JPS6229326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ワーク搬送用のパレツトを搬送位置
から回収位置またはその逆に回収位置から搬送位
置に移載させるための装置に関する。

パレツト型トランスフアーマシーンなどには、
パレツト回収装置が設けられている。このパレツ
ト回収装置は、加工ラインの終わりまで運ばれて
きたパレツトを再び加工ラインの入口までに戻す
ためのものであり、通常、回収コンベアにより構
成されている。この回収コンベアは、加工ライン
の側方位置に移載用のリフトやシリンダーなどと
共に設けられており、比較的大きな面積を占めて
いる。

また例えば実公昭53−33977号公報は、パレツ
トを終端でチエンに係合し、その裏を通つて始端
まで送り、係合を外すことにより元の位置まで回
収する装置を提案している。しかしその装置で
は、パレツトが裏返しになり、チエンとの係合手
段がスプロケツトホイールの位置で外れぬように
しなければならず、さらにがたつきのないような
特別な構造が必要とされることから、チエンの下
方に大きな空間が必要とされ、実際の利用上の制
約や欠点がある。

ここに本発明の目的は、パレツト回収のための
移載装置を小型化し、またその構成を簡略化する
ことにある。

上記目的のもとに本発明は、長方形状のパレツ
トの形状に着目し、パレツト送り手段として無端
状のチエンコンベアなどを平行２条に配置し、そ
れらの間隔をパレツトの縦幅よりも狭く、かつ横
幅よりも広く設定するとともに、上記無端状のチ
エンコンベアの間に上下動および旋回可能な装置
を設け、上記パレツト送り手段とこれの下側にあ
つて逆方向に走るパレツト回収コンベアとの間で
上下動および回転部材によりパレツトを乗せ替え
るようにしている。

特に本発明のもつとも好ましい実施例では、無
端状の２条のチエンコンベアを所定の間隔で縦方
向に平面内に対向状態で配置し、それらのチエン
コンベアの上辺でパレツトを送り方向に移動させ
るとともに、そのチエンコンベアの下辺で上辺か
ら下辺に移載されたパレツトを回収方向に移動さ
せるようにしている。

以下、本発明の構成を図に示す実施例にもとづ
いて具体的に説明する。

まず第１図および第２図は、本発明のパレツト
移載装置１の全体的な構成を示している。なお、
この第１図および第２図は、長い設備の中間部分
を２箇所で省略して表している。このパレツト移
載装置１は、機枠２を構造上の主要部として構成
してある。この機枠２は、両端部すなわち始端お
よび終端位置で上下の軸受３，４により水平方向
の２本の軸５，６を回転可能な状態で支持してい
る。この軸５，６は、それの両端に取付けられた
チエンホイール７，８により２条のコンベアチエ
ン９を横長つまり長方形のパレツト１１の送り方
向Ａおよび回収方向Ｂにそつて水平な状態で保持
している。この２条のコンベアチエン９は、上辺
でパレツト送り手段１２を構成し、また下辺でパ
レツト回収コンベア１３を構成し、それらの送り
および回収機能を兼ね備えている。また上記機枠
２は、終端位置で上記コンベアチエン９を駆動す
るためのギヤドモータ１４を支持している。この
ギヤドモータ１４の回転は、そのモータ軸および
下方の軸６に取付けられたチエンホイール１５、
これらに巻掛けられた駆動用チエン１６より２条
のコンベアチエン９に伝達される。

上記コンベアチエン９は、第３図ないし第５図
に示すように、機枠２の上方の上下位置に沿つて
案内されている。すなわちコンベアチエン９のロ
ーラ１０は、機枠２の上面に取付けられた断面Ｌ
字状のパレツトガイド１７の案内面１８の上面を
転がりながら移動し、また下辺すなわち回収側の
ローラ１０は、機枠２と一体的に形成された案内
面１８の上面を転がり移動する。この位置での機
枠２の対向位置には、一対のパレツトガイド２１
が取付けられている。なお、コンベアチエン９の
上辺の終端位置での機枠２に左右一対のストツパ
ー１９およびリミツトスイツチ４２が設けられ、
また始端での下辺に同様のストツパー２０および
リミツトスイツチ４３が設けられている。

また本発明のパレツト移載装置１は、始端およ
び終端位置でのコンベアチエン９の間で、上記パ
レツト１１を回転させるための回転部材２２およ
びパレツト１１を上下動させるための駆動シリン
ダー２３を備えている。駆動シリンダー２３は、
基板２４に対し上向きに取付けられており、その
シリンダーロツド２５の先端部分で水平方向の支
持板２６を保持している。上記回転部材２２は、
トルクアクチユエーターなどにより構成されてお
り、支持板２６の下面に上向き状態で取付けられ
ている。この回転部材２２の回転軸２７は、支持
板２６から上方に突出し、上端部分で回転板２８
を水平な状態で支持している。この回転板２８は
ほぼ正方形状で、２条のコンベアチエン９の間を
上下方向に移動できる大きさとしてあり、上面に
パレツト１１の裏面の孔１１ａと対応する位置決
め用の２本のピン２８ａを備えている。上記支持
板２６には、左右一対のガイドバー２９が垂直方
向に取付けられている。このガイドバー２９は、
基板２４に取付けられた同じ方向の案内筒３０に
対しそれぞれ摺動自在に挿入されている。また上
記回転軸２７の下端部分には、回転板２８の回転
位置を検出するために、回転体３１が取付けられ
ている。この回転体３１の回転位置は、回転部材
２２に対し、固定的に取付けられた角度センサー
３２によつて検出される関係にある。また上記基
板２４は、支持板２６の下方位置で２つの中間停
止用のシリンダー３３を上向き状態で支持してい
る。すなわちこのシリンダー３３は、そのシリン
ダーロツド３４を上方に突出させておき、下降中
の支持板２６を中間位置で停止させる。そのシリ
ンダーロツド３４は、下端位置でドグ３５，３６
を備えている。一方のドグ３５は、上昇限検出用
のリミツトスイツチ３７と対応しており、また他
方のドグ３６は、下限限検出用のリミツトスイツ
チ３８と対応している。なお、基板２４は、回転
部材２２と干渉しないように、切欠き４１を形成
しており、Ｌ字状のフレーム３９およびブラケツ
ト４０により機枠２の下面に取付けられている。
そしてこの基板２４の上に支持板２６の下降検出
用のリミツトスイツチ４４が上向きに取付けられ
ている。

つぎに上記パレツト移載装置１の動作を説明す
る。

パレツト１１は、ワークなどを載せた状態で、
始端位置でのチエンコンベア９の上辺の上側パレ
ツト位置にまたがつた状態で載置される。もちろ
んこのパレツト１１の載置方向は、２条のコンベ
ア９の移動方向つまり送り方向Ａに対し長辺で直
交する関係にある。この状態でギヤドモータ１４
は、軸６を駆動し、コンベアチエン９を送り方向
Ａに移動させる。このときコンベアチエン９のロ
ーラ１０は、案内面１８の上を転がりながら移動
し、パレツト１１をコンベアチエン９の移動速度
の２倍の速度で、同一方向に移動をさせる。もち
ろんこの状態では、始端位置の回転板２８は、コ
ンベアチエン９の下辺位置よりも下に位置してお
り、また終端位置での回転板２８は、上辺および
下辺のコンベアチエン９の中間位置に待機してい
て、パレツト１１の移動をさまたげない位置に退
避している。

パレツト１１が終端位置での回転板２８の上方
位置にきたとき、ストツパー１９に当つて停止
し、リミツトスイツチ４２をオン状態とする。そ
の時点で終端位置の駆動シリンダー２３は、その
シリンダーロツド２５を進出させ、支転板２６と
ともに回転部材２２および回転板２８を上辺のコ
ンベアチエン９の支持面、すなわちそのローラ１
０の上面よりもやや上方に移動させる。この支持
板２６の上退位置は、駆動シリンダー２３に内蔵
されているリミツトスイツチなどにより検出され
る。この上昇過程で回転板２８は、ローラ１０の
上面よりも上方に移動することによつて、その上
面よりパレツト１１を受け取る。もちろんこのパ
レツト１１は、その裏面のテーパ状の孔１１ａと
ピン２８ａとのはまり合いにより正確に位置決め
される。

このようにしてパレツト１１は、一対のパレツ
トガイド２１よりやや上方に移動し、自由に回転
できる状態になる。駆動シリンダー２３が上昇限
まで上昇したとき、回転部材２２は、この検出信
号を受けて、回転軸２７をいずれかの方向に90度
だけ回転をさせる。これによつてパレツト１１
は、２条のコンベアチエン９に対し長手方向つま
り送り方向Ａに平行な状態となつて、それらのコ
ンベアチエン９の間を自由に下降できる状態とな
る。この回転軸２７の回転完了位置は、角度セン
サー３２で回転体３１を検出することにより行わ
れる。

回転部材２２が回転完了した時点で、中間停止
用のシリンダー３３が起動をする。すなわちその
シリンダー３３は、そのシリンダーロツド３４を
上昇させ、支持板２６の中間停止位置を設定す
る。このシリンダーロツド３４の上昇限は、リミ
ツトスイツチ３７によつて検出される。その間に
駆動シリンダー２３は、シリンダーロツド２５を
後退させ、支持板２６を下降させる。その下降の
途中で支持板２６は、その下面で上昇中のシリン
ダーロツド３４に当たり、その位置で停止をす
る。その下降位置は、リミツトスイツチ４４によ
つて検出される。

そこで回転部材２２は、再び起動して、回転板
２６をその上のパレツト１１とともに、90度だけ
逆方向に回転するか、または前回と同じ方向に90
度回転させ、パレツト１１を搬送時の載置姿勢に
戻す。回転完了の状態は、角度センサー３２によ
つて検出できる。この回転が完了した時点でシリ
ンダー３３は、そのシリンダーロツド３４を逆駆
動し、支持板２６を回転部材２２とともに下降さ
せる。このとき回転板２６がパレツト回収コンベ
ア１３つまり下辺のコンベアチエン９のローラ１
０の上面よりもさらに下方に移動するため、パレ
ツト１１は、回転板２６の上から離れて、下辺の
ローラ１０の上つまり下側パレツト位置に乗り移
る。なお、この支持板２６の下降限は、駆動シリ
ンダー２３に内臓されたリミツトスイツチにより
検出される。

このようにしてパレツト１１は、パレツト送り
手段１２つまりコンベアチエン９の搬送位置から
下降して、回収位置のコンベアチエン９のローラ
１０の上に乗り移る。ここでもコンベアチエン９
は、そのローラ１０を回転させて、パレツト１１
を回収方向Ｂに倍速で移動させる。パレツト１１
が始端位置に運ばれてきたとき、その倒着をリミ
ツトスイツチ４３が検出する。そのリミツトスイ
ツチ４３は、その信号により始端位置での駆動シ
リンダー２３を起動させる。そこで駆動シリンダ
ー２３および回転部材２２は、前記の場合と逆の
動作を順次行い、パレツト１１を再び始端位置の
上辺のコンベアチエン９のローラ１０の上に移動
させる。以上の一連の動作は、シーケンス制御回
路などを用いて自動的に行われる。

なお、上記実施例は、パレツト送り手段１２を
無端状の２条のコンベアチエン９によつて構成し
ているが、このコンベアチエン９は、ベルトなど
の無端体であつてもよい。また図示の実施例は、
パレツト１１の送り手段１２および回収コンベア
１３を２条のコンベアチエン９によつて行つてい
るが、これらは、上下別々に構成してもよく、し
かも上下の位置は、逆であつてもよい。またこれ
らを別々に構成した場合に、例えば下方の回収コ
ンベア１３の幅がパレツト１１の短辺の長さより
も、小さい間隔で設けられておれば、パレツト１
１は、上方の搬送位置で旋回した後、そのままの
姿勢で回収コンベアの１３上に乗せることもでき
る。したがつて、少なくても始端または終点での
回収位置での旋回動作が不要となり、もちろんこ
れを関連して、中間停止用のシリンダー３３など
が不要となる。また、回収コンベア１３の速度が
パレツト１１の搬送速度よりも早く設定できるの
で、回収効率が向上する。さらに、パレツト１１
の回転角は、90度に限らず、パレツト１１がコン
ベアチエン９の間を通過できる角度であればそれ
で足りる。また、上記実施例は、パレツト１１の
搬送をコンベア形式の送り手段として構成してあ
るが、このパレツト１１の搬送は、往復直線運動
可能なトランスフアーバーなどの案内手段で構成
することもできる。

本発明では、下記の特有の効果が得られる。

すなわちパレツトの送りまたは案内手段の下方
位置にパレツト回収コンベアが設けられるから、
上下の空間が有効に利用でき、したがつて取付け
空間が小さくまとまり、しかも装置の構造が簡単
化される。

また、２条のコンベアチエンなどの帯状体がパ
レツトの送りおよび回収コンベアを兼用している
実施例では、２本の帯状体の有効利用が可能とな
り、またそれらの駆動装置が１つで足り、それだ
け簡略化できる。

さらに、パレツト送り用のコンベアチエンと下
方のパレツト回収用のコンベアとを別々に構成し
た場合には、パレツトについてのいずれかの回転
操作が省略でき、また回収速度が自由に設定でき
るから、作業時間が短縮化できる他、中間停止な
どの操作が不必要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のパレツトの移載装置の平面
図、第２図は第１図の−線における断面図、
第３図は第２図の−線での拡大断面図、第４
図は第３図の−線断面図、第５図は要部の拡
大平面図である。 １……パレツト移載装置、２……機枠、７，８
……チエンホイール、９……パレツト送り手段お
よびパレツト回収コンベアとしてのコンベアチエ
ン、１０……ローラ、１１……パレツト、１２…
…パレツト送り手段、１３……パレツト回収コン
ベア、２２……回転部材、２３……駆動シリンダ
ー、２４……基板、２６……支持板、２８……回
転板、３３……シリンダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 直線方向に搬送される横長のパレツトと、こ
   のパレツトの縦幅より狭くかつ横幅より広い平行
   ２条のパレツト送りまたは案内手段と、このパレ
   ツト送りまたは案内手段に対し上下の関係で設け
   られた平行２条のパレツト回収コンベアと、上記
   パレツトを乗せて持ち上げ上記のパレツト送りま
   たは案内手段の間を通過できる所定の回転角度だ
   け上記パレツトを回転させる回転部材と、この回
   転部材を上側パレツト位置と下側パレツト位置と
   を越えて上下動させる駆動シリンダーとを備え、
   上側位置より上方でパレツトを回転させ、パレツ
   ト送りまたは案内手段の平行間を下降または上昇
   させ、あるいはその逆動作によりパレツト送りま
   たは案内手段とパレツト回収コンベアとの間でパ
   レツトを移載するパレツト移載装置。 ２ 上記パレツト送り手段を縦ループで平行な無
   端体により構成し、この無端体の一方の辺でパレ
   ツト送りを、また他の辺でパレツトの回収を行う
   ように、上記パレツトを上辺および下辺の間を回
   転部材で移載することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のパレツト移載装置。