である。
ム粒子が3重量部と多い為に、耐衝撃性が低下し、かつ
燃焼速度が早く、UL−94HBに合格しないと判断さ
れる。
ム粒子(D−1)の平均粒径が15μmであるために実
施例4、実施例5と比較すると、熱変形温度(HDT)
は110℃前後で同じであるが、衝撃強度は9kg・cm/c
m であり、7kg・cm/cm 低く、燃焼速度も42〜43m
m/分で実施例よりも約7〜8mm/分早く、燃え易く
なっている。
ド系共重合体の配合量が55部と多いために、熱変形温
度(HDT)は高いものの、耐衝撃性、成形性(MF
R)が低下している。
体が70重量部と多く、(C)成分のグラフト重合体が
少ないために耐衝撃性、耐熱性が低下している。
が60重量部と多いために、耐熱性、成形性(MFR)
が低下している。
重合体が含まれておらず、かつ(B)成分のビニル系共
重合体がα−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合
体であるために、HDTは比較例1〜4よりは高いもの
の実施例1〜8より耐熱性が低く、また耐衝撃性も低
く、燃焼速度が早くUL−94HBに合格しないと判断
される。
成のマレイミド共重合体、ビニル系共重合体、グラフト
重合体および特定の粒子形状を有するアルミニウム粒子
を含有する樹脂組成物で、この樹脂組成物は耐熱性、耐
衝撃性および難燃性に優れている。本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、これらの性能が要求される、自動車部品、
オーディオ部品、電気・電子部品、事務用機器部品、携
帯電話、熱器具、食器、冷蔵庫部品、浴槽部品、シャワ
ー部品、浄水機部品、便座等の材料として特に有効に適
用できるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記(A)成分、(B)成分、(C)成
分、および(D)成分を含有してなる組成物で、かつ
(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量100重
量部に対して、(D)成分が0.1〜2重量部とからな
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (A)成分:芳香族ビニル単量体単位40〜80重量
%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体単位20〜60重
量%、およびこれらと共重合可能なビニル単量体単位0
〜20重量%とからなるマレイミド系共重合体5〜50
重量部、 (B)成分:芳香族ビニル単量体単位60〜80重量
%、シアン化ビニル単量体単位20〜40重量%、およ
びこれらと共重合可能なビニル単量体単位0〜20重量
%とからなるビニル系共重合体0〜50重量部、 (C)成分:ゴム状重合体35〜65重量部に、芳香族
ビニル単量体60〜80重量%、シアン化ビニル単量体
20〜40重量%およびそれらと共重合可能なビニル単
量体0〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重
量部をグラフト重合してなるグラフト重合体20〜50
重量部、 (D)成分:平均粒径20〜80μmで、かつ平均形状
比1/2〜1のアルミニウム粒子。 - 【請求項2】 (A)成分の芳香族ビニル単量体単位が
スチレンで、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体単位がN
−フェニルマレイミドで、かつこれらと共重合可能なビ
ニル単量体単位が無水マレイン酸であることを特徴とす
る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の熱可塑性
樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
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---|---|---|---|
JP33065296A JP3745476B2 (ja) | 1996-12-11 | 1996-12-11 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JP33065296A JP3745476B2 (ja) | 1996-12-11 | 1996-12-11 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JPH10168258A true JPH10168258A (ja) | 1998-06-23 |
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JP (1) | JP3745476B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006071097A1 (en) * | 2004-12-31 | 2006-07-06 | Lg Chem, Ltd. | Plastic resin composition having improved heat resistance, weld strength, chemical resistance, impact strength, elongation, and wettability |
JP2008521996A (ja) * | 2004-12-02 | 2008-06-26 | チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド | 低線膨脹性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂組成物 |
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- 1996-12-11 JP JP33065296A patent/JP3745476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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