JPS6227024B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6227024B2 JPS6227024B2 JP58127220A JP12722083A JPS6227024B2 JP S6227024 B2 JPS6227024 B2 JP S6227024B2 JP 58127220 A JP58127220 A JP 58127220A JP 12722083 A JP12722083 A JP 12722083A JP S6227024 B2 JPS6227024 B2 JP S6227024B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- capacitance
- composition
- dielectric constant
- capacitor
- product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 38
- 229910052573 porcelain Inorganic materials 0.000 claims description 13
- 239000011777 magnesium Substances 0.000 claims description 10
- 239000011572 manganese Substances 0.000 claims description 8
- PWHULOQIROXLJO-UHFFFAOYSA-N Manganese Chemical compound [Mn] PWHULOQIROXLJO-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 4
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims description 4
- FKSZLDCMQZJMFN-UHFFFAOYSA-N [Mg].[Pb] Chemical compound [Mg].[Pb] FKSZLDCMQZJMFN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 2
- NKZSPGSOXYXWQA-UHFFFAOYSA-N dioxido(oxo)titanium;lead(2+) Chemical compound [Pb+2].[O-][Ti]([O-])=O NKZSPGSOXYXWQA-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 2
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 28
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 15
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 7
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 7
- 239000000463 material Substances 0.000 description 5
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 4
- 238000005245 sintering Methods 0.000 description 4
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 3
- 239000000395 magnesium oxide Substances 0.000 description 3
- CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N magnesium oxide Inorganic materials [Mg]=O CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- AXZKOIWUVFPNLO-UHFFFAOYSA-N magnesium;oxygen(2-) Chemical compound [O-2].[Mg+2] AXZKOIWUVFPNLO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N Nickel Chemical compound [Ni] PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- KDLHZDBZIXYQEI-UHFFFAOYSA-N Palladium Chemical compound [Pd] KDLHZDBZIXYQEI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N Silver Chemical compound [Ag] BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- JRPBQTZRNDNNOP-UHFFFAOYSA-N barium titanate Chemical compound [Ba+2].[Ba+2].[O-][Ti]([O-])([O-])[O-] JRPBQTZRNDNNOP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910002113 barium titanate Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 2
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Chemical compound [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 2
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 2
- GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N Titan oxide Chemical compound O=[Ti]=O GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 description 1
- 230000033228 biological regulation Effects 0.000 description 1
- 239000003985 ceramic capacitor Substances 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 1
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 description 1
- 238000009472 formulation Methods 0.000 description 1
- XMWCXZJXESXBBY-UHFFFAOYSA-L manganese(ii) carbonate Chemical compound [Mn+2].[O-]C([O-])=O XMWCXZJXESXBBY-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000510 noble metal Inorganic materials 0.000 description 1
- YEXPOXQUZXUXJW-UHFFFAOYSA-N oxolead Chemical compound [Pb]=O YEXPOXQUZXUXJW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052763 palladium Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 238000004513 sizing Methods 0.000 description 1
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 1
- OGIDPMRJRNCKJF-UHFFFAOYSA-N titanium oxide Inorganic materials [Ti]=O OGIDPMRJRNCKJF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ZNOKGRXACCSDPY-UHFFFAOYSA-N tungsten trioxide Chemical compound O=[W](=O)=O ZNOKGRXACCSDPY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
本発明は磁器組成物、特に、1000℃以下の低温
で焼結でき、誘電率と比抵抗の積が高く、しかも
機械的強度の高い磁器組成物に関するものであ
る。 従来、誘電体磁器組成物として、チタン酸バリ
ウム(BaTiO3)を主成分とする磁器組成物が広く
実用化されていることは周知のとおりである。し
かしながら、チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成
分とするものは、焼結温度が通常1300〜1400℃の
高温である。このためこれを積層形コンデンサに
利用する場合には内部電極としてこの焼結温度に
耐え得る材料、例えば白金,パラジウムなどの高
温な貴金属を使用しなければならず、製造コスト
が高くつくという欠点がある。積層形コンデンサ
を安く作るためには銀,ニツケルなどを主成分と
する安価な金属が内部電極に使用できるようなで
きるだけ低温、特に1000℃以下で焼結できる磁器
組成物が必要である。 ところで磁器組成物を用い、実用的な積層形コ
ンデンサを作製するときに磁器組成物の電気的特
性として多くの項目が評価されなければならな
い。一般的に誘電率はできるだけ大きく、誘電損
失はできるだけ小さく、比抵抗はできるだけ大き
く、誘電率の温度変化は小さいことなどが要求さ
れる。 しかしながら、実用上積層形コンデンサにおい
ては誘電率でなく、まず容量、次に容量の温度変
化率、誘電損失などの値が必要とされる。積層形
コンデンサにおいて、容量は磁器組成物の誘電率
に比例するが、しかしその厚みに反比例し、電極
面積、積層数に比例するので、一定の容量を得る
ためには磁器組成物の誘電率が大きいことは必ず
しも絶対的な要因でない。さらに容量の温度変化
率(誘電率の温度変化率)は用途により種々許容
された範囲があり、磁器組成物の誘電率の温度変
化率も積層形コンデンサを作製するときの絶対的
な要因でない。 一方誘電損失は用途により一定の値以下でなけ
ればならないという規定があり室温で最大5.0%
以下である。さらに比抵抗に関しては、例えば
EIAJ規格〔日本電子機械工業会の電子機器用積
層磁器コンデンサ(チツプ形)RC−3698B〕に
述べられているごとく、積層コンデンサの絶縁抵
抗として10000MΩ以上または容量抵抗積で500μ
F・MΩ以上のいずれか小さい方以上と規定され
ている。すなわち磁器組成物の誘電率と比抵抗の
積がある絶対値以上なければ、任意の容量、特に
大きな容量のコンデンサを実用的規格に合せるこ
とができず、その用途が非常に限定され、実用的
な意味がなくなる。この点を詳しく説明すると次
の様になる。積層形コンデンサでは、n+1個の
内部電極を構成して一般にn個の同じ厚さの層か
らなる単一層コンデンサが積層された構造になつ
ている。この場合、単一層当りの容量をC0,絶
縁抵抗をR0とすれば、積層形コンデンサの容量
CはC0のn倍になり、絶縁抵抗RはR0の1/n
になる。ここで磁器組成物の誘電率をε、真空の
誘電率をε0、磁器組成物の比抵抗をρ、単一層
コンデンサの磁器の厚さをd、重なる電極面積を
Sとすれば、単一層コンデンサのC0は(ε0ε
S)/dとなりR0は(ρd)/Sとなる。従つ
てn層からなる積層コンデンサの容量(C)と絶
縁抵抗(R)の積C×Rは〔(ρd)/(nS)〕×
〔(nε0εS)/d〕=ε0ερとなる。すなわ
ち、どのような容量の積層コンデンサもその容
量・抵抗積(C×R)は、磁器組成物のεとρの
積にε0を乗じた一定値(ε0ερ)に規格化さ
れる。容量・抵抗積C×Rが500μF・MΩすな
わち500F・Ω以上ということは、ε0=8.855×
10-14F/cmより、C×R=ε0ερ=8.855×
10-14(F/cm)×ε×ρ≧500F・Ω.よつてερ
≧5.65×1015Ω・cmなる要求がある。例えばε=
10000ではρ≧5.65×1011Ω・cm,ε=3000では
ρ≧1.88×1012Ω・cm,ε=500ではρ≧1.13×
1013Ω・cmが要求される。誘電率に応じてこれら
の値以上のρを持つ磁器組成物であればどのよう
な大きな容量の積層コンデンサも容量・抵抗積は
500μF・MΩを満足する。もしεが3000でρが
要求値より1桁低い1.88×1011Ω・cmとすればε
0ερ=50μF・MΩで500μF・MΩは満足せ
ず、絶縁抵抗の規格値である10000MΩすなわ
ち、1010Ω以上を満足するには容量Cとして
0.005μF以下に限定されなければならない。そ
れはこの積層コンデンサの容量・抵抗積(C×
R)は常に50μF・MΩを示しているので、Rが
10000MΩのとき、Cは0.005μFとなり、Cがこ
れより大きければRは10000MΩより小さくな
り、0.005μFが規格を満たす最高の容量となる
ためである。従つて磁器組成物の比抵抗が低いと
その材料の実用性、特に積層形コンデンサの特長
である小型大容量の特長を生かすことはできない
し、全く意味のないことにもなる。よつて磁器組
成物の誘電率と比抵抗の積がある値以上を持つこ
とが実用上極めて重要なことである。 また、積層形チツプコンデンサの場合は、チツ
プコンデンサを基板に実装したとき、基板とチツ
プコンデンサを構成している磁器組成物との熱膨
張係数の違いにより、チツプコンデンサに機械的
な歪が加わり、チツプコンデンサにクラツクが発
生したり、破損したりすることがある。またエポ
キシ系樹脂等を外装したデイツプコンデンサの場
合も外装樹脂の応力でデイツプコンデンサにクラ
ツクが発生する場合がある。いずれの場合もコン
デンサを形成している磁器の機械的強度が低いほ
ど、クラツクが入りやすく容易に破損するため、
信頼性が低くなる。したがつて、磁器の機械的強
度をできるだけ増大させることは実用上極めて重
要なことである。 ところでPb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系磁
器組成物については既にエヌ.エヌ.クライニク
とエイ.アイ.アグラノフスカヤ〔N.N.Krainik
and A.I.Agranovskaya(Fiziko Tverdogo
Tela,Vo.2,No.1,pp70〜72,Janvara 1960)〕
より提案があつたが、積層形コンデンサを作製す
る際に評価されるべき特性の中で誘電率とその温
度特性記載しかなく、その実用性は明らかでなか
つた。また(SrxPb1-xTiO3)a
(PbMg0.5W0.5O3)b〔ただし、x=0〜0.10、
aは0.35〜0.5,bは0.5〜0.65であり、そしてa
+b=1〕について、モノリシツクコンデンサお
よびその製造方法として特開昭52−21662号公報
に開示され、また誘電体粉末組成物として特開昭
52−21699号公報に開示されている。ここにおい
ても組成物の特性として誘電率が約2000〜8000誘
電損失が0.5%〜5.0%という記載はあるが比抵抗
あるいは容量抵抗積については全く記載がなく実
用性は明らかであつた。さらにPb
(Mg1/2W1/2)O3とPbTiO3を主とする組成物で
あつて、Pb(Mg1/2W1/2)O3が20.0〜70.0モル
%、PbTiO3が30.0〜80.0モル%の範囲の組成物
に対し、MgO量を計算値の30%以下添加含有し
たことを特徴とする高誘電率磁器組成物が特開昭
55−144609号公報として開示されている。しかし
ながら、この特許においても誘電率が約2300〜
7100で誘電損失が0.3%〜2.1%という記載のほか
に誘電率の温度特性の記載はあるが、比抵抗ある
いは容量抵抗積に関する記載はなくこの組成物に
ついても実用性は明らかでない。次に本発明者達
は既に910℃〜950℃の温度で焼結でき、Pb
(Mg1/2W1/2)O3とPbTiO3系二成分からなり、
これを〔Pb(Mg1/2W1/2)O3〕x〔PbTiO3〕1-x
と表わしたときにxが0.65<x≦1.00の範囲にあ
る組成物を提案している。この組成物は、誘電率
と比抵抗の積が5.65×1015Ω・cm以上の高い値を
持ち、誘電損失の小さい優れた電気的特性を有し
ている。しかしながら、上記組成物は、いずれも
機械的強度が低いため、その用途は自ら狭い範囲
に限定せざるを得なかつた。 本発明は以上の点にかんがみ900〜1000℃の低
温領域で焼結でき、かつ誘電率と比抵抗の積が
5.65×1015Ω・cm(すなわち容量抵抗積が500μ
F・MΩ)以上の高い値を持ち、誘電損失が小さ
い優れた電気的特性を有し、更に機械的強度も大
きい磁器組成物を提供しようとするものであり、
マグネシウム・タングステン酸鉛〔Pb
(Mg1/2W1/2)O3〕とチタン酸鉛〔PbTiO3〕から
なる二成分組成物をPb〔Mg1/2W1/2)O3〕x
〔PbTiO3〕1-xと表わしたときにxが0.50≦x≦
1.00の範囲内にある主成分組成物に副成分とし
て、マンガン(Mn)を主成分に対して0.01〜1
原子%添加含有せしめることを特徴とするもので
ある。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 出発原料として純度99.9%以上の酸化鉛
(PbO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タング
ステン(WO3),酸化チタン(TiO2),および炭
酸マンガン(MnCO3)を使用し、表に示した配合
比となるように各々秤量する。次に秤量した各材
料をボールミル中で湿式混合した後750〜800℃で
予焼を行ない、この粉末をボールミルで粉砕し、
口別、乾燥後、有機バインダーを入れ整粒後プレ
スし、直径16mm,厚さ約2mmの円板4枚と、直径
16mm,厚さ約10mmの円柱を作製した。次に空気中
900〜1000℃の温度で1時間焼結した。焼結した
円板4枚の上下面に600℃で銀電極を焼付け、デ
ジタルLCRメーターで周波数1KHz,電圧1Vr.m.
s,温度20℃で容量と誘電損失を測定し、誘電率
を算出した。次に超絶縁抵抗計で50Vの電圧を1
分間印加して絶縁抵抗を温度20℃で測定し、比抵
抗を算出した。機械的性質を抗折強度で評価する
ため、焼結した円柱から厚さ0.5mm,幅2mm,長
さ約13mmの矩形板を10枚切り出した。支点間距離
を9mmにより、三点法で破壊荷重Pm〔Kg〕を測
定し、τ=3Pml/2wt2〔Kg/cm2〕なる式に従い
、抗折 強度τ〔Kg/cm2〕を求めた。ただしlは支点間距
離,tは試料の厚み,wは試料の幅である。電気
的特性は円板試料4点の平均値、抗折強度は矩形
板試料10点の平均値より求めた。このようにして
得られた磁器の主成分〔Pb(Mg1/2W1/2)
O3〕x〔PbTiO3〕1-xの配合比xおよび副成分添加
量と抗折強度、誘電率、誘電損失および容量抵抗
積(表ではε0ερと表示した)の関係を表に示
す。
で焼結でき、誘電率と比抵抗の積が高く、しかも
機械的強度の高い磁器組成物に関するものであ
る。 従来、誘電体磁器組成物として、チタン酸バリ
ウム(BaTiO3)を主成分とする磁器組成物が広く
実用化されていることは周知のとおりである。し
かしながら、チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成
分とするものは、焼結温度が通常1300〜1400℃の
高温である。このためこれを積層形コンデンサに
利用する場合には内部電極としてこの焼結温度に
耐え得る材料、例えば白金,パラジウムなどの高
温な貴金属を使用しなければならず、製造コスト
が高くつくという欠点がある。積層形コンデンサ
を安く作るためには銀,ニツケルなどを主成分と
する安価な金属が内部電極に使用できるようなで
きるだけ低温、特に1000℃以下で焼結できる磁器
組成物が必要である。 ところで磁器組成物を用い、実用的な積層形コ
ンデンサを作製するときに磁器組成物の電気的特
性として多くの項目が評価されなければならな
い。一般的に誘電率はできるだけ大きく、誘電損
失はできるだけ小さく、比抵抗はできるだけ大き
く、誘電率の温度変化は小さいことなどが要求さ
れる。 しかしながら、実用上積層形コンデンサにおい
ては誘電率でなく、まず容量、次に容量の温度変
化率、誘電損失などの値が必要とされる。積層形
コンデンサにおいて、容量は磁器組成物の誘電率
に比例するが、しかしその厚みに反比例し、電極
面積、積層数に比例するので、一定の容量を得る
ためには磁器組成物の誘電率が大きいことは必ず
しも絶対的な要因でない。さらに容量の温度変化
率(誘電率の温度変化率)は用途により種々許容
された範囲があり、磁器組成物の誘電率の温度変
化率も積層形コンデンサを作製するときの絶対的
な要因でない。 一方誘電損失は用途により一定の値以下でなけ
ればならないという規定があり室温で最大5.0%
以下である。さらに比抵抗に関しては、例えば
EIAJ規格〔日本電子機械工業会の電子機器用積
層磁器コンデンサ(チツプ形)RC−3698B〕に
述べられているごとく、積層コンデンサの絶縁抵
抗として10000MΩ以上または容量抵抗積で500μ
F・MΩ以上のいずれか小さい方以上と規定され
ている。すなわち磁器組成物の誘電率と比抵抗の
積がある絶対値以上なければ、任意の容量、特に
大きな容量のコンデンサを実用的規格に合せるこ
とができず、その用途が非常に限定され、実用的
な意味がなくなる。この点を詳しく説明すると次
の様になる。積層形コンデンサでは、n+1個の
内部電極を構成して一般にn個の同じ厚さの層か
らなる単一層コンデンサが積層された構造になつ
ている。この場合、単一層当りの容量をC0,絶
縁抵抗をR0とすれば、積層形コンデンサの容量
CはC0のn倍になり、絶縁抵抗RはR0の1/n
になる。ここで磁器組成物の誘電率をε、真空の
誘電率をε0、磁器組成物の比抵抗をρ、単一層
コンデンサの磁器の厚さをd、重なる電極面積を
Sとすれば、単一層コンデンサのC0は(ε0ε
S)/dとなりR0は(ρd)/Sとなる。従つ
てn層からなる積層コンデンサの容量(C)と絶
縁抵抗(R)の積C×Rは〔(ρd)/(nS)〕×
〔(nε0εS)/d〕=ε0ερとなる。すなわ
ち、どのような容量の積層コンデンサもその容
量・抵抗積(C×R)は、磁器組成物のεとρの
積にε0を乗じた一定値(ε0ερ)に規格化さ
れる。容量・抵抗積C×Rが500μF・MΩすな
わち500F・Ω以上ということは、ε0=8.855×
10-14F/cmより、C×R=ε0ερ=8.855×
10-14(F/cm)×ε×ρ≧500F・Ω.よつてερ
≧5.65×1015Ω・cmなる要求がある。例えばε=
10000ではρ≧5.65×1011Ω・cm,ε=3000では
ρ≧1.88×1012Ω・cm,ε=500ではρ≧1.13×
1013Ω・cmが要求される。誘電率に応じてこれら
の値以上のρを持つ磁器組成物であればどのよう
な大きな容量の積層コンデンサも容量・抵抗積は
500μF・MΩを満足する。もしεが3000でρが
要求値より1桁低い1.88×1011Ω・cmとすればε
0ερ=50μF・MΩで500μF・MΩは満足せ
ず、絶縁抵抗の規格値である10000MΩすなわ
ち、1010Ω以上を満足するには容量Cとして
0.005μF以下に限定されなければならない。そ
れはこの積層コンデンサの容量・抵抗積(C×
R)は常に50μF・MΩを示しているので、Rが
10000MΩのとき、Cは0.005μFとなり、Cがこ
れより大きければRは10000MΩより小さくな
り、0.005μFが規格を満たす最高の容量となる
ためである。従つて磁器組成物の比抵抗が低いと
その材料の実用性、特に積層形コンデンサの特長
である小型大容量の特長を生かすことはできない
し、全く意味のないことにもなる。よつて磁器組
成物の誘電率と比抵抗の積がある値以上を持つこ
とが実用上極めて重要なことである。 また、積層形チツプコンデンサの場合は、チツ
プコンデンサを基板に実装したとき、基板とチツ
プコンデンサを構成している磁器組成物との熱膨
張係数の違いにより、チツプコンデンサに機械的
な歪が加わり、チツプコンデンサにクラツクが発
生したり、破損したりすることがある。またエポ
キシ系樹脂等を外装したデイツプコンデンサの場
合も外装樹脂の応力でデイツプコンデンサにクラ
ツクが発生する場合がある。いずれの場合もコン
デンサを形成している磁器の機械的強度が低いほ
ど、クラツクが入りやすく容易に破損するため、
信頼性が低くなる。したがつて、磁器の機械的強
度をできるだけ増大させることは実用上極めて重
要なことである。 ところでPb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系磁
器組成物については既にエヌ.エヌ.クライニク
とエイ.アイ.アグラノフスカヤ〔N.N.Krainik
and A.I.Agranovskaya(Fiziko Tverdogo
Tela,Vo.2,No.1,pp70〜72,Janvara 1960)〕
より提案があつたが、積層形コンデンサを作製す
る際に評価されるべき特性の中で誘電率とその温
度特性記載しかなく、その実用性は明らかでなか
つた。また(SrxPb1-xTiO3)a
(PbMg0.5W0.5O3)b〔ただし、x=0〜0.10、
aは0.35〜0.5,bは0.5〜0.65であり、そしてa
+b=1〕について、モノリシツクコンデンサお
よびその製造方法として特開昭52−21662号公報
に開示され、また誘電体粉末組成物として特開昭
52−21699号公報に開示されている。ここにおい
ても組成物の特性として誘電率が約2000〜8000誘
電損失が0.5%〜5.0%という記載はあるが比抵抗
あるいは容量抵抗積については全く記載がなく実
用性は明らかであつた。さらにPb
(Mg1/2W1/2)O3とPbTiO3を主とする組成物で
あつて、Pb(Mg1/2W1/2)O3が20.0〜70.0モル
%、PbTiO3が30.0〜80.0モル%の範囲の組成物
に対し、MgO量を計算値の30%以下添加含有し
たことを特徴とする高誘電率磁器組成物が特開昭
55−144609号公報として開示されている。しかし
ながら、この特許においても誘電率が約2300〜
7100で誘電損失が0.3%〜2.1%という記載のほか
に誘電率の温度特性の記載はあるが、比抵抗ある
いは容量抵抗積に関する記載はなくこの組成物に
ついても実用性は明らかでない。次に本発明者達
は既に910℃〜950℃の温度で焼結でき、Pb
(Mg1/2W1/2)O3とPbTiO3系二成分からなり、
これを〔Pb(Mg1/2W1/2)O3〕x〔PbTiO3〕1-x
と表わしたときにxが0.65<x≦1.00の範囲にあ
る組成物を提案している。この組成物は、誘電率
と比抵抗の積が5.65×1015Ω・cm以上の高い値を
持ち、誘電損失の小さい優れた電気的特性を有し
ている。しかしながら、上記組成物は、いずれも
機械的強度が低いため、その用途は自ら狭い範囲
に限定せざるを得なかつた。 本発明は以上の点にかんがみ900〜1000℃の低
温領域で焼結でき、かつ誘電率と比抵抗の積が
5.65×1015Ω・cm(すなわち容量抵抗積が500μ
F・MΩ)以上の高い値を持ち、誘電損失が小さ
い優れた電気的特性を有し、更に機械的強度も大
きい磁器組成物を提供しようとするものであり、
マグネシウム・タングステン酸鉛〔Pb
(Mg1/2W1/2)O3〕とチタン酸鉛〔PbTiO3〕から
なる二成分組成物をPb〔Mg1/2W1/2)O3〕x
〔PbTiO3〕1-xと表わしたときにxが0.50≦x≦
1.00の範囲内にある主成分組成物に副成分とし
て、マンガン(Mn)を主成分に対して0.01〜1
原子%添加含有せしめることを特徴とするもので
ある。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 出発原料として純度99.9%以上の酸化鉛
(PbO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タング
ステン(WO3),酸化チタン(TiO2),および炭
酸マンガン(MnCO3)を使用し、表に示した配合
比となるように各々秤量する。次に秤量した各材
料をボールミル中で湿式混合した後750〜800℃で
予焼を行ない、この粉末をボールミルで粉砕し、
口別、乾燥後、有機バインダーを入れ整粒後プレ
スし、直径16mm,厚さ約2mmの円板4枚と、直径
16mm,厚さ約10mmの円柱を作製した。次に空気中
900〜1000℃の温度で1時間焼結した。焼結した
円板4枚の上下面に600℃で銀電極を焼付け、デ
ジタルLCRメーターで周波数1KHz,電圧1Vr.m.
s,温度20℃で容量と誘電損失を測定し、誘電率
を算出した。次に超絶縁抵抗計で50Vの電圧を1
分間印加して絶縁抵抗を温度20℃で測定し、比抵
抗を算出した。機械的性質を抗折強度で評価する
ため、焼結した円柱から厚さ0.5mm,幅2mm,長
さ約13mmの矩形板を10枚切り出した。支点間距離
を9mmにより、三点法で破壊荷重Pm〔Kg〕を測
定し、τ=3Pml/2wt2〔Kg/cm2〕なる式に従い
、抗折 強度τ〔Kg/cm2〕を求めた。ただしlは支点間距
離,tは試料の厚み,wは試料の幅である。電気
的特性は円板試料4点の平均値、抗折強度は矩形
板試料10点の平均値より求めた。このようにして
得られた磁器の主成分〔Pb(Mg1/2W1/2)
O3〕x〔PbTiO3〕1-xの配合比xおよび副成分添加
量と抗折強度、誘電率、誘電損失および容量抵抗
積(表ではε0ερと表示した)の関係を表に示
す。
【表】
【表】
表に示した結果からも明らかなように副成分と
して、マンガン(Mn)を添加含有せしめること
により、抗折強度および容量抵抗積を共に高め、
しかも低い誘電損失の値を保つた信頼性に富む優
れた高誘電率磁器組成物が得られることがわか
る。こうした優れた特性を示す本発明の磁器組成
物は焼結温度が1000℃以下の低温であるため積層
コンデンサの内部電極の低価格化を実現できると
共に、省エネルギーや炉材の節約にもなるという
極めて優れた効果も生じる。 なお主成分配合比xが0.5未満では、容量抵抗
積が規格値より小さくなり、誘電損失も5.0%を
越えるため実用的でない。また副成分であるマン
ガン(Mn)の添加量が0.01原子%未満では抗折
強度の改善効果が小さく、1原子%を超えると逆
に抗折強度が小さくなり実用的でない。
して、マンガン(Mn)を添加含有せしめること
により、抗折強度および容量抵抗積を共に高め、
しかも低い誘電損失の値を保つた信頼性に富む優
れた高誘電率磁器組成物が得られることがわか
る。こうした優れた特性を示す本発明の磁器組成
物は焼結温度が1000℃以下の低温であるため積層
コンデンサの内部電極の低価格化を実現できると
共に、省エネルギーや炉材の節約にもなるという
極めて優れた効果も生じる。 なお主成分配合比xが0.5未満では、容量抵抗
積が規格値より小さくなり、誘電損失も5.0%を
越えるため実用的でない。また副成分であるマン
ガン(Mn)の添加量が0.01原子%未満では抗折
強度の改善効果が小さく、1原子%を超えると逆
に抗折強度が小さくなり実用的でない。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 マグネシウム・タングステン酸鉛〔Pb
(Mg1/2W1/2)O3〕とチタン酸鉛〔PbTiO3〕から
なる二成分組成物を〔Pb(Mg1/2W1/2)O3〕x
〔PbTiO3〕1-xと表わしたときにxが0.50≦x≦
1.00の範囲内にある主成分組成物に副成分として
マンガン(Mn)を主成分に対して0.01〜1原子
%添加含有せしめることを特徴とする磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58127220A JPS6021858A (ja) | 1983-07-13 | 1983-07-13 | 磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58127220A JPS6021858A (ja) | 1983-07-13 | 1983-07-13 | 磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6021858A JPS6021858A (ja) | 1985-02-04 |
JPS6227024B2 true JPS6227024B2 (ja) | 1987-06-11 |
Family
ID=14954692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58127220A Granted JPS6021858A (ja) | 1983-07-13 | 1983-07-13 | 磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6021858A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2764128B2 (ja) * | 1988-02-22 | 1998-06-11 | 大日本印刷株式会社 | 凹凸模様を形成する方法及びその方法に使用する凹凸模様形成用シート |
-
1983
- 1983-07-13 JP JP58127220A patent/JPS6021858A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6021858A (ja) | 1985-02-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6227026B2 (ja) | ||
JPS6227025B2 (ja) | ||
JPS6234707B2 (ja) | ||
JPS6227024B2 (ja) | ||
JPS6227029B2 (ja) | ||
JPS6227028B2 (ja) | ||
JPS6234706B2 (ja) | ||
JPS6234708B2 (ja) | ||
JPH0143405B2 (ja) | ||
JPS6235990B2 (ja) | ||
JPS6256605B2 (ja) | ||
JPS6230151B2 (ja) | ||
EP0841310A1 (en) | Dielectric ceramic composition | |
JPH0457631B2 (ja) | ||
JPH0360788B2 (ja) | ||
JP3071452B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0247423B2 (ja) | ||
JPS6033255A (ja) | 磁器組成物 | |
JPS6021859A (ja) | 磁器組成物 | |
JPS6149268B2 (ja) | ||
JPS6033256A (ja) | 磁器組成物 | |
JPH0419646B2 (ja) | ||
JPS6236326B2 (ja) | ||
JPS6224382B2 (ja) | ||
JPS6224381B2 (ja) |