JPS6226884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は車輛用灯具に係り、特にコンビネーシ
ヨンランプ等において組込まれるシエードの取付
けをワンタツチで行え、組付作業を改善向上させ
るようにした車輛用灯具に関するものである。

〔従来技術〕

自動車の装着されるコンビネーシヨンランプ
は、クリアランスアンドパーキングランプ、ター
ンシグナルランプ、ブレーキランプ等の使用目的
の異なる各種ランプを内蔵するもので、そのため
各ランプ室間をシエードで遮光している。第１図
ａ，ｂ，ｃは従来のこの種のシエードの取付構造
の一例をそれぞれ示すもので、これを概略説明す
ると、同図ａにおいて１は各種バルブ２Ａ，２
Ｂ，２Ｃが共通に収納される第１レンズで、バル
ブ２Ａに対応する前面に開口３が設けられ、かつ
この開口３の周縁にはレンズ内方に向つて延在す
る嵌合壁４が一体に突設されている。５は前記開
口３に嵌合される第２レンズで、後端が開口する
筒状に形成され、その後端周縁には前記嵌合壁４
の先端面６に当接するフランジ７が一体に突設さ
れている。８は前記第２レンズ５内に嵌合される
シエードで、不透明材料によつて両端が開口する
筒状に形成され、その後端開口部には前記フラン
ジ７の背面に密接するフランジ９が一体に突設さ
れている。そして両フランジ７，９を超音波溶
着、接着剤等によつて一体的に接合したものであ
る。一方、同図ｂは第２レンズ５のフランジ７の
背面に突設された環状突起１０をシエード８のフ
ランジ９の前面に形成した環状溝１１に嵌入し、
かつ接着剤１２によつて固着したものである。ま
た、同図ｃは第２レンズ５の内側面に後方に向つ
て延在するねじ取付部１３を一体に突設しこのね
じ取付部１３の先端面にねじ込まれる止めねじ１
４によつてシエード８を固定したものである。

しかるに、同図ａに示した超音波溶着もしくは
接着剤による取付構造にあつては、別工程を必要
とし、特に超音波溶着する場合には設備が大がか
りとなり、製造コストが高くつくという不都合を
有している。同図ｂに示した接着剤による取付構
造も同様に別工程を必要とし、しかも振動，耐久
性に弱くシエード８が脱落しやすい。また、同図
ｃに示した取付構造はねじ１４の締付作業を必要
とするため、取付作業が面倒であり、しかもねじ
取付部１３によりランプ２Ａの取付けに制約を受
けたりレンズ表面に影ができるなどの不都合があ
る。

〔考案の概要〕

本考案は上述したような点に鑑みてなされたも
ので、シエードの外周面に設けた弾性係合片をレ
ンズの後端開口部に設けた係合片に係合させると
いう極めて簡単な構成により、ねじ等の取付部品
を一切必要とせずシエードをワンタツチで組付け
ることができ、組立作業性を向上させるようにし
た車輛用灯具を提供するものである。

〔実施例〕

以下、本考案と図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第２図は本考案に係る車輛用灯具の一実施例を
示す正面図、第３図は第２図−線断面図、第
４図は第３図−線断面図である。これらの図
において、車輛用灯具２０の前面全体を被う第１
レンズ２１は略箱形に形成されて背面側が開口
し、その周壁２２の先端部がボデイ２３に設けら
れた環状溝２５にガスケツト２６を介して挿入固
定されると共に上下一対の止めねじ２７ａ，２７
ｂにより前記ボデイ２３に固定され、内部上方に
はフロントターンシグナルランプ２８が、また内
部下方にはクリアランスアンドパーキングランプ
２９が前記ボデイ２３を貫通して挿入配置されて
いる。そして、前記ボデイ２３の高さ方向中間部
には前記第１レンズ２１の内部を上下２つの室、
すなわちターンシグナルランプ室３０とパーキン
グランプ室３１に区画する仕切壁３３が前方に向
つて突設され、その先端が前記第１レンズ２１の
内側面に近接もしくは当接している。そして、前
記第１レンズ２１の内側面上部にはインナーレン
ズ３４が配設されている。

一方、第１レンズ２１の下端部には前記クリア
ランスアンドパーキングランプ２９に対応して開
口３５が形成され、この開口３５の周縁にはレン
ズ後方に向う略方形の嵌合壁３６が一対に突設さ
れている。前記嵌合壁３６の内部には角筒状に形
成されて後端が開口する第２レンズ３７がレンズ
内方より嵌合され、その前面板３７ａにて前記第
１レンズ２１の開口３５を塞いでいる。前記第２
レンズ３７の嵌合壁３７ｂの先端には外側に張り
出すフランジ３８が全周に亘つて一体に突設さ
れ、その表面が前記第１レンズ２１の嵌合壁３６
の先端面に当接し、かつ超音波溶着によつて一体
的に接合されている。前記第２レンズ３７の内部
には前後端が開口する角筒状のシエード４０が嵌
合され、その前端が第２レンズ３７の前面板３７
ａの裏面に当接されている。一方、シエード４０
の後端部は第２レンズ３７の後方に突出され、そ
の後端が前記ボデイ２３の表面に設けられた嵌合
溝４３に圧入固定されている。この嵌合溝４３は
前記ボデイ２３に一体に突設された平行な２つの
環状突起４４_a，４４_bによつて形成される。前記
シエード４０の外周面下面側には第４図および第
５図に示すように前記第２レンズ３７のフランジ
部３８の後方にこれと平行に設けられて該フラン
ジ部３８より下方に延在する張出し部４５が一体
に設けられ、その下端に弾性係合片４６が設けら
れている。この弾性係合片４６は前方に向つて延
在し、その先端部上面には略楔形の係合爪４６_a
が一体に突設されている。一方、前記フランジ部
３８の前記弾性係合片４６に対応する箇所には前
記第１レンズ２１の嵌合壁３６より下方に延在す
る係合片４８が一体に突設され、この係合片４８
に前記弾性係合片４６を係合させることにより、
前記シエード４０が第２レンズ３７に対しても固
定される。この場合、前記張出し部４５および弾
性係合片４６の形状はこれに限らず種々の変更が
可能で、例えば第６図に示す形状のものであつて
もよい。

なお、前記第１レンズ２１の下端部は第３図に
示すように車体側方に廻り込み、かつその表面に
開口５０が形成されてサイドリフレクターレンズ
５１が取付けられている。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る車輛用灯具は、
第１レンズの開口部に嵌合固定される第２レンズ
とボデイとで前記第２レンズ内に嵌合されるシエ
ードを挾持保持する際、シエード外周面に設けた
弾性係合片を第２レンズの後端開口部に設けた係
合片に係合させるように構成したので、止めね
じ、接着剤等の取付部品を一切使用することなく
シエードを第２レンズに対してワンタツチで取付
けることができ、組立作業性の向上並びに製造コ
ストの低減を可能にする。また、第２レンズとシ
エードとの嵌合、および前記係合片と弾性係合片
との係合関係により、シエードが上下にずれたり
係合部を中心として後方に回動したりすることが
なく、シエードを安定かつ確実に固定でき、信頼
性を向上させるなど、その実用的効果は非常に大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは従来のシエードの取付構造
をそれぞれ示す断面図、要部拡大断面図および断
面図、第２図は本考案に係る車輛用灯具の一実施
例を示す正面図、第３図は第２図−線断面
図、第４図は第３図−線断面図、第５図は要
部拡大斜視図、第６図は本考案の他の実施例を示
す要部斜視図である。 ２１……第１レンズ、２３……ボデイ、３５…
…開口、３６……嵌合壁、３７……第２レンズ、
３８……フランジ部、４０……シエード、４６…
…弾性係合片、４８……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に開口部を有しかつこの開口部周縁に後方
   に向つて延在する嵌合壁が一体に設けられボデイ
   に固定された第１レンズと、この第１レンズの前
   記嵌合壁内に嵌合され後端開口部には前記嵌合壁
   よりレンズ内方に突出する係合片が一体に突設さ
   れた第２レンズと、この第２レンズの内側に嵌合
   されて後端部が該レンズの後端開口部より突出し
   て前記ボデイに固定されるシエードとを具備して
   なり、前記シエードの外周面に前記係合片と係合
   する弾性係合片を設けたことを特徴とする車輛用
   灯具。