JPS6228829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインに関し、更に詳しくは、
刈り取つた穀稈をフイードチエーンに受け渡しす
る縦搬送装置を、その終端部を回動基点として、
その始端部を、長稈搬送には上昇させ、短稈搬送
には下降させるように上下揺動自在に刈り取り部
枠に設け、短稈の株元払い出し用の固定株元ガイ
ドを、その一端を前記刈り取り部枠に固定し、他
端を前記フイードチエーンの始端部側枠に固定し
たコンバインに関する。

従来、上記した構造のコンバインとしては、例
えば、実開昭51−127432号に開示のものが知られ
ている。この技術は、穀稈の株元を払い出すため
に、１本の株元ガイドを設けたもので、長短稈に
対応した縦搬送装置の揺動変位に応じた株元のガ
イドができず、為に、特に長稈搬送時の縦搬送装
置からフイードチエーンへの受け渡しが旨く行か
ないという問題があつた。

そこで、縦搬送装置の揺動変位に応じて株元ガ
イドをも変位させ、以て両者の相対関係が変化し
ないような構造が考えられた。こうした構造は、
例えば、実開昭53−124537号に開示されている。
この構造は、１本の株元ガイドを、その遊端部が
フイードチエーンの始端部に側面視において常時
重複交叉するようにして縦搬送装置と共に揺動さ
せるよう構成したものである。

しかし、１本の株元ガイドで長短稈の両方に適
応させようとしても、当初固定された株元ガイド
と縦搬送装置との関係は、短稈を挟持し且つ十分
にガイドできるように比較的短く設定されている
から、特に長稈を搬送するときは、搬送挟持位置
から相当下方に位置する株元端部を十分にガイド
できず、為に、効果的な株元払い出し作用を成し
得なかつた。つまり、長短穀稈の株元払い出しに
は、１本の固定株元ガイドや１本の可動株元ガイ
ドでは、十分な効果を達成できなかつたのであ
る。

そこで、本考案は、縦搬送装置からフイードチ
エーンへの受継部に、固定株元ガイドと可動株元
ガイドの二種を並設して、扱深さ調節による株元
長さの変化に即応した株元ガイド払い出し作用を
為さしめ、縦搬送時及び受継部において生ずぬ搬
送の乱れの解消と円滑な穀稈搬送及びフイードチ
エーンへの供給を達成することを目的としてい
る。

本考案を図に示した実施例において詳説すると
次の通りである。

第１図は、本考案を実施したコンバインの刈取
部側面構成概略図であつて、引起し装置１で立姿
勢となつた穀稈を、刈刃２で刈取り、横搬送装置
３で縦搬送装置４に送り、更にフイードチエーン
５に受渡して脱穀するよう構成されている。

縦搬送装置４は、第一搬送部６と第二搬送部７
で構成され、第一搬送部６の終端部を基点として
始端部が揺動し、横搬送装置３の終端部に対する
位置が上下するようになつており、第二搬送部７
は、第一搬送部６の始端を基点としてその終端部
が揺動するように構成されており、縦搬送装置４
からフイードチエーン５にかけて、二種の株元ガ
イド８が取付いている。

この株元ガイド８は、固定株元ガイド８ａと可
動株元ガイド８ｂとからなり、固定株元ガイド８
ａは、搬送チエーンに支持されて斜下方を向いた
搬送穀稈の株元を、徐々に水平方向に姿勢規制し
てフイードチエーン５に供給する形態として、一
端が刈取り部枠に固定され、他端はフイードチエ
ーン５の始端部側枠に固定されており、可動株元
ガイド８ｂは、前記固定株元ガイド８ａより外側
下方に位置して、一端が第一搬送部６の搬送枠に
固定され、他端がフイードチエーン５の始端部側
枠に遊着され、第一搬送部６の揺動に追従するよ
うに構成されている。

尚、上記のように、第一搬送部の揺動変化に株
元ガイドを追従する構成は、轍間距離の調節と分
草稈との関係にも応用することができる。

即ち、第３図において、轍間距離L₁をL₂に広
げた場合の一方の分草稈９が、轍間距離調節に応
じて移動するようにする。轍間距離の調節は、籾
袋の積載量によるアンバランスを解消するために
行われる。

上記本考案コンバインに装備した株元ガイド
は、第一搬送部６による穀稈支持位置が株元より
の場合（第１図の状態）は、穀稈の株元は、固定
株元ガイド８ａに案内されつつ払い出されてフイ
ードチエーン５に供給され、穀稈支持位置が稈身
方向に寄つた時、即ち、第一搬送部が揺動された
時には、第２図に示すように、可動株元ガイド８
ｂが、搬送枠の揺動に追従して上昇し、これが搬
送穀稈の株元を案内しつつ払い出し、フイードチ
エーン５に供給するように作用する。

上述の通り、本考案にかかるコンバインは、刈
り取つた穀稈をフイードチエーン５に受け渡しす
る縦搬送装置４を、その終端部を回動基点とし
て、その始端部を、長稈搬送には上昇させ、短稈
搬送には下降させるように上下揺動自在に刈り取
り部枠に設け、短稈の株元払い出し用の固定株元
ガイド８ａを、その一端を前記刈り取り部枠に固
定し、他端を前記フイードチエーン５の始端部側
枠に固定したコンバインにおいて、可動株元ガイ
ド８ｂを、平面視において前記固定株元ガイド８
ａより外側に位置し、側面視において前記縦搬送
装置４が短稈搬送状態にあるときに前記固定株元
ガイド８ａよりも下側に位置すると共に前記縦搬
送装置４の揺動に際して該縦搬送装置４との相対
変位が実質的に生じないように、その一端を前記
縦搬送装置４の搬送枠に固定し、他端をフイード
チエーン５の始端部側枠で、前記縦搬送装置４の
終端部の回動基点の仮想延長軸芯を通る箇所又は
該仮想延軸芯近くの箇所に相対摺動自在に遊嵌し
たことを特徴とするから、次の作用効果を奏する
に至つたのである。

即ち、短稈搬送時には、固定株元ガイドが短い
株元に当接してこれをガイドし、長稈搬送時には
縦搬送装置の始端部上昇に伴い可動株元ガイドも
相対位置関係を変えることなく上昇して、側面視
において前記固定株元ガイドよりも上に変位して
位置すると共に、平面視においては固定株元ガイ
ドよりも外側に位置するので長い株元の端部であ
つても十分これに当接して払い出し作用を付与す
ることができるのである。

これによつて、長短穀稈の搬送受け渡しにおい
て、何れの穀稈が送られてきても縦搬送装置の調
節に合わせてスムースなフイードチエーンへの受
け渡しが行える効果を奏する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの刈取り部側面概略図、第
２図は要部の変化後の状態図、第３図は平面図で
ある。 ４……縦搬送装置、５……フイードチエーン、
６……第一搬送部、７……第二搬送部、８……株
元ガイド、８ａ……固定株元ガイド、８ｂ……可
動株元ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈り取つた穀稈をフイードチエーン５に受け渡
   しする縦搬送装置４を、その終端部を回動基点と
   して、その始端部を、長稈搬送には上昇させ、短
   稈搬送には下降させるように上下揺動自在に刈り
   取り部枠に設け、短稈の株元払い出し用の固定株
   元ガイド８ａを、その一端を前記刈り取り部枠に
   固定し、他端を前記フイードチエーン５の始端部
   側枠に固定したコンバインにおいて、可動株元ガ
   イド８ｂを、平面視において前記固定株元ガイド
   ８ａより外側に位置し、側面視において前記縦搬
   送装置４が短稈搬送状態にあるときに前記固定株
   元ガイド８ａよりも下側に位置すると共に前記縦
   搬送装置４の揺動に際して該縦搬送装置４との相
   対変位が実質的に生じないように、その一端を前
   記縦搬送装置４の搬送枠に固定し、他端をフイー
   ドチエーン５の始端部側枠で、前記縦搬送装置４
   の終端部の回動基点の仮想延長軸芯を通る箇所又
   は該仮想延長軸芯近くの箇所に相対摺動自在に遊
   嵌したことを特徴とするコンバイン。